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最終話のその後
しおりを挟む☆短い話になっています。ゆるーい脳と心でお読みください。落ちはないです。
タイトル「貢ぐアイドル」ーアキ視点ー
「ただいまー」
学校から帰ってくると出かける格好をした母さんがリビングから出てきた。
「お帰り、アキ」
「これから仕事?」
「そうよー。アキが受験でバイト辞めてから入れ替わりになったわねー」
ふふと笑いながら母さんが低めのハイヒールを履く。
「夜勤頑張って」
「アキも勉強するんでしょ? 頑張って。うちの病院はいつでもアキのことウエルカムだからねー」
まだ看護学校に受かってもいないのに、母さんの勤務先ではボクが看護師になることが広まっているらしい。
はははと苦笑いを浮かべていると、玄関のドアを開けながら母さんが「あ」と何かを思い出した。
「アキ宛てにまた届いてるわよー。今回は北海道からよ! カニだったら母さん嬉しいな~」
「貪欲ぅー」
やめてくれという顔をするボクに、母さんは茶目っ気たっぷりに舌をぺろっと出しながら仕事に行った。
リビングへ行くと、母さんがメモ紙を残していた。それを見てから冷蔵庫を覗くと四角い発泡スチロールの箱が入っていた。
すでに一度開封された蓋を開けると、大きい毛ガニが二匹・・・。
「トモセくーん」
天を仰ぎながら推しアイドルを思う。
なかなか会えないボクの推しアイドルで、恋人でもあるラブずメンバーのトモセくんがボクに貢いでくるのだ。
仕事でいろんなところにロケに行くたびにおいしいものを送ってくれる。
今回は北海道のカニだったけど、前回は京都で老舗店の抹茶ケーキ。甘いものからしょっぱいもの、松坂牛と高級なものまで。
食べ歩き番組でトモセくんが食べていた有名店のラーメンのセットまで送られてきたこともあった。
とにかく毎週のようになにか届くから姉さんや母さんたちが目を輝かせて期待するように。
スマホを取り出してラインでトモセくんにカニのお礼をする。
住所を教えてほしいと言われたけど、まさか貢物を送るためとは思っていなかった。
嬉しいけど、お金を使わせちゃってるのが悪いなぁと思ってしまう。
珍しくすぐに既読がついた。
『ロケで食べたカニと同じだよ。めちゃくちゃ美味しかったからアキも食べてね』
イラストの子犬がほっぺをおさえながらニコニコしてるスタンプが。
思わずほっこりする。
トモセくんがカニを食べながらボクのことを想ってくれたことが嬉しくて心がキュンキュンする。
「あぁ~、尊い、トモセくんが可愛くて尊い」
いつか一緒に食べれたらいいなぁ。
おわり。
*あとがき*
読んでくださりありがとうございました!
「ボクの推しアイドルに会える方法」はこれでいったん完結にします。
また書いたら更新しますので、その時は読んでいただけたらありがたいです。
次は新作連載を更新します! ラブコメ異世界ファンタジーものです。(もちろんBLです)
読んでいただけたら幸いです。よろしくお願いいたします(ぺこり)
たっぷりチョコ
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