【完結】独り語り

桐生千種

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第2弾 冷たい同級生

トラック3 嫉妬(2)

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 僕はどうかしている。

 それは自分でもわかっている。

 今度は、クラスメイトに話しかけられているキミを見て、気がつけば声をかけていた。


「ねえ、ちょっと」



「手を貸して。キミたちも、そんなことわざわざ彼女に聞かなくても、そこに紙が貼ってあるんだからそっちを見ればいいでしょ」



「なに」



「別に、怒ってなんか……。いい。やっぱり他をあたる」

「どうしてもキミじゃないといけない作業でもないし」



「いいって。キミはキミの作業をしなよ」



「いいって言ってるだろ!?」



「あ……。ごめん……」



「今日の僕は、どうかしている……」


「今日だけじゃない……。最近、僕はおかしいよ。自覚はあるんだ」



「少し、頭を冷やしたい」


「クラスのこと、任せるよ」



「なに言ってるの。キミはクラス委員でしょ。それに最初の頃ならともかく、今はちゃんとクラス委員としてしっかり仕事を任せられるようになったじゃないか」



「うん。ごめん」



「任せたよ」
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