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第二十三話 過去 私の欲しかった存在はお義母さま...かもしれない。
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「ちょっと待ってマリア」
「お義母さま、どうしたんです?」
これから、私は部屋に引き籠り、読書をしようと思っていたのに...
「あの、さっきはありがとう...その庇ってくれたのよね」
「確かにそれもありますが、前にお義母さまに『貴方は伯爵家で生まれてから育ち、実の母親から沢山の物を引き継いでいます、それに対して私は貧乏子爵家出身だからロゼには大した物を与えていません』って言われたじゃ無いですか? よく考えたらそれは正しいな、と思い出しましてね、だからこれからは、色々な物をロゼや、勿論お義母さまにも分けようとおもいました」
《確かにそうは言いましたが...それらの物の多くはマリアにとっては半分遺産であり、形見の品です、あの時の私は短絡的で目が曇っていました》
「本当にごめんなさい、私は貴方に酷い事ばかり言っていました...確かに貴方は沢山の貴重な物を持っています、ですが、それは貴方にとって形見であり、遺産だった、あの言葉は間違いだった、訂正させて頂きます...本当にごめんなさい」
本物の令嬢なら、ひにくを言ったり文句を言うんだろうな...
ですが、私は心の中は令嬢ではありません。
「別に謝らなくても良いですよ、確かによくよく考えれば、私は沢山の物を持っています、これらの品は私の物である反面、家の物でもあります、そう考えたらお渡ししても良いと思いました...ただ、私からは言いにくいのでお義母さまからロゼに、家宝を手にした者の義務を教えておいて下さい」
「義務?」
「はい、例えば今回の宝石箱ですが、常に磨かないとくすんでしまいます、宝石は目の細かい特殊な布で常に拭いて、金やプラチナの部分は偶に専用のクリームで磨かないとなりません...まぁ執事やメイドでも上位の物なら知っていますが...家宝ですから渡す訳にいきませんのでそれらの品は、ご自分で手入れをするのがマナーです」
「そういう物なのね?」
「はい、お父さまも良く執務室に置いてある竜の置物を磨いているでは無いですか? あれと同じです」
「言われて見ればそうですね」
「はい、お義母さまも、何か欲しい物があったら、おっしゃって下さいな、正式な手続きを得てお渡ししますわ」
正直言えば手入れが凄くめんどくさいのよね...
時計なんて、常にゼンマイをまかないといけないし、可笑しいと思ったら王都の職人に直させなくちゃいけない。
貴金属は磨かないといけないし。
余り価値を感じない私には、結構な苦行だわ。
「良いのですか?」
「はい、その代わり、お義母さまが結婚した時に持ち込まれました本を読ませて頂きますか?」
「恋愛小説ばかりで...その貴方にはまだ早い気もしますが、そんな物で良いなら構いませんよ」
そんな物...
私には、余程価値がありますよ。
スマホがもし無ければ、前世の私はきっと部屋中本だらけです。
前世の私は、DLした小説が3万冊スマホにやノートPCに入っていました。
この世界にも小説はあるのですが、発行部数が少なく貴重品です。
だから、小説が読みたければ、新作を本屋で高いお金で買うか、持っている人から借りなくてはいけません。
お義母さまは結構な読書家で、結構な本を持っていましたから楽しみです。
「私は社交界に行くよりも、本を読むほうが好きです、それに本を読むのにはもう一つ楽しみがあります」
「楽しみですか?」
「はい、同じ本を読んで、お互いの感想や意見を言い会う事です...私にはそういう知り合いが居ませんから...そういう相手にお義母さまになって欲しいのです」
《マリアの年齢で、本をこんなに読む子供は居ないわね...大体が親に言われて仕方なく本を読む人ばかりだわ》
「本を読んで感想や意見を言い合う...凄く楽しそうですね、実は私の友人関係は読書家は多いのよ...そうね一回一緒にいってみますか?」
「はい、お義母さま...大好き」
「マリア、はしたないですよ」
「ごめんなさい」
《偶に年上と話している錯覚を起こしますが、こういう所は本当に子供ですね、社交界好きのロゼと違って、この子は本当に読書が好きみたい...なんだか昔の自分に近いのかも知れません、最も、私の場合は綺麗な宝石やドレスを余り持っていなかったから、貴族の家なら何処にでもある本に走っただけですけど》
「良いのよ、そうねとりあえず3日後のお茶会に一緒に行ってみましょう」
「本当にありがとうございます、お義母さま」
私が欲しい者...その一つはお義母さまだったりする。
自分に意地の悪い義母に何故? そう思うかも知れない。
『市民落ちしても良い』その様にお義母さまに言ったこともあるけど...この家の爵位と括られた今はもう無理。
そう考えたら...嫌でもお義母さまとは、どちらかが死ぬまで一緒に居る事になる。
ロゼは、婚約相手がみつかれば嫁いでいくから、そんなに長い付き合いじゃない。
だから、義母さまとは仲良くしないと本当に不味いわ...なんて思いながら見ていたんだけど。
見れば見る程...いいなぁこの人。
だって、私と同じで本が好きだし、持っている本も前世で私が好きなジャンルの本ばかりだ。
前世の私は紙の本は余り持っていなかったが、お金を使い結構な小説を課金してDLしていた。
そしてよく、その内容について友人や掲示板で語り合っていた。
腐女子...まではいかないけど、多分その素養はあったと思う。
だけど...お茶会に行っても、ダンスパーティーに行っても、【居ない】。
何処にもライトノベルやアニメにでてくる、地味で本が好きな人物なんて居ない。
多分、まだ齢が若いからか、本よりも、宝石やドレスの話題ばかり。
『恋ばな』なんて...本当の貴族はしないんだとショックも受けたわ。
そりゃあ...婚約者が割と早い時期から決まるんだから無理だわ。
その分、小説のなかでは、現実では無理なせいか『恋愛』のジャンルは多い。
結局の所、貴族の子供のお茶会は、『子供の見栄の張り合い』にしか思えない。
イライザ様は他の子よりは大人だけど...他は子供が頑張って見栄を張る場所にしか見えない。
本当に気を使う...権力を持った子供相手に【接待】している様な物だわ。
本当の子供なら良いんだけど、私は前世の記憶があるせいか、つい処世術がでてしまい、気が休まらないの。
だ.か.ら...本を語りあえるような存在は義母のロザリーしか周りに居そうにないわ。
どうにか、仲良くなれそうな兆しが見えてきたわ。
これでお茶会のお義母さまの友達が【私の思っている様な人達」だったら...
うん、凄く素敵だわ。
「お義母さま、どうしたんです?」
これから、私は部屋に引き籠り、読書をしようと思っていたのに...
「あの、さっきはありがとう...その庇ってくれたのよね」
「確かにそれもありますが、前にお義母さまに『貴方は伯爵家で生まれてから育ち、実の母親から沢山の物を引き継いでいます、それに対して私は貧乏子爵家出身だからロゼには大した物を与えていません』って言われたじゃ無いですか? よく考えたらそれは正しいな、と思い出しましてね、だからこれからは、色々な物をロゼや、勿論お義母さまにも分けようとおもいました」
《確かにそうは言いましたが...それらの物の多くはマリアにとっては半分遺産であり、形見の品です、あの時の私は短絡的で目が曇っていました》
「本当にごめんなさい、私は貴方に酷い事ばかり言っていました...確かに貴方は沢山の貴重な物を持っています、ですが、それは貴方にとって形見であり、遺産だった、あの言葉は間違いだった、訂正させて頂きます...本当にごめんなさい」
本物の令嬢なら、ひにくを言ったり文句を言うんだろうな...
ですが、私は心の中は令嬢ではありません。
「別に謝らなくても良いですよ、確かによくよく考えれば、私は沢山の物を持っています、これらの品は私の物である反面、家の物でもあります、そう考えたらお渡ししても良いと思いました...ただ、私からは言いにくいのでお義母さまからロゼに、家宝を手にした者の義務を教えておいて下さい」
「義務?」
「はい、例えば今回の宝石箱ですが、常に磨かないとくすんでしまいます、宝石は目の細かい特殊な布で常に拭いて、金やプラチナの部分は偶に専用のクリームで磨かないとなりません...まぁ執事やメイドでも上位の物なら知っていますが...家宝ですから渡す訳にいきませんのでそれらの品は、ご自分で手入れをするのがマナーです」
「そういう物なのね?」
「はい、お父さまも良く執務室に置いてある竜の置物を磨いているでは無いですか? あれと同じです」
「言われて見ればそうですね」
「はい、お義母さまも、何か欲しい物があったら、おっしゃって下さいな、正式な手続きを得てお渡ししますわ」
正直言えば手入れが凄くめんどくさいのよね...
時計なんて、常にゼンマイをまかないといけないし、可笑しいと思ったら王都の職人に直させなくちゃいけない。
貴金属は磨かないといけないし。
余り価値を感じない私には、結構な苦行だわ。
「良いのですか?」
「はい、その代わり、お義母さまが結婚した時に持ち込まれました本を読ませて頂きますか?」
「恋愛小説ばかりで...その貴方にはまだ早い気もしますが、そんな物で良いなら構いませんよ」
そんな物...
私には、余程価値がありますよ。
スマホがもし無ければ、前世の私はきっと部屋中本だらけです。
前世の私は、DLした小説が3万冊スマホにやノートPCに入っていました。
この世界にも小説はあるのですが、発行部数が少なく貴重品です。
だから、小説が読みたければ、新作を本屋で高いお金で買うか、持っている人から借りなくてはいけません。
お義母さまは結構な読書家で、結構な本を持っていましたから楽しみです。
「私は社交界に行くよりも、本を読むほうが好きです、それに本を読むのにはもう一つ楽しみがあります」
「楽しみですか?」
「はい、同じ本を読んで、お互いの感想や意見を言い会う事です...私にはそういう知り合いが居ませんから...そういう相手にお義母さまになって欲しいのです」
《マリアの年齢で、本をこんなに読む子供は居ないわね...大体が親に言われて仕方なく本を読む人ばかりだわ》
「本を読んで感想や意見を言い合う...凄く楽しそうですね、実は私の友人関係は読書家は多いのよ...そうね一回一緒にいってみますか?」
「はい、お義母さま...大好き」
「マリア、はしたないですよ」
「ごめんなさい」
《偶に年上と話している錯覚を起こしますが、こういう所は本当に子供ですね、社交界好きのロゼと違って、この子は本当に読書が好きみたい...なんだか昔の自分に近いのかも知れません、最も、私の場合は綺麗な宝石やドレスを余り持っていなかったから、貴族の家なら何処にでもある本に走っただけですけど》
「良いのよ、そうねとりあえず3日後のお茶会に一緒に行ってみましょう」
「本当にありがとうございます、お義母さま」
私が欲しい者...その一つはお義母さまだったりする。
自分に意地の悪い義母に何故? そう思うかも知れない。
『市民落ちしても良い』その様にお義母さまに言ったこともあるけど...この家の爵位と括られた今はもう無理。
そう考えたら...嫌でもお義母さまとは、どちらかが死ぬまで一緒に居る事になる。
ロゼは、婚約相手がみつかれば嫁いでいくから、そんなに長い付き合いじゃない。
だから、義母さまとは仲良くしないと本当に不味いわ...なんて思いながら見ていたんだけど。
見れば見る程...いいなぁこの人。
だって、私と同じで本が好きだし、持っている本も前世で私が好きなジャンルの本ばかりだ。
前世の私は紙の本は余り持っていなかったが、お金を使い結構な小説を課金してDLしていた。
そしてよく、その内容について友人や掲示板で語り合っていた。
腐女子...まではいかないけど、多分その素養はあったと思う。
だけど...お茶会に行っても、ダンスパーティーに行っても、【居ない】。
何処にもライトノベルやアニメにでてくる、地味で本が好きな人物なんて居ない。
多分、まだ齢が若いからか、本よりも、宝石やドレスの話題ばかり。
『恋ばな』なんて...本当の貴族はしないんだとショックも受けたわ。
そりゃあ...婚約者が割と早い時期から決まるんだから無理だわ。
その分、小説のなかでは、現実では無理なせいか『恋愛』のジャンルは多い。
結局の所、貴族の子供のお茶会は、『子供の見栄の張り合い』にしか思えない。
イライザ様は他の子よりは大人だけど...他は子供が頑張って見栄を張る場所にしか見えない。
本当に気を使う...権力を持った子供相手に【接待】している様な物だわ。
本当の子供なら良いんだけど、私は前世の記憶があるせいか、つい処世術がでてしまい、気が休まらないの。
だ.か.ら...本を語りあえるような存在は義母のロザリーしか周りに居そうにないわ。
どうにか、仲良くなれそうな兆しが見えてきたわ。
これでお茶会のお義母さまの友達が【私の思っている様な人達」だったら...
うん、凄く素敵だわ。
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