上 下
7 / 76

第7話 俺は女運が凄く悪い。

しおりを挟む
東京で暮らし始めて随分な月日が流れた。

もう高校生か早いもんだ。

最近になり、俺は『女運』が異常に悪いことに気が付いた。

言葉使いは中学の時に僕と言っていたら、思いっきり笑われたので『俺』に変えた。

女運がそんなに悪いのかって?

ああっ恐ろしく悪い。

「あの理人くん! 友達からで良いんです…つ、つきあって下さい」

結構可愛い子だ。

「ごめんなさい…いい加減にして」

「そんな酷いよ…」

女の子は涙ぐむと走って行った。

酷いのはどっちだ。

どうせまたいたずらだ…泣いていたけど知るもんか。

「おおう、また理人女の子ふったのか? 泣いていたぞ!可哀そうに」

「和也…お前は中学からの付き合いだから知っているだろう?」

「今まで30人以上の女の子から告白された事か?」

確かに30人じゃきかないな、実際は48人だ。

「はぁ~とぼけんなよ…全部知っているくせに」

「ああっ、知っているさ…30人全員から3日間以内に振られているんだろう? お前、ホテルに連れ込もうとしたりキスを無理やりしようとしたんじゃないのか?」

そんな事はしていない。

今の俺はキスすらしてない。

まぁ童貞だ。

「あのなぁ、俺がそんな事してないのは知っているだろう? 親友」

「しないな」

俺は小学校の頃からやたら揶揄われている。

付き合ってというから付き合おうとすると、大体3日間以内にふられている。

原因は解らないが『怖い思いはしたくないから、ごめん』皆がそう言った。

これでも最初の頃は頑張っていたんだ。

女の子に嫌われないように、デートスポットを調べたり。

映画を奢ったりしていた。

それなのに…3日間もたないなんてなぁ…

最初の頃は1週間近くは付き合えたのに、今じゃ3日間。

酷いときは1日だった。

余りに酷いので、縁結びの神社に行ってみたら…その神社は翌日には火事で燃えてしまった。


神様ですらお手上げ…そういう事なのかな?

流石に酷いので僕はこの性格の悪い女の子の遊びに付き合うのを止めた。

だってそうだろう?

たちが悪すぎる…きっと俺が好きになった時に別れを切り出して、悲しむ姿を笑い者にしているに違いない。

だから…俺は『付き合うのを止めた』

最初に告白された時に断れば…傷つかないで済む。

どうせ、たちの悪い、女子の遊びなんだから…

何しろ『別れる理由を聞いても答えない』おまけに皆して真っ青な顔して俺を怖がる…酷すぎるよ。

それなのに、男は男で…

「お前、何様な訳? 女の子の気持ちを踏みにじるなよ」

「お前、最低だな」

「女の敵め!」

俺を責め立てる。

何だよこれ…

だから俺には友達は数人しかいない。

一人はさっき俺と話していた 木梨和也。

まぁ、俺が中学時代に振られ続けていたのを見ていたから、当たり前だよね。

それともう一人の友人は…

「あのね、貴方が振られるのは仕方ないの…それは貴方の中に、ごめんなさい…」

何故か俺に話し掛けてきては直ぐに逃げる『自称霊能力者』の宜保美瑠子(ぎぼ みるこ)ちゃん。

この二人が数少ない友人の二人だ。

あと1人いる事はいるが学校に来たり来なかったりだ。

体の調子が悪いらしく、お見舞いに行くと母親と一緒に喜んでくれる。

だけど、女の子を傷つけている、そういう評判のせいで俺は友達が少ない。

裏では『冷血王子』と陰口を言う人間も多くいる。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件

フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。 寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。 プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い? そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない! スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

貞操観念が逆転した世界で、冒険者の少年が犯されるだけのお話

みずがめ
恋愛
ノイッシュは冒険者として索敵、罠外し、荷物運び、鑑定などあらゆるサポートをしていた。だが彼がパーティーに求められることは他にもあったのであった……。男一人に美女二人パーティーの非道な日常のお話。 ※貞操観念逆転世界で気弱な男が肉食系の女に食べられちゃうお話です。逆レイプが苦手な方は引き返すなら今ですよ(注意書き)

【R18】ファンタジー陵辱エロゲ世界にTS転生してしまった狐娘の冒険譚

みやび
ファンタジー
エロゲの世界に転生してしまった狐娘ちゃんが犯されたり犯されたりする話。

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

処理中です...