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4章
(15)懐疑
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レオハニーの訓練は普段とは比べ物にならない過激さだった。
まず最初に驚いたのが、骨折も打撲も負傷するのが当たり前な打ち合い稽古だった。俺が治癒能力持ちであることをいいことに、レオハニーVSエトロたちで意識を失うまで戦わせ、治療が済んだら水を浴びせて叩き起こし、また戦わせるという狂った稽古スタイルだった。
いきなり厳しい稽古から始められてハウラの心が折れてしまうんじゃないかと俺は心配したが、それは杞憂に終わった。
ハウラは今まで箱入り娘だったとは思えないほどの奮闘を見せ、何時間もレオハニーと戦い続けていた。気絶して復帰するたびにハウラには攻撃を見極める余裕が生まれ、状況に合わせて能力の形態を変化させられるようになっていった。時々エトロやアンリ、シャルを交えての集団戦も繰り広げたので、二日目が終わる頃にはハウラの戦いぶりは見違えるほど多彩なものに変化した。
レオハニーの訓練を受けていたのはハウラだけではない。ハウラの治療中はエトロが、エトロが無理ならアンリが戦い、最後にシャルが戦った。俺は仲間の治療があるため時々しか参加できなかったが、それでもドラゴンを相手にした方がマシだと思うぐらいにキツい時間だった。
恐るべきはレオハニーの体力である。ほとんど一日中動き回っていたというのに、訓練が終わってもレオハニーは息一つ乱れていなかった。しかも戦闘中、彼女は一度も菌糸能力を発動していない。生物としての次元が違っているとしか思えないほど、俺たちとレオハニーには歴然とした差があった。
訓練の中で手応えを感じれば感じるほど、いかにレオハニーが遠い存在か思い知らされる。だがそれだけではなく、自分にはもっと伸び代があるのだとも気付かされた。
レオハニーの戦い方には無駄がない。その速さに追いつこうとすると、必然的に菌糸能力の発動効率に行き着いた。
菌糸能力の発動を早めるには、常に力の巡りを意識しなければならない。必要な時に最低限出力し、受けるか、流すか、避けるかを瞬時に判断する。基本中の基本だが、それを極めなければレオハニーには勝てない。
それにしても、レオハニーは一体どれほどの歳月を戦闘に費やしたのだろう。複数の人生を生きて討滅者になった記憶のある俺でさえもレオハニーに勝てるビジョンが浮かばなかった。
俺にとってレオハニーは、敵とも味方とも判じることができない未知の存在だ。
──もし殺し合いになったら勝てるのか。
ばしゃり、と露天風呂から手を出した拍子に大きな音が鳴る。俺はそのまま顔の水を掌で拭い、石組に持たれながら満天の星空を見上げた。
「ふぃー……」
訓練終わりに入る風呂は至高である。痛む打撲や筋肉痛が和らいで、今日も一日よくやったと自分を褒め称えたくなるぐらいだ。
最近は、頭がこんがらがって疲労が溜まってばかりだ。毎朝自分が死ぬ瞬間の夢を見て飛び起き、街の中にいてもなんだか落ち着かない。レオハニーが近くにいるとそれは悪化した。
おそらく、俺が思っている以上に死の記憶を思い出したストレスが残っているのだろう。何度も死に、裏切られた今までの俺たちの記憶は、今の俺にとっては映画のような他人事のはず。しかし実際に俺を殺したベアルドルフやダアト教が存在する以上、否応なしに過去と現在を混同してしまうのだ。
俺はもう死にたくない。そして記憶のバックアップ役だったアンジュは行方不明、その引き継ぎだった99もレオハニーに殺されたため、俺の残機もない。
たった一つの命。当たり前の事実が、あまりにも恐ろしい。ゲームオーバーを迎えたら、今まで積み上げたデータが一つ残らず消える。
「……死にたくないなぁ」
一時はどうでもいいと思った自分の命が、ほんの少し幸せな時間を過ごしただけで惜しくなる。
深く息を吐いて、血の巡りを意識する。
駄々をこねるのは子供でもできる。今俺がやるべきは、敵と味方を見極めることだ。
過去の俺の記憶から今の情勢を割り出してみると、俺たちを取り囲む勢力関係はかなり複雑な構成だ。
まずはダアト教。彼らは予言書を解読し、それを元に終末の日を避けようとしている人たちだ。彼らは終末の日を起こすとされる鍵者を利用し、危険があると判断すれば即座に殺す非道な集団でもある。前の俺が中央都市で処刑されたのがいい例だ。
俺を殺そうとしている奴といえばもう一人、ベアルドルフだ。あいつは歴代の鍵者を殺しまわっており、その因縁は過去の俺が初めて討滅者になった時から由来する。
正直、シャルを託してきたり、今回の俺だけ見逃したりと、ベアルドルフの行動には不可解なものが多い。彼は正しき者が救われる世界を目指しているらしいが、肝心の目的が漠然としているため味方とも断言できない。
対して、俺を殺すのではなく捕えようとする勢力も存在する。ベートとトトの、終末の日を引き起こそうとしているNoD組だ。彼女たちは新人類を利用して人体実験を行い、また自分たちに不都合な事件を隠蔽するために目撃者を殺しまわってきた。このNoD組だけは確実に俺の敵だと断言できる。
そして、ベートやトトと同じNoDでありながら、彼女たちと対立する勢力がもう一つ。レオハニーに殺されてしまった99である。ヨルドの里で99は炭になってしまったが、鍵者の記憶を持ち運ぶ大切な役目を持つ彼女が、そう簡単に死ぬとは思えない。レオハニーの監視のせいで死体を確認できなかったのは痛手だが、近いうちに会えるのでは、という確信めいた予感があった。
最後に、上記に挙げた勢力とは逸脱するが、勢力図の中で一番謎の多い人物──浦敷博士のことだ。
あの男はわざわざ自分の遺伝子から俺というクローンを生み出し、鍵者を使って何かをしようとしている。だが、俺自らが予言書に近づいたり、ダアト教の幹部に取り入ろうとすることはあっても、逆に浦敷博士に指示されたり、行動を制限されるようなことは一度もなかった。ドミラスが浦敷博士に対して友好的な態度を取っていることから、おそらくNoD組とは違う立ち位置にいると思われる。
これらを総合して考えると、大きく三つの派閥に分けられる。
一つは終末を引き起こし、この世界を乗っ取ろうとするNoDたち終末派。
もう一つは、NoD組の目的を阻止しようとする99やアンジュなどの中立派。
最後の一つは、機械仕掛けの世界そのものを敵視するベアルドルフたち現実派だ。
一応ダアト教に関しては、終末派なのか現実派なのか微妙なところだ。中央都市の俺の処刑しかり、ロッシュの英雄扱いしかり、これまでの鍵者に対する扱いが手厚かったり厳しかったりと一貫性がない。もしかしたらダアト教も一枚岩ではないのかもしれないが、これ以上細分化するととややこしくなりそうなので割愛する。
ここで問題になるのはやはり、レオハニーの扱いである。
レオハニーはエトロの師匠であり、最強の討滅者であり、俺の命の恩人だ。そして、機械仕掛けの世界から転生してきた俺と同郷の人でもある。
彼女は機械仕掛けの門を破壊し、終末の日に侵攻してくる終末派を阻止しようと俺に提案してきた。だが、俺はそれがレオハニーの本心だと思えなかった。
機械仕掛けの門が壊れてしまえば、ほぼ確実に現実世界と仮想世界を繋ぐ道が途絶える。そうなれば、レオハニーは二度と故郷に帰れなくなってしまう。
もし自分が異世界転生したとして、唯一自分の元いた世界に帰れる門があったとして。魔王を倒すためには門を壊さなければならないと言われて、実行に移せる人はそういない。移せたとしても、多少の葛藤を見せるはずだ。
なのにレオハニーにはそれがなかった。偽物の記憶を植え付けられた俺でさえも故郷を捨てきれないのに、実際にあの世界を生きたレオハニーが、簡単に故郷を諦められるものなのか?
それにもっと気掛かりなのは、俺の目の前で99を殺したことだ。まるで俺に思い出して欲しくない記憶があると言わんばかりの強引な介入には、いくらなんでも不信すぎる。だからと言ってエトロの師匠であり俺の命の恩人である人に「信用できないから近づくな」と言えるわけもない。
いっそレオハニーが赤の他人だったら、キッパリと敵と断じられたのに。
「あ゛ー疲れる……」
俺は濁った声を上げながら首を回し、湯船から腰を上げた。夜風が素肌に直接触れるが、身体の芯まで温まったおかげでむしろ涼しく心地よかった。湯冷めする前にさっさとタオルで拭いて、旅館が貸し出している簡素なシャツとパンツに着替えると、俺は髪をガシガシ拭きながら暖簾の外に出た。
すると、計ったようなタイミングで女性風呂からシャルが出てきた。シャルは俺の存在に気づくと、湯上がりでホワホワした表情のまま俺に抱きついてきた。
「重い。今日は抱っこしないぞ」
ジト目になりながら言えば、すぐに声なきブーイングが始まって少々強めに背中を叩かれた。いつになっても力加減が苦手なシャルを軽くひっぱたいてから、手を繋いで借りている部屋の方へ歩き出す。シャルは俺の腕を引っ張りながらぶーたれていたが、だんだんと腕にぶら下がる方が楽しくなったようで、俺の身体でターザンごっこを始め出した。
クソガキスイッチが入ったシャルはかなり厄介だ。持ち前の馬鹿力と菌糸能力で大人の手から逃げ回り、追いかけっこが楽しいからと暴走してしまう。こういう場合は無理に止めず今の遊びに集中させるに限る。何度も痛い目を見た俺は、爆弾解体でもする気分で適度にターザンの紐役に徹した。
白い木目が美しく揃えられた廊下を二人で騒がしく歩いていると、反対側の角から見覚えのあるおっさんがこちらに歩いてきた。そのおっさんは俺と目が合うや、狸っぽい顔で笑いながら手を振ってきた。
「おお! リョーホじゃねぇかい!」
「よお文房具屋のおっさん。旅先で会うなんて奇遇だな」
手を振り返しながら足を止めると、おっさんはシャルの胸元から下がったメモ帳を見てにんまりとした。
「そのメモ、ちゃんと使ってくれてるみたいで嬉しいねぇ。新しいのが欲しかったらいつでも注文してくれよ。特別価格で作ってやる」
「マジ? 助かるよ!」
おっさんお手製のメモ帳は戦闘中でも外れない優れものだ。シャルの声がいつ戻るか不安だったので、また用意してくれるなら素直に嬉しかった。
ついでに以前の文房具屋店主との会話を記憶の棚から引っ張り出してみると、俺はあっと思わず声を上げた。
「そういやさ、この前レオハニーさんに面白い噂がもう一つあるって言ってなかった?」
「ああ、ノクタヴィスの話をした後だったか? ええっと確か、なんて言おうとしたんだっけなぁ」
店主は分厚い顎に触れながら悩んだ後、いきなりポンと手を叩いた。
「ああそうそう! レオハニー様の超眉唾な話だが、とある討滅者からの話ってんで、結構信用できる奴だぜ。多分」
「おいおい、信用できるのかできないのかどっちだよ」
「ハハッ信じるか信じないかは、アナタ次第! ってやつよ。耳貸せ、ほれ」
なぜそんな古いネタを知っているんだ、と内心で突っ込みながら、俺はおっさんの口元へ耳を寄せた。
「中央都市の奥深く、討滅者を任命する時だけに使う『討滅者の間』ってのがあるんだがな? そこには歴代の討滅者の名前が刻まれてんだよ。そんで、一番最初に刻まれている名前、誰だと思うよ」
「さぁ?」
「察しが悪いな。レオハニー様だよ」
瞬間、俺は口をひん曲げながら身を引いた。
「はぁーん、一気に信ぴょう性が消えたな」
「あんだよ、ありえそうだろあのお方ならよ!」
「だって、討滅者制度が始まったのって三百年も前だろ? 同姓同名の赤の他人じゃないのか?」
「いやいや、どうも違うらしいんだよ。歴代の討滅者は全部で七十六人。その中にレオハニーって名前は一つしかないんだ」
つまり俺が言うように同姓同名の人がいたならば、レオハニーという名前が古いものと新しいものとで二つなければおかしい。
「……おっさんの話をまとめると、レオハニーさんは三百年も生きてる最初の討滅者ってことか?」
「かもしれねぇって話だ。眉唾物だろ? けど討滅者の間の記録を見れるのは、同じ討滅者だけだ。火のないところに煙は立たないって言うし、言い出したのは他の討滅者だ。な? そう言われっと信ぴょう性が出てくるだろ?」
他の討滅者、という曖昧な部分が引っかかるが、薄々本当じゃないかと思えてくる。何せこの世界には不老のNoDがいる上、レオハニーの不老不死説まである。三百年前から生きていたとなれば色々と辻褄が合ってしまうのだ。
「けどなぁ、三百年も生きてたらご老人とかが語り継いでそうだけど」
「そう! そこが肝なんだよ。レオハニーの名前が知れ渡ったのはここ三十年の間だ。だからつい最近討滅者になったようにも見えるが、レオハニー様のこと知ってる人間がポックリ死ぬまでどっかに隠れてたとしたらどうよ?」
「流石にそれはこじつけだろ。そういう話ならいいって」
「待て待て。最後まで聞けって」
逃げられないようがしっと肩を掴まれ、店主は声量を下げつつ続けた。
「リデルゴア国の歴史ん中には、意図的に消されたっぽい記録がいくつもある。二十一年前のノンカの里融解事件だって、調査が入ったのに原因が分からんの一点張りだったんだぜ」
「ノンカの里? 聞いたことないな」
「ざっくり言えば、一晩で里が消えたっつう謎の災害のことだよ。前に話したノクタヴィスとノンカの里は距離も近くてな。噂好きの間じゃ、この二つの事件は色々関係あるんじゃねぇかってもっぱらだぜ」
「……それ、レオハニーさんの長生き説と関係あんのか?」
「記録の消し方が似てるんだよ。レオハニー様が関わったノクタヴィスの惨劇とな」
「記録の消し方、ねぇ……」
ノクタヴィスとノンカの里に関係があるとしたら、ベートたちが秘密裏に行っていたドラゴン化の実験が真っ先に思い浮かぶ。もしノンカの里でも同様の実験が行われていたのなら、一晩で里が消えたのも証拠隠滅のためだったのかもしれない。
そう言えば、ノクタヴィスの惨劇に関する記録をとっているのは憲兵隊だったはずだ。当然記録を抹消したのも憲兵隊になるが、それだとおかしな話になってくる。
憲兵隊やダアト教は、終末の日を避けるために戦っているはず。なのにベートたちを手助けするように実験を隠蔽したとなれば、大前提が覆ってしまう。
つまり、ダアト教やリデルゴア国は、とっくの昔に機械仕掛けの世界と癒着しているんじゃないかと──。
はっと息を吐いて俺は思考をリセットした。他人を疑ってばかりいるせいで、どうにも理性的な推理が立てられなくなってきている。根も葉もない噂で結論を急ぐなんて情弱そのものだ。
「まあまあ面白い話だったよ、おっちゃん。結局レオハニーさんのことは分からずじまいだけどな」
「おっとぉ、最後にチクっと言いやがって。けどその目つき、なんか思い当たるもんでも見つけたんだろ?」
「まあな」
商人なだけあって人の変化に目敏い。ただの噂好きのおっさんというわけでもないのだろう。
なんとなく店主から目を逸らしたところで、ぐいっと右腕の袖を下から引っ張られた。目を向けると、メモを掲げたシャルが頬を膨らませながらジト目になっていた。
『おなかすいた』
「俺も。うっし、部屋に戻って飯食うか!」
こくり、と大きく頷くシャルを連れて、俺は店主に手を振った。
「じゃあなおっちゃん。また面白い話があったら教えてくれよ」
「あいよ。次会うまでにくたばるんじゃねぇぞー」
演技でもない激励を受けながら店主と別れ、俺は深く考え込んだ。
リデルゴア国の命令でノクタヴィスの惨劇を止めたレオハニー。
ベートたちの実験記録を隠蔽した憲兵隊。
似たような手法で詳細を隠されたノンカの里融解事件。
この三つの話には根拠がない。ただの噂だ。
しかし実際にドラゴン化の実験の被害者だったゼンならば、何か知っているかもしれない。
着々と真実に迫っていく予感を噛み締めながら、俺は強く拳を握りしめた。
まず最初に驚いたのが、骨折も打撲も負傷するのが当たり前な打ち合い稽古だった。俺が治癒能力持ちであることをいいことに、レオハニーVSエトロたちで意識を失うまで戦わせ、治療が済んだら水を浴びせて叩き起こし、また戦わせるという狂った稽古スタイルだった。
いきなり厳しい稽古から始められてハウラの心が折れてしまうんじゃないかと俺は心配したが、それは杞憂に終わった。
ハウラは今まで箱入り娘だったとは思えないほどの奮闘を見せ、何時間もレオハニーと戦い続けていた。気絶して復帰するたびにハウラには攻撃を見極める余裕が生まれ、状況に合わせて能力の形態を変化させられるようになっていった。時々エトロやアンリ、シャルを交えての集団戦も繰り広げたので、二日目が終わる頃にはハウラの戦いぶりは見違えるほど多彩なものに変化した。
レオハニーの訓練を受けていたのはハウラだけではない。ハウラの治療中はエトロが、エトロが無理ならアンリが戦い、最後にシャルが戦った。俺は仲間の治療があるため時々しか参加できなかったが、それでもドラゴンを相手にした方がマシだと思うぐらいにキツい時間だった。
恐るべきはレオハニーの体力である。ほとんど一日中動き回っていたというのに、訓練が終わってもレオハニーは息一つ乱れていなかった。しかも戦闘中、彼女は一度も菌糸能力を発動していない。生物としての次元が違っているとしか思えないほど、俺たちとレオハニーには歴然とした差があった。
訓練の中で手応えを感じれば感じるほど、いかにレオハニーが遠い存在か思い知らされる。だがそれだけではなく、自分にはもっと伸び代があるのだとも気付かされた。
レオハニーの戦い方には無駄がない。その速さに追いつこうとすると、必然的に菌糸能力の発動効率に行き着いた。
菌糸能力の発動を早めるには、常に力の巡りを意識しなければならない。必要な時に最低限出力し、受けるか、流すか、避けるかを瞬時に判断する。基本中の基本だが、それを極めなければレオハニーには勝てない。
それにしても、レオハニーは一体どれほどの歳月を戦闘に費やしたのだろう。複数の人生を生きて討滅者になった記憶のある俺でさえもレオハニーに勝てるビジョンが浮かばなかった。
俺にとってレオハニーは、敵とも味方とも判じることができない未知の存在だ。
──もし殺し合いになったら勝てるのか。
ばしゃり、と露天風呂から手を出した拍子に大きな音が鳴る。俺はそのまま顔の水を掌で拭い、石組に持たれながら満天の星空を見上げた。
「ふぃー……」
訓練終わりに入る風呂は至高である。痛む打撲や筋肉痛が和らいで、今日も一日よくやったと自分を褒め称えたくなるぐらいだ。
最近は、頭がこんがらがって疲労が溜まってばかりだ。毎朝自分が死ぬ瞬間の夢を見て飛び起き、街の中にいてもなんだか落ち着かない。レオハニーが近くにいるとそれは悪化した。
おそらく、俺が思っている以上に死の記憶を思い出したストレスが残っているのだろう。何度も死に、裏切られた今までの俺たちの記憶は、今の俺にとっては映画のような他人事のはず。しかし実際に俺を殺したベアルドルフやダアト教が存在する以上、否応なしに過去と現在を混同してしまうのだ。
俺はもう死にたくない。そして記憶のバックアップ役だったアンジュは行方不明、その引き継ぎだった99もレオハニーに殺されたため、俺の残機もない。
たった一つの命。当たり前の事実が、あまりにも恐ろしい。ゲームオーバーを迎えたら、今まで積み上げたデータが一つ残らず消える。
「……死にたくないなぁ」
一時はどうでもいいと思った自分の命が、ほんの少し幸せな時間を過ごしただけで惜しくなる。
深く息を吐いて、血の巡りを意識する。
駄々をこねるのは子供でもできる。今俺がやるべきは、敵と味方を見極めることだ。
過去の俺の記憶から今の情勢を割り出してみると、俺たちを取り囲む勢力関係はかなり複雑な構成だ。
まずはダアト教。彼らは予言書を解読し、それを元に終末の日を避けようとしている人たちだ。彼らは終末の日を起こすとされる鍵者を利用し、危険があると判断すれば即座に殺す非道な集団でもある。前の俺が中央都市で処刑されたのがいい例だ。
俺を殺そうとしている奴といえばもう一人、ベアルドルフだ。あいつは歴代の鍵者を殺しまわっており、その因縁は過去の俺が初めて討滅者になった時から由来する。
正直、シャルを託してきたり、今回の俺だけ見逃したりと、ベアルドルフの行動には不可解なものが多い。彼は正しき者が救われる世界を目指しているらしいが、肝心の目的が漠然としているため味方とも断言できない。
対して、俺を殺すのではなく捕えようとする勢力も存在する。ベートとトトの、終末の日を引き起こそうとしているNoD組だ。彼女たちは新人類を利用して人体実験を行い、また自分たちに不都合な事件を隠蔽するために目撃者を殺しまわってきた。このNoD組だけは確実に俺の敵だと断言できる。
そして、ベートやトトと同じNoDでありながら、彼女たちと対立する勢力がもう一つ。レオハニーに殺されてしまった99である。ヨルドの里で99は炭になってしまったが、鍵者の記憶を持ち運ぶ大切な役目を持つ彼女が、そう簡単に死ぬとは思えない。レオハニーの監視のせいで死体を確認できなかったのは痛手だが、近いうちに会えるのでは、という確信めいた予感があった。
最後に、上記に挙げた勢力とは逸脱するが、勢力図の中で一番謎の多い人物──浦敷博士のことだ。
あの男はわざわざ自分の遺伝子から俺というクローンを生み出し、鍵者を使って何かをしようとしている。だが、俺自らが予言書に近づいたり、ダアト教の幹部に取り入ろうとすることはあっても、逆に浦敷博士に指示されたり、行動を制限されるようなことは一度もなかった。ドミラスが浦敷博士に対して友好的な態度を取っていることから、おそらくNoD組とは違う立ち位置にいると思われる。
これらを総合して考えると、大きく三つの派閥に分けられる。
一つは終末を引き起こし、この世界を乗っ取ろうとするNoDたち終末派。
もう一つは、NoD組の目的を阻止しようとする99やアンジュなどの中立派。
最後の一つは、機械仕掛けの世界そのものを敵視するベアルドルフたち現実派だ。
一応ダアト教に関しては、終末派なのか現実派なのか微妙なところだ。中央都市の俺の処刑しかり、ロッシュの英雄扱いしかり、これまでの鍵者に対する扱いが手厚かったり厳しかったりと一貫性がない。もしかしたらダアト教も一枚岩ではないのかもしれないが、これ以上細分化するととややこしくなりそうなので割愛する。
ここで問題になるのはやはり、レオハニーの扱いである。
レオハニーはエトロの師匠であり、最強の討滅者であり、俺の命の恩人だ。そして、機械仕掛けの世界から転生してきた俺と同郷の人でもある。
彼女は機械仕掛けの門を破壊し、終末の日に侵攻してくる終末派を阻止しようと俺に提案してきた。だが、俺はそれがレオハニーの本心だと思えなかった。
機械仕掛けの門が壊れてしまえば、ほぼ確実に現実世界と仮想世界を繋ぐ道が途絶える。そうなれば、レオハニーは二度と故郷に帰れなくなってしまう。
もし自分が異世界転生したとして、唯一自分の元いた世界に帰れる門があったとして。魔王を倒すためには門を壊さなければならないと言われて、実行に移せる人はそういない。移せたとしても、多少の葛藤を見せるはずだ。
なのにレオハニーにはそれがなかった。偽物の記憶を植え付けられた俺でさえも故郷を捨てきれないのに、実際にあの世界を生きたレオハニーが、簡単に故郷を諦められるものなのか?
それにもっと気掛かりなのは、俺の目の前で99を殺したことだ。まるで俺に思い出して欲しくない記憶があると言わんばかりの強引な介入には、いくらなんでも不信すぎる。だからと言ってエトロの師匠であり俺の命の恩人である人に「信用できないから近づくな」と言えるわけもない。
いっそレオハニーが赤の他人だったら、キッパリと敵と断じられたのに。
「あ゛ー疲れる……」
俺は濁った声を上げながら首を回し、湯船から腰を上げた。夜風が素肌に直接触れるが、身体の芯まで温まったおかげでむしろ涼しく心地よかった。湯冷めする前にさっさとタオルで拭いて、旅館が貸し出している簡素なシャツとパンツに着替えると、俺は髪をガシガシ拭きながら暖簾の外に出た。
すると、計ったようなタイミングで女性風呂からシャルが出てきた。シャルは俺の存在に気づくと、湯上がりでホワホワした表情のまま俺に抱きついてきた。
「重い。今日は抱っこしないぞ」
ジト目になりながら言えば、すぐに声なきブーイングが始まって少々強めに背中を叩かれた。いつになっても力加減が苦手なシャルを軽くひっぱたいてから、手を繋いで借りている部屋の方へ歩き出す。シャルは俺の腕を引っ張りながらぶーたれていたが、だんだんと腕にぶら下がる方が楽しくなったようで、俺の身体でターザンごっこを始め出した。
クソガキスイッチが入ったシャルはかなり厄介だ。持ち前の馬鹿力と菌糸能力で大人の手から逃げ回り、追いかけっこが楽しいからと暴走してしまう。こういう場合は無理に止めず今の遊びに集中させるに限る。何度も痛い目を見た俺は、爆弾解体でもする気分で適度にターザンの紐役に徹した。
白い木目が美しく揃えられた廊下を二人で騒がしく歩いていると、反対側の角から見覚えのあるおっさんがこちらに歩いてきた。そのおっさんは俺と目が合うや、狸っぽい顔で笑いながら手を振ってきた。
「おお! リョーホじゃねぇかい!」
「よお文房具屋のおっさん。旅先で会うなんて奇遇だな」
手を振り返しながら足を止めると、おっさんはシャルの胸元から下がったメモ帳を見てにんまりとした。
「そのメモ、ちゃんと使ってくれてるみたいで嬉しいねぇ。新しいのが欲しかったらいつでも注文してくれよ。特別価格で作ってやる」
「マジ? 助かるよ!」
おっさんお手製のメモ帳は戦闘中でも外れない優れものだ。シャルの声がいつ戻るか不安だったので、また用意してくれるなら素直に嬉しかった。
ついでに以前の文房具屋店主との会話を記憶の棚から引っ張り出してみると、俺はあっと思わず声を上げた。
「そういやさ、この前レオハニーさんに面白い噂がもう一つあるって言ってなかった?」
「ああ、ノクタヴィスの話をした後だったか? ええっと確か、なんて言おうとしたんだっけなぁ」
店主は分厚い顎に触れながら悩んだ後、いきなりポンと手を叩いた。
「ああそうそう! レオハニー様の超眉唾な話だが、とある討滅者からの話ってんで、結構信用できる奴だぜ。多分」
「おいおい、信用できるのかできないのかどっちだよ」
「ハハッ信じるか信じないかは、アナタ次第! ってやつよ。耳貸せ、ほれ」
なぜそんな古いネタを知っているんだ、と内心で突っ込みながら、俺はおっさんの口元へ耳を寄せた。
「中央都市の奥深く、討滅者を任命する時だけに使う『討滅者の間』ってのがあるんだがな? そこには歴代の討滅者の名前が刻まれてんだよ。そんで、一番最初に刻まれている名前、誰だと思うよ」
「さぁ?」
「察しが悪いな。レオハニー様だよ」
瞬間、俺は口をひん曲げながら身を引いた。
「はぁーん、一気に信ぴょう性が消えたな」
「あんだよ、ありえそうだろあのお方ならよ!」
「だって、討滅者制度が始まったのって三百年も前だろ? 同姓同名の赤の他人じゃないのか?」
「いやいや、どうも違うらしいんだよ。歴代の討滅者は全部で七十六人。その中にレオハニーって名前は一つしかないんだ」
つまり俺が言うように同姓同名の人がいたならば、レオハニーという名前が古いものと新しいものとで二つなければおかしい。
「……おっさんの話をまとめると、レオハニーさんは三百年も生きてる最初の討滅者ってことか?」
「かもしれねぇって話だ。眉唾物だろ? けど討滅者の間の記録を見れるのは、同じ討滅者だけだ。火のないところに煙は立たないって言うし、言い出したのは他の討滅者だ。な? そう言われっと信ぴょう性が出てくるだろ?」
他の討滅者、という曖昧な部分が引っかかるが、薄々本当じゃないかと思えてくる。何せこの世界には不老のNoDがいる上、レオハニーの不老不死説まである。三百年前から生きていたとなれば色々と辻褄が合ってしまうのだ。
「けどなぁ、三百年も生きてたらご老人とかが語り継いでそうだけど」
「そう! そこが肝なんだよ。レオハニーの名前が知れ渡ったのはここ三十年の間だ。だからつい最近討滅者になったようにも見えるが、レオハニー様のこと知ってる人間がポックリ死ぬまでどっかに隠れてたとしたらどうよ?」
「流石にそれはこじつけだろ。そういう話ならいいって」
「待て待て。最後まで聞けって」
逃げられないようがしっと肩を掴まれ、店主は声量を下げつつ続けた。
「リデルゴア国の歴史ん中には、意図的に消されたっぽい記録がいくつもある。二十一年前のノンカの里融解事件だって、調査が入ったのに原因が分からんの一点張りだったんだぜ」
「ノンカの里? 聞いたことないな」
「ざっくり言えば、一晩で里が消えたっつう謎の災害のことだよ。前に話したノクタヴィスとノンカの里は距離も近くてな。噂好きの間じゃ、この二つの事件は色々関係あるんじゃねぇかってもっぱらだぜ」
「……それ、レオハニーさんの長生き説と関係あんのか?」
「記録の消し方が似てるんだよ。レオハニー様が関わったノクタヴィスの惨劇とな」
「記録の消し方、ねぇ……」
ノクタヴィスとノンカの里に関係があるとしたら、ベートたちが秘密裏に行っていたドラゴン化の実験が真っ先に思い浮かぶ。もしノンカの里でも同様の実験が行われていたのなら、一晩で里が消えたのも証拠隠滅のためだったのかもしれない。
そう言えば、ノクタヴィスの惨劇に関する記録をとっているのは憲兵隊だったはずだ。当然記録を抹消したのも憲兵隊になるが、それだとおかしな話になってくる。
憲兵隊やダアト教は、終末の日を避けるために戦っているはず。なのにベートたちを手助けするように実験を隠蔽したとなれば、大前提が覆ってしまう。
つまり、ダアト教やリデルゴア国は、とっくの昔に機械仕掛けの世界と癒着しているんじゃないかと──。
はっと息を吐いて俺は思考をリセットした。他人を疑ってばかりいるせいで、どうにも理性的な推理が立てられなくなってきている。根も葉もない噂で結論を急ぐなんて情弱そのものだ。
「まあまあ面白い話だったよ、おっちゃん。結局レオハニーさんのことは分からずじまいだけどな」
「おっとぉ、最後にチクっと言いやがって。けどその目つき、なんか思い当たるもんでも見つけたんだろ?」
「まあな」
商人なだけあって人の変化に目敏い。ただの噂好きのおっさんというわけでもないのだろう。
なんとなく店主から目を逸らしたところで、ぐいっと右腕の袖を下から引っ張られた。目を向けると、メモを掲げたシャルが頬を膨らませながらジト目になっていた。
『おなかすいた』
「俺も。うっし、部屋に戻って飯食うか!」
こくり、と大きく頷くシャルを連れて、俺は店主に手を振った。
「じゃあなおっちゃん。また面白い話があったら教えてくれよ」
「あいよ。次会うまでにくたばるんじゃねぇぞー」
演技でもない激励を受けながら店主と別れ、俺は深く考え込んだ。
リデルゴア国の命令でノクタヴィスの惨劇を止めたレオハニー。
ベートたちの実験記録を隠蔽した憲兵隊。
似たような手法で詳細を隠されたノンカの里融解事件。
この三つの話には根拠がない。ただの噂だ。
しかし実際にドラゴン化の実験の被害者だったゼンならば、何か知っているかもしれない。
着々と真実に迫っていく予感を噛み締めながら、俺は強く拳を握りしめた。
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