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第8章 イトコに、恋して
第3話 コレが、恋? *加瀬彩梨*
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05年10月2日日曜日。
今日は、雪音先輩の家に来ている。
栞ちゃんも一緒。
雪音先輩と私と栞ちゃんは、3人とも萌葱中学校の演劇部出身。
こうして3人で集まると、中学時代に雪音先輩の家で台本の読み合わせをしたりしていたのを思い出す。
でも、今日の予定はそういうのじゃなくて……。
「いいー! キュンだよキュン! 萌えだよ!」
悶える雪音先輩の手には1冊のルーズリーフ。
「うー、やっぱり目の前で読まれると恥ずかしいというかいたたまれないというか……。喜んでもらえてよかった……」
雪音先輩とは違った意味で悶える栞ちゃん。
今日は栞ちゃん作、創作小説『姫神子と王子』を雪音先輩の家で読ませてもらおうっていう会。
胸キュンとトキメキとハラハラとドキドキが詰まってて、面白いんだコレが!
私、ファン第1号を名乗ってもいいかな?
いいよね?
「さて、ファンタジーを楽しんだことだし、次はリアルの話しをしますか」
雪音先輩が言い出した。
「りある?」
りある……リアル……現実?
「他人事みたいな顔してるけど、最近どうなの? 彩梨ちゃん?」
「な、なにがでしょうか、しおりちゃん?」
突然振られた話題に頭がついていかない。
「なにがじゃないよ。最近、従兄のたっくんとはどうなの?」
「ど、どう……と言われても……」
たっくんこと、加瀬拓哉君は私の従兄で私と同じ家で生活している大学生でアイドル。
同じ家で生活してはいるけど、大学生でアイドルの拓哉君と、ただの高校生の私とじゃ生活リズムが違っていて、一緒にゆっくり過ごせるような時間がほとんどない。
避けられてるわけじゃなくて、本当に忙しいんだ。
最近、テレビでもよく見るようになった。
映画とかドラマとか雑誌とか、大学生になってからお仕事が増えたそう。
朝起きたとき、拓哉君がいるとちょっと嬉しく思ったり、いないと残念に思ったり。
家に帰ってきたときも嬉しくて、帰って来ないと残念に思ったり。
そのくせ、拓哉君の表情を見て顔を背けてしまう。
悪いことした……、って思うけどそれはほぼ条件反射みたいなもので、自分ではどうしようもできなくて。
『スカイアクア』のライブ映像がテレビで流れたとき、無意識に拓哉君を目で追っていた。
テレビ画面の向こう側の拓哉君はすごくカッコよくて、ずっと見とれていた。
いつも家で見ようと思えば見れるのに、直接には拓哉君を見れなくて、画面越しに見つめた。
ただ1つ、自分の気持ちが信じられないことになったのが、由梨亜ちゃんに嫉妬していたこと。
テレビで並んで立つ拓哉君と由梨亜ちゃんはお仕事でそこにいるだけなのに、由梨亜ちゃんは拓哉君と同じ『スカイアクア』のメンバーなのに、拓哉君の隣に当然のように並んで立つ由梨亜ちゃんに、私は嫉妬した。
「最近の従兄事情はこんな感じですよ。おかしいですよね、私」
あはは、と空笑いで誤魔化す。
由梨亜ちゃんに嫉妬するとか、本当におかしい。
「ねえ!! なんで!?」
突然、雪音先輩が叫び出した。
「どうして!? どうしてそこまでいってるのにわからないの!?」
栞ちゃんまでもが便乗する。
「なに……?なんの、はなし……」
「彩梨ちゃん、それは恋だよ! 恋! 彩梨ちゃんはたっくんに恋をしてるんだよ!」
「恋!?」
思ってもいなかった雪音先輩の言葉に、突飛な声をあげてしまった。
「彩梨ちゃん、ずっと無自覚系恋する乙女だったよ?」
なんなのその謎の肩書きみたいなやつ。
そんなの背負いたくないよ。
「いつ気づくのかなーって思ってたけど、もう10月だよ? 鈍いにもほどがあるよ」
「こ、恋? 私が? どの辺が?」
「全部」
「全部」
待って。
頭がついていかない。
「なんかの間違いですよ。私が恋とか」
ないない。
そういうのとは無縁の人生だし。
「なぜ……。なんでキャラクター同士の色恋沙汰には目敏いのにこうなるの」
「おかしい……。なんで裏のキャラ設定見破られたのか、自分の小説に自信がなくなりそう……」
「え……、ごめん……?」
どうしてか、栞ちゃんが小説に自信をなくしそうにしている。
あんなに面白いのに!!
「……よしっ! じゃあ私、たっくんに告白してもいいよね?」
「へ!?」
突然、雪音先輩が宣言した。
「雪音ちゃん!?」
これには栞ちゃんもびっくり。
「OKもらえたら、たっくんと手つないで、デートして、遊園地とか、行ってもいいよね?」
「ダメです! 雪音先輩には、章先輩がいるじゃないですか!!」
「別れれば、問題ないよ?」
「なっ……」
「ちょ……」
なんで急にそんなこと。
でも想像する。
拓哉君が雪音先輩と並んで歩く姿。
手をつないで、遊園地。
楽しそうに笑う、2人。
そんなの、やだ……。
「いや、です……」
無性に、泣きたくなった。
私は、拓哉君の彼女でもなんでもなくて、ただのイトコなのに。
「うそうそ。本気にしないでよ。私、章のこと好きだし、そんなことしないよ」
嘘だとわかって、ほっとする。
本当、どうかしてる。
「やめてよ、心臓に悪い……。今みたいなこと、章兄の前では絶対しないでね」
「はいはい。それよりも」
雪音先輩が私を見据える。
「嫌だって思うってことは、もう好きってことじゃん? 認めちゃいなよ。彩梨ちゃんのそれは、恋」
恋。
これが、恋?
本当に?
「もしかして、イトコだからって偏見とか気にしちゃうやつ?」
「へ?」
栞ちゃんの言葉に腑抜けた声がでる。
「あー、あるよね。でもさ、イトコ婚なんて、明治とか江戸とかじゃ普通だったらしいじゃん? そもそも村社会じゃ出会いがないし? そういう偏見って結構現代になってから広まったとか、法律的にも問題ないし気にする必要ないと思うんだよね、私は」
「けっこんっ……!?」
「雪音ちゃん詳しい」
「まあね」
雪音先輩の豊富な知識披露よりも、けっこん、なんていうキーワードに心臓が跳ねる。
「奇形が生まれる、なんて言う人もいるけどさ、そんなの誰との子供だってハンディを持って生まれる可能性はあるわけじゃん? なんで100%なんのハンディも持つことなく健康な子供が生まれると思うのか、ハンディの原因がイトコ同士だからとか、親のどっちかに原因があるとか、そういうの良くないと思うんだよね」
雪音先輩がなにかすごく重要なことを言っている気がする。
けど……。
こどもっ……!?
「雪音ちゃん、彩梨ちゃんが爆発しそう」
「あー、彩梨ちゃんにはまだ早かったかあ。ごめん、ごめん」
ふわふわと笑う雪音先輩に、でも私の頭はそれどころじゃない。
けっこん、とか、こ、こども、とか。
一足飛びどころか十足くらい飛び越えてるよ……!!
「まあ、先の話はおいといて。今はさ、好きって気持ちに正直になっておいてもいいんじゃない? うかうかしてたら本当に、私じゃない誰かにたっくんを盗られちゃうよ。そうなる前に告白しちゃいなよ」
「へ!? こ、こくはっ……!」
ああ、もうだめ……。
頭が……。
「今週学祭じゃん? ちょうどいいからそこで告白! 桜月にはジンクスあるんでしょ?」
桜月学園に伝わるいくつかあるジンクスの1つ。
学祭の期間中に、2人で学内をすべてまわりきることができたら告白が成功する。
なんて言われてるけど、そんなに一緒にいられる仲ならお互いに両想いなの確定じゃん……。
今日は、雪音先輩の家に来ている。
栞ちゃんも一緒。
雪音先輩と私と栞ちゃんは、3人とも萌葱中学校の演劇部出身。
こうして3人で集まると、中学時代に雪音先輩の家で台本の読み合わせをしたりしていたのを思い出す。
でも、今日の予定はそういうのじゃなくて……。
「いいー! キュンだよキュン! 萌えだよ!」
悶える雪音先輩の手には1冊のルーズリーフ。
「うー、やっぱり目の前で読まれると恥ずかしいというかいたたまれないというか……。喜んでもらえてよかった……」
雪音先輩とは違った意味で悶える栞ちゃん。
今日は栞ちゃん作、創作小説『姫神子と王子』を雪音先輩の家で読ませてもらおうっていう会。
胸キュンとトキメキとハラハラとドキドキが詰まってて、面白いんだコレが!
私、ファン第1号を名乗ってもいいかな?
いいよね?
「さて、ファンタジーを楽しんだことだし、次はリアルの話しをしますか」
雪音先輩が言い出した。
「りある?」
りある……リアル……現実?
「他人事みたいな顔してるけど、最近どうなの? 彩梨ちゃん?」
「な、なにがでしょうか、しおりちゃん?」
突然振られた話題に頭がついていかない。
「なにがじゃないよ。最近、従兄のたっくんとはどうなの?」
「ど、どう……と言われても……」
たっくんこと、加瀬拓哉君は私の従兄で私と同じ家で生活している大学生でアイドル。
同じ家で生活してはいるけど、大学生でアイドルの拓哉君と、ただの高校生の私とじゃ生活リズムが違っていて、一緒にゆっくり過ごせるような時間がほとんどない。
避けられてるわけじゃなくて、本当に忙しいんだ。
最近、テレビでもよく見るようになった。
映画とかドラマとか雑誌とか、大学生になってからお仕事が増えたそう。
朝起きたとき、拓哉君がいるとちょっと嬉しく思ったり、いないと残念に思ったり。
家に帰ってきたときも嬉しくて、帰って来ないと残念に思ったり。
そのくせ、拓哉君の表情を見て顔を背けてしまう。
悪いことした……、って思うけどそれはほぼ条件反射みたいなもので、自分ではどうしようもできなくて。
『スカイアクア』のライブ映像がテレビで流れたとき、無意識に拓哉君を目で追っていた。
テレビ画面の向こう側の拓哉君はすごくカッコよくて、ずっと見とれていた。
いつも家で見ようと思えば見れるのに、直接には拓哉君を見れなくて、画面越しに見つめた。
ただ1つ、自分の気持ちが信じられないことになったのが、由梨亜ちゃんに嫉妬していたこと。
テレビで並んで立つ拓哉君と由梨亜ちゃんはお仕事でそこにいるだけなのに、由梨亜ちゃんは拓哉君と同じ『スカイアクア』のメンバーなのに、拓哉君の隣に当然のように並んで立つ由梨亜ちゃんに、私は嫉妬した。
「最近の従兄事情はこんな感じですよ。おかしいですよね、私」
あはは、と空笑いで誤魔化す。
由梨亜ちゃんに嫉妬するとか、本当におかしい。
「ねえ!! なんで!?」
突然、雪音先輩が叫び出した。
「どうして!? どうしてそこまでいってるのにわからないの!?」
栞ちゃんまでもが便乗する。
「なに……?なんの、はなし……」
「彩梨ちゃん、それは恋だよ! 恋! 彩梨ちゃんはたっくんに恋をしてるんだよ!」
「恋!?」
思ってもいなかった雪音先輩の言葉に、突飛な声をあげてしまった。
「彩梨ちゃん、ずっと無自覚系恋する乙女だったよ?」
なんなのその謎の肩書きみたいなやつ。
そんなの背負いたくないよ。
「いつ気づくのかなーって思ってたけど、もう10月だよ? 鈍いにもほどがあるよ」
「こ、恋? 私が? どの辺が?」
「全部」
「全部」
待って。
頭がついていかない。
「なんかの間違いですよ。私が恋とか」
ないない。
そういうのとは無縁の人生だし。
「なぜ……。なんでキャラクター同士の色恋沙汰には目敏いのにこうなるの」
「おかしい……。なんで裏のキャラ設定見破られたのか、自分の小説に自信がなくなりそう……」
「え……、ごめん……?」
どうしてか、栞ちゃんが小説に自信をなくしそうにしている。
あんなに面白いのに!!
「……よしっ! じゃあ私、たっくんに告白してもいいよね?」
「へ!?」
突然、雪音先輩が宣言した。
「雪音ちゃん!?」
これには栞ちゃんもびっくり。
「OKもらえたら、たっくんと手つないで、デートして、遊園地とか、行ってもいいよね?」
「ダメです! 雪音先輩には、章先輩がいるじゃないですか!!」
「別れれば、問題ないよ?」
「なっ……」
「ちょ……」
なんで急にそんなこと。
でも想像する。
拓哉君が雪音先輩と並んで歩く姿。
手をつないで、遊園地。
楽しそうに笑う、2人。
そんなの、やだ……。
「いや、です……」
無性に、泣きたくなった。
私は、拓哉君の彼女でもなんでもなくて、ただのイトコなのに。
「うそうそ。本気にしないでよ。私、章のこと好きだし、そんなことしないよ」
嘘だとわかって、ほっとする。
本当、どうかしてる。
「やめてよ、心臓に悪い……。今みたいなこと、章兄の前では絶対しないでね」
「はいはい。それよりも」
雪音先輩が私を見据える。
「嫌だって思うってことは、もう好きってことじゃん? 認めちゃいなよ。彩梨ちゃんのそれは、恋」
恋。
これが、恋?
本当に?
「もしかして、イトコだからって偏見とか気にしちゃうやつ?」
「へ?」
栞ちゃんの言葉に腑抜けた声がでる。
「あー、あるよね。でもさ、イトコ婚なんて、明治とか江戸とかじゃ普通だったらしいじゃん? そもそも村社会じゃ出会いがないし? そういう偏見って結構現代になってから広まったとか、法律的にも問題ないし気にする必要ないと思うんだよね、私は」
「けっこんっ……!?」
「雪音ちゃん詳しい」
「まあね」
雪音先輩の豊富な知識披露よりも、けっこん、なんていうキーワードに心臓が跳ねる。
「奇形が生まれる、なんて言う人もいるけどさ、そんなの誰との子供だってハンディを持って生まれる可能性はあるわけじゃん? なんで100%なんのハンディも持つことなく健康な子供が生まれると思うのか、ハンディの原因がイトコ同士だからとか、親のどっちかに原因があるとか、そういうの良くないと思うんだよね」
雪音先輩がなにかすごく重要なことを言っている気がする。
けど……。
こどもっ……!?
「雪音ちゃん、彩梨ちゃんが爆発しそう」
「あー、彩梨ちゃんにはまだ早かったかあ。ごめん、ごめん」
ふわふわと笑う雪音先輩に、でも私の頭はそれどころじゃない。
けっこん、とか、こ、こども、とか。
一足飛びどころか十足くらい飛び越えてるよ……!!
「まあ、先の話はおいといて。今はさ、好きって気持ちに正直になっておいてもいいんじゃない? うかうかしてたら本当に、私じゃない誰かにたっくんを盗られちゃうよ。そうなる前に告白しちゃいなよ」
「へ!? こ、こくはっ……!」
ああ、もうだめ……。
頭が……。
「今週学祭じゃん? ちょうどいいからそこで告白! 桜月にはジンクスあるんでしょ?」
桜月学園に伝わるいくつかあるジンクスの1つ。
学祭の期間中に、2人で学内をすべてまわりきることができたら告白が成功する。
なんて言われてるけど、そんなに一緒にいられる仲ならお互いに両想いなの確定じゃん……。
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