僕の彼とその話

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日の章

溢れる想い……

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緊張する……

「杏香さん、幼馴染が迎えに来るって…」
「あらっ!よかったじゃない!!」

杏香さんとしばらく話していると、
カランカランとドアのベルが鳴った。

「あ、れー君!こっちだよ!」
「おう、待ったか……えっと、こちらが部長さん。」
「はい、部長の坂井杏香と申します。」
「ん………もしかして、お会いしたことありますか?」
「え……あぁっ!!ホテルの記念パーティーで、元支配人といらっしゃった、玲於さん!?」
「そうです。覚えていて下さったんですね!」

ん?
どういうこと?
れー君と杏香さん、知り合いだったの?
あ……そういえば、うちの会社って、れー君のホテルと提携関係にあるんだっけ。

「それにしてもびっくりー!阿澄ちゃんの幼馴染だったのねー!」
「はい……」
「加藤がお世話になっております。」
「いえいえ!今後ともご贔屓にお願い致しますね!」
「こちらこそ。では、連れて帰ります。」
「どうぞー!」
「ごめんなさい、せっかく誘ってもらったのに………」
「いいのいいの!ゆっくり休んで!」
「ありがとうございます。」

れー君に誘導され、車に乗り込む。
そういえば、今日、お話どうするんだろう。
しばらく車を走らせると、突然、車が路肩に止まった。

「どーしたの?」
「……阿澄。今日話すことで、1つ質問なんだが。」
「何?」
「どんな状況でも、どんな条件でも、俺のそばに居たいと思うか?」
「え……それって、どういうこと?」
「……なら、もうここで話そう。正直に言うと、今アメリカ行きの話がでてるんだ。」
「え………」

それって……れー君がアメリカに行っちゃうって事?

「そしたら……帰っては来ないの?」
「帰れても1年に1度だ。3週間交渉したが、待てても2・3週間が限界らしい。アメリカ行きはほぼ決定事項だそうだ。」
「そんな…………」

3週間はそういう事だったんだ。
でも、れー君が居なくなったら、僕は……
どうなるんだろうか。
急な話に動揺が隠せない。
胸の中枢を何かに握りつぶされているような感じで、吐きそうになるほど苦しい。

「せめて1年と言ってみたが、ダメだった。すまない………こんな話しか出来なくて。お前を好きでも、離れたくなくても、親父の残してくれた仕事だし、生活もあるから。許して欲しいとは言わない。3週間待たせた挙句この結果だ。」
「れー君………」
「これでも好きだと……俺のそばに居たいと思えるか……。」

その時、僕は覚悟を決めた。

「れー君……」
「ん?」
「…………僕着いてくよ。」


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