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第2弾 冷たい同級生
トラック2 成長(1)
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静かな放課後の教室には、珍しくキミがいない。
今日の会議の連絡があったのは今朝だったから、忘れて帰ったんだろうと簡単に想像がつく。
わざわざ会議室まで一緒に行こうだなんて、僕は声をかけたりしない。
久しぶりに静かに、1人で、効率よく、作業ができると思った矢先に教室の扉は開けられた。
「帰ったんじゃなかったの……」
「会議ならもう終わったよ。そもそもココ、会議室じゃないし」
「会議は第1会議室でって聞いてなかった? キミ、人の話ちゃんと聞いてる?」
「わざわざ引き返して来なくても、会議を欠席したくらいで僕は怒ったりしないよ。むしろキミはいてくれない方が僕としては気がラク」
「事実だよ。そんなに言うなら忘れて帰るなんてマネしなきゃいいのに」
「で?」
「キミはいつまでそんなところに突っ立ってるの? 用が済んだなら早く帰れば?」
「……これ? 今日の会議で配られた資料だけど、それがどうかした?」
「そうだね。明日はホームルームがあるね」
「……ふーん。多少は成長してるんだ」
「でも僕としては帰ってくれた方が嬉しいんだけど」
「はあ……。ホント、面倒なヤツ」
今日の会議の連絡があったのは今朝だったから、忘れて帰ったんだろうと簡単に想像がつく。
わざわざ会議室まで一緒に行こうだなんて、僕は声をかけたりしない。
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「そうだね。明日はホームルームがあるね」
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