家に帰りたい狩りゲー転移

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5章

(41)砂漠の殺意

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 ギルドに保管されている古い文献で、ユダラナーガは『砂紋の土竜』と呼ばれている。ユダラナーガが地中から現れるたびに砂漠の表面に紋様が刻まれることから名付けられたそうだ。

 目的の菌糸能力『砂紋』を手に入れたことで、ようやく生存者の救助が現実的になってきた。不透明だった先行きが多少晴れるだけでも、随分と心持ちが楽になった。

 ある程度冷静さを取り戻してから、俺はノロノロと立ち上がった。ユダラナーガの巨体を貫いた氷はひとかけらも残っておらず、砂漠には大量の血と水分が深くまで染み込んでいた。早くここを離れなければ、別のドラゴンが匂いに釣られてやってきてしまう。疲労困憊の身体で連戦を繰り広げるのは俺もご免だった。

 しかし俺は、ここがビーニャ砂漠であることを忘れていた。

 次の一歩を踏み出した瞬間、俺の足が泥沼に嵌ったように砂へ飲み込まれた。

「あ……え?」

 思考を停止させたまま足元を見る。途端、今度は轟音を立てて砂漠が窪んだ。一気に視点が低くなり、俺とユダラナーガの遺体がじわじわと窪みの中心へ引き摺り込まれていく。

 砂地獄だ。ユダラナーガの血の匂いに引き寄せられ、地中の大型ドラゴンが捕食しに来たのだ。

 その時、砂地獄の四方八方から巨大な塔のようなものが生えてきた。焼け焦げた血肉の色合いをした塔は、よく見れば、四つに裂けたドラゴンの顎だった。

 地上に現れた頭部だけでも、二十階建てのビルに相当するほど大きい。ならば砂の中に隠れている全身がどれほど巨大かは見るまでもない。

「マジ……か……」

 恐怖に駆られた時、人は泣き出したり失禁してしまったりするらしい。しかし、俺の身に降りかかった恐怖はそんなものではなかった。自分の意識が急速に肉体から離れて、五覚が極限まで薄くなっていく。その感覚は、穏やかに老衰を迎えた時と驚くほど酷似していた。

 見上げる青空が、ゆっくりと四つの顎で閉ざされていく。
 
「――うりゃああああああああ!」

 場違いなほどやかましい叫び声が聞こえた。

 遠のく意識でぼんやりと視線を動かせば、巨大ドラゴンの顎の隙間から真昼の綺羅星が流れ落ちてくるのが見えた。

 謎の綺羅星は純白の尾を引きながら、ミサイルじみた速度で顎の天辺に直撃した。

 分厚い口内にまで伝わるほどの激しいソニックブームが、俺の前髪を吹き散らす。巨大ドラゴンはその衝撃に耐え切れず、砂地獄を逆流させながら絶叫した。

『ォォォオオオオオオオオオ──!』

 大量の砂と共に俺の身体が空中に吹き上げられ、大きく開かれた顎の隙間から外へ放り出される。間近で巨大ドラゴンの絶叫を聞いてしまったせいで、俺の耳からは血が吹き出し、平衡感覚が消え失せた。

 ドラッグでもキメたような酩酊状態の俺の思考が、なんとか状況を把握しようと悶え始める。

 上昇から落下へ。途中、遠くから巨大な熱源が飛来し、俺の横を通り過ぎた気がした。薄らと目を開けると、煌々と輝く溶岩が巨大ドラゴンの顎へ突立つ瞬間が見えた。

 直後、真横から爆風が吹き荒び、俺の身体がまた弾き飛ばされる。

 このまま砂に叩きつけられるのか……と思ったあたりで、腹の辺りに衝撃が入った。

 誰かに受け止められたらしい。乱暴に担ぎ上げられた拍子に、遠のいていた意識が一瞬で肉体に引き戻された。

「ゲホッ! ぐぇ、気持ち悪い゛……何が起きた?」
「は……嘘だろ……生きてるのかお前!?」

 俺の耳元で驚愕の声を上げたのはクライヴだった。『雷光』で再生させたばかりの鼓膜に優しくない大声である。思わず耳を押さえながらも、俺は混乱しながら目を見開いた。

「クライヴ!? なんでここにいるんだ!?」
「お前の見学をするって行っただろう。救助隊の方にいても見つかるリスクが高いだけだしな。結果的には正解だった!」

 クライヴは言いながら、比較的高い砂丘の方へと走り続けた。俺はまだ平衡感覚が戻り切らない頭を揺らして、さっきまで自分がいたであろう場所を見上げた。

 そこには、上顎を消し飛ばされた巨大ドラゴンの頭部があった。アリゲーターガーによく似た顔つきで、全身が赤黒く滑らかな鱗で覆われている。首から下は砂に埋もれているにも関わらず、その圧倒的なスケール感には改めて絶句するしかない。

『ォォォオオオオオオオオオオオオオッ!』

 長く重々しい怒号が砂漠の表面を震わせ、微細な砂が空中に浮く。遠くにいる俺たちですら地面に倒れ込んでしまうほどの爆音だった。

 巨大ドラゴンの見上げる先には、真っ赤な長髪を風に靡かせる絶世の美女がいた。彼女の頭上には、オラガイアでも使用された巨大な溶岩の大剣が顕現している。その大剣は太陽ですら身を弁えるほど強烈な光を放っており、砂漠全体が曇天のように暗くなった。

「レオハニーさん」

 俺の声が聞こえたわけではないだろうが、一瞬だけ、彼女がこちらを見たような気がした。

 直後、溶岩の大剣が巨大ドラゴンの脳天へ振り下ろされた。

 巨大質量の衝突により、レオハニーたちを中心に大気の膜が膨れ上がる。砂漠が漂白されるような強い光が放たれ、爆炎と断末魔が青空を引き裂いた。

 溶岩の赤い奔流がドラゴンの輪郭を融解させ、焦げる間もなく消滅させていく。その様子を見て、俺は生命そのものであるダアトを連想した。

 やがて全てが空気に溶けていき、あとに残るは真っ黒に染まったクレーターのみとなった。

「あれが最強の討滅者か……人間技ではないぞ……」

 魂が抜けたような声色で、クライヴは巨大なクレーターを愕然と見渡した。

 その時、

「――ぁぁぁあああああ!」

 すざぁ! と砂を滑るように俺たちの側に何かが落ちてきた。顔面から砂漠へ熱烈なハグを決めたのはシュレイブだった。

「あ、シュレイブだ」
「あ、じゃない! 危うく巻き込まれるところだったぞバカめ!」

 シュレイブが元気そうに立ち上がるのを見て、倒れ込んでいた俺とクライヴも起き上がる。それから、砂で少し火傷をしてしまった二人に労いも兼ねて『雷光』で治療しておいた。

 クライヴは見る間に火傷が癒えていく様に驚きつつ、俺に肩をすくめた。

「便利なものだな。この能力は」
「まぁな。これがなければユダラナーガを倒せなかったぐらいだ」

 俺が曖昧に笑うと、急にシュレイブは神妙な面持ちになってこちらを凝視してきた。

「な、なんだよ」
「何をヘラヘラしとるんだ。こっちはてっきり間に合わないかと思ったんだぞ?」
「その……すまん。俺が油断したせいで」
「ふん! 反省するよりもまず欲しい言葉があるのだがなぁ!?」

 腕を組みながらぐいっと背中を逸らすシュレイブ。いかにも偉そうな態度だったが、俺ははにかみながら素直に求められている言葉を口にした。

「……ありがとう」
「…………ふんだ!」
「クライヴもありがとうな」
「飯の恩を返しただけだ」

 と、クライヴもシュレイブと同じように俺から顔を背けた。

 丁度そのタイミングで、巨大ドラゴンの討伐を終えたレオハニーがこちらに飛んできた。ほとんど足音を立てずに側に着地したレオハニーは、全員の無事を確認するとシュレイブとクライヴに黙礼した。

「君たちのおかげでリョーホの救出が間に合った。感謝する」

 途端に、シュレイブが顔を真っ赤にしながらブンブンと高速で手を振った。

「め、滅相もない! 俺はただやるべきことをしたまでです!」
「そうかな。あの状況で即座に判断し、行動に移すのはそう容易ではない。カミケンの指導の賜物だね」
「はうっ……ありがたき幸せッ!」

 シュレイブは勢いよく胸を押さえ、絶命しそうになるのをなんとか堪えていた。クライヴも嬉しそうにもじもじしていたが、はっと気を取り直してレオハニーに頭を下げた。

「申し訳ありませんレオハニー様。貴方に黙って諜報紛いの行動をしてしまい──」
「構わない。ベアルドルフも承知の上だよ」
「なんと……討滅者のお二人はお気付きでしたか」

 クライヴは驚きと興奮で声を震わせ、深くレオハニーにお辞儀をした。俺も俺でクライヴの『迷彩』を看破していた二人に唖然とする。俺の『瞋恚』やシャルの瞳でもクライヴたちの追跡には気づけなかったというのに。

  才能の壁を感じて落ち込んでいると、レオハニーがついに俺の方を見た。俺は心なしか無言の威圧を感じて、しどろもどろに口を開こうとした。

「レオハニーさん……あの……」

 レオハニーは小さく首を横に振ると、大剣を仕舞いながら厳しい口調で言った。
 
「初歩的なミスだな。討伐直後に油断するとは」
「すみません……」

 弁明する余地もない。狩人見習いの時に散々エトロに注意されていたことなのに、よりにもよってビーニャ砂漠で忘れるとは愚かとしか言いようがない。レオハニーもこれには呆れるしかないだろう。狩人に向いていないと言われてもおかしくない失態だった。

 しかし、レオハニーの口から続けられた言葉は、俺を大いに驚かせるものだった。

「だが、ユダラナーガとの戦闘は悪くなかった。己に過度な期待をしていない分、無謀な勝負に出ることもない。実力はまだ覚束ないが、君が積み上げてきた戦闘経験は、並みの守護狩人よりも優れている。私が保証しよう」

 まさか今の流れで褒められるとは思っておらず、俺は勢いよく顔を上げた。レオハニーは俺と目が合っても全く表情を変えることなく、淡々と結論を述べた。

「及第点だ。後の戦争でも今日のことを忘れなければ、君はもっと強くなる」
「……あ、ありがとうございます!」

 感極まって一礼すると、レオハニーはほんの少し目を伏せながら僅かに口角を緩めた。

「君は一人でいるより、チームで戦った方がより強い力を発揮するだろう。だから今後、単独行動は控えるように」

 話は終わった、と言わんばかりにレオハニーが俺に背を向ける。だが俺はその後ろ姿に躊躇いなく声をかけた。

「じゃあ、レオハニーさんも俺と一緒に戦ってくれますか?」
「……私か?」

 意外そうに振り返るレオハニーに、俺は背筋を伸ばしながら真っ直ぐと彼女を見つめ返した。

「俺は今まで何度も貴方に命を救われてきました。初めて高冠樹海で会った時も、オラガイアでも、さっきだってそうです。だから俺も貴方を支えられるよう、同じ戦場で戦いたいんです」
「……だが私は、一人でも戦える」
「そうかもしれません。ですが一人で戦えるからと言って、常に一人で戦う必要もないと俺は思うんです」

 俺はレオハニーを一人にしたくない。彼女の隣に並べる日はまだまだ先になりそうだが、近くに立つぐらいならきっとできる。そう思っての苦肉の策だった。

 レオハニーからしてみれば足手纏いが増えて戦いがやりにくくなるだけかもしれない。それでも彼女を一人で死なせるよりずっといいはずだ。

「レオハニーさん。次は俺も同じ戦場に連れて行ってくれませんか? バルド村で貴方一人を行かせてしまった、不甲斐ない今の俺から変わりたいんです。俺が弱いからと言って、貴方一人に押し付けていたら絶対に成長できませんから。俺はもっと早く、少しでも早く貴方に追いつきたいんです」

 正直な気持ちをぶつけ終わると、胸の奥で一気に不安が芽生え始めた。

 レオハニーは浦敷博士を憎んでいる。彼と同じ容姿をした俺にこんなことを言われても、不快にさせてしまうだけかもしれない。だが、レオハニーは浦敷博士と俺は違う存在だと言ってくれた。その言葉を信じたい。

 生唾を飲み込みながら俺は口を引き結ぶ。レオハニーは息をしているのかも分からぬほどピタリと動きを止めて、ようやく小さな声でこう言った。

「君の目は、エトロと同じ目をしているね」

 彫刻じみた顔立ちが、ビロードが靡くようにふわりと崩れた。力なく細められた目尻にはほんのり朱色が刺し、薄く開かれた唇から囁くような笑みが漏れる。不覚にも俺は、あまりにも人間らしく生き生きとした彼女の笑みに見惚れてしまった。

「君たちの目指すものが私で良いのなら、励みなさい。楽しみにしているよ」

 そう言って、レオハニーはゆったりとした足取りで歩き出した。彼女から贈られた言葉をゆっくりと咀嚼していくうちに、俺は長年見つからなかった思い出の品を見つけたときのような、思いがけない高揚感に鷲掴みにされた。

 惚れ直すとはよく言ったものだ。俺は今まさに、彼女の弟子であることが誇らしくてたまらなかった。
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