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1* ただ数打って当たってんならWEBCなんて出来てない
しおりを挟む耳を執拗にねぶりながら、爛れた言葉を流し込む。
ときおり思い出したように、その涙を吸い上げる。
後ろから抱き込んで、小さな胸の先を両方ともつまんでころがす。
俺の腕の中に納まるその体は、俺にいじられるまま面白いようにはねている。
「ほら、言ってみ? 『気持ちいい、龍玖』だ。ひなた」
腕の中の存在はふるふると首を振った。俺は目を細め、更に胸の先をひっかく。
「あっ、ひっ、あっ、だ、だめ、っ、んっ、あっ」
「ダメじゃない。感じろ。もっとちんぽいじって。ナカの指も抜くなよ」
音が立つように耳をいじめると、大きくひなたは仰け反った。
唇にかぶりついて吐息ごと食らう。
ぎゅうぎゅうにひなた自身の指を締め付けながら果てているんだろうソコに、俺を突きたてない代わりに、ひなたの口内を思うさま荒らす。
じゅぶじゅぶとかき混ぜ抽送し、セックスしているみたいに。
「んっんあっ、んんっ、んあっあうっんんっっ」
ひなたは溺れてるみたいに喘いで、ビクンビクンと体が揺れている。自身のモノを握りこんでいるのが見える。
自分のソコから指が離れ、ならばと代わりに俺の指を突き立てた。
「あうっんんんんん~っっっ!」
舌を口腔の奥までねじ込み、ひなたの全てをのみ込む。
ひなたのソコは熱く柔くぬかるみ、俺の指を沈めていく。ふわふわなのにきゅうきゅうとキツく締め上げてくる。
早くここに俺のを埋めて、もっとひなたを鳴かせたい。ひなたと一緒にイキまくりたい。
手のひらというかもう手首と指で、外とナカからちんぽを挟むようにして、ひなたの悦いところを掴めた瞬間コリコリコリと揺さぶった。
「ひあああああっっっ!!」
ビクゥッと膝を曲げて開かれていた足が伸び切り、ひと際大きく仰け反られ唇が離れた。
「だめえっだめぇっ、イくっ、イくっ!!」
「イけよひなた。イけ!」
そして早く俺に堕ちてこい。
________ ___ __ _
春の日差しにうつらうつらとする。
教壇いっぱいに映し出された舞台には、数人の女が立ち、何度も聞かされてきた内容を繰り返していた。
同区のミドルスクール新入生が、市民ホールに集められて行われている講聴会のライブ中継だ。
『――精通、初潮を迎えてから、男女共に三〇歳まで献性義務があり――』
ジュニアスクールん時よりマシか。年一度の講聴会傍聴で済んでいるんだから。
『――2222年現在、妊娠率は上昇傾向にきたものの、未だ全体出生率は1をはるか割り込んで――』
講聴会と別に毎月、交流会という名のお見合いがあるが、俺は行った事がない。
男子が少ない現代、一発済ませてしまえば自分に余裕が持てるのか、更に女子が群がってきて手慣れてくるので、交流会など参加する意味がなくなるからだ。
ただ童貞は必ず参加だし、非童貞でも不参加理由が同時間帯中のセックスでしか認められない。
『――成人までに相手が見つからない場合、日本少子化対策本部からDNAに基づいた相手と――』
反対に男子の倍以上も多い女子は強制参加ではないが、顔繋ぎのために非処女でも毎回参加しているらしい。
一夫多妻制とは言え、一度も受胎した事のない女と結婚する奴はいない。結婚願望があるなら賢い選択だと思う。
『――世紀、女性の社会進出と、医療技術の進歩で安全な高齢出産の拡大、そして未曽有の――』
エレメンタリースクール入学からすぐ、毎月最低1回は保健の授業があり、情操教育・マナーから始まり、ジュニアスクールでは少子化の歴史や原因と考察、生殖の義務と権利――つまり成功報酬と、果ては効率的な方法や時期、生活環境から生活習慣まで様々な事をじっくりみっちり教育される。もう洗脳レベルだと思う。
『――しかし人類は気付かなかったのです――』
けれど仕方ないとも思う。
『――極些細な違和感としか、或いは個人差としか言えない脆弱さが、世代を重ねて取り返しが付かなくなるまで――』
人類総不妊化で人類は激減し、一時は滅亡の危機に瀕した。いくら技術が進歩しようとも抗えなかったその原因を、当時の人類はあらゆる仮説を立て、可能性を探り、研究を重ねて今に至る。
『――あなたたちのすべき事は、よく学び、よく遊んで健全な身体と心を育み、そして――』
若いうちにヤリまくれってことだ。
モニターをつけていないタブレット端末はひっきりなしに新着コールがポップアップし、折角のうたた寝をちかちかと邪魔してくる。
女共からの、抜けようのお誘いだ。
すでに春の陽気に微睡み始めていたのであまり気乗りがしないが、どうせ誘いがうるさくて寝れないなら、さっさとセックスしてベッドで寝た方がいいか。
俺はいい加減ポップアップが鬱陶しくなって、背面透過でモニターをつけた。覗き込み防止もオフ。
内容が教室中から丸見えだが、鬱陶しさをアピールする事が目的だ。
SIR(※性行為室)の空室状況をチェックし空いてる事を確認した後、JEBHQが提供するSNSの、俺のグループトークに『OK。但し一人。先に行ってる』と打ち込んだ。あとはいつも通りロトリーなりゲームなりで勝手に決めるだろう。
こっちでJEBHQ提供SNSアプリのカップリング機能を使って選ぶ方法もあるが、これは遺伝子の相性主体で決まるので同じ奴が選ばれやすい。
俺からは同じ女を2度呼ばないようにしているから使わない。
初めは使ってランキングと性交歴を表示させ、ランキング上から未性交者をソートし選んでいたが、すぐに上位陣に該当者がいなくなり意味がなくなったのだ。自分で選ぶのが面倒になったとも言う。
「センセー。SIR行きまーす」
担任教師に宣言してとっととドアに向かう。数少ない男子に、スティック状に戻したタブレット端末を振れば、サムズアップを返してきたり「俺も見繕って行くわ~」などと笑った。
「冠城くんね。わかりました。バイタルチェックシステムの確認を忘れないように」
「宇支窪ちゃん、誰にモノ申しちゃってんのぉ?」
「リュークンてばこの前クアドラ(※4回出生成功者称号)になったんだぜ?」
「先生、孕んだこともなさそう。まだ賞味期限あんの? あぁ消費期限だっけ?」
「なっ、マタハラですよ!」
男子からはヤジが飛び、女子からはクスクス笑いが漏れる。
「……ただの数打ちの結果じゃないか」
ボソリと聞こえた声に振り向けば、口にした本人こそマズイと青褪めてそいつは固まっていた。
昨今、ただ数打って当たってんなら世界少子化対策評議会なんて出来てない。
そんなこと分かってるのについ口に出てしまった感じか。
「ヒドイなぁ、香坂日向君。回数こなしてヒット確率上げるのは努力の証だろ。
君もシームに来ればいいじゃん。もしなら女子の都合つけてあげるけど?」
ドア側最後列に座っている香坂の後ろで足を止め、俺は声を掛けた。
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