【完結】独り語り

桐生千種

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第3弾 辛い幼馴染

トラック1 ひとりの女(1)

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 俺がアイツをひとりの女として意識しはじめたのはずっと昔。

 物心ついたときには、すでにアイツは俺の傍にいて。

 それが、当たり前だった。

 家は隣同士。

 幼稚園、小学校、中学校、さらには高校まで一緒。

 通園はもちろん、通学も、小学生の頃から今まで、ほとんど毎日一緒。

 当たり前のように、アイツは俺の傍にいて。

 俺も、アイツの傍にいるのは当然。

 傍にいない日こそが異常。

 けど、アイツにとって俺はただの幼馴染。

 俺はもう何年も、オマエもそんなふうには見れていないのに。

 毎朝決まった時間に家を出て、アイツと一緒に登校する。

 帰りは互いの教室まで迎えに行く。

 幼馴染として。

 本当は幼馴染じゃなく、もっとトクベツな関係でありたい。

 友達よりも、トクベツな結びつき。

 恋人。
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