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04 終わる世界
09 失ったモノ
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はじめてアイがに発現した能力は、未来を視ることだった。
アイが能力を発現させたことによって変わる世界の先に、待ち受ける未来。
能力を持つ者と持たざる者との争いが、そう遠くない未来で起こるのだとアイは夢でその未来をみた。
持つ者と持たざる者の殺し合いは、大人も子供も関係なかった。
大人が子供を殺し、子供が大人を殺す。
同じ姿を持つ、同じはずの人間が、ただ能力を持つか持たないかで殺し合った。
そもそも、その能力を持つ人間を望んだのは、能力を持たない人間のはずだったのに……。
悲惨な惨状は、幼い少女は残酷過ぎた。
1つ能力が発現すれば、次々とアイの能力は発現していった。
大人たちが望んでいた、手を触れずに物を運ぶこともできた。
もっとも、発現した直後は手当たり次第にその辺にあるものを吹き飛ばしていただけだったけれど、特殊な能力が発現したことに変わりはなかった。
大人なたちは大いに喜んだ。
ついに完璧な状態なったと、喜ぶ大人たちの前でアイは恐怖におののいていた。
叫んで、泣きじゃくる小さな少女のことを心配する大人はひとりもいなかった。
たったひとりのその存在は、アイが自らの能力で殺めてしまっていたから。
どうして、あのとき声をかけてくれたのが美咲だとわからなかったのだろう。
どうしてあのとき、伸びて来たてが、美咲の手だとわからなかったののだろう。
何度も何度も夢に見ては苦しんだ。
アイの能力は、未来を見るのと同じように過去も見ることができたから。
突然いなくなってしまった美咲が、どうしていなくなってしまっのか、アイはイヤでも知ることになった。
自らの能力で殺めてしまった美咲。
血を吐いて、真っ白なアイを赤く染めた。
何度も何度も夢に見て、けれど過去を変えることはできなかった。
美咲を救うことはできなかった。
変えることのできない過去を、繰り返し夢に見た。
アイが能力を発現させたことで、アイは美咲を失った。
美咲の未来を失った。
美咲と笑いあう未来。
ヒトの平和な未来。
アイが能力を発現しなければ、アイが新人類ネオと呼ばれることもなかった。
能力を持たない人間が、旧人類ヒトと呼ばれることもなかった。
ネオとヒトが争う未来もきっとこないはずだった。
美咲が教えてくれた、あたたかな世界もずっと続いていくはずだった。
アイは、自分という存在をただ責めることしかできなかった。
アイが能力を発現させたことによって変わる世界の先に、待ち受ける未来。
能力を持つ者と持たざる者との争いが、そう遠くない未来で起こるのだとアイは夢でその未来をみた。
持つ者と持たざる者の殺し合いは、大人も子供も関係なかった。
大人が子供を殺し、子供が大人を殺す。
同じ姿を持つ、同じはずの人間が、ただ能力を持つか持たないかで殺し合った。
そもそも、その能力を持つ人間を望んだのは、能力を持たない人間のはずだったのに……。
悲惨な惨状は、幼い少女は残酷過ぎた。
1つ能力が発現すれば、次々とアイの能力は発現していった。
大人たちが望んでいた、手を触れずに物を運ぶこともできた。
もっとも、発現した直後は手当たり次第にその辺にあるものを吹き飛ばしていただけだったけれど、特殊な能力が発現したことに変わりはなかった。
大人なたちは大いに喜んだ。
ついに完璧な状態なったと、喜ぶ大人たちの前でアイは恐怖におののいていた。
叫んで、泣きじゃくる小さな少女のことを心配する大人はひとりもいなかった。
たったひとりのその存在は、アイが自らの能力で殺めてしまっていたから。
どうして、あのとき声をかけてくれたのが美咲だとわからなかったのだろう。
どうしてあのとき、伸びて来たてが、美咲の手だとわからなかったののだろう。
何度も何度も夢に見ては苦しんだ。
アイの能力は、未来を見るのと同じように過去も見ることができたから。
突然いなくなってしまった美咲が、どうしていなくなってしまっのか、アイはイヤでも知ることになった。
自らの能力で殺めてしまった美咲。
血を吐いて、真っ白なアイを赤く染めた。
何度も何度も夢に見て、けれど過去を変えることはできなかった。
美咲を救うことはできなかった。
変えることのできない過去を、繰り返し夢に見た。
アイが能力を発現させたことで、アイは美咲を失った。
美咲の未来を失った。
美咲と笑いあう未来。
ヒトの平和な未来。
アイが能力を発現しなければ、アイが新人類ネオと呼ばれることもなかった。
能力を持たない人間が、旧人類ヒトと呼ばれることもなかった。
ネオとヒトが争う未来もきっとこないはずだった。
美咲が教えてくれた、あたたかな世界もずっと続いていくはずだった。
アイは、自分という存在をただ責めることしかできなかった。
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