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第七十話

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 振り向くと、そこには近くにあった毛布で身体を隠している杏里ちゃんの姿があった。

 へぇ、毛布なんてあったんだ。

 そんな事を考えていると、杏里ちゃんが声をかけてくる。

「服、あったんですか?」

「え? ああ、うん。とりあえず、これを着てみようか」

 その声で我に返った俺は、手に持ったTシャツを杏里ちゃんに手渡す。

「これですか? えっと、分かりました」

 何も疑う事なく、杏里ちゃんはそのTシャツを頭からかぶる。



 モゾモゾと動きながら着替える杏里ちゃんを眺めていると、やがてすっぽりとTシャツを羽織った杏里ちゃんが出来上がった。

 思った通り、サイズの大きいTシャツは小柄な杏里ちゃんが着るとまるでワンピースかチュニックのようになっていた。

 これで、『下になにも履いてないように見えるけど、実は本当になにも履いてないスタイル』の出来上がりだ。

 これなら、中を見られなければ普通に街を歩けるだろう。

 ……たぶん。

 もちろん、少し屈めばお尻が見えてしまう。

 もっと言えば、少し低い所から眺めれば杏里ちゃんの幼い割れ目もばっちりだ。

 とりあえず、杏里ちゃんの足元に屈んで服の中を眺めていると、俺を見下ろす杏里ちゃんの瞳と目が合った。



「お兄さん? なにをやってるんですか?」

「いや、ちょっと確認を……」

 適当に誤魔化しながら、俺は更に身を低くしていく。

 そうすると、おまんこだけじゃなくお尻までがほぼ真下から眺められるようになった。

 これは、なんだか妙に興奮するな。

 ポケットからスマホを取り出して撮影をしていると、流石に気が付かれてしまったようだ。

「あっ! だめですよッ!!」

 そう言って服の裾を押さえる杏里ちゃんの姿もついでに撮っておく。

 うん、これはこれで可愛いな。

 それらの画像を保存しながら、次の行き先を考える。

 流石にこんな格好の杏里ちゃんを人通りの多い所に連れて行くのは駄目だろうし、さらに気を付けて行動しなきゃならない。



 そう考えて頭をひねっていると、やがてある考えが浮かんでくる。

 うん、我ながら良い考えなんじゃないか?

 自画自賛のように頷きながら、俺は再び杏里ちゃんに向き直る。

 俺の様子を黙って見ていた杏里ちゃんは、その視線にすぐに気が付いてくれた。

「どうしたんですか?」

「いや、次に行く場所を考えててさ。それで、これからなんだけど……」

 勿体ぶるように一度言葉を止めて顔を近づけると、それに合わせて杏里ちゃんも俺に近づいてくる。

 そうやって見つめ合っていると、なんだか無性にキスがしたくなってきた。

 チュッ。

 その思いに逆らうことなくキスをすると、一瞬の後に杏里ちゃんの顔が真っ赤になる。

「お、お兄さんっ!?」

「はは、ごめん。それで、行き先なんだけど」

 突然の事態に怒っている杏里ちゃんを誤魔化すように、俺は次の行き先を告げた。
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