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<最終話>駄菓子屋継いだらロリハーレム
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半年とちょっと前、突然祖父さんが他界した。
90にもなって矍鑠とした化け物みたいな祖父さんだったが、寄る年波には勝てなかったらしい。
なんでも、定年後に道楽で始めた駄菓子屋の店先で、眠るように息を引き取ったんだとか。
そこそこの資産家で、例に漏れず変わり者だった祖父さんは、何故か俺には優しくしてくれた。
なんと言うか、波長が合ったんだろう。
正直、祖父さんの考えにはついて行けない所もあったけど、それでも家族の中では一番仲が良かった。
俺も祖父さんのことは嫌いじゃなかったし、祖父さんも俺のことを気に入ってくれていたはずだ。
だから高校生を卒業するまでは休みを利用して良く遊びに行っていたのだが、それも俺が遠くの大学に通うようになって疎遠になっていた。
それでも、祖父さんはそんな俺の事ことを一番大事に思っていてくれていたみたいだ。
なんたって、こんな楽園を俺に残していってくれたんだから。
「さて、そろそろ忙しくなる時間かな?」
ここ数日やる気が起きずに溜め込んでいた家事を一通り終えた俺は、壁に備え付けてある時計を眺めながら独り言を呟いた。
遠くからは近くの小学校から響くチャイムが聞こえてきて、それは授業の終わりを小学生たちに告げていた。
窓の外を見れば今日も良く晴れていて、外で友達と遊ぶには絶好のコンディションだ。
そう言う日には、俺の店は大いに繁盛するのだ。
やがて開けっ放しだった窓の外から子どもたちのガヤガヤと騒ぐ声が聞こえてきて、俺はゆっくりと店に続く襖を潜る。
その数分後、俺の城である駄菓子屋は沢山の子供たちによって埋め尽くされてしまった。
都会とは違い結構な田舎であるこの街には、子供たちが安心して買い食いできる店などほとんどない。
故に多くの親たちはこの店を重宝し、子供たちもまたこの店で貴重なお小遣いを落としてくれる。
そしてそんなお小遣いで、俺は日々の生活を送ることができるのだ。
持ちつ持たれつなこの関係が長く続くことを願いつつ店番をしていると、そんな俺に一人の少女が声を掛けてきた。
「おじさん、これちょうだい」
「おじさんじゃなくて、お兄さんでしょ。えっと、全部で百六十円だね」
まるで男の子のようにTシャツに短パンと言うラフな格好をしている少女は、まだ男女の違いがあやふやなのだろう。
前かがみになって財布の中を探る少女の緩い襟元からは、シャツの中身がばっちりと覗いている。
真っ平らな胸からおへそまでのラインを堪能していると、やがて少女は泣きそうな目で俺を見上げてきた。
一瞬バレてしまったのかと驚く俺だったが、理由は全く別のことだった。
「お金、足りない……」
言われて財布を覗き込むと、そこには百円ほどしか入っていなかった。
「どれか、やめなきゃ。でも、うぅ……」
手に持ったお菓子を眺めて唸る少女の頭を撫でると、俺はその耳元にそっと囁く。
「今日だけ特別に、百円で良いよ」
「えっ? ホント?」
「うん。でも、みんなに内緒だよ」
「分かった、ないしょっ!」
そう言って口元に指を当てる俺の真似をするように同じポーズを取る彼女から百円を受け取ると、満面の笑みを浮かべた少女は駆け足でお店から出て行く。
その後ろ姿を眺めていると、少女は突然振り返り。
「ありがとっ! またね、おじさん!」
「だから、お兄さんだって!」
あははっ、と笑いながら見えなくなっていく少女から目を離し、俺はぐるりと店の中に視線を巡らせる。
そこに居る沢山の可愛らしい幼女をひとりひとり眺めながら、俺は柔らかな微笑みを浮かべた。
うん、今日も平和だ。
祖父さんが残してくれたこの店で、俺は趣味と実益を兼ねた商いを続けていこう。
そう心に決めて、俺はお菓子を持って寄ってくる子供たちと交流を深めてく。
これからも、ずっと……。
90にもなって矍鑠とした化け物みたいな祖父さんだったが、寄る年波には勝てなかったらしい。
なんでも、定年後に道楽で始めた駄菓子屋の店先で、眠るように息を引き取ったんだとか。
そこそこの資産家で、例に漏れず変わり者だった祖父さんは、何故か俺には優しくしてくれた。
なんと言うか、波長が合ったんだろう。
正直、祖父さんの考えにはついて行けない所もあったけど、それでも家族の中では一番仲が良かった。
俺も祖父さんのことは嫌いじゃなかったし、祖父さんも俺のことを気に入ってくれていたはずだ。
だから高校生を卒業するまでは休みを利用して良く遊びに行っていたのだが、それも俺が遠くの大学に通うようになって疎遠になっていた。
それでも、祖父さんはそんな俺の事ことを一番大事に思っていてくれていたみたいだ。
なんたって、こんな楽園を俺に残していってくれたんだから。
「さて、そろそろ忙しくなる時間かな?」
ここ数日やる気が起きずに溜め込んでいた家事を一通り終えた俺は、壁に備え付けてある時計を眺めながら独り言を呟いた。
遠くからは近くの小学校から響くチャイムが聞こえてきて、それは授業の終わりを小学生たちに告げていた。
窓の外を見れば今日も良く晴れていて、外で友達と遊ぶには絶好のコンディションだ。
そう言う日には、俺の店は大いに繁盛するのだ。
やがて開けっ放しだった窓の外から子どもたちのガヤガヤと騒ぐ声が聞こえてきて、俺はゆっくりと店に続く襖を潜る。
その数分後、俺の城である駄菓子屋は沢山の子供たちによって埋め尽くされてしまった。
都会とは違い結構な田舎であるこの街には、子供たちが安心して買い食いできる店などほとんどない。
故に多くの親たちはこの店を重宝し、子供たちもまたこの店で貴重なお小遣いを落としてくれる。
そしてそんなお小遣いで、俺は日々の生活を送ることができるのだ。
持ちつ持たれつなこの関係が長く続くことを願いつつ店番をしていると、そんな俺に一人の少女が声を掛けてきた。
「おじさん、これちょうだい」
「おじさんじゃなくて、お兄さんでしょ。えっと、全部で百六十円だね」
まるで男の子のようにTシャツに短パンと言うラフな格好をしている少女は、まだ男女の違いがあやふやなのだろう。
前かがみになって財布の中を探る少女の緩い襟元からは、シャツの中身がばっちりと覗いている。
真っ平らな胸からおへそまでのラインを堪能していると、やがて少女は泣きそうな目で俺を見上げてきた。
一瞬バレてしまったのかと驚く俺だったが、理由は全く別のことだった。
「お金、足りない……」
言われて財布を覗き込むと、そこには百円ほどしか入っていなかった。
「どれか、やめなきゃ。でも、うぅ……」
手に持ったお菓子を眺めて唸る少女の頭を撫でると、俺はその耳元にそっと囁く。
「今日だけ特別に、百円で良いよ」
「えっ? ホント?」
「うん。でも、みんなに内緒だよ」
「分かった、ないしょっ!」
そう言って口元に指を当てる俺の真似をするように同じポーズを取る彼女から百円を受け取ると、満面の笑みを浮かべた少女は駆け足でお店から出て行く。
その後ろ姿を眺めていると、少女は突然振り返り。
「ありがとっ! またね、おじさん!」
「だから、お兄さんだって!」
あははっ、と笑いながら見えなくなっていく少女から目を離し、俺はぐるりと店の中に視線を巡らせる。
そこに居る沢山の可愛らしい幼女をひとりひとり眺めながら、俺は柔らかな微笑みを浮かべた。
うん、今日も平和だ。
祖父さんが残してくれたこの店で、俺は趣味と実益を兼ねた商いを続けていこう。
そう心に決めて、俺はお菓子を持って寄ってくる子供たちと交流を深めてく。
これからも、ずっと……。
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