【完結】独り語り

桐生千種

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第1弾 甘い後輩

トラック4 カップル(3)

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 夕暮れに鳴くカラスが、今日の終わりを告げる。

 それは寂しくて、もっともっとと願ってしまう。

「先輩、今日はありがとうございました」

「先輩といると、楽しくて、1日があっという間。もっともっと、先輩と一緒にいたい」

「先輩は、どうですか? 僕といて楽しいですか? もっと、僕と一緒にいたいって、思ってくれてますか?」

「先輩は、なにも言ってくれないから……。僕だけが好きなんじゃないかって、そんな気がして……」

「先輩は、僕のこと、好き……ですか? 彼氏として、恋人として、ちゃんと、好きですか?」

「言ってください」

「先輩の口から聞きたい。先輩の言葉で聞きたい」

「……もう1回! 今の、好きって、もう1回!」

「もう1回! いいでしょー? ね? ね?」

「……いいもん。先輩が言わない分、僕がたーっくさん好きって言うもん!」

「先輩、好きです」

「大好きです」

「世界で一番、大、大、だーい好き」

「先輩」


 * -甘い後輩- 終 *
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