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第2弾 冷たい同級生
トラック3 嫉妬(3)
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静かな放課後の教室に、今日はキミがいる。
その日の作業を終わらせて帰る直前。
僕はキミを呼び止めた。
「ねえ、ちょっと」
「話があるんだ。このあと、なにか用事ある?」
「そう、ならよかった」
「最近の僕はどうかしてた。それはキミも思っていただろう?」
「気がつくとキミを目で追っていて、他の男と話しているのを見てイライラして、八つ当たりもした」
「意味わかんないだろう? 勝手にイラついて八つ当たりなんて、自分でもわけがわからなかったよ」
「でも、気づいたんだ。これは、嫉妬だって」
「ほんと、おかしな話だよね。僕はキミの彼氏でもなんでもなくて、ただクラス委員を一緒にやってるだけのクラスメイトなのに」
「だから、責任取ってよ」
「僕を、好きにさせた責任。ちゃんと、嫉妬が許される肩書きを僕にちょうだい?」
「顔が赤いよ? 照れてるの? でも、照れる前に僕に返事をちょうだい? イエスなら、キミからキス。ほんの少し顔を前に動かすだけ。ノーなら僕を突き飛ばして帰って。明日からは、ただのクラスメイトに戻るから」
「っ!?」
「……ノー、か。早く帰りなよ。女々しくあとを追いかけたりしないから安心し、っ!?」
「ちょっ……!?」
その日の作業を終わらせて帰る直前。
僕はキミを呼び止めた。
「ねえ、ちょっと」
「話があるんだ。このあと、なにか用事ある?」
「そう、ならよかった」
「最近の僕はどうかしてた。それはキミも思っていただろう?」
「気がつくとキミを目で追っていて、他の男と話しているのを見てイライラして、八つ当たりもした」
「意味わかんないだろう? 勝手にイラついて八つ当たりなんて、自分でもわけがわからなかったよ」
「でも、気づいたんだ。これは、嫉妬だって」
「ほんと、おかしな話だよね。僕はキミの彼氏でもなんでもなくて、ただクラス委員を一緒にやってるだけのクラスメイトなのに」
「だから、責任取ってよ」
「僕を、好きにさせた責任。ちゃんと、嫉妬が許される肩書きを僕にちょうだい?」
「顔が赤いよ? 照れてるの? でも、照れる前に僕に返事をちょうだい? イエスなら、キミからキス。ほんの少し顔を前に動かすだけ。ノーなら僕を突き飛ばして帰って。明日からは、ただのクラスメイトに戻るから」
「っ!?」
「……ノー、か。早く帰りなよ。女々しくあとを追いかけたりしないから安心し、っ!?」
「ちょっ……!?」
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