家に帰りたい狩りゲー転移

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4章

(28)八百長 1

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 オラガイアの地下には無数の通路が張り巡らされているらしい。地上から隔絶され、避難することすら困難な浮島の苦肉の策として、オラガイアの人々は地下に隠れて災害をやり過ごす術を得たのだ。そのため、聖なる五日間のため家に閉じこもっていた人たちも、今はスタンビードから逃れるべく地下に避難したはずだ。

 そのドミラスの説明の通り、道中の建物からは物音一つせず悲鳴も上がっていなかった。砲撃で落とされたドラゴンが家を叩き潰して街は酷い有様だが、人間の死体はまだ見当たらない。

「見えた! トルメタリア工房だ!」

 アンリの声が聞こえて数秒後、俺の視界にも特徴的なガラスの丸屋根が見えてくきた。煉瓦に罅が入っているものの、内部はまだ無事のようだ。

「ヴァーナルは地下の精錬所にいるはずだ。仕事が遅いようなら脅してやれ」
「了解した」

 ドミラスの指示にエトロは勇ましく笑い、頭上を飛んでいたドラゴンを『氷晶』の槍で撃ち落としながら工房へ向かった。

「ここで別れるよ、リョーホ!」
「ああ! エトロのこと頼んだ!」

 互いに手を振り返し、アンリはトルメタリア工房のドアを乱暴に開けた。エトロもその後に続こうとしたが、寸前で足を止めて俺の名を呼んだ。

「リョーホ」

 透明な響きを持った彼女の声に、俺はすぐ真上にドラゴンがいることも忘れて息を詰めた。

「……また後でな」

 俺たちは数秒だけ目を合わせ、同時に背を向けて走り出した。

 俺たちのすぐ真上には、人間に目もくれず大聖堂を目指す飛竜が洪水のように飛び交っている。風、火、水属性の中位ドラゴンの寄せ集めのようだが、その中にはベートが使役していた白色ドラゴンの姿もあった。

「やっぱアンリの読みは当たってんだな……!」

 ドラゴンたちは南旧市街や俺たちはに目もくれず、我先にと大聖堂へ飛んでいく。

  俺たちが西区画を落とせば、予言書の未来は最小限の被害で確定する。しかし、それでドラゴンたちが退却しなければ結局オラガイアの墜落は免れない。どちらにしろこのスタンピードを止められなければ俺たちの敗北が決まってしまう。

 ダアト教幹部の裏切り者を見つけ出す余裕は俺たちにはない。しかしダウバリフならばこの機に乗じて暗殺ぐらいやり遂げるだろう。

 俺は手首に巻いた銀色のブレスレットを上から押さえながら気を引き締めた。そして、大聖堂に向かうドラゴンたちを阻止するべく、俺はシャルへと声を張り上げた。

「シャル! 俺を上まで打ち上げてくれ!」

 シャルは目をまん丸に開いた後、にやっと歯を見せて笑いながら俺の腹に抱き着いた。そして大きく膝を曲げながら『重力操作』を発動し、バックドロップ直前の体勢を取る。

「お、おいそこまで全力で投げなくても……うおおおおおお!?」

 ぎゅん! と打ち上げ花火の如く空へ押され、俺は短く絶叫しながらドラゴンたちの隙間を通り抜けた。無防備な獲物が目の前を掠めれば、流石にドラゴンたちも無視はできなかったらしい。空中にいる俺目掛けて、何十匹ものドラゴンが殺到してきた。

 一体一体のドラゴンの体長はおよそ四メートル前後。まるで空飛ぶカバが猛進してくるような迫力だ。しかも身の毛がよだつ咆哮を上げ、煉瓦を軽々と切り裂く水圧ビームやら、味方のドラゴンが粉みじんになるほどの竜巻やらが容赦なく飛んでくる。少しでも気を抜いたら傷を治す暇もなく肉塊にされてしまうだろう。

 俺は内心で震えあがりながら接近してくるドラゴンたちを太刀で捌き、血しぶきの中に目を凝らした。

 炎属性の中位ドラゴン『ヴルトプス』は、肺の下にある浮袋の中で可燃性のガスをため込んでいる。二つの尾からそのガスを噴射して爆発の推進力で飛んでいるのだが、それは言い変えれば、直接浮袋を着火することで特大の爆弾になる証左でもあった。

 ――いた。

 太刀で斬りまくっている間に、ようやくお目当てのヴルトプスが近づいてきた。俺は即座に『紅炎』を発動し、他のドラゴンの肉片を踏み台にしながら『雷光』で加速した。

「くらええええええ!」

 向かってくるヴルトプスの細長い胴体へ、すれ違いざまに燃える太刀を投げつける。

 瞬間、浮袋のガスが内側からヴルトプスを爆散させた。ピンクがかった火炎は周囲のドラゴンも巻き込んでいき、ドラゴンの群れが大混乱に陥る。俺は爆風を背に受けながらドラゴンの群れを横断し、同じ要領で後続のヴルトプスを爆破させた。

 それを下から見ていたシャルは、まるで新しい遊びを見つけたように笑顔になり、同じようにドラゴンへ特攻を始めた。だがシャルの持っているセスタスに炎属性は付与されていないため、ヴルトプスの浮袋に火をつけることはできない。

 物は試しに、俺はシャルの持っている『雷光』のセスタスに意識を集中させた。あれが俺の菌糸で構成された武器ならば、遠くからでも『紅炎』を付与することができるかもしれない。暴れるドラゴンの背に飛び乗って、俺はシャルに向けて伸ばした手をぐっと握った。

 瞬間、シャルのセスタスから炎が吹き上がる。彼女は驚いていたが全く熱を感じなかったようで、嬉々として空中を飛び回り、ミサイルのように突撃しながらヴルトプスを爆発させ始めた。

「いいぞシャル!」

 ヴルトプスがドラゴンの群れに紛れ込んでいたおかげで、大聖堂までの足止めは上手く行っている。だが流石にすべてのドラゴンをこの場に縫い付けることはできない。続々とオラガイアに乗り込んでくるドラゴンは数を増やしており、気づけば俺たちの頭上には、鱗雲のような黒い影が不気味な大合唱を響かせていた。

「このままじゃ不味いな……」
「浦敷、シャル! 一旦降りてこい!」

 ドミラスから呼ばれ、俺は頭にかぶりつこうとしてきたドラゴンを引き裂いて飛び降りた。その直後、入れ替わるように地上から無数の糸が放たれ、それに触れたドラゴンたちが豆腐のように切り裂かれていく。そして、ドミラスの手元から糸の先端に掛けて炎が駆け上がっていくのが見えた。

「おいおいまさか!」

 俺は空中で一度方向転換し、シャルを回収してから全力で地面を目指した。

 その数秒後、燃え盛る糸に引っ掛かったヴルトプスたちが連鎖爆発を生み出した。ドミラスの『傀儡』はなおも蜘蛛のような糸を張りながら拡大し続け、上空と左右の五十メートル付近までのドラゴンたちを巻き込んでいく。

 巨大な糸の壁が張られたことで、ついにドラゴンたちの流れがせき止められた。ドラゴンたちは蜘蛛の巣を迂回しようとするが、密集しすぎた仲間を押しのけ切れずに次々に両断されている。後ろのドラゴンたちも操られている弊害なのか、速度を落としきれずに燃え盛る糸に突っ込んでは絶命していった。

 上から降り注ぐ大ぶりの肉片を回避しながら、俺は抱きかかえていたシャルをおろして驚嘆した。

「すげー、マジで討滅者になった方がいいんじゃねぇの?」
「くくく、さすが未来の俺が人体改造しただけはある」
「さらっと何言ってんだアンタ!?」

 そういえば先ほど糸に伝わせた炎も俺の『紅炎』に見えたが、まさか菌糸を移植したわけではないよな?

 不安になった俺はドミラスの菌糸模様を睨みつけるが、移植の痕跡を見つけるより早くドミラスが口を開いた。

「浦敷、今のうちに西区画へ向かうぞ」
「あ、ああ。でもその糸って設置できんのかよ? この壁が消えたらまたさっきの足止めに逆戻りだぞ」
「いや、俺たちの仕事は終わりだ」

 と、ドミラスが糸を解いた瞬間、俺たちの後方から数え切れないほどの砲弾が降り注いできた。砲弾に直撃したドラゴンたちは、濁った悲鳴を上げながら成すすべもなく墜落していく。ブレスを吐いて反撃を試みる個体もいたが、砲弾の硬度は尋常ではなく、相殺することもできずに押し負けていった。

「な、なんだ!?」
「オラガイアの憲兵隊だ。もう少し下がれ、巻き込まれるぞ!」

 言われるがままに街の中心方向へ下がると、建物の影に隠れて見えなかったが、中央区域と南旧市街の境目に砲撃部隊が集結していた。

 外周に設置されていた固定砲台とは違って、使用されているのは車輪付きの小型砲台だった。砲台の形は大型のロケットランチャーに酷似しており、側面には雷属性の菌糸模様を押し固めた直線の溝が彫られていた。

「装填完了! 撃て!」

 砲台を運んできた憲兵たちが砲台上部の引き金を拳で叩く。すると側面の溝が眩く輝き、青い噴煙を上げながら砲弾を弾き出した。

 身一つでドラゴンに立ち向かう俺たち狩人と違い、リデルゴア国に属する憲兵は誰でも扱うことができる兵器で戦う。戦闘に特化した菌糸能力を持たない人間も戦力に入れるための方策だ。

 個人の力が弱い分、憲兵たちの人海戦術は驚くほど優れている。毎年リデルゴア中央都市に押し寄せるスタンピードを耐え切れるのも、彼らの力があってこそだ。

 小型砲台は見える限りで五十から六十門ほど。それらが絶え間なく火を吹き、着弾してもなお貫通しながら後方の群れまで吹き飛ばす。俺たちが地道にヴルトプスを爆破させるよりも圧倒的な討伐速度で、ごっそりとドラゴンの群れが減り始めているのが一目で分かった。

 また、砲撃部隊の遥か後方の中央区域では、オラガイアの守護狩人たちが撃ち漏らしたドラゴンの対処に当たっていた。これならば俺たちが抜けてもまだまだ籠城できるだろう。無謀にも思えたこの戦いにも光明が差してきた。

 ふと、砲弾とは別の黒い物体がドラゴンの群れの中に突っ込んでいった。

「っしゃあああああおらああああああ!」

 酒焼けした女性の怒号が空に響き渡ったかと思うと、黒い物体から三本の長く赤い爪が飛び出してきた。

 あの毒々しい武器には見覚えがあった。ノースマフィアが好んで使う暗器だ。

 ノースマフィアでは首領の証として赤い刃の三本爪が代々継承されていく慣習がある。かくいう俺が仕えていた三代目首領もあの暗器を使っていた。

 ならばあの黒い塊の正体はノースマフィアの首領であり、ダアト教幹部だ。

 赤い三本爪が恐るべき速度でドラゴンの群れの中心へと吸い込まれ、一匹のドラゴンを討ち取る。その直後、三本爪から前方へ向け、音が消滅するほどのソニックブームが発生した。ドミラスの作った糸の壁とほぼ同じ広範囲が、建物ごと吹き飛ばされて更地になる。

 約百体ほどのドラゴンを消し飛ばした張本人は、空中で黒いコートを翻しながら俺たちの近くへ飛び降りてきた。それから赤い三本爪を切り払い、面倒臭そうに息を吐きながら前髪を掻き上げた。

 俺と同じ黒髪の、長身の女性だ。ショートパンツと暖かそうな長いブーツ、鎧の下にはふわふわのニットというアンバランスな格好をしており、凛とした彫りのある目鼻立ちは、三代目ノースマフィアの首領とよく似た勇壮さがあった。

 十二人会議では、確かアレスティアと呼ばれていたか。彼女はドミラスと目が合うと、嘲るように片頬を持ち上げて歩み寄ってきた。

「汚ねぇ蜘蛛の巣が見えたと思ったら、やっぱりてめぇか、石頭」
「石頭の意味をもう一度辞書で調べてこい」
「うるせぇ! ロッシュについてきただけのウンパルの稚魚め!」

 暴言が飛び出した瞬間、シャルが小さく噴き出した。ウンパルとは水属性の下位ドラゴンで、ウンパルの子供はいつ何時も親にくっついて行動する。要するに金魚のフンだ。

 ドミラスはこめかみを引くつかせながらアレスティアを睨みつけると、深くため息を吐いた。

「喧嘩している場合じゃないな。おいアレスティア、ロッシュは今どこにいる? 連絡が取れないんだが」

 そういえば、ロッシュから貰っていた銀色の鈴はドラゴンの襲撃があってからずっと沈黙を保っている。もしやすでに大聖堂が襲われたのかと俺は心配したが、アレスティアは面倒臭そうに鼻を鳴らした。

「あのボンボンなら今頃、大聖堂の地下でマルタと一緒にトゥアハの護衛をしてんよ。それがどうした?」
「いや、それなら問題ない。俺たちはこれから西区画に行く。ここは任せたぞ」
「はぁ? 西に行ったってなんにもねぇだろうが! まさか逃げる気か!?」
「鍵者の仕事を補佐するだけだ」
「……はぁー? オラガイアに鍵者が来るわ……け……」

 アレスティアの視線が俺に向けられ、言葉が途切れる。その直後、男勝りな雰囲気から一転して、乙女のような初々しい恥じらいがアレスティアの頬に紅を差した。心なしか少女漫画のような花びらが背景に散っているような気がする。

「えっと?」

 困惑しながら俺が後ずさると、ドラゴンの軍勢から咆哮の大合唱が轟いた。砲撃にやられてばかりだったドラゴンたちが統率を取り、無数のブレスが壁を作りながら徐々に前線を押し上げ始めたのだ。

 しかもドラゴンたちの増援が南東、南西の左右から近づいてくるのが見える。このままではオラガイア全体がスタンピードに飲み込まれてしまうだろう。

「ドクター! 急がないとヤバい!」
「ああ。砲撃が止む前に移動を――」

 ドミラスが言い終わらないうちに、アレスティアが突然俺に飛び掛かってきた。油断していた俺はあっという間に押し倒されてしまい、アレスティアが馬乗りになる。

 そしてアレスティアの手が素早く俺の胸元に滑り込み、服のボタンを外して臍に触れた。

「……え!? なに、おいなんだこれは!?」
「ある……『核印』が……お爺様の付けた『核印』が!」
「お、お爺様ってもしかして三代目のこ……!?」

 アレスティアの顔が急速に俺の眼前まで迫ってきて、唇に何かが触れた。離れ側に、生暖かい吐息が吹き付けられる。

 今のは、接吻か?

 ますます意味が分からず頭が真っ白になる。対してアレスティアは恍惚とした顔で俺の頬をなぞり、ぼろぼろと涙を流し始めた。

「ようやく会えた。ノラ兄さま!」
「………………ハイ?」
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