【完結】独り語り

桐生千種

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第1弾 甘い後輩

トラック3 デート(3)

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 夕暮れに鳴くカラスが、今日の終わりを告げる。

 それは少し寂しくて、でもさよならをしなければいけない。

 欲張りな僕は、楽しかった今日を今日だけにしたくなくて、もう1度今日が来てほしいと願ってしまう。

「先輩、今日はありがとうございました。楽しかった。すごく」

「先輩は? 先輩は、楽しかったですか?」

「よかった。無理矢理、約束取り付けちゃったから、本当はイヤだったんじゃないかって、怖かったんだ」

「先輩……」

「僕、先輩が好きです」

「違います! そういう好きじゃなくて」

「もっと別の」

「また、先輩とあのカフェに行きたいです。また、カップルにおすすめのケーキ先輩と食べたいです。今度は本当に、本物のカップルとして」

「先輩……」

「僕と、付き合ってください」

「あー! 待って!!」

「返事、聞きたいけど……怖い……」

「でも聞きたい……」

「うー……。え……?」
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