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こぼれ話・その3
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☆本編からのこぼれ話になります。落ちはないです。ゆるーい脳と心でお読みください。
タイトル「寝顔が見たい」ートモセ視点ー(39話)
カッとまぶたが開き、目が覚める。
昨日はめちゃくちゃいろいろあった。
毎年恒例のクリスマスイベントに加えて、アキに現実で会えた。
彼女だと思った人もアキのお姉さんだった。
そして、アキはオレの部屋に泊まることに・・・。
ハッとして素早く起き上がる。ベッドに部屋の主であるジュンがいないけど、そこはあんま気にならない。(どうせランニングでもしてるんだろう)
部屋を出て自分の部屋へと向かう。
ドアを前にしてノックをしようか迷う。
スマホを見ると朝の七時ちょっと前だ。
さすがに声をかけるのは早い?
アキはいつも朝練で起きるのが早いみたいだけど、まだ寝てる?
あーでも、アキの寝顔見たい!
事務所側のルールで部屋に鍵が付いてないからこのままノックしないで入るっていう手も・・・。
いやいや、さすがにそれは引かれる。某番組のロケじゃあるまいし。
「・・・」
ちょっとくらいなら・・・と甘い自分に負け、静かにドアノブを回して部屋の中を覗く。
カーテンは閉まったまま。日の光が隙間から零れている。
薄暗い部屋を見回すけどアキの姿がない。
ベッドを見ると、布団が少し盛り上がっているように見える。
どうやらまだ寝ているみたいだ。
グッと小さくガッツポーズして、気づかれて起きないように、音を立てずそろそろと自分の部屋の中に入る。
ちょっとだけ。ちょっとだけアキの寝顔を見るだけ。
何もしないからと心の中で呟きながら、ベッドに近づいて覗きこむと・・・。
「あ」
パタン、とドアを閉めて廊下に出る。
アキがいなかった!!
「え? なんで? 昨日確かに泊まったよね?! え? トイレ? シャワー? どこにいんの?!」
ネコっ毛の髪を手でぐしゃぐしゃとかき回す。
「とにかく探さないと!!」
慌てて走りながら思い当たる場所を片っぱしから探し回った。
車の前にいた。
おわり。
タイトル「嘘だな」ージュン視点ー(39話のその後2)
「マジさむっ」
アキからトモを剥がしてシェアハウスに連れ戻した途端、トモは自分の薄着に気づいたのか盛大に寒がりだした。
「なんで上着くらい着ていかねーんだよ。おまえほんと、アイドルと受験生の自覚あんのか?」
呆れてため息しか出ねぇ。
腕をさすりながらトモがキッと睨む。
「それどころじゃなかったんだよ。部屋にアキがいなかったからマジ焦った。シェアハウス中探し回ったんだよー」
「ふーん」
どうでもいいわ。
とにかくこいつが風邪引いたらいろいろめんどくせえからさっさと暖房が効いてるリビングに・・・と誘導しようとしたらトモが急に焦って口を開いた。
「言っとくけどちゃんとドアノックしたからな! アキの寝顔見たさに黙って部屋に入って覗き込んだりなんてしてないからな!」
「・・・」
嘘だな。
ぜってーやったな。
つーか、トモってこんなアホだったか?
恋は盲目とかいうけど、こいつはアホになるんだな。
おわり。
タイトル「マフラー」ートモセ視点ー(39話のその後3)
「あ、ヤバ」
アキと別れてシェアハウスに戻ってきた。
暖房が効いているリビングに入ってから数分経って気づく。
「アキのマフラー、したまま来ちゃった」
イギリスのお土産で貰ったと言ってたターターンチェックのマフラー。
鼻を埋めて匂いを嗅ぐと、かすかだけどアキの匂いがする。
安心する。
けど、さっきまで一緒にいたアキを思い出して今すぐ会いたくなる。
「いや、まだギリ会えるんじゃ・・・」
マフラーも返さないと。
マフラーをいいわけに、もう一度車が停まってる場所に行こうと振り返ったところでジュンに首根っこを捕まれる。
「おい、どこ行くんだよ」
「またジュンー!!」
ジタバタするオレを睨みまくってくる。
「まだ間に合うとか思ってんじゃねーだろうなー」
「何言ってるの? 借りてきちゃったマフラー返すだけだよ」
ほら、とジュンに首に巻いたままのマフラーを指さす。
「あぁ?! だったらオレが返してくる! トモは朝食でも食べてろ!」
そう言ってジュンがマフラーを奪い取った。
「ジュン!! マジむかつく!」
リビングを出ようとするジュンが振り返りながらニヤッと笑った。(怖っ)
「今日の朝食はただの朝食じゃないぜ」
「え」
「アキがオレらのために作った朝食だ。パンケーキもある!」
グッと親指を立てた。
「な、なんだと?!」
雷が落ちたくらいの衝撃が走った。
アキが、オレのために、朝食を!!
しかも、ずっと食べてみたかったアキが作るパンケーキがある?!!
「食べたい!!」
うおぉぉとテンションが上がる。
「ともよん、おはよう」
「はよ! アイ」
リビングに入ってきたアイを見てジュンがいつの間にかいなくなってることに気づく。
「やられた」
おわり。
*あとがき*
今年も読んでくださりありがとうございました!
良いお年を。
たっぷりチョコ
タイトル「寝顔が見たい」ートモセ視点ー(39話)
カッとまぶたが開き、目が覚める。
昨日はめちゃくちゃいろいろあった。
毎年恒例のクリスマスイベントに加えて、アキに現実で会えた。
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そして、アキはオレの部屋に泊まることに・・・。
ハッとして素早く起き上がる。ベッドに部屋の主であるジュンがいないけど、そこはあんま気にならない。(どうせランニングでもしてるんだろう)
部屋を出て自分の部屋へと向かう。
ドアを前にしてノックをしようか迷う。
スマホを見ると朝の七時ちょっと前だ。
さすがに声をかけるのは早い?
アキはいつも朝練で起きるのが早いみたいだけど、まだ寝てる?
あーでも、アキの寝顔見たい!
事務所側のルールで部屋に鍵が付いてないからこのままノックしないで入るっていう手も・・・。
いやいや、さすがにそれは引かれる。某番組のロケじゃあるまいし。
「・・・」
ちょっとくらいなら・・・と甘い自分に負け、静かにドアノブを回して部屋の中を覗く。
カーテンは閉まったまま。日の光が隙間から零れている。
薄暗い部屋を見回すけどアキの姿がない。
ベッドを見ると、布団が少し盛り上がっているように見える。
どうやらまだ寝ているみたいだ。
グッと小さくガッツポーズして、気づかれて起きないように、音を立てずそろそろと自分の部屋の中に入る。
ちょっとだけ。ちょっとだけアキの寝顔を見るだけ。
何もしないからと心の中で呟きながら、ベッドに近づいて覗きこむと・・・。
「あ」
パタン、とドアを閉めて廊下に出る。
アキがいなかった!!
「え? なんで? 昨日確かに泊まったよね?! え? トイレ? シャワー? どこにいんの?!」
ネコっ毛の髪を手でぐしゃぐしゃとかき回す。
「とにかく探さないと!!」
慌てて走りながら思い当たる場所を片っぱしから探し回った。
車の前にいた。
おわり。
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アキからトモを剥がしてシェアハウスに連れ戻した途端、トモは自分の薄着に気づいたのか盛大に寒がりだした。
「なんで上着くらい着ていかねーんだよ。おまえほんと、アイドルと受験生の自覚あんのか?」
呆れてため息しか出ねぇ。
腕をさすりながらトモがキッと睨む。
「それどころじゃなかったんだよ。部屋にアキがいなかったからマジ焦った。シェアハウス中探し回ったんだよー」
「ふーん」
どうでもいいわ。
とにかくこいつが風邪引いたらいろいろめんどくせえからさっさと暖房が効いてるリビングに・・・と誘導しようとしたらトモが急に焦って口を開いた。
「言っとくけどちゃんとドアノックしたからな! アキの寝顔見たさに黙って部屋に入って覗き込んだりなんてしてないからな!」
「・・・」
嘘だな。
ぜってーやったな。
つーか、トモってこんなアホだったか?
恋は盲目とかいうけど、こいつはアホになるんだな。
おわり。
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鼻を埋めて匂いを嗅ぐと、かすかだけどアキの匂いがする。
安心する。
けど、さっきまで一緒にいたアキを思い出して今すぐ会いたくなる。
「いや、まだギリ会えるんじゃ・・・」
マフラーも返さないと。
マフラーをいいわけに、もう一度車が停まってる場所に行こうと振り返ったところでジュンに首根っこを捕まれる。
「おい、どこ行くんだよ」
「またジュンー!!」
ジタバタするオレを睨みまくってくる。
「まだ間に合うとか思ってんじゃねーだろうなー」
「何言ってるの? 借りてきちゃったマフラー返すだけだよ」
ほら、とジュンに首に巻いたままのマフラーを指さす。
「あぁ?! だったらオレが返してくる! トモは朝食でも食べてろ!」
そう言ってジュンがマフラーを奪い取った。
「ジュン!! マジむかつく!」
リビングを出ようとするジュンが振り返りながらニヤッと笑った。(怖っ)
「今日の朝食はただの朝食じゃないぜ」
「え」
「アキがオレらのために作った朝食だ。パンケーキもある!」
グッと親指を立てた。
「な、なんだと?!」
雷が落ちたくらいの衝撃が走った。
アキが、オレのために、朝食を!!
しかも、ずっと食べてみたかったアキが作るパンケーキがある?!!
「食べたい!!」
うおぉぉとテンションが上がる。
「ともよん、おはよう」
「はよ! アイ」
リビングに入ってきたアイを見てジュンがいつの間にかいなくなってることに気づく。
「やられた」
おわり。
*あとがき*
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良いお年を。
たっぷりチョコ
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