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第八十四話
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「身体、大丈夫? もしかして、無理させちゃったかな?」
「ん、大丈夫」
さっきまでのセックスからしばらくして、未だ布団に寝転んだままのエルナちゃんに声をかける。
そうすると、上半身を起こしたエルナちゃんは満面の笑みを浮かべて頷いてくれた。
その姿を見て安心しながらも、今になって自分の薄っぺらい理性に嫌気がさしてくる。
あぁ、どうしてこうなった。
これ以上女の子に手を出すまいと心に決めていたはずなのに、ふたを開ければこんなもんだ。
いったい、どうやって三人に説明すればいいんだろう。
いや、怒られることはないだろうけど……。
それでも罪悪感に押しつぶされそうになっていると、俯いた視線をエルナちゃんが覗き込んでくる。
「にぃに、どうしたの? どこか、痛い?」
「いや、痛くないよ。て言うか、痛いのはエルナちゃんの方じゃない?」
「最初は痛かったけど、今は大丈夫。それよりも、なんだか嬉しい」
そう言ってはにかむエルナちゃんを見ていると、なんだかくすぐったいような気持ちが芽生えてくる。
あぁ、絶対にこの子を悲しませてはいけない。
ほとんど女たらしと言って良い俺が何を言っているんだと思う反面、それでもどうにか上手く収める自信が湧いてくるから不思議だ。
とりあえず、エルナちゃんに本当のことを伝えよう。
そう決意して、俺はエルナちゃんの瞳を見つめる。
「エルナちゃん。これは大事な話だから、真剣に聞いて欲しい」
「……分かった」
そう前置きすると、エルナちゃんも真剣な表情で俺を見つめ返してくる。
「こんなことを今になって言うのは卑怯かもしれないけど、俺にはエルナちゃんの他にも三人の恋人がいるんだ」
そう言うと、エルナちゃんはきょとんとした表情を浮かべて固まっている。
「驚いたよね。我ながら最低だと思うけど、俺はエルナちゃんへの気持ちも他の三人への気持ちも、全部本物のつもりなんだ。俺は、本気で君のことが好きだよ」
そう言い切ると、俺はジッとエルナちゃんの答えを待つ。
例えどんな言葉が返ってこようとも、真摯に受け止めるつもりで。
そうして静かな時間が数秒流れた後、エルナちゃんはゆっくりと口を開いた。
「ん。分かった」
そうして言った言葉は、たったそれだけ。
「えっと、それだけ? もっと、怒ったりしないの?」
「しない。私はにぃにが好きで、にぃにも私が好き。それで十分」
そう言って笑うエルナちゃんは、それを証明するように俺の頬にそっとキスをしてきた。
柔らかい唇の感触が、俺に新しい恋人の存在を実感させた。
「あっ、もう帰らなきゃ」
そんな事を考えていると、エルナちゃんは突然立ち上がりいそいそと服を着始めた。
「えっと、じゃあ送るよ」
「ありがと、にぃに。もうちょっと待ってね」
そうしてエルナちゃんの着替えを待った後、俺は車でエルナちゃんを家の前まで送っていった。
「ん、大丈夫」
さっきまでのセックスからしばらくして、未だ布団に寝転んだままのエルナちゃんに声をかける。
そうすると、上半身を起こしたエルナちゃんは満面の笑みを浮かべて頷いてくれた。
その姿を見て安心しながらも、今になって自分の薄っぺらい理性に嫌気がさしてくる。
あぁ、どうしてこうなった。
これ以上女の子に手を出すまいと心に決めていたはずなのに、ふたを開ければこんなもんだ。
いったい、どうやって三人に説明すればいいんだろう。
いや、怒られることはないだろうけど……。
それでも罪悪感に押しつぶされそうになっていると、俯いた視線をエルナちゃんが覗き込んでくる。
「にぃに、どうしたの? どこか、痛い?」
「いや、痛くないよ。て言うか、痛いのはエルナちゃんの方じゃない?」
「最初は痛かったけど、今は大丈夫。それよりも、なんだか嬉しい」
そう言ってはにかむエルナちゃんを見ていると、なんだかくすぐったいような気持ちが芽生えてくる。
あぁ、絶対にこの子を悲しませてはいけない。
ほとんど女たらしと言って良い俺が何を言っているんだと思う反面、それでもどうにか上手く収める自信が湧いてくるから不思議だ。
とりあえず、エルナちゃんに本当のことを伝えよう。
そう決意して、俺はエルナちゃんの瞳を見つめる。
「エルナちゃん。これは大事な話だから、真剣に聞いて欲しい」
「……分かった」
そう前置きすると、エルナちゃんも真剣な表情で俺を見つめ返してくる。
「こんなことを今になって言うのは卑怯かもしれないけど、俺にはエルナちゃんの他にも三人の恋人がいるんだ」
そう言うと、エルナちゃんはきょとんとした表情を浮かべて固まっている。
「驚いたよね。我ながら最低だと思うけど、俺はエルナちゃんへの気持ちも他の三人への気持ちも、全部本物のつもりなんだ。俺は、本気で君のことが好きだよ」
そう言い切ると、俺はジッとエルナちゃんの答えを待つ。
例えどんな言葉が返ってこようとも、真摯に受け止めるつもりで。
そうして静かな時間が数秒流れた後、エルナちゃんはゆっくりと口を開いた。
「ん。分かった」
そうして言った言葉は、たったそれだけ。
「えっと、それだけ? もっと、怒ったりしないの?」
「しない。私はにぃにが好きで、にぃにも私が好き。それで十分」
そう言って笑うエルナちゃんは、それを証明するように俺の頬にそっとキスをしてきた。
柔らかい唇の感触が、俺に新しい恋人の存在を実感させた。
「あっ、もう帰らなきゃ」
そんな事を考えていると、エルナちゃんは突然立ち上がりいそいそと服を着始めた。
「えっと、じゃあ送るよ」
「ありがと、にぃに。もうちょっと待ってね」
そうしてエルナちゃんの着替えを待った後、俺は車でエルナちゃんを家の前まで送っていった。
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