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「恋人ごっこ1/2」
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夢の中のトモセくんにはもう遠慮はしないと決めてから・・・1ヵ月。
「コンサートチケット当たりますよーに」
ポチッとボタンを押す。
1ヵ月前からコツコツと買って貯めたパンについてくる応募コードで、スマホを使ってラヴずのコンサートチケットを応募する。
これで10回目の応募。
こんなにやっても当選しない時はまったくしない。ちなみに、ファンクラブでも優先応募に参戦するけどことごとく落ちる。
人気が出るのはファンとして嬉しいけど、日に日に当選率が下がっていくのは困りごとだ。
ため息をつきながらリビングのテレビを観ると、トモセくんが映った。
毎週やってるバラエティ番組にラヴずがレギュラーとして出演している。ラヴずのメンバーが毎回ふたりほど入れ替わりで出るからSNSでチェックするのはかかせない。
今回は最年少で癒し系担当のトモセくんと、可愛い系担当のアイくん。
アイくんは美紀姉の推しだ。だからさっきからアイくんにカメラが回ると、
「きゃーアイくん! 今日も可愛い! マジ天使マジ天使ぃー!」
いつものクールはどこへ行ったとツッコミをいれたくなるくらいのテンションでうちわを持って応援するんだよね。
弟ながら、さすがに引いた目で見たり。
「美紀姉も夏のコンサート応募した?」
「あ、私その日大学のサークルで合宿やるから無理になった。当選したらお土産よろしく。アイくんグッズコンプリ!」
「アイくん人気あるからなぁって、きっと今回も落選するよ」
「そうなの?」
「前回も落ちたし、前々回も。最近運が悪いみたい」
「そうゆう気持ちがダメなんじゃない?」
「・・・そうなのかなぁ」
はぁとため息。
テレビ画面に映るトモセくんを観ながら、いっそ夢の中でコンサートをやってほしいなんて思ってみたり。
遠慮しないと決めてから、夢の中のトモセくんに前ほど緊張はしなくなったし、敬語は抜けないけど普通に話せるようにもなった。
やりたいこともやってきた。
夢の中でボクが作った手料理を食べてもらったり。美味しいと言ってくれたけど、なんていうか、味はしない。でも、見た目は美味しそうに見えるし、口に入れると脳が美味しいと感じる。不思議な感覚。
ダンスはあれから何度も一緒に踊ってもらってる。
起きたら忘れてることが多いけど、その代わり、そのダンスを練習するとわりと早く習得できるようになった。なんていうか、体が覚えているっていうか。これも不思議な感覚。
他にも生歌聞いたり、じゃんけんしたり・・・。
ボクの願望のせいか、トモセくんも心なしかアイドルっぽくない、普通の男子高生みたいな笑顔をする時が増えた。(キュンキュンする)
ちょっと距離をとりつつも・・・友達。みたいな関係になれてる気がする。ボク的には。
でも、さすがにコンサートのチケットが取れそうもないから、コンサートと同じことを夢の中でやってなんて、さすがに図々しいお願いだ。
それとも、やっぱり夢だから叶っちゃうのかなぁ。
ボンヤリしててテレビの内容を全然頭に入れていなかった。
「この企画好きー。私も応募しようかなー」
美紀姉がテレビ観ながらうっとりする。
「何が?」
「何がって全然観てなかったでしょ。それでもトモセくんのファンなの?!」
「そこまで言う?! ちょっと考えごとしてただけなのに」
「アイドルと恋人ごっこするっていう企画。私これ好きなんだよねー」
またうっとりしながらテレビを見つめる美紀姉。
「恋人ごっこ・・・」
テレビを観ると、ちょうどアイくんが企画に応募したファンの女の子と一緒に遊園地デートをしてるところだった。
「私だったらアイくんと映画館行ってーカップルシートにしてーポップコーンを食べさせあいするのぉ!」
自分で言って照れまくる美紀姉は、隣にいるボクの背中を容赦なく叩きまくる。(痛すぎる)
ほんと、アイくんのことになるとキャラが崩壊する。
身の危険を感じて早々にリビングを出たら、ちょうど空いてたからお風呂に入って自分の部屋に戻った。
明日も早いからといって、勉強を少しして布団に入ることに。
「コンサートチケット当たりますよーに」
ポチッとボタンを押す。
1ヵ月前からコツコツと買って貯めたパンについてくる応募コードで、スマホを使ってラヴずのコンサートチケットを応募する。
これで10回目の応募。
こんなにやっても当選しない時はまったくしない。ちなみに、ファンクラブでも優先応募に参戦するけどことごとく落ちる。
人気が出るのはファンとして嬉しいけど、日に日に当選率が下がっていくのは困りごとだ。
ため息をつきながらリビングのテレビを観ると、トモセくんが映った。
毎週やってるバラエティ番組にラヴずがレギュラーとして出演している。ラヴずのメンバーが毎回ふたりほど入れ替わりで出るからSNSでチェックするのはかかせない。
今回は最年少で癒し系担当のトモセくんと、可愛い系担当のアイくん。
アイくんは美紀姉の推しだ。だからさっきからアイくんにカメラが回ると、
「きゃーアイくん! 今日も可愛い! マジ天使マジ天使ぃー!」
いつものクールはどこへ行ったとツッコミをいれたくなるくらいのテンションでうちわを持って応援するんだよね。
弟ながら、さすがに引いた目で見たり。
「美紀姉も夏のコンサート応募した?」
「あ、私その日大学のサークルで合宿やるから無理になった。当選したらお土産よろしく。アイくんグッズコンプリ!」
「アイくん人気あるからなぁって、きっと今回も落選するよ」
「そうなの?」
「前回も落ちたし、前々回も。最近運が悪いみたい」
「そうゆう気持ちがダメなんじゃない?」
「・・・そうなのかなぁ」
はぁとため息。
テレビ画面に映るトモセくんを観ながら、いっそ夢の中でコンサートをやってほしいなんて思ってみたり。
遠慮しないと決めてから、夢の中のトモセくんに前ほど緊張はしなくなったし、敬語は抜けないけど普通に話せるようにもなった。
やりたいこともやってきた。
夢の中でボクが作った手料理を食べてもらったり。美味しいと言ってくれたけど、なんていうか、味はしない。でも、見た目は美味しそうに見えるし、口に入れると脳が美味しいと感じる。不思議な感覚。
ダンスはあれから何度も一緒に踊ってもらってる。
起きたら忘れてることが多いけど、その代わり、そのダンスを練習するとわりと早く習得できるようになった。なんていうか、体が覚えているっていうか。これも不思議な感覚。
他にも生歌聞いたり、じゃんけんしたり・・・。
ボクの願望のせいか、トモセくんも心なしかアイドルっぽくない、普通の男子高生みたいな笑顔をする時が増えた。(キュンキュンする)
ちょっと距離をとりつつも・・・友達。みたいな関係になれてる気がする。ボク的には。
でも、さすがにコンサートのチケットが取れそうもないから、コンサートと同じことを夢の中でやってなんて、さすがに図々しいお願いだ。
それとも、やっぱり夢だから叶っちゃうのかなぁ。
ボンヤリしててテレビの内容を全然頭に入れていなかった。
「この企画好きー。私も応募しようかなー」
美紀姉がテレビ観ながらうっとりする。
「何が?」
「何がって全然観てなかったでしょ。それでもトモセくんのファンなの?!」
「そこまで言う?! ちょっと考えごとしてただけなのに」
「アイドルと恋人ごっこするっていう企画。私これ好きなんだよねー」
またうっとりしながらテレビを見つめる美紀姉。
「恋人ごっこ・・・」
テレビを観ると、ちょうどアイくんが企画に応募したファンの女の子と一緒に遊園地デートをしてるところだった。
「私だったらアイくんと映画館行ってーカップルシートにしてーポップコーンを食べさせあいするのぉ!」
自分で言って照れまくる美紀姉は、隣にいるボクの背中を容赦なく叩きまくる。(痛すぎる)
ほんと、アイくんのことになるとキャラが崩壊する。
身の危険を感じて早々にリビングを出たら、ちょうど空いてたからお風呂に入って自分の部屋に戻った。
明日も早いからといって、勉強を少しして布団に入ることに。
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