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【アフターストーリー】ジャルジュ伯爵の最後

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ジャン=ジャルジュ(ジャルジュ伯爵です)



「あ~ジャン様、いやジャン、申し訳ないがとう商会は貴方達とは付き合えませんな」

俺はいま帝国迄来ている。

『ジャルジュ家は経済に強い』物流関係で富を築き、追放される前もその方面の仕事もしていた。

特に帝国の商人との間には太いパイプがあった筈だ。

確実に此処からなら再起を計れる筈だった。

現に今現在も『とある貴族』の屋敷に落ち付いている。

その際も受け入れの時歓迎された。

それがまるで手のひらを返したように冷たい。

「ジャン、悪いが此処を3日間のうちに出て行ってくれるか?」

「いきなり、それは無いだろう? 落ち着くまで居て良いと言ったでは無いか?」

「事情が変わったのだよジャン...それにお前嘘をついたでは無いか、お前こそが全ての元凶の癖に『娘に罪を擦り付ける』なんて事して恥ずかしく無いのかね」

俺は1枚の触書きを見せられた。

そこに件のオルゴールの件の罪は俺にあるとしっかりと書かれていた。

「何だ、これは嘘だ」

「ジャン...いい加減にした方が良いぞ...お前の娘のシャルロッテ嬢は罪を許され『爵位』を貰った、それに対してお前は国外追放のまま、誰が見たって娘が正しく、お前が間違っていた、そう思うだろう」

「そうか...だが此処を追い出されたら俺は行く宛がない」

「その前に帝国はもう無理だ、触書の事はこの国でも結構話題になっている『貴族になる事が難しい王国で(仮)とは言え爵位を女性が貰った』それが珍しいから帝王様までこの話は伝わっている...帝王様がな『娘に罪を着せた様な人間余は嫌いだ』そう言ったそうだ...他にいった方が良いぞ』

嘘だろう...この国は実力主義だ。

この国なら『お金を積む』『商売を成功させる』などして簡単に貴族になれる。

ある程度の実績を積んで『お金を払えば』貴族になれる。

だが、勿論貴族になるには『帝王への忠誠』を誓う為王に会う。

その帝王に嫌われたと言う事は『貴族になれない』


あの時、他の国外追放者たちは貴族への道を諦めた。

俺には流通ルートがあるから諦めなかった。


【これは俺の野望が終わった事になる】


王国にも帝国にも居られない。

勿論、他にも国はあるが、小さな国ばかりだ、恐らく王国や帝国に忖度するから『嫌われた俺は貴族になれない』

他に大きい国といえば『聖教国』があるが宗教国家なので『信仰が試される』 信仰心の無い俺が今から頑張ったって無理だ。


「今迄世話になった」

「すまないな」



【家族にて】





「貴方、私達はどうなるのですか?」

「父上、俺はどうしたら良い」

「もう終わりだ、俺とお前は離婚して、お前は絶縁だ...俺はお前達を愛している...だが俺の傍にいるだけでお前達は不幸になる」


「貴方...」

「父上」


「お金や手持ちの財産は全部やるよ、母子で一緒に暮らすなら暫くは困らないだろう、そのお金がある間に新しい生活に移りなさい」

妻は歳を食っているが綺麗で教養がある。

元貴族という響きは市民には高嶺の花という魅力がある。

特に帝国民は王国民の女を好むから...俺さえいなければ、困らないだろう。


「ジャルジュ家は解散だ...」

それだえ伝えるとジャンはふらふらと出て行ってしまった。

帝国を出たジャンは死の砂漠の方に歩いて行ったのを衛兵が見た。

それを最後にジャンを見た者は誰もいない。



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