110 / 125
第百三話
しおりを挟む
「んっ…、くすぐったいよ」
優希の頬を流れる涙をそっと拭うと、彼女はそう呟いてに身を捩った。
そんな彼女を優しく抱きしめると、一瞬だけ強張った身体はすぐにダランと力が抜けて俺に全身を預けてくれる。
そんな優希の顔を覗き込むと、不安そうな瞳と目が合った。
「兄ちゃん……、その……」
「大丈夫。優しくするから、俺に全部任せて」
「……うん」
俺の言葉に安心したのか、俺を見つめる瞳をそっと閉じた優希はほんの少しだけ唇を突き出した。
そのまま俺を待つ彼女がとてもいじらしく思え、その期待に応えるように俺はそっと優希の唇に自分の唇を重ねた。
「んっ…、ちゅっ……」
突然触れた唇に一度ビクッと震えた優希だったけど、すぐに舌を俺の口の中へと侵入させてくる。
どうやらさっきの杏里ちゃんとのキスの見よう見まねらしく、初々しい舌の動きはお世辞にも上手いとは言えない。
だけど必死に俺を求めてきているのが分かるその動きは、さっき射精したばかりの俺の愚息を奮い立たせるには十分すぎる光景だった。
勃起をしたちんぽは座る俺にもたれ掛かるようにして抱き着いている優希のお腹に押し当てる形になって、それに気付いた彼女は俺を見てにんまりと笑う。
「兄ちゃん、おっきくなってる」
「……それは、優希が可愛いからだよ」
「んなっ!?」
カウンター気味に発した俺の言葉で、優希の顔は見る見るうちに真っ赤になっていく。
「は、恥ずかしいよぉ……」
そして小さく呟かれた言葉に、俺は苦笑いを浮かべた。
「優希、可愛いよ」
「んにゃあっ!?」
からかうように耳元で囁くと、奇声を上げながら暴れる優希。
その身体を抱きしめて押さえながら、俺は何度も耳元で「可愛い」と囁き続けた。
そうすると、やがてジタバタと暴れていた手足から力が抜けていき、へにゃっと全身を脱力させて優希は俺にしなだれかかってくる。
「ありゃ? どうしたの?」
「うぅ……、兄ちゃんがイジメる」
「イジメたつもりはないんだけどなぁ」
だけど、このままじゃ優希がまた泣いてしまうかもしれない。
仕方なく彼女を解放すると、今度は優希の方から俺に抱き着いて耳元に顔を寄せてくる。
「兄ちゃん、大好き……」
そうして吐息と共に囁かれた言葉が耳に当たると、なんとも言えないゾクゾクとした快感が背筋を走る。
「……これは、ヤバいね」
「へへっ、でしょっ。にーぃちゃんっ! だ・い・す・きっ!」
仕返しとばかりに耳元で囁き続ける優希に、俺は抵抗することもできずされるがままになるしかない。
そうしてしばらく奇妙な快感に耐えていると、満足した様子の優希は俺を抱きしめていた腕の力を緩めた。
その優希を引き離すと、俺たちは向かい合うように布団に座る。
「兄ちゃん……」
俺を見つめて呟く優希に、俺たちはもう一度だけそっと口付けを交わした。
優希の頬を流れる涙をそっと拭うと、彼女はそう呟いてに身を捩った。
そんな彼女を優しく抱きしめると、一瞬だけ強張った身体はすぐにダランと力が抜けて俺に全身を預けてくれる。
そんな優希の顔を覗き込むと、不安そうな瞳と目が合った。
「兄ちゃん……、その……」
「大丈夫。優しくするから、俺に全部任せて」
「……うん」
俺の言葉に安心したのか、俺を見つめる瞳をそっと閉じた優希はほんの少しだけ唇を突き出した。
そのまま俺を待つ彼女がとてもいじらしく思え、その期待に応えるように俺はそっと優希の唇に自分の唇を重ねた。
「んっ…、ちゅっ……」
突然触れた唇に一度ビクッと震えた優希だったけど、すぐに舌を俺の口の中へと侵入させてくる。
どうやらさっきの杏里ちゃんとのキスの見よう見まねらしく、初々しい舌の動きはお世辞にも上手いとは言えない。
だけど必死に俺を求めてきているのが分かるその動きは、さっき射精したばかりの俺の愚息を奮い立たせるには十分すぎる光景だった。
勃起をしたちんぽは座る俺にもたれ掛かるようにして抱き着いている優希のお腹に押し当てる形になって、それに気付いた彼女は俺を見てにんまりと笑う。
「兄ちゃん、おっきくなってる」
「……それは、優希が可愛いからだよ」
「んなっ!?」
カウンター気味に発した俺の言葉で、優希の顔は見る見るうちに真っ赤になっていく。
「は、恥ずかしいよぉ……」
そして小さく呟かれた言葉に、俺は苦笑いを浮かべた。
「優希、可愛いよ」
「んにゃあっ!?」
からかうように耳元で囁くと、奇声を上げながら暴れる優希。
その身体を抱きしめて押さえながら、俺は何度も耳元で「可愛い」と囁き続けた。
そうすると、やがてジタバタと暴れていた手足から力が抜けていき、へにゃっと全身を脱力させて優希は俺にしなだれかかってくる。
「ありゃ? どうしたの?」
「うぅ……、兄ちゃんがイジメる」
「イジメたつもりはないんだけどなぁ」
だけど、このままじゃ優希がまた泣いてしまうかもしれない。
仕方なく彼女を解放すると、今度は優希の方から俺に抱き着いて耳元に顔を寄せてくる。
「兄ちゃん、大好き……」
そうして吐息と共に囁かれた言葉が耳に当たると、なんとも言えないゾクゾクとした快感が背筋を走る。
「……これは、ヤバいね」
「へへっ、でしょっ。にーぃちゃんっ! だ・い・す・きっ!」
仕返しとばかりに耳元で囁き続ける優希に、俺は抵抗することもできずされるがままになるしかない。
そうしてしばらく奇妙な快感に耐えていると、満足した様子の優希は俺を抱きしめていた腕の力を緩めた。
その優希を引き離すと、俺たちは向かい合うように布団に座る。
「兄ちゃん……」
俺を見つめて呟く優希に、俺たちはもう一度だけそっと口付けを交わした。
0
お気に入りに追加
95
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ!
コバひろ
大衆娯楽
格闘技を通して、男と女がリングで戦うことの意味、ジェンダー論を描きたく思います。また、それによる両者の苦悩、家族愛、宿命。
性差とは何か?

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる