僕の彼とその話

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月の章

幼馴染

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れー君が居る。
信じられないくらい、怒ってる。

「ん?誰ぇ?きみ。」
「そちらこそ。」

れー君と葛城さんが睨み合う。
あれ、この風景、前にも…………

「そんな怖い顔しないでよ~!男は笑顔でしょ?」
「そうですね。まぁ……嘘の笑顔で人を傷付けることも男らしくないですが。」

僕は呆気に取られた。
れー君が続ける。

「車から見えたが、明らかにお誘いという感じではなかった。随分と強制的な行動のようでしたが?」
「……あぁ?そもそも誰?きみ。」
「あぁ………」

そう言って、スっと胸の内ポケットから名刺を差し出した。

「………!?」

葛城さんが、明らかに驚いてる。

「そちらの会社は、我がホテルにデザインを提供して頂いている、多くの会社の1部なんです。」
「…………。」
「この男は、私が目をかけている大切なデザイナーの1人。自分の物を傷つけられることは嫌いでしてね。今後は、態度を改めて頂きたい。」
「し、承知致しました。」

れー君、こんなこと言うんだ。
彼の威圧感に圧倒された。

「行くぞ。」

その声は、とても男らしくて………
葛城さんは小さくなり、ただ呆然とそこに立ったままだった。
弱い力で抱き寄せられた僕は、変な気持ちのまま、れー君の車へと誘導される。



「………み………阿澄……」
「…………………んぅ。ん?」

僕は車の中で眠っていた。

「着いたぞ。」
「うん。」

僕の頭は、まだ混乱していた。
なんで、れー君を巻き込んでしまったんだろう。
……………ん?
でも、なんで。
なんで、れー君はあそこに居たんだろう。
分からないことだらけで、混乱仕切った僕は、自分の布団へ潜り込んだ。

(はぁ………僕は、どうしたいんだろう。)

布団………あったかい。
その時、カチャッと音を立ててドアが開いた。

「入るぞ。」
「………うん。」

目を合わせられない。
れー君にどんな顔をすれば良いかわからない。

「何があったかわかんねーけど、大丈夫か?」
「…………わかんない。」
「話せそうか?」

僕はそこから今日の事を話した。
勿論、葛城さんと僕との関係についても。
涙を流せるだけ流した。
嗚咽混じりに、心に溜め込んでいたものを、全部吐き出した。
僕のそんな姿を見て、れー君は黙ったまま、僕を抱きしめてくれた。

(なんだか、苦しいな……)

「阿澄。」

れー君は僕を呼ぶと、そっと、僕の唇にキスをした。
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