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3章
(21)当たらなければどうということはない
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「戦うのは最低限だ。生きることだけを考えろ。できるだけ時間を稼げ」
ゼンからそう指示を受けて、俺はようやく固まっていた手足を動かし始めた。太刀を握りしめはしたものの、ヤツカバネの分厚い鱗に傷を付けられるイメージが全く湧かない。
勝つのが目的ではない。時間稼ぎをするだけ。だが今の俺には時間稼ぎの方がはるかに難易度が高い気がしてきた。
ヤツカバネは巨大な瞳孔を収縮させながら俺たちを睥睨すると、ごうごうと大量の空気を押しのけながら長い首をのけ反らせた。
「来るぞ。備えろ!」
ゼンは『幻惑』でドラゴンの群れを複製し、一斉にヤツカバネへと向かわせた。ヤツカバネは突然現れた獲物に僅かに目を細めたのち、背中に垂れ下がった純白の翼を大きく広げた。
「っ危ない!」
俺は咄嗟に叫び、シャルを抱きあげながら『雷光』で疾走する。ゼンもエトロも、余裕をもってヤツカバネの翼を潜り抜け、攻撃範囲から退避した。
強風に靡くカーテンのようにみるみる膨らんだ飛膜は、あっという間に簡易的なドームを作り上げた。カーテンの内側に残った幻影のドラゴンや樹木たちにもはや逃げ場がなく、ヤツカバネは長い首で獲物たちを睥睨しながら、ゆっくりと翼で彼らを抱きすくめた。
飛膜はあらゆる物質をすり抜けながら閉じ、ヤツカバネの背中へと収縮する。そして、飛膜に触れてしまった物質はすべて、真っ黒な粘液となって崩れ落ちた。およそグラウンド一つ分の土地から、あらゆる生命がほんの数秒の間に消え去ってしまったのだ。後に残るのは不自然に平らになった黒い大地と、吐き気を催すほどの異臭だけである。
国一つ滅ぼしてしまえそうな光景だったが、あれはヤツカバネにとっては攻撃でなく、ただの『食事』だ。俺たちが塔を建築してまで警戒している捕食攻撃はこれの比ではない。
もし逃げるのが遅れていたら、あの黒い泥になっていたのは俺だった。身体を半分食われたハインキーの傷は『雷光』で再生できたが、持って行かれた魂まで戻せるかと言われれば、きっと不可能だ。一度でも触れたら終わりだと考えた方がいい。
これから俺たちは、化け物を相手に何時間も命懸けの鬼ごっこをしなければならない。言葉にすればたったそれだけのことなのに、俺の肩には押しつぶされそうなほどの責任と絶望がのしかかってきた。
ヤツカバネは捕食行動を終えると、自分が喰らった獲物が幻だったことに気づき、苛立たし気な咆哮を上げた。腹の底が震えるほどの叫びは大気が吹き飛ぶほどで、俺たちはその場に立っていられず木の葉のように吹き飛ばされた。
ゼンの『幻惑』はすべてヤツカバネの咆哮に掻き消されてしまい、飛ばされた俺たちの姿はヤツカバネに丸見えだ。折りたたまれた純白の飛膜が再び広げられ、捕食攻撃の予備動作を取り始める。
アレを食らったら全滅してしまう。なんとしてでも阻止しなくては。
俺は強風に振り回されながらなんとか体制を整えようとするが、悪あがきをする暇もなくヤツカバネの飛膜が完全に展開されてしまった。遠目から見ると、その翼は妖精の羽衣のように美しかったが、光を吸い込むほどに黒いヤツカバネの体躯は死神そのものだった。
「せめて、誰か一人だけでも……!」
俺は目を血走らせながら、すぐ近くにいる仲間を探そうと首を傾けた。その時、ヤツカバネの真横で群青の鋭い光がちらついた気がした。
見れば、そこには左腕に鎖を絡め、右手に群青色の鎌を握ったゼンの姿があった。あの爆風の中、ゼンは鎖鎌で近くの木に身体を固定し、ヤツカバネのすぐ傍らで攻撃のチャンスを待っていたのだ。
ヒュン! と遠くに居ても聞こえるほどの鋭い風切り音と共に、ゼンの腕から鎖鎌の先端が豪速で放たれる。群青の鎌は美しい軌跡を残しながら、ヤツカバネの左目に深々と突き刺さった。
『ヒュルルルアアア!?』
予想外の方向から急所を貫かれ、ヤツカバネは驚愕の悲鳴を上げながら捕食攻撃を中断した。
ぎりぎりのところで助かった安堵に息を吐きながら、俺はゼンの的確な行動力に舌を巻く。守護狩人とは、いざという時に真っ先に戦場を駆り、守るべき人たちを逃すまで戦い続ける者。その使命を体現したかのようなゼンの立ち回りは見事である。
そして迷いなくヤツカバネに立ち向かうゼンの姿に、すっかり萎んでいた俺の闘志に火が付いた。こんな時に戦えないくせに守護狩人になるなんて夢のまた夢だ。
守られるのではなく、共に戦わねばならない。
戦え。俺なら行ける。
「お……おおお!」
心の中で何度も自分を奮い立たせ、『紅炎』と『雷光』で最大限加速しながらヤツカバネへ肉薄する。
『ヒュルルルルルルルル!』
ヤツカバネはすぐに俺の存在に気づき、迎撃するべく長い首を低く下げ、巨大な口をぱっくりと広げた。顎の根元から九十度に開かれた口内にはびっしりと歯が生えそろい、一度噛みつかれたら二度と逃げることはできないだろう。
ヤツカバネの弱点は額にある。辿り着くためには、あの口を飛び越えなければならない。迂回すれば速度が落ち、ヤツカバネに捕まるリスクが高くなる。真っ向から勝負を仕掛ける以外に活路はない。
ヤツカバネのあの体勢から繰り出される攻撃は、追尾付きの噛みつき。ソウゲンカの時と同様、ギリギリで回避しなければ追いつかれてしまう。
醜悪で巨大なヤツカバネの姿が近づくたびに、俺の鼓動が速くなる。逃げたい本能と戦いの理性がせめぎ合い、余計な緊張感がいや増した。距離感がバグるほどのヤツカバネの極大さに目が眩みそうになるが、タイミングを計るべくしかと目を見開き続ける。
残り五十メートル。ヤツカバネの首が撓み、不穏な紫色の光が鱗の隙間から滲み出る。だが、まだだ。
残り二十メートル。ヤツカバネの鼻から噴き出す紫色の煙が俺の呼吸を軽く炙る。
十メートル。煙の向こうでヤツカバネの瞳が爛々と輝いた。
その獰猛な光が最高潮まで達した瞬間。
「――ッ!」
俺は上段に構えた太刀を勢いよく真下へ振り下ろした。
その瞬間、息を合わせたように突っ込んできたヤツカバネの鼻先に刃が触れ、俺は梃の原理で上空へ打ち上げられた。
俺は地面が遠ざかるのを眺めながら、縦回転の勢いをそのまま利用し『紅炎』で軌道修正。真下に現れたヤツカバネの額へ向け、全身全霊の落下攻撃を仕掛ける。
「食らえ──!」
能力による推進力を得た太刀は、火花を散らしながら半分までヤツカバネの額に食い込んだ。しかしこれでも浅い。ヤツカバネの図体を考えれば俺の攻撃なんて蜂に刺された程度だ。それに土属性相手では『紅炎』も『雷光』も相性が悪い。逆に、唯一土属性に有利なの攻撃は、水属性か、それに類する氷属性だ。
『ヒュルアアアアアア!』
ヤツカバネは怒号を上げながら、額に縋りつく俺を容赦なく振り払った。俺は太刀から手を放し空中へ放り出されながら、落下の恐怖と共に腹の底から叫んだ。
「エトロ――ッ!」
視界の端で、紫色の閃光が俺の叫びに呼応する。落下する俺と入れ替わるように、エトロを抱えたシャルがヤツカバネの頭上へ飛来したのだ。
そして、シャルに抱えられたエトロは大空に向けて両手を突き出し、コンマ数秒で巨大な氷を集結させる。
瞬きを終える頃には、ヤツカバネの眼球に匹敵するほどの巨大な氷の錨が顕現していた。
「はああああああああ!」
エトロの裂帛と共に錨が振り下ろされ、俺が突き刺したままの太刀へ衝突し、より深く刃が頭蓋を貫く。氷の錨はなおも止まらず、俺の太刀ごとヤツカバネの額を割り砕いた。
『ヒュルルルルアアアァァァア!?』
ヤツカバネは頭部を襲った痛みに身を捩り、甲高い雄たけびを上げながら八足で暴れ回った。その時、ヤツカバネの鼻から吹き上がった紫色の煙がエトロたちを包み込み、じゅうっと何かが溶ける音がした。
「エトロ! シャル!」
「平気だ!」
エトロの声がするより早く、シャルが『重力操作』で大きくヤツカバネから距離を取る。それを追いかけようとヤツカバネは再び首を撓めたが、すかさずゼンが幻を作り上げ、ヤツカバネの攻撃を虚空へ逸らした。
さらに幻に食いついたヤツカバネの首元に、高速回転する鎖鎌が飛来し鱗を深く割り砕いた。
「ナイス!」
俺は思わず声を上げながら、急いでエトロたちの元へ向かう。地面に着地した二人は無事だったが、紫色の煙に触れてしまった衣服は黒くなり、皮膚も軽いやけどで赤くなっていた。
「すぐに治す!」
俺は『雷光』の菌糸に意識を集中させ、青い燐光で二人を包み込んだ。見る見るうちにふさがっていく傷を見守りながら、俺はエトロに対して不敵に笑った。
「タイミングばっちりだったぞ」
「ふん、誰がお前のお守りをしていたと思ってる」
むくれながらそっぽを向くエトロに、俺は思わず噴き出した。一人で突っ込むときは呼吸が止まりそうなほど恐ろしかったというのに、今はジェットコースターから降りた後のように、意外と怖くなかったという感想が浮かんでくる。
俺はヤツカバネの額に置いてきてしまった太刀の代わりに、新しく大剣を生成しながらシャルへ向き直った。
「シャル。エトロは竜王討伐自体初めてだからフォローしてやってくれないか?」
シャルが自信満々に頷くと、エトロは勢いよく立ち上がりながら俺に詰め寄った。
「シャルの付き添いならリョーホだろう。竜王討伐の初陣であればお前だってそうだし、狩人としての経歴だって私より少ないじゃないか。さっきの攻撃も、運よく太刀が鼻に当たったからよかったものの、外していたら今頃死んでいたぞ!」
「大丈夫だって。俺は実際に戦ったことないけど、戦い方は知ってる。さっきのもまぐれじゃないんだ」
エトロは何を馬鹿なことを、とまくし立てようとしたが、俺の言動に思い当たる節が合ったのか、不満そうに目を細めた。
「例の、シンビオワールドとかいうげーむのお陰か。にわかには信じがたいが、二度も見せつけられては信じるしかない。大人しくシャルに頼らせてもらおう」
やけに素直だ、と思った矢先、エトロの双眸に不穏な気配が宿る。
「――だが、本当にヤツカバネに関する知識があるのなら、時間稼ぎよりもマシな打開策も知っているのではないか?」
エトロの鋭い指摘に俺は言い淀んだ。
一応、ヤツカバネに見つかってしまった場合に備えて頭に浮かんでいた作戦が一つだけある。だが実行するにはハイリスクすぎて、最悪皆殺しにされるかもしれず提案できなかったものだ。
俺の作戦は絶対に無謀だ。だが俺の背後では、ゼンとヤツカバネの激闘の音が響き続けている。早く合流したいが、エトロは俺の口から作戦を聞くまで梃でも動かないだろう。それに黙って彼女に背を向けられるほど、俺は薄情にはなれない。
口の中でぐるぐると言い訳を考えてみたものの、俺は最終的に諦めて白状することにした。
「み、ミスったら死ぬけど、一つだけ……」
「言ってみろ」
「……翼の付け根と、喉仏っぽい瘤の下。どっちかに最大出力で攻撃を叩き込む。それを繰り返せば、ずっとヤツカバネをスタン状態にできる」
「な、そんな場所を狙うのは無理だ!」
「だから言ったじゃん! マジで命がけなんだって!」
ヤツカバネの飛膜は触れるだけで即死の可能性があり、喉仏も頭部に近いため、空を飛ぶ手段でもなければ当たる場所ではない。今回は飛行手段のないエトロがいるため、狙うとするなら飛膜の方になるし、背後にいるときに捕食攻撃をされたら全滅することもあり得る。
それに、スタンを取れると言っても、所詮はゲームシステムの性質を利用したハメ技だ。現実であるこの世界で再現できるかも判然としない。クラトネールの前例があるのでおそらくは再現可能だろうが、もしできなかったらと思うと、どうしてもこの作戦は進言したくなかったのだ。
俺は怒り半分驚き半分のエトロの目を見つめながら、懇願するような形で言った。
「俺は普通に時間稼ぎした方が安全だと思う。ゼンさんもそのつもりだろうし、早くフォローに戻ろう。な?」
とは言ったものの、俺はこの話の決着がどこに落ち着くか薄々想像がついていた。ヤツカバネの戦闘にトラウマを刺激され不安を見せていたエトロだが、やると決めたら実行してしまう胆力もある。それはエラムラの里ですでに実証済みだ。
頼むから頷いてくれるなよ、という俺の願いもむなしく、エトロの目に好戦的な光が見えた瞬間、その予感が的中してしまったのだと悟った。
「我々には長時間ヤツカバネの猛攻に耐えられる余裕はない。その作戦で行こう」
聞き間違えであってほしかった。それでも俺はあきらめ悪く否定材料を口にしてみる。
「で、でもゼンさんと打ち合わせしてないのに……」
「私たちでスタンを取り続ければ言わずとも気づくさ。早く行くぞ。さっきと同じ連携で攻めよう」
「え、ちょ、まっ」
エトロが言い終わると同時に、計ったようにシャルがいい笑顔で俺の腰を掴んだ。
ぐんと遠心力が頭に集中し、気づいたら俺は両足をシャルに掴まれたままグルグル回されていた。
「ジャイアントスイングウウウウ!?」
異世界人が知りえないプロレス技を叫んだ直後、俺は砲弾のごとくヤツカバネの元へ放り投げられた。
ゼンからそう指示を受けて、俺はようやく固まっていた手足を動かし始めた。太刀を握りしめはしたものの、ヤツカバネの分厚い鱗に傷を付けられるイメージが全く湧かない。
勝つのが目的ではない。時間稼ぎをするだけ。だが今の俺には時間稼ぎの方がはるかに難易度が高い気がしてきた。
ヤツカバネは巨大な瞳孔を収縮させながら俺たちを睥睨すると、ごうごうと大量の空気を押しのけながら長い首をのけ反らせた。
「来るぞ。備えろ!」
ゼンは『幻惑』でドラゴンの群れを複製し、一斉にヤツカバネへと向かわせた。ヤツカバネは突然現れた獲物に僅かに目を細めたのち、背中に垂れ下がった純白の翼を大きく広げた。
「っ危ない!」
俺は咄嗟に叫び、シャルを抱きあげながら『雷光』で疾走する。ゼンもエトロも、余裕をもってヤツカバネの翼を潜り抜け、攻撃範囲から退避した。
強風に靡くカーテンのようにみるみる膨らんだ飛膜は、あっという間に簡易的なドームを作り上げた。カーテンの内側に残った幻影のドラゴンや樹木たちにもはや逃げ場がなく、ヤツカバネは長い首で獲物たちを睥睨しながら、ゆっくりと翼で彼らを抱きすくめた。
飛膜はあらゆる物質をすり抜けながら閉じ、ヤツカバネの背中へと収縮する。そして、飛膜に触れてしまった物質はすべて、真っ黒な粘液となって崩れ落ちた。およそグラウンド一つ分の土地から、あらゆる生命がほんの数秒の間に消え去ってしまったのだ。後に残るのは不自然に平らになった黒い大地と、吐き気を催すほどの異臭だけである。
国一つ滅ぼしてしまえそうな光景だったが、あれはヤツカバネにとっては攻撃でなく、ただの『食事』だ。俺たちが塔を建築してまで警戒している捕食攻撃はこれの比ではない。
もし逃げるのが遅れていたら、あの黒い泥になっていたのは俺だった。身体を半分食われたハインキーの傷は『雷光』で再生できたが、持って行かれた魂まで戻せるかと言われれば、きっと不可能だ。一度でも触れたら終わりだと考えた方がいい。
これから俺たちは、化け物を相手に何時間も命懸けの鬼ごっこをしなければならない。言葉にすればたったそれだけのことなのに、俺の肩には押しつぶされそうなほどの責任と絶望がのしかかってきた。
ヤツカバネは捕食行動を終えると、自分が喰らった獲物が幻だったことに気づき、苛立たし気な咆哮を上げた。腹の底が震えるほどの叫びは大気が吹き飛ぶほどで、俺たちはその場に立っていられず木の葉のように吹き飛ばされた。
ゼンの『幻惑』はすべてヤツカバネの咆哮に掻き消されてしまい、飛ばされた俺たちの姿はヤツカバネに丸見えだ。折りたたまれた純白の飛膜が再び広げられ、捕食攻撃の予備動作を取り始める。
アレを食らったら全滅してしまう。なんとしてでも阻止しなくては。
俺は強風に振り回されながらなんとか体制を整えようとするが、悪あがきをする暇もなくヤツカバネの飛膜が完全に展開されてしまった。遠目から見ると、その翼は妖精の羽衣のように美しかったが、光を吸い込むほどに黒いヤツカバネの体躯は死神そのものだった。
「せめて、誰か一人だけでも……!」
俺は目を血走らせながら、すぐ近くにいる仲間を探そうと首を傾けた。その時、ヤツカバネの真横で群青の鋭い光がちらついた気がした。
見れば、そこには左腕に鎖を絡め、右手に群青色の鎌を握ったゼンの姿があった。あの爆風の中、ゼンは鎖鎌で近くの木に身体を固定し、ヤツカバネのすぐ傍らで攻撃のチャンスを待っていたのだ。
ヒュン! と遠くに居ても聞こえるほどの鋭い風切り音と共に、ゼンの腕から鎖鎌の先端が豪速で放たれる。群青の鎌は美しい軌跡を残しながら、ヤツカバネの左目に深々と突き刺さった。
『ヒュルルルアアア!?』
予想外の方向から急所を貫かれ、ヤツカバネは驚愕の悲鳴を上げながら捕食攻撃を中断した。
ぎりぎりのところで助かった安堵に息を吐きながら、俺はゼンの的確な行動力に舌を巻く。守護狩人とは、いざという時に真っ先に戦場を駆り、守るべき人たちを逃すまで戦い続ける者。その使命を体現したかのようなゼンの立ち回りは見事である。
そして迷いなくヤツカバネに立ち向かうゼンの姿に、すっかり萎んでいた俺の闘志に火が付いた。こんな時に戦えないくせに守護狩人になるなんて夢のまた夢だ。
守られるのではなく、共に戦わねばならない。
戦え。俺なら行ける。
「お……おおお!」
心の中で何度も自分を奮い立たせ、『紅炎』と『雷光』で最大限加速しながらヤツカバネへ肉薄する。
『ヒュルルルルルルルル!』
ヤツカバネはすぐに俺の存在に気づき、迎撃するべく長い首を低く下げ、巨大な口をぱっくりと広げた。顎の根元から九十度に開かれた口内にはびっしりと歯が生えそろい、一度噛みつかれたら二度と逃げることはできないだろう。
ヤツカバネの弱点は額にある。辿り着くためには、あの口を飛び越えなければならない。迂回すれば速度が落ち、ヤツカバネに捕まるリスクが高くなる。真っ向から勝負を仕掛ける以外に活路はない。
ヤツカバネのあの体勢から繰り出される攻撃は、追尾付きの噛みつき。ソウゲンカの時と同様、ギリギリで回避しなければ追いつかれてしまう。
醜悪で巨大なヤツカバネの姿が近づくたびに、俺の鼓動が速くなる。逃げたい本能と戦いの理性がせめぎ合い、余計な緊張感がいや増した。距離感がバグるほどのヤツカバネの極大さに目が眩みそうになるが、タイミングを計るべくしかと目を見開き続ける。
残り五十メートル。ヤツカバネの首が撓み、不穏な紫色の光が鱗の隙間から滲み出る。だが、まだだ。
残り二十メートル。ヤツカバネの鼻から噴き出す紫色の煙が俺の呼吸を軽く炙る。
十メートル。煙の向こうでヤツカバネの瞳が爛々と輝いた。
その獰猛な光が最高潮まで達した瞬間。
「――ッ!」
俺は上段に構えた太刀を勢いよく真下へ振り下ろした。
その瞬間、息を合わせたように突っ込んできたヤツカバネの鼻先に刃が触れ、俺は梃の原理で上空へ打ち上げられた。
俺は地面が遠ざかるのを眺めながら、縦回転の勢いをそのまま利用し『紅炎』で軌道修正。真下に現れたヤツカバネの額へ向け、全身全霊の落下攻撃を仕掛ける。
「食らえ──!」
能力による推進力を得た太刀は、火花を散らしながら半分までヤツカバネの額に食い込んだ。しかしこれでも浅い。ヤツカバネの図体を考えれば俺の攻撃なんて蜂に刺された程度だ。それに土属性相手では『紅炎』も『雷光』も相性が悪い。逆に、唯一土属性に有利なの攻撃は、水属性か、それに類する氷属性だ。
『ヒュルアアアアアア!』
ヤツカバネは怒号を上げながら、額に縋りつく俺を容赦なく振り払った。俺は太刀から手を放し空中へ放り出されながら、落下の恐怖と共に腹の底から叫んだ。
「エトロ――ッ!」
視界の端で、紫色の閃光が俺の叫びに呼応する。落下する俺と入れ替わるように、エトロを抱えたシャルがヤツカバネの頭上へ飛来したのだ。
そして、シャルに抱えられたエトロは大空に向けて両手を突き出し、コンマ数秒で巨大な氷を集結させる。
瞬きを終える頃には、ヤツカバネの眼球に匹敵するほどの巨大な氷の錨が顕現していた。
「はああああああああ!」
エトロの裂帛と共に錨が振り下ろされ、俺が突き刺したままの太刀へ衝突し、より深く刃が頭蓋を貫く。氷の錨はなおも止まらず、俺の太刀ごとヤツカバネの額を割り砕いた。
『ヒュルルルルアアアァァァア!?』
ヤツカバネは頭部を襲った痛みに身を捩り、甲高い雄たけびを上げながら八足で暴れ回った。その時、ヤツカバネの鼻から吹き上がった紫色の煙がエトロたちを包み込み、じゅうっと何かが溶ける音がした。
「エトロ! シャル!」
「平気だ!」
エトロの声がするより早く、シャルが『重力操作』で大きくヤツカバネから距離を取る。それを追いかけようとヤツカバネは再び首を撓めたが、すかさずゼンが幻を作り上げ、ヤツカバネの攻撃を虚空へ逸らした。
さらに幻に食いついたヤツカバネの首元に、高速回転する鎖鎌が飛来し鱗を深く割り砕いた。
「ナイス!」
俺は思わず声を上げながら、急いでエトロたちの元へ向かう。地面に着地した二人は無事だったが、紫色の煙に触れてしまった衣服は黒くなり、皮膚も軽いやけどで赤くなっていた。
「すぐに治す!」
俺は『雷光』の菌糸に意識を集中させ、青い燐光で二人を包み込んだ。見る見るうちにふさがっていく傷を見守りながら、俺はエトロに対して不敵に笑った。
「タイミングばっちりだったぞ」
「ふん、誰がお前のお守りをしていたと思ってる」
むくれながらそっぽを向くエトロに、俺は思わず噴き出した。一人で突っ込むときは呼吸が止まりそうなほど恐ろしかったというのに、今はジェットコースターから降りた後のように、意外と怖くなかったという感想が浮かんでくる。
俺はヤツカバネの額に置いてきてしまった太刀の代わりに、新しく大剣を生成しながらシャルへ向き直った。
「シャル。エトロは竜王討伐自体初めてだからフォローしてやってくれないか?」
シャルが自信満々に頷くと、エトロは勢いよく立ち上がりながら俺に詰め寄った。
「シャルの付き添いならリョーホだろう。竜王討伐の初陣であればお前だってそうだし、狩人としての経歴だって私より少ないじゃないか。さっきの攻撃も、運よく太刀が鼻に当たったからよかったものの、外していたら今頃死んでいたぞ!」
「大丈夫だって。俺は実際に戦ったことないけど、戦い方は知ってる。さっきのもまぐれじゃないんだ」
エトロは何を馬鹿なことを、とまくし立てようとしたが、俺の言動に思い当たる節が合ったのか、不満そうに目を細めた。
「例の、シンビオワールドとかいうげーむのお陰か。にわかには信じがたいが、二度も見せつけられては信じるしかない。大人しくシャルに頼らせてもらおう」
やけに素直だ、と思った矢先、エトロの双眸に不穏な気配が宿る。
「――だが、本当にヤツカバネに関する知識があるのなら、時間稼ぎよりもマシな打開策も知っているのではないか?」
エトロの鋭い指摘に俺は言い淀んだ。
一応、ヤツカバネに見つかってしまった場合に備えて頭に浮かんでいた作戦が一つだけある。だが実行するにはハイリスクすぎて、最悪皆殺しにされるかもしれず提案できなかったものだ。
俺の作戦は絶対に無謀だ。だが俺の背後では、ゼンとヤツカバネの激闘の音が響き続けている。早く合流したいが、エトロは俺の口から作戦を聞くまで梃でも動かないだろう。それに黙って彼女に背を向けられるほど、俺は薄情にはなれない。
口の中でぐるぐると言い訳を考えてみたものの、俺は最終的に諦めて白状することにした。
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「……翼の付け根と、喉仏っぽい瘤の下。どっちかに最大出力で攻撃を叩き込む。それを繰り返せば、ずっとヤツカバネをスタン状態にできる」
「な、そんな場所を狙うのは無理だ!」
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ヤツカバネの飛膜は触れるだけで即死の可能性があり、喉仏も頭部に近いため、空を飛ぶ手段でもなければ当たる場所ではない。今回は飛行手段のないエトロがいるため、狙うとするなら飛膜の方になるし、背後にいるときに捕食攻撃をされたら全滅することもあり得る。
それに、スタンを取れると言っても、所詮はゲームシステムの性質を利用したハメ技だ。現実であるこの世界で再現できるかも判然としない。クラトネールの前例があるのでおそらくは再現可能だろうが、もしできなかったらと思うと、どうしてもこの作戦は進言したくなかったのだ。
俺は怒り半分驚き半分のエトロの目を見つめながら、懇願するような形で言った。
「俺は普通に時間稼ぎした方が安全だと思う。ゼンさんもそのつもりだろうし、早くフォローに戻ろう。な?」
とは言ったものの、俺はこの話の決着がどこに落ち着くか薄々想像がついていた。ヤツカバネの戦闘にトラウマを刺激され不安を見せていたエトロだが、やると決めたら実行してしまう胆力もある。それはエラムラの里ですでに実証済みだ。
頼むから頷いてくれるなよ、という俺の願いもむなしく、エトロの目に好戦的な光が見えた瞬間、その予感が的中してしまったのだと悟った。
「我々には長時間ヤツカバネの猛攻に耐えられる余裕はない。その作戦で行こう」
聞き間違えであってほしかった。それでも俺はあきらめ悪く否定材料を口にしてみる。
「で、でもゼンさんと打ち合わせしてないのに……」
「私たちでスタンを取り続ければ言わずとも気づくさ。早く行くぞ。さっきと同じ連携で攻めよう」
「え、ちょ、まっ」
エトロが言い終わると同時に、計ったようにシャルがいい笑顔で俺の腰を掴んだ。
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