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日の章
2人の思い…
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「なぜ、俺を馬鹿だと言ったんだ?」
それは、真っ直ぐで、とても難しい質問だ。
だって、僕もその答えが分かっていないんだから。
「阿澄?」
「……分からないんだ、自分でも。」
「…………」
「傷つけるような事を言って、ごめんなさい。」
謝って許して貰えることじゃない。
れー君は今、どんな気持ちで、僕の前に座っているんだろう。
「分からないってことは、衝動的に言ってしまったと捉えていいのか?」
「……うん。」
僕が返事をすると、れー君はそっと僕を抱きしめた。
「れー君……?」
「良かった。」
「どうしたの?」
「いや、衝動的だって聞いて、ほっとしただけだ。」
そう言うと、僕の体をそっと離して、またじっと僕を見つめた。
「れー……君?……」
「阿澄。お前、なんの事で悩んでる。
それが分からなきゃ、力にもなってやれない。」
僕は、しばらく黙ったまま、れー君の目を見つめた。
「れー君。僕達は……僕達の関係は、
どう言ったらいいの?」
「………」
何で、何も言ってくれないの。
しばらく2人の間に、冷たい沈黙が流れた。
「阿澄。その質問の答え、今は待ってくれないか。」
「え………」
「すまない。今は答えるのに、十分な状況だとは思えないんだ。」
「どういうこと……?」
「1ヶ月……いや、3週間でいい。お前に対して、中途半端な状況のまま答えを言いたくない。頼む。」
れー君にそんな事を言われて、拒めるはずがない。
「わかった。待ってる。」
本当は苦しい。
でも、れー君に無理して言って欲しい答えじゃない。
「ありがとな。」
「んーん。こっちこそありがとう。
あんなこと言ったのに……」
「おう…じゃあ、飯にするか!」
「うん!」
今、僕は普通に喋れているんだろうか。
れー君の目に、僕はどんな風に映っているんだろう。
グルグルに掻き混ざった感情を、胸の中で飼い慣らすのは楽じゃない。
でも、今思いが溢れたら、またれー君を困らせちゃう。
たったの3週間だからと、僕は自分に言い聞かせながら夕飯を食べていた。
それは、真っ直ぐで、とても難しい質問だ。
だって、僕もその答えが分かっていないんだから。
「阿澄?」
「……分からないんだ、自分でも。」
「…………」
「傷つけるような事を言って、ごめんなさい。」
謝って許して貰えることじゃない。
れー君は今、どんな気持ちで、僕の前に座っているんだろう。
「分からないってことは、衝動的に言ってしまったと捉えていいのか?」
「……うん。」
僕が返事をすると、れー君はそっと僕を抱きしめた。
「れー君……?」
「良かった。」
「どうしたの?」
「いや、衝動的だって聞いて、ほっとしただけだ。」
そう言うと、僕の体をそっと離して、またじっと僕を見つめた。
「れー……君?……」
「阿澄。お前、なんの事で悩んでる。
それが分からなきゃ、力にもなってやれない。」
僕は、しばらく黙ったまま、れー君の目を見つめた。
「れー君。僕達は……僕達の関係は、
どう言ったらいいの?」
「………」
何で、何も言ってくれないの。
しばらく2人の間に、冷たい沈黙が流れた。
「阿澄。その質問の答え、今は待ってくれないか。」
「え………」
「すまない。今は答えるのに、十分な状況だとは思えないんだ。」
「どういうこと……?」
「1ヶ月……いや、3週間でいい。お前に対して、中途半端な状況のまま答えを言いたくない。頼む。」
れー君にそんな事を言われて、拒めるはずがない。
「わかった。待ってる。」
本当は苦しい。
でも、れー君に無理して言って欲しい答えじゃない。
「ありがとな。」
「んーん。こっちこそありがとう。
あんなこと言ったのに……」
「おう…じゃあ、飯にするか!」
「うん!」
今、僕は普通に喋れているんだろうか。
れー君の目に、僕はどんな風に映っているんだろう。
グルグルに掻き混ざった感情を、胸の中で飼い慣らすのは楽じゃない。
でも、今思いが溢れたら、またれー君を困らせちゃう。
たったの3週間だからと、僕は自分に言い聞かせながら夕飯を食べていた。
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