本来女子高生のはずなんですが、いろいろあって男子高生やってます！

体育館倉庫

次の日、学校に行くと教室がいつもよりも騒がしかった。
廊下にいた真奈にもその声は聞こえてきた。

何かあったのかな？

そんなことを思いながら、教室のドアを開けた。

その瞬間、その声がピタリと止んだ。
その代わりに、もうすでに教室にいた15人くらいの人の視線が一気に私に向けられた。

な、なに…？

すると、一人の女子が椅子から立ち上がり私の元へと向かってきた。
その後ろには数人の女子がいる。

石田美緒だ。
クラスの中心的な人物で、容姿も良く、友達もたくさんいる。

「ちょっといい？」

有無をいわせない口調で続ける。

「ついてきて」
「う、うん…」

美緒が足を止めた場所…それは、体育館倉庫だった。
今は使われていないが、比較的綺麗な方だと思う。

「入って」

いわれるままに、体育館倉庫に入る。

いくら綺麗とは思っても、鼻にツンとくるこの匂い…。
あまり長くはいたくないな。

美緒も一緒に入るのかと思ったが、なぜか美緒は体育館倉庫に入ろうとしない。
周りの女子もだ。

「み、美緒…？」

「入らないの？」そう聞こうと思ったとき、美緒は乱暴にドアを閉めた。
もちろん自分は入らずに。
ガラッという大きな音が、体育館倉庫に響き渡る。
そして…金属と金属が合わさったような音がした。
真奈は、思わず耳を塞いだ。

そして、しばらくしてからそっと耳から手を離した。
そのとき、初めて自分は閉じ込められたのだということに気がついた。