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3 近江花音はアイドルですっ!

1.個性的なメンバー

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<加瀬拓哉の場合>

 ――はじめに、自己紹介をお願いします。

 拓哉 加瀬拓哉、中学3年生14歳です。

 ――中学3年生ってことは受験生?

 拓哉 そうですね。

 ――受験勉強との両立、大変じゃない? 拓哉君はリーダーも務めているし。

 拓哉 ? まだデビューしてないし、週末のレッスンに通うくらいどうってことないですよ。それに、こっちに来ると彩梨ちゃんに会えるかもしれないし、リーダーってちょっとカッコイイ気がするから役得だよね! 彩梨ちゃんが振り向いてくれるかもしれないっ!

 ――えーっと、聞きたいことはいろいろあるんだけど……まずは、家は遠いの?

 拓哉 そうですね。あざ。

 ――ストップ! 言わなくていい! ってか言っちゃダメ!


<早乙女由梨亜の場合>

 ――由梨亜ちゃんは中学3年生で受験勉強との両立とか大変だと思うけど、息抜きとかどうしてる? 趣味とか、何かある?

 由梨亜 息抜きは、やっぱり『イット君』ですね! カッコイイしカワイイし、もう究極の癒しっていうか、『イット君』がいるから、今日も明日も頑張ろうっていうか、頑張るしかないっていうか、頑張らないと顔向けできないっていうか。

 ――(……話が終わらない。)


<中原マナの場合>

 ――では、自己紹介をお願いします。

 マナ 中原マナ。

 ――……えっと、年齢は?

 マナ 13。

 ――……趣味とか特技とか。

 マナ 別にない。

 ――(やりづらい……!!)


<桜木伊織の場合>

 ――伊織ちゃんはボーイッシュですよね。

 伊織 そうだね。よく男の子に間違えられるし、空も最初、ボクのこと男だと思って声かけたみたいだし。ボクとしては、どうせなら海に声かけてほしかったな。今度ボクとデートしよ。

 ――来週の取材で記者口説かないでね……。


<天野義人の場合>

 ――義人君は顔立ちがハーフっぽいよね。

 義人 よく言われる。でもクォーターなんだ。パパが日本とロシア、ママが韓国とフランスのハーフだよ。

 ――モテるんじゃない? 女の子が放っておかないでしょ。

 義人 まあね。

 ――正直だねぇ。

 義人 だって本当のことだし。パパもママも美人なんだ。子供の僕がブサイクなわけないじゃん。

 ――じゃあ、芸能活動を始めたのも当然?

 義人 正直興味なかったんだけど、僕が有名になったらお店に来てくれるお客さん、増えるかもじゃない? だからやってみようかなって。『カフェ ソレイユ』よろしくね。


<近江花音の場合>

 ――芸能活動を始めたキッカケを教えてください。

 花音 海さんが声をかけてくれたからです。

 ――……それはつまり、スカウト?

 花音 はい。

 ――……えーっと、それじゃあ、どんなアイドルになりたいですか?

 花音 キラキラしたいです。

 ――……。

 花音 ……。

 ――(続かない……)


<一条澪の場合>

 ――自己紹介をお願いします。

 澪 ……知ってんだろ。

 ――そうなんだけど……。来週の取材はちゃんとしてね。じゃあ、どんなアイドルになりたいですか?

 澪 ……歌が歌えれば、それでいい。

 ――……。


<三好小春の場合>

 ――レッスンの雰囲気はどうですか?

 小春 楽しいです! 最初は歌もダンスもダメダメだったけど、自分でも、できるようになってるって実感できて、わからないところは教え合ったりして、みんな仲良しです!

 ――海ー、こっちにあかり来てない?

 ――あ、ちょ、バカ!

 小春 ひっ!!

 ――あーあ、固まっちゃった。

 ――……さすがに傷つくんだけど。


<星ひかるの場合>

 ――自己紹介をお願いします。

 ひかる 星あかりです! 小学5年生、10歳です!

 ――あれ? あかりちゃん? ひかる君じゃなくて?

 ひかる うん。私、あかりだよ?

 ――ちょっと空ー!


<星あかりの場合>

 ――自己紹介をお願いします。

 あかり 星ひかるです! 小学5年生、10歳です!

 ――ひかる? あかりじゃなくて?

 あかり うん。僕、ひかる。

 ――海ー!
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