駄菓子屋継いだらロリハーレム

樋川カイト

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番外編 美海ちゃんの決意

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 お兄ちゃんに言われるがまま、私は杏里ちゃんって女の子と二人で居間に入れられてしまった。

 なんだかお兄ちゃんの慌てようが尋常じゃなかったけど、なにかあったのかな?

 それはともかく、私は隣の杏里ちゃんをジッと眺めてみる。

 年下だって言ってたけど、それにしてはプロポーションが……。

 いつの間にか私の視線は、身体の一部に釘付けになってしまっていた。

 私にはない、大きな塊に。

 杏里ちゃんのおっぱいは、女の子の私でも思わず目を奪われてしまうほど立派だった。

 私のお友達の中にも、もうおっぱいが膨らみ始めた子は何人か居るけど、杏里ちゃんはその中でも群を抜いていた。



(これって、どうやったらこんなに育つんだろう)

 無意識のうちに、私は手で自分の胸を押さえていた。

「どうしたの?」

 私の視線に気が付いたのか、杏里ちゃんは不思議そうな顔で首を傾げた。

「な、なんでもないよっ」

「……そう」

 大人しい性格なのか、杏里ちゃんはそれだけ言って黙ってしまった。

(うう、やっちゃったかも……)

 それっきり、私たちの間に気まずい空気が流れ始める。

 何か、話題を探さないと……。

 キョロキョロと部屋の中を見回していると、ふとあることに気が付いた。

 そう言えば、私ってお兄ちゃんの部屋のこと、良く知らないかも。

 普段はお兄ちゃんが私の家に来るだけだったし、この間初めて来た時はあんなことをしちゃったし……。

 あの時の行為を思い出して、一気に私の顔が熱くなっていく。

「うあぁ……」



 思わず声が漏れてしまうと、隣で杏里ちゃんがビクッと反応した。

「あ、ごめんね」

「ううん、大丈夫」

 危ない、危ない。

 お兄ちゃんとの関係は誰にも秘密なのに、このままだったらばれちゃうかもしれない。

 また思い出しちゃわないように、なにか別の話題を探さなくちゃ。

 ぶんぶんと首を振って、頭に浮かび上がったお兄ちゃんとの行為を振り払う。

「そうだ。お兄ちゃんのお部屋を探検してみようよ」

「えぇ? 良いのかな……?」

「大丈夫だよ。ほら、お兄ちゃんが来る前に早く」

 渋る杏里ちゃんの手を引いて、お兄ちゃんの部屋の中を物色する。

 もしかしたら、エッチな本とか見つかるかも。

 お兄ちゃんがそんな本を読んでるのはちょっと嫌だけど、男の子なら仕方ないよね。

 だけど定番の布団の下や押し入れの隙間を探してみたけど、なにもなかった。



 なーんだ、つまんないの。

「ねぇ、もう止めようよ」

「まだまだ。今度は引出しだよ」

 私の袖を引いて止めようとする杏里ちゃんには悪いけど、もう止まらない。

 こうなったら、意地でもエッチな本を見つけてみせる。

 そう意気込んで開けた引き出しの中にあったのは、紛れもない女の子のパンツだった……。





 ────

 今、私の目の前には二人の人が居る。

 一人は、私の恋人のお兄ちゃん。

 そしてもう一人は、今日お友達になった杏里ちゃん。

 どっちも私の大好きな人で、大切な人。

 だけど私は、そんな二人から衝撃の告白をされたのだった。

(杏里ちゃんとお兄ちゃんが、浮気!? そんな事って……)

 二人の馴れ初めを聞いたショックで、いまいち考えがまとまらない。

 本当は怒るべきなんだろうけど、今の私にはその言葉も浮かんでこなかった。

 それどころか、不思議と怒りさえ湧いてこない。

 それは、私がお兄ちゃんをそれほど好きじゃないからなのか、それとも恋人の余裕からか。

 きっと、どっちも違うと思う。



 私はお兄ちゃんのことが大好きだし、浮気されたらどうしようと毎日のように考えている。

 だけどなんだか、お兄ちゃんと杏里ちゃんを見ていると怒るに怒れなくなってしまうのだ。

 この感情には、なんて名前を付ければ良いんだろう?

 考えが思わぬ方向にいっていると、私の目の前で杏里ちゃんが口を開いた。

「あの、ごめんね。私、お兄さんに美海ちゃんみたいな彼女さんが居るなんて知らなかったから。悪いのは、全部私なの……。だから、お兄さんを怒らないであげて」

 とても悲しそうな顔で、だけどはっきりと杏里ちゃんは私に告げていた。

 その顔を見ていると、杏里ちゃんが悲しむ姿は見たくないと思う自分が居ることに気が付く。

 良く見ると、お兄ちゃんも思い詰めた表情になっている。

 きっと、自分のやったことの責任を取ろうとか考えてるんだろう。

 そんな二人を見ていると、なんだかだんだん考えるのが馬鹿らしくなってきた。

 私はお兄ちゃんも杏里ちゃんも大好きで、お兄ちゃんは私も杏里ちゃんも大好き。

 だったら、もうそれで良いんじゃないかな?



 そうやって考えると、私の心の中にあったモヤモヤは全部吹き飛んでいってしまった。

 そうだよ、別に恋人は二人居たって構わない。

 もう悪いことをしてるんだから、これ以上なにをしようと問題なんてないんだ。

 私のナイスアイディアを二人に伝えようと思っていると、杏里ちゃんに先手を打たれてしまった。

「お兄さんも、ごめんなさい。私、もうここには来ませんから、美海ちゃんと仲直りして、ください」

 それだけ言うと、杏里ちゃんはそのまま立ち上がってしまった。

 お兄ちゃんも止めようとしないし、二人ともすごく辛そうな表情をしている。

「待って!!」



 だから私は、大きな声で杏里ちゃんを呼び止めていた。

「そんなの駄目だよ。杏里ちゃんが一人で我慢するなんて、そんなの不公平だよ!」

 二人の顔を見て告げると、お兄ちゃんはポカンとしている。

 きっと、私の言っていることが分かってないんだろう。

 お兄ちゃんは大人なのに、こういう所が抜けていて可愛い。

「でも、だったらどうすれば……」

 予想通り聞き返してきたお兄ちゃんに向かって、私はドヤ顔でこう答えた。

「簡単だよ。二人とも、お兄ちゃんの彼女になれば良いんだよ」

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