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<フリーター探索編> ~ジーナはどこへ消えた?~
第七十五話:フリーター、地下洞窟に挑む
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黒檀の塔から地下洞窟に入る。
『ジーナ捜索隊』の先頭は土の精霊の戦士ドムドム。
見た目は残念なハニワだが、なかなかの強者。
右腕の巨大ハンマーが頼もしい。
二番手はエル姫。
お得意の神紙は切らしているが、所有する神器はジーナを探す助けとなる。
いまも、神器の『無限ランプ』とやらであたりを明るく照らしてくれている。
殿は俺とデボネア。
正確には、小さい身体のデボネアは俺の肩に乗っている。
風の精霊は地下空間は苦手らしいが、俺よりは戦力になるはず。
てか、俺っていつもメンバー最弱だな。はは。
洞窟内は、幅四、五メートル、高さ十メートルほどあり、緩やかに下っている。
特段、暑くも寒くもない。
「地下洞窟といっても普通のトンネルだな。足もともほとんど平らだ」
「む、領主リューキ殿。この辺りは坑道として整備されているようですからな。すぐに道は険しくなりましょうぞ。ご注意くだされ!」
土の精霊の戦士ドムドムが警鐘を鳴らす。
嫌なことでもあったのか? と問いたくなるような困り顔だが、言っていることは至極まともだ。
しばらく進むと、開けた場所に出る。
エル姫が無限ランプで空間を照らすと、キーキーと甲高い叫び声があがる。
コウモリかなにかだろうか。宙を舞う無数の小さな生き物が、いくつもの集団に分かれて、天井や壁にあいた隙間に逃げていく。
「道が分かれておる。ジーナはどっちに進んだのかのう」
困ったようにエル姫が言う。
目の前の空間は広く、黒檀の塔が縦にも横にもスッポリ入るくらいある。
洞窟の壁には大小いくつもの横穴があき、そのまま枝道になっている。
「む、大丈夫ですぞ。拙者に任せるでござる!」
土の精霊の戦士ドムドムが自信満々に言う。
地面を見つめながら、迷うことなく進む。
「ジーナが進んだ道が分かるのか?」
「無論! 新しい足跡が……小さな足跡がジーナ様の足跡で間違いござらぬ」
ドムドムがわざわざ言い直したので、思わず地面を見る。
積もった土埃を踏んだ小さな足跡がある。小柄なジーナのモノだろう。
同時に、ジーナの足跡の何倍も大きい裸足の足跡が目に留まる。
何者かは分からないが、素足の生き物は身体も大きそうだ。
「デカいのはなんだ? まさか魔物の足跡か?」
「洞窟トロルのようじゃが、そんな怪物がここにおるのか!? ジーナは危険はないと言うておったのに。嘘ではない、本当じゃ!!」
「別にエルを疑ってないよ。ジーナはエルに心配をかけたくなかったのか、ホントに危なくないと思ったのか分からないけど……先を急ごう」
ジーナの足跡は大きな横穴に続いている。
洞窟トロルのモノらしき足跡も同じ横穴に続いている。
嫌な感じだ。
ふたつの足跡を追う。
枝道はキツイ下り坂になったり、急傾斜の上り坂になったりしながら続く。
二時間ほど進んだところで小休止する。
途中、三度分岐があったが、その度にドムドムがジーナの足跡を見つけてくれた。残念だが、洞窟トロルも同じ道を進んでいた。
収納袋からミネラルウォーターのペットボトルを取り出す。
チョコやらクッキーやらと一緒にエル姫にも渡してやる。
正直、人間界にいたころの俺ならとっくの昔に息が切れていたはず。
だが、いまの俺はまったく疲れを感じない。
もちろん、ジーナの革のロングブーツのお陰だ。
マジでジーナは良いモノを贈ってくれたものだ。
「そういえば、ジーナが地下洞窟で探してる『大事なもの』の材料ってなんだ?」
「オリカルクムじゃ。リューキは知らぬだろうが……」
「オリカルクム? もしかしてオリハルコンのことか?」
「ほう、知っておるのか!? 確かにオリカルクムは精霊たちが使う古語。世間ではオリハルコンの名前で知られておる。というか、前々から思っておったが、リューキは妙なことに詳しいのう」
「まあね」
死んだ親父が売れないファンタジー作家だった。
子守唄代わりに、親父が書いた物語を聞いて育った。
いつまでもサンタさんの存在を信じる子どものように、結構な歳までドラゴンだの妖精だのがいると信じていた。
おかげで学校の友だちに散々からかわれた。
俺の黒歴史だ。
けど、親父が描いたようなファンタジックな異世界は本当にあったんだ。
なんだかなあ……
「ドムドム。土の精霊ならオリカルクムは当然知ってるよな?」
「無論! 希少性の高い鉱物ゆえ、手に入れるには相当地中深く潜らなければなりませんぞ!」
「まったく、なんでジーナはひとりで行っちゃったんだろうな」
思わずこぼす。
「リューキはん。あんさん、ジーナはんのこと本気で心配してるんやな」
「当たり前だ! よし、休憩はおしまい。行くぞ!」
洞窟内をさらに進むと、小さな横穴が見つかる。
屈みながら穴のなかを覗きこむと、奥行きは数メートルしかない。
穴の奥には壊れたスコップやツルハシが転がっている。
掘り出された土砂の小山のなかに、極彩色に輝く石の欠片が交ざっている。
なにかの鉱石を試掘した跡らしい。
「もしかしてジーナはこの近くにいるのかな?」
「む、領主リューキ殿。オリカルクムを採掘できるのはもっと深い場所ですぞ! 例えば地底溶岩湖があるような……」
「グモォオオオオオーーっ!!」と人外の雄たけびが響く。
ジーナの悲鳴ではない。
俺たちが進もうとする地底の方からドスドスと足音が駆けあがってくる。
エル姫が掲げた無限ランプの先に、身の丈五、六メートルはある半裸の巨人の姿が見えた。
「洞窟トロルじゃ! 本当に出たのじゃ!」
エル姫が叫ぶ。
「拙者にまかせるでごわす!」
なぜか薩摩訛っぽくドムドムが声をあげる。
筋骨隆々の洞窟トロルに向かって、土の精霊ドムドムが怯むことなく立ち向かっていった。
『ジーナ捜索隊』の先頭は土の精霊の戦士ドムドム。
見た目は残念なハニワだが、なかなかの強者。
右腕の巨大ハンマーが頼もしい。
二番手はエル姫。
お得意の神紙は切らしているが、所有する神器はジーナを探す助けとなる。
いまも、神器の『無限ランプ』とやらであたりを明るく照らしてくれている。
殿は俺とデボネア。
正確には、小さい身体のデボネアは俺の肩に乗っている。
風の精霊は地下空間は苦手らしいが、俺よりは戦力になるはず。
てか、俺っていつもメンバー最弱だな。はは。
洞窟内は、幅四、五メートル、高さ十メートルほどあり、緩やかに下っている。
特段、暑くも寒くもない。
「地下洞窟といっても普通のトンネルだな。足もともほとんど平らだ」
「む、領主リューキ殿。この辺りは坑道として整備されているようですからな。すぐに道は険しくなりましょうぞ。ご注意くだされ!」
土の精霊の戦士ドムドムが警鐘を鳴らす。
嫌なことでもあったのか? と問いたくなるような困り顔だが、言っていることは至極まともだ。
しばらく進むと、開けた場所に出る。
エル姫が無限ランプで空間を照らすと、キーキーと甲高い叫び声があがる。
コウモリかなにかだろうか。宙を舞う無数の小さな生き物が、いくつもの集団に分かれて、天井や壁にあいた隙間に逃げていく。
「道が分かれておる。ジーナはどっちに進んだのかのう」
困ったようにエル姫が言う。
目の前の空間は広く、黒檀の塔が縦にも横にもスッポリ入るくらいある。
洞窟の壁には大小いくつもの横穴があき、そのまま枝道になっている。
「む、大丈夫ですぞ。拙者に任せるでござる!」
土の精霊の戦士ドムドムが自信満々に言う。
地面を見つめながら、迷うことなく進む。
「ジーナが進んだ道が分かるのか?」
「無論! 新しい足跡が……小さな足跡がジーナ様の足跡で間違いござらぬ」
ドムドムがわざわざ言い直したので、思わず地面を見る。
積もった土埃を踏んだ小さな足跡がある。小柄なジーナのモノだろう。
同時に、ジーナの足跡の何倍も大きい裸足の足跡が目に留まる。
何者かは分からないが、素足の生き物は身体も大きそうだ。
「デカいのはなんだ? まさか魔物の足跡か?」
「洞窟トロルのようじゃが、そんな怪物がここにおるのか!? ジーナは危険はないと言うておったのに。嘘ではない、本当じゃ!!」
「別にエルを疑ってないよ。ジーナはエルに心配をかけたくなかったのか、ホントに危なくないと思ったのか分からないけど……先を急ごう」
ジーナの足跡は大きな横穴に続いている。
洞窟トロルのモノらしき足跡も同じ横穴に続いている。
嫌な感じだ。
ふたつの足跡を追う。
枝道はキツイ下り坂になったり、急傾斜の上り坂になったりしながら続く。
二時間ほど進んだところで小休止する。
途中、三度分岐があったが、その度にドムドムがジーナの足跡を見つけてくれた。残念だが、洞窟トロルも同じ道を進んでいた。
収納袋からミネラルウォーターのペットボトルを取り出す。
チョコやらクッキーやらと一緒にエル姫にも渡してやる。
正直、人間界にいたころの俺ならとっくの昔に息が切れていたはず。
だが、いまの俺はまったく疲れを感じない。
もちろん、ジーナの革のロングブーツのお陰だ。
マジでジーナは良いモノを贈ってくれたものだ。
「そういえば、ジーナが地下洞窟で探してる『大事なもの』の材料ってなんだ?」
「オリカルクムじゃ。リューキは知らぬだろうが……」
「オリカルクム? もしかしてオリハルコンのことか?」
「ほう、知っておるのか!? 確かにオリカルクムは精霊たちが使う古語。世間ではオリハルコンの名前で知られておる。というか、前々から思っておったが、リューキは妙なことに詳しいのう」
「まあね」
死んだ親父が売れないファンタジー作家だった。
子守唄代わりに、親父が書いた物語を聞いて育った。
いつまでもサンタさんの存在を信じる子どものように、結構な歳までドラゴンだの妖精だのがいると信じていた。
おかげで学校の友だちに散々からかわれた。
俺の黒歴史だ。
けど、親父が描いたようなファンタジックな異世界は本当にあったんだ。
なんだかなあ……
「ドムドム。土の精霊ならオリカルクムは当然知ってるよな?」
「無論! 希少性の高い鉱物ゆえ、手に入れるには相当地中深く潜らなければなりませんぞ!」
「まったく、なんでジーナはひとりで行っちゃったんだろうな」
思わずこぼす。
「リューキはん。あんさん、ジーナはんのこと本気で心配してるんやな」
「当たり前だ! よし、休憩はおしまい。行くぞ!」
洞窟内をさらに進むと、小さな横穴が見つかる。
屈みながら穴のなかを覗きこむと、奥行きは数メートルしかない。
穴の奥には壊れたスコップやツルハシが転がっている。
掘り出された土砂の小山のなかに、極彩色に輝く石の欠片が交ざっている。
なにかの鉱石を試掘した跡らしい。
「もしかしてジーナはこの近くにいるのかな?」
「む、領主リューキ殿。オリカルクムを採掘できるのはもっと深い場所ですぞ! 例えば地底溶岩湖があるような……」
「グモォオオオオオーーっ!!」と人外の雄たけびが響く。
ジーナの悲鳴ではない。
俺たちが進もうとする地底の方からドスドスと足音が駆けあがってくる。
エル姫が掲げた無限ランプの先に、身の丈五、六メートルはある半裸の巨人の姿が見えた。
「洞窟トロルじゃ! 本当に出たのじゃ!」
エル姫が叫ぶ。
「拙者にまかせるでごわす!」
なぜか薩摩訛っぽくドムドムが声をあげる。
筋骨隆々の洞窟トロルに向かって、土の精霊ドムドムが怯むことなく立ち向かっていった。
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