72 / 90
<フリーター探索編> ~ジーナはどこへ消えた?~
第六十八話:フリーター、ドキドキする
しおりを挟む
姐さんヴァスケルを居室に残し、俺はワーグナー城の大広間に戻る。
帝国財務局の役人との面会には、エル姫とグスタフ隊長にも同席してもらう。
結局、ジーナは姿を見せなかった。
まったく、アイツは自由すぎるヤツだな!
役人はゾルゲという名前のヒト族の老人。
歩くのも難儀そうな肥満体。
他人を小ばかにするような目つきから尊大な印象を受ける。
実際、ゾルゲは横柄な男で、随行するふたりの下僕も同類のようだ。
俺がワーグナーの新しい領主だと名乗っても、ゾルゲは碌に挨拶すら返さない。
別にペコペコして欲しいわけではないが、俺はいちおう領主。
エル姫やグスタフ隊長のみならず、警護のオーク兵も周りにいる。
客人とはいえ、もう少し丁寧に応対してくれても良いと思う。
「おぬしがワーグナーの新しい領主か? 凡庸な顔つきだな。身体の造りも貧弱そのもの。およそ領主らしく見えぬな」
「……用件は金貨の件だと思ってましたが、俺を値踏みしに来たんですか?」
「なに!? ふざけたことを申すな!」
ゾルゲが顔を真っ赤にさせながら憤る。
ネチネチと言われたことをそのまんま返しただけなのに理不尽極まりない。
言い返した俺も大人気ないけどね。
「まあ良いわ。おぬしの言うとおり、ワシが知りたいのは2929417-213の金貨の在り処だ。ひと月前に金貨保護の魔導信号が途絶えた。新米の領主といえど、おぬしも知っているであろう? 帝国通貨の金貨を無断で破損したら死罪になることを」
ゾルゲがサディスティックな笑みを浮かべる。
うん、絶対に仲良くなれない相手だな。
「なにかの間違いじゃないですか?」
「とぼけるつもりか? だったら2929417-213の金貨を見せてみろ!」
「仕方ないですね。おーい、守護龍ヴァスケル! 帝国財務局のゾルゲさんに金貨を取ってもらえ」
「な!? 龍だと?」
俺の合図を皮切りに、ズズっ、ズズズっと重いモノが引きずられる音が大広間に響きはじめる。
ゾルゲたちの背後。
大広間の入り口付近から、巨大な龍がゆっくりと近づいてくる。
迫り来る脅威に恐れをなしたのか、ゾルゲは「うひいっ」と悲鳴をあげる。
ただし、それ以上は声が続かない。
「ヴァスケル! ゾルゲさんは金貨をご所望だ。鱗の隙間にはさまった金貨を取ってもらうといい」
「ワ、ワシ、ワシは、その……」
おろおろするゾルゲの目の前に守護龍ヴァスケルが身体を横たえる。
古龍を間近で見た老人は身動きできない。
「どうしました? 背中の鱗の隙間に金貨が引っかかっているのが見えますよね? さあ、ご自分で金貨を拾って確認してください」
「いや、その、まさか龍が出てくるなんて……」
大蛇に睨まれたウシ蛙のようにゾルゲは動かない。
ふたりの下僕も主人を助けようとしない。
ふむ、それではシモベ失格だな!
やれやれ仕方ないなって感じで、俺はヴァスケルの背中によじ登る。
鱗の隙間に手を突っ込み、金貨を拾い上げようとする。
俺が指を動かすたび、守護龍ヴァスケルの巨体がビクッビクッと震える。
たぶんくすぐったいのだろう。
帝国財務局の役人ゾルゲは、ヴァスケルの巨体が揺れるたびに「フヒッフヒッ」と情けない声をあげる。
間違いなくビビっているのだろう。
「はい、お探しの金貨です。どうぞ好きなだけ調べてください」
気を取り直したゾルゲが、奪い取るよう金貨をつかむ。
帝国財務局の老役人はルーペを取り出し、金貨をじっくりと観察する。
十分後、ゾルゲは残念そうな顔をして金貨を返してきた。
「……間違いない。2929417-213の金貨だ」
「もうよろしいですか? 他に用がなければ、俺たちはヤルことがあるのでお引き取りを……」
「くっ、いい気になるなよ! 反逆領主のワーグナーめ! 今回は生命拾いしたようだが、賠償金の支払いが滞れば、おぬしらなんぞは……」
守護龍ヴァスケルの逞しい腕がにゅっと伸びる。
ゾルゲの肥満体をつかみ、怒りに燃える目の高さまで持ち上げる。
憎まれ口を叩いていたゾルゲは言葉にならない悲鳴をあげる。
「あひぇー、あひぃいえーーー!」
「ヴァスケル! ゾルゲさんを運んでくれるのかい? けど、どうやら自分の足で歩いて帰りたいみたいだよ……また別のお役人様に来られても迷惑だ。このまま帰してやれ」
守護龍ヴァスケルは数瞬だけ逡巡する様子を見せだが、結局、老役人ゾルゲを床に下ろした。
ゾルゲたち三人の客人は転がるようにして大広間から出ていく。
別れの挨拶はない。
最初から最後まで礼儀がなっていない爺さんたちだった。
てか、動きは鈍臭かったけど逃げ足だけは速いな。
守護龍ヴァスケルの身体が白光する。
擬人化した堕天使モードの姐さんヴァスケルが姿を見せる。
艶っぽい格好の姐さんは、モジモジしながらバツが悪そうな顔をする。
「リューキ、ごめんよー。あたい、ついカッとなっちゃってさ」
「気にするな。ゾルゲの態度には俺もハラが立ってたから、むしろスッキリしたよ。ありがとうと言いたいくらいさ。それに、ローンさえキチンと払い続ければ帝国財務局だってそう無茶は言わないだろう。大丈夫だよ」
城のローンの支払先は帝国財務局。
つまりワーグナー城の抵当権はプロイゼン帝国皇帝が所有している。
ジーナ・ワーグナーの父、ギルガルド・ワーグナー公爵は皇帝の跡目争いに敗れたマクシミリアン皇嗣の後見人だった。
ギルガルド卿は、マクシミリアンの弟カールハインツが仕掛けた皇位簒奪の戦で生命を落とした。
戦後、ワーグナー家は領土の大半を召し上げられた。
莫大な賠償金も課せられた。
その支払期間、百十余年。
唯一残ったワーグナー城も賠償金の支払が滞れば取り上げられてしまう協定を締結させられた。
以来、百年余り。
ワーグナー家の当主としてジーナは賠償金を払い続けた。
賠償金の支払期間は残り十年。
いまでは俺がワーグナー城の所有者だ。
「……重圧に耐えられなくなったジーナが城の所有権を手放したのには驚いたけどさ、新しい領主がリューキで良かったよ。あたい、ホンキでそう思ってるのさ」
「俺も最初はどうなるかと思ったけどな……てか、もし俺以外の人間界のヤツが領主になってたら、いまごろワーグナーはどうなってただろうな?」
「はあ!? リューキ以外のヤツが領主としてヤッていけたと思うかい? ムリに決まってるだろ! そんなヤツはさっさとおっ死んで、ジーナが領主に返り咲いてたさ!」
実にあっけらかんとした発言。
てか、俺だって何度おっ死にかけたことか……
やはり人間界と魔界では常識の境界線が異なるようだ。
「ま、いいか。タラレバの話なんかしても仕方ない。じゃあ、みんなに土産をあげるよ。エルが希望した書物類は重いから黒檀の塔で渡すとして、ジーナのスイーツは……」
「ジーナは神器の書物に夢中なのじゃ! 土産は黒檀の塔で渡せば良いのじゃ!」
「じゃあそうするよ」
「わかったのじゃ! ジーナに伝えに行ってくるのじゃ!」
俺の返事を待たずにエル姫が大広間を出ていく。
妙に慌ただしい気がするが、まあいいや。
「グスタフ隊長にはこれだ。コンビーフの缶詰だ。先月渡したとき気に入ったみたいだから箱ごと渡すよ。ひとり占めしないで部下にも分けてやってくれよな」
「コンビーフ!? また会えるとは! おお、神よ! 感謝いたします! 生きててよかった……」
グスタフ隊長が生き別れた家族と再会したかのように段ボール箱を抱きしめる。
その目には光るモノがあった。涙だ。
口の端にも光るモノがあった。ヨダレだ。
いやまあ……グスタフ隊長は感動屋さんの食いしん坊ってことでいいか。
「リューキ。ちょっといいかい? いまのうちにヤッておきたいことがあるんだよね……」
姐さんヴァスケルが声をかけてくる。
ちょっと潤んだ熱っぽい視線に、俺はクラっときてしまう。
……むむむっ、そんな目で見つめられちゃうと照れるな。震えちゃうぞハート、燃え尽きちゃうほどヒート。ん? どこかで聞いたようなフレーズだな。えろうすんません。はい、大好きなんです。うりぃいいい。ネタはイイとして。ヴァスケルは俺とふたりきりでナニをするというのだ? ナニってアレか? アレなのか? ついにその時が来たのか? その時、歴史が動いちゃうのか? おっと、またネタになっちゃったね。ほんとうにスンマセン。さすがにこの辺りにしておこう。おこられちゃうからね。ねえ、先にシャワーを浴びていい? 俺の居室には浴室もあるからさ。湯船なんかは俺ひとりで入るには大きすぎるくらいさ。なんなら一緒にどうだ? いや、まだちょっと早いか。いやいやでもでも……
「じゃあ、あんたの部屋に行こうじゃないか!」
姐さんヴァスケルが優しく言う。
まるで俺の妄想劇場をのぞいていたかのような流れだ。
俺はヴァスケルに手を引かれて居室に向かう。
なんというか……イイ年して、俺はドキドキしてしまった。はは。
帝国財務局の役人との面会には、エル姫とグスタフ隊長にも同席してもらう。
結局、ジーナは姿を見せなかった。
まったく、アイツは自由すぎるヤツだな!
役人はゾルゲという名前のヒト族の老人。
歩くのも難儀そうな肥満体。
他人を小ばかにするような目つきから尊大な印象を受ける。
実際、ゾルゲは横柄な男で、随行するふたりの下僕も同類のようだ。
俺がワーグナーの新しい領主だと名乗っても、ゾルゲは碌に挨拶すら返さない。
別にペコペコして欲しいわけではないが、俺はいちおう領主。
エル姫やグスタフ隊長のみならず、警護のオーク兵も周りにいる。
客人とはいえ、もう少し丁寧に応対してくれても良いと思う。
「おぬしがワーグナーの新しい領主か? 凡庸な顔つきだな。身体の造りも貧弱そのもの。およそ領主らしく見えぬな」
「……用件は金貨の件だと思ってましたが、俺を値踏みしに来たんですか?」
「なに!? ふざけたことを申すな!」
ゾルゲが顔を真っ赤にさせながら憤る。
ネチネチと言われたことをそのまんま返しただけなのに理不尽極まりない。
言い返した俺も大人気ないけどね。
「まあ良いわ。おぬしの言うとおり、ワシが知りたいのは2929417-213の金貨の在り処だ。ひと月前に金貨保護の魔導信号が途絶えた。新米の領主といえど、おぬしも知っているであろう? 帝国通貨の金貨を無断で破損したら死罪になることを」
ゾルゲがサディスティックな笑みを浮かべる。
うん、絶対に仲良くなれない相手だな。
「なにかの間違いじゃないですか?」
「とぼけるつもりか? だったら2929417-213の金貨を見せてみろ!」
「仕方ないですね。おーい、守護龍ヴァスケル! 帝国財務局のゾルゲさんに金貨を取ってもらえ」
「な!? 龍だと?」
俺の合図を皮切りに、ズズっ、ズズズっと重いモノが引きずられる音が大広間に響きはじめる。
ゾルゲたちの背後。
大広間の入り口付近から、巨大な龍がゆっくりと近づいてくる。
迫り来る脅威に恐れをなしたのか、ゾルゲは「うひいっ」と悲鳴をあげる。
ただし、それ以上は声が続かない。
「ヴァスケル! ゾルゲさんは金貨をご所望だ。鱗の隙間にはさまった金貨を取ってもらうといい」
「ワ、ワシ、ワシは、その……」
おろおろするゾルゲの目の前に守護龍ヴァスケルが身体を横たえる。
古龍を間近で見た老人は身動きできない。
「どうしました? 背中の鱗の隙間に金貨が引っかかっているのが見えますよね? さあ、ご自分で金貨を拾って確認してください」
「いや、その、まさか龍が出てくるなんて……」
大蛇に睨まれたウシ蛙のようにゾルゲは動かない。
ふたりの下僕も主人を助けようとしない。
ふむ、それではシモベ失格だな!
やれやれ仕方ないなって感じで、俺はヴァスケルの背中によじ登る。
鱗の隙間に手を突っ込み、金貨を拾い上げようとする。
俺が指を動かすたび、守護龍ヴァスケルの巨体がビクッビクッと震える。
たぶんくすぐったいのだろう。
帝国財務局の役人ゾルゲは、ヴァスケルの巨体が揺れるたびに「フヒッフヒッ」と情けない声をあげる。
間違いなくビビっているのだろう。
「はい、お探しの金貨です。どうぞ好きなだけ調べてください」
気を取り直したゾルゲが、奪い取るよう金貨をつかむ。
帝国財務局の老役人はルーペを取り出し、金貨をじっくりと観察する。
十分後、ゾルゲは残念そうな顔をして金貨を返してきた。
「……間違いない。2929417-213の金貨だ」
「もうよろしいですか? 他に用がなければ、俺たちはヤルことがあるのでお引き取りを……」
「くっ、いい気になるなよ! 反逆領主のワーグナーめ! 今回は生命拾いしたようだが、賠償金の支払いが滞れば、おぬしらなんぞは……」
守護龍ヴァスケルの逞しい腕がにゅっと伸びる。
ゾルゲの肥満体をつかみ、怒りに燃える目の高さまで持ち上げる。
憎まれ口を叩いていたゾルゲは言葉にならない悲鳴をあげる。
「あひぇー、あひぃいえーーー!」
「ヴァスケル! ゾルゲさんを運んでくれるのかい? けど、どうやら自分の足で歩いて帰りたいみたいだよ……また別のお役人様に来られても迷惑だ。このまま帰してやれ」
守護龍ヴァスケルは数瞬だけ逡巡する様子を見せだが、結局、老役人ゾルゲを床に下ろした。
ゾルゲたち三人の客人は転がるようにして大広間から出ていく。
別れの挨拶はない。
最初から最後まで礼儀がなっていない爺さんたちだった。
てか、動きは鈍臭かったけど逃げ足だけは速いな。
守護龍ヴァスケルの身体が白光する。
擬人化した堕天使モードの姐さんヴァスケルが姿を見せる。
艶っぽい格好の姐さんは、モジモジしながらバツが悪そうな顔をする。
「リューキ、ごめんよー。あたい、ついカッとなっちゃってさ」
「気にするな。ゾルゲの態度には俺もハラが立ってたから、むしろスッキリしたよ。ありがとうと言いたいくらいさ。それに、ローンさえキチンと払い続ければ帝国財務局だってそう無茶は言わないだろう。大丈夫だよ」
城のローンの支払先は帝国財務局。
つまりワーグナー城の抵当権はプロイゼン帝国皇帝が所有している。
ジーナ・ワーグナーの父、ギルガルド・ワーグナー公爵は皇帝の跡目争いに敗れたマクシミリアン皇嗣の後見人だった。
ギルガルド卿は、マクシミリアンの弟カールハインツが仕掛けた皇位簒奪の戦で生命を落とした。
戦後、ワーグナー家は領土の大半を召し上げられた。
莫大な賠償金も課せられた。
その支払期間、百十余年。
唯一残ったワーグナー城も賠償金の支払が滞れば取り上げられてしまう協定を締結させられた。
以来、百年余り。
ワーグナー家の当主としてジーナは賠償金を払い続けた。
賠償金の支払期間は残り十年。
いまでは俺がワーグナー城の所有者だ。
「……重圧に耐えられなくなったジーナが城の所有権を手放したのには驚いたけどさ、新しい領主がリューキで良かったよ。あたい、ホンキでそう思ってるのさ」
「俺も最初はどうなるかと思ったけどな……てか、もし俺以外の人間界のヤツが領主になってたら、いまごろワーグナーはどうなってただろうな?」
「はあ!? リューキ以外のヤツが領主としてヤッていけたと思うかい? ムリに決まってるだろ! そんなヤツはさっさとおっ死んで、ジーナが領主に返り咲いてたさ!」
実にあっけらかんとした発言。
てか、俺だって何度おっ死にかけたことか……
やはり人間界と魔界では常識の境界線が異なるようだ。
「ま、いいか。タラレバの話なんかしても仕方ない。じゃあ、みんなに土産をあげるよ。エルが希望した書物類は重いから黒檀の塔で渡すとして、ジーナのスイーツは……」
「ジーナは神器の書物に夢中なのじゃ! 土産は黒檀の塔で渡せば良いのじゃ!」
「じゃあそうするよ」
「わかったのじゃ! ジーナに伝えに行ってくるのじゃ!」
俺の返事を待たずにエル姫が大広間を出ていく。
妙に慌ただしい気がするが、まあいいや。
「グスタフ隊長にはこれだ。コンビーフの缶詰だ。先月渡したとき気に入ったみたいだから箱ごと渡すよ。ひとり占めしないで部下にも分けてやってくれよな」
「コンビーフ!? また会えるとは! おお、神よ! 感謝いたします! 生きててよかった……」
グスタフ隊長が生き別れた家族と再会したかのように段ボール箱を抱きしめる。
その目には光るモノがあった。涙だ。
口の端にも光るモノがあった。ヨダレだ。
いやまあ……グスタフ隊長は感動屋さんの食いしん坊ってことでいいか。
「リューキ。ちょっといいかい? いまのうちにヤッておきたいことがあるんだよね……」
姐さんヴァスケルが声をかけてくる。
ちょっと潤んだ熱っぽい視線に、俺はクラっときてしまう。
……むむむっ、そんな目で見つめられちゃうと照れるな。震えちゃうぞハート、燃え尽きちゃうほどヒート。ん? どこかで聞いたようなフレーズだな。えろうすんません。はい、大好きなんです。うりぃいいい。ネタはイイとして。ヴァスケルは俺とふたりきりでナニをするというのだ? ナニってアレか? アレなのか? ついにその時が来たのか? その時、歴史が動いちゃうのか? おっと、またネタになっちゃったね。ほんとうにスンマセン。さすがにこの辺りにしておこう。おこられちゃうからね。ねえ、先にシャワーを浴びていい? 俺の居室には浴室もあるからさ。湯船なんかは俺ひとりで入るには大きすぎるくらいさ。なんなら一緒にどうだ? いや、まだちょっと早いか。いやいやでもでも……
「じゃあ、あんたの部屋に行こうじゃないか!」
姐さんヴァスケルが優しく言う。
まるで俺の妄想劇場をのぞいていたかのような流れだ。
俺はヴァスケルに手を引かれて居室に向かう。
なんというか……イイ年して、俺はドキドキしてしまった。はは。
0
お気に入りに追加
1,209
あなたにおすすめの小説
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
女神に冷遇された不遇スキル、実は無限成長の鍵だった
昼から山猫
ファンタジー
女神の加護でスキルを与えられる世界。主人公ラゼルが得たのは“不遇スキル”と揶揄される地味な能力だった。女神自身も「ハズレね」と吐き捨てるほど。しかし、そのスキルを地道に磨くと、なぜかあらゆる魔法や武技を吸収し、無限成長する力に変化。期待されていなかったラゼルは、その才能を見抜いてくれた美女剣士や巫女に助けられ、どん底から成り上がりを果たす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる