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3章 小悪魔ロッキン
コアクマ
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ちゅっちゅっと音を立てて落とされる、バードキス。それから二人は、お互いの顔を見合わせて、へへっと照れたように笑いあった。
桔梗が、圭のTシャツを捲り上げる。
圭は、慌てて、手を押さえた。
「なんで」
「明るいのに、恥ずかしいよ」
「いいじゃん。カーテン閉まってるから、暗くてあんまり見えないよ。残念だけど」
「ここで、するの?」
ちらりと、リビングのソファに目をやると、
「部屋に行こうか」
桔梗はくすりと笑った。
ベッドの上で、裸にされて、温かい唇が自分のそれに重ねられる。
桔梗の服を脱がせようと、シャツに手をかけてみたけれど、くったりと力が抜けてままならなかった。
体重をかけて、ベッドに仰向けに横たえられる。
心臓が、爆発してしまうのではと心配になるくらい大きく波打っていた。
「桔梗」
泣きそうな声で名前を呼ぶ。
「んー」
優しい声。
「どんな事があっても、俺の事、ずっと好きでいてくれる? 俺の事、嫌いになんない?」
「嫌いになんて、絶対にならない」
桔梗はきっぱりと言った。
「これからもずっと、お前だけだ。愛してるよ。俺の、可愛い圭」
「桔梗、俺」
言い募る圭の唇を、バードキスで塞いだ後、桔梗は、優しくこう言った。
「今は俺だけに集中して。話は終わった後に、たっぷり聞くから」
そしてもう一度合図のように唇が落ちてきて、祈るような愛撫が始まった。
「桔梗、桔梗、俺、もう……」
追い上げられて声をあげてしまう。
桔梗の唇が乳首を転がし、掌が、腹の柔らかな部分を撫でている。
掌は、そのまま下へと移動していき、桃の形をした双丘をそっと割り開いた。膨らんだ部分や、蕾の周りを、羽でなでているみたいにソフトなタッチで触られて、背筋にぞくぞくと震えが走った。
反対側の手が、圭の小さな男の部分をそっと包む。上下に動かされて、圭はたまらない喘ぎ声をあげた。
圭のものが、形をゆっくりと変えていき、先端からぬめった蜜が溢れてくる。桔梗はそれを後ろにまぶしつけた。
太ももの裏に手をあてて、大きく広げると、羞恥心で、圭の小さな身体はピンク色になった。
少し開き気味の愛らしい蕾の周囲を、何度も何度も愛撫する桔梗の指。たっぷりと予告された後それが、圭の中に入ってきた。
「やあっ」
異物感に悲鳴を上げると、
「本物の方がいい?」
掠れた声が降ってくる。こくこくと頷くと、何度か指を出し入れした後、固くて太いものが、その部分にあてがわれた。
桔梗のものだ。
圭は広い背中にしっかりと手をまわした。
「行くよ」
言葉と共に、入ってくる、固くて熱いもの。狭い圭の肉を分けて、ゆっくりとめり込んでくる。
「お前が好きだ」
囁かれて、頷いた。痛みと共に、感じる、確かな快感。
そして……。
「はっ……ああっ……やあ、もうっ……ああっ」
揺さぶられて、圭は涙を流していた。
「いい? 圭、気持ちいい?」
「いいっ……ああん、もち……あっ……いいよお」
「もっとしていい?」
「してっ……もっと、ああっ……はあっ……」
身体を起こされ、あぐらを組んだ桔梗の腰の上に、後ろ向きで落とされる。結合部分が深くなり、より一層の快感がずりあがってきた。
「おれっ……も、やだ……変になるう……ああん」
すすり泣きながら、恥ずかしさに身を捩る。
「変になれよ。もっと……お前が乱れるとこと、見てみたいよ」
「いじわるっ……」
「可愛いだけだよ」
桔梗が突き上げる動きに合わせて、自分も腰を揺らしてしまう。
そうすれば、もっと気持ちよくなれることを、知ってしまったからだった。
下半身に血液があつまってくる。
「おねがっ……桔梗……上になって……ああっ」
圭は泣きながら御願いした。達く時には、桔梗の顔を見ていたかった。
つながったまま身体を反転させられ、今度は両足をしっかりときの腰にまきつける。そのまま身体を倒された。
桔梗の男根が、粘膜を擦る度に、ねちゃねちゃと音をたてる。
もう駄目だった。
「あーーーーっ」
一際高い喘ぎと共に、圭は達した。垂れ流された精液で、結合部分がより一層卑猥な音をたてる。桔梗は、圭の身体をしっかりと抱きしめると、大きく腰を幾度かつきいれ、そして、果てた。
終わった後は、気恥ずかしい、そして、甘やかな時間が訪れる。
1回目と同じく背中を向けてしまった圭に
「おーい、もう照れるなよ」
と桔梗は笑った。
そう。二人はもう恋人同士なのだ。照れてる場合ではないのかもしれない。
「でも、お前って初めてなのに、感じやすいよな。これって、普通なのかな」
桔梗が、独り言のようにつぶやいた。圭は、桔梗に向き直ると、
「伸ちゃんに言われたよ。俺って天性の魔性の男だって。桔梗もそんな風に思う?」
と大真面目に質問した。
「魔性?」
桔梗は目を丸くした後、爆笑した。
「お前のどこが? 伸ちゃんの方がまだ少しはそれっぽい気がするぜ」
「そうだよね。俺もそう思ったよ」
圭は納得する。魔性の男なんて、本当に、伸や桔梗、そして洋介のような、セクシーな大人の男にこそふさわしい呼び名だと思う。
「いや、でもなんかわかる気もするな」
桔梗はまじまじと圭を見つめる。
「男を惑わす雰囲気が、圭には確かにあるもんな。だけど魔性は言いすぎだろう。せいぜい小悪魔ってとこじゃないか」
「小悪魔?」
「ああ。お前は俺の可愛い小悪魔だよ」
そう言うと、桔梗は、嬉しそうに、圭の鼻の頭にキスをした。
案の定、洋介とのその後を質問されて、電話で別れを告げたと説明した。
それは嘘ではない。本当の事だった。
そして大型連休も終わり、日常が戻ってきた。
郵便局が開くのと同時に携帯電話を洋介あての小包で送る。
手紙は書いたけれど破り捨てた。
過去はもう振り返らない。これからは桔梗と歩いていく。
そう心に決めたから。
そして6月になり、圭の16回目の誕生日がやってきた。
桔梗が、圭のTシャツを捲り上げる。
圭は、慌てて、手を押さえた。
「なんで」
「明るいのに、恥ずかしいよ」
「いいじゃん。カーテン閉まってるから、暗くてあんまり見えないよ。残念だけど」
「ここで、するの?」
ちらりと、リビングのソファに目をやると、
「部屋に行こうか」
桔梗はくすりと笑った。
ベッドの上で、裸にされて、温かい唇が自分のそれに重ねられる。
桔梗の服を脱がせようと、シャツに手をかけてみたけれど、くったりと力が抜けてままならなかった。
体重をかけて、ベッドに仰向けに横たえられる。
心臓が、爆発してしまうのではと心配になるくらい大きく波打っていた。
「桔梗」
泣きそうな声で名前を呼ぶ。
「んー」
優しい声。
「どんな事があっても、俺の事、ずっと好きでいてくれる? 俺の事、嫌いになんない?」
「嫌いになんて、絶対にならない」
桔梗はきっぱりと言った。
「これからもずっと、お前だけだ。愛してるよ。俺の、可愛い圭」
「桔梗、俺」
言い募る圭の唇を、バードキスで塞いだ後、桔梗は、優しくこう言った。
「今は俺だけに集中して。話は終わった後に、たっぷり聞くから」
そしてもう一度合図のように唇が落ちてきて、祈るような愛撫が始まった。
「桔梗、桔梗、俺、もう……」
追い上げられて声をあげてしまう。
桔梗の唇が乳首を転がし、掌が、腹の柔らかな部分を撫でている。
掌は、そのまま下へと移動していき、桃の形をした双丘をそっと割り開いた。膨らんだ部分や、蕾の周りを、羽でなでているみたいにソフトなタッチで触られて、背筋にぞくぞくと震えが走った。
反対側の手が、圭の小さな男の部分をそっと包む。上下に動かされて、圭はたまらない喘ぎ声をあげた。
圭のものが、形をゆっくりと変えていき、先端からぬめった蜜が溢れてくる。桔梗はそれを後ろにまぶしつけた。
太ももの裏に手をあてて、大きく広げると、羞恥心で、圭の小さな身体はピンク色になった。
少し開き気味の愛らしい蕾の周囲を、何度も何度も愛撫する桔梗の指。たっぷりと予告された後それが、圭の中に入ってきた。
「やあっ」
異物感に悲鳴を上げると、
「本物の方がいい?」
掠れた声が降ってくる。こくこくと頷くと、何度か指を出し入れした後、固くて太いものが、その部分にあてがわれた。
桔梗のものだ。
圭は広い背中にしっかりと手をまわした。
「行くよ」
言葉と共に、入ってくる、固くて熱いもの。狭い圭の肉を分けて、ゆっくりとめり込んでくる。
「お前が好きだ」
囁かれて、頷いた。痛みと共に、感じる、確かな快感。
そして……。
「はっ……ああっ……やあ、もうっ……ああっ」
揺さぶられて、圭は涙を流していた。
「いい? 圭、気持ちいい?」
「いいっ……ああん、もち……あっ……いいよお」
「もっとしていい?」
「してっ……もっと、ああっ……はあっ……」
身体を起こされ、あぐらを組んだ桔梗の腰の上に、後ろ向きで落とされる。結合部分が深くなり、より一層の快感がずりあがってきた。
「おれっ……も、やだ……変になるう……ああん」
すすり泣きながら、恥ずかしさに身を捩る。
「変になれよ。もっと……お前が乱れるとこと、見てみたいよ」
「いじわるっ……」
「可愛いだけだよ」
桔梗が突き上げる動きに合わせて、自分も腰を揺らしてしまう。
そうすれば、もっと気持ちよくなれることを、知ってしまったからだった。
下半身に血液があつまってくる。
「おねがっ……桔梗……上になって……ああっ」
圭は泣きながら御願いした。達く時には、桔梗の顔を見ていたかった。
つながったまま身体を反転させられ、今度は両足をしっかりときの腰にまきつける。そのまま身体を倒された。
桔梗の男根が、粘膜を擦る度に、ねちゃねちゃと音をたてる。
もう駄目だった。
「あーーーーっ」
一際高い喘ぎと共に、圭は達した。垂れ流された精液で、結合部分がより一層卑猥な音をたてる。桔梗は、圭の身体をしっかりと抱きしめると、大きく腰を幾度かつきいれ、そして、果てた。
終わった後は、気恥ずかしい、そして、甘やかな時間が訪れる。
1回目と同じく背中を向けてしまった圭に
「おーい、もう照れるなよ」
と桔梗は笑った。
そう。二人はもう恋人同士なのだ。照れてる場合ではないのかもしれない。
「でも、お前って初めてなのに、感じやすいよな。これって、普通なのかな」
桔梗が、独り言のようにつぶやいた。圭は、桔梗に向き直ると、
「伸ちゃんに言われたよ。俺って天性の魔性の男だって。桔梗もそんな風に思う?」
と大真面目に質問した。
「魔性?」
桔梗は目を丸くした後、爆笑した。
「お前のどこが? 伸ちゃんの方がまだ少しはそれっぽい気がするぜ」
「そうだよね。俺もそう思ったよ」
圭は納得する。魔性の男なんて、本当に、伸や桔梗、そして洋介のような、セクシーな大人の男にこそふさわしい呼び名だと思う。
「いや、でもなんかわかる気もするな」
桔梗はまじまじと圭を見つめる。
「男を惑わす雰囲気が、圭には確かにあるもんな。だけど魔性は言いすぎだろう。せいぜい小悪魔ってとこじゃないか」
「小悪魔?」
「ああ。お前は俺の可愛い小悪魔だよ」
そう言うと、桔梗は、嬉しそうに、圭の鼻の頭にキスをした。
案の定、洋介とのその後を質問されて、電話で別れを告げたと説明した。
それは嘘ではない。本当の事だった。
そして大型連休も終わり、日常が戻ってきた。
郵便局が開くのと同時に携帯電話を洋介あての小包で送る。
手紙は書いたけれど破り捨てた。
過去はもう振り返らない。これからは桔梗と歩いていく。
そう心に決めたから。
そして6月になり、圭の16回目の誕生日がやってきた。
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