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第三十六話

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 俺の言葉に、杏里ちゃんはすぐになにが言いたいのかを理解してくれた。

 そして、未だにあまり状況を理解していない美海ちゃんだけが、キョトンとした表情を浮かべている。

「ねぇ、なんの話?」

「見てたら分かるよ」

 そんな美海ちゃんに曖昧に答えていると、俺たちの目の前で杏里ちゃんはゆっくりとワンピースの裾を持ち上げ始めた。

「え? ちょっ!?」

 突然の出来事に慌てる美海ちゃんを尻目に、杏里ちゃんは一気にワンピースを持ち上げて脱ぎ去ってしまった。

 歳の割に大きくて形の良いおっぱいが、布に引っかかって揺れる。

 俺たちは思わず、その光景に釘付けになった。



「相変わらず、すごいね」

「は、恥ずかしいです……」

 素直に感想を告げると、隣の美海ちゃんもウンウンと頷いている。

 そんな俺たちの反応に顔を真っ赤にして胸を隠す杏里ちゃんだったけど、それでもモジモジと太ももを擦り合わせているから、まんざらでもないんだろう。

「さて、それじゃあ美海ちゃんも脱いでみようか」

「ふぇっ!?」

 まさか自分に飛んでくるとは思っていなかったんだろう、突然話を向けられた美海ちゃんはおかしな声を上げた。

「わ、私は良いよぉ」

「遠慮しないで、ほら」



 美海ちゃんの服の裾を軽く掴むと、慌てて距離を取られてしまった。

「わっ! 自分で脱げるよっ」

「そっか、じゃあ脱いでくれるかな?」

「あうぅ……」

 美海ちゃんが唸って、そのまま俯いてしまった。

 静かに待っていると、やがて意を決したのか顔をあげた美海ちゃんはゆっくりと服に手を掛けた。

 躊躇いながらスカートのチャックを外すと、ストンとスカートが畳に落ちる。

 そうすると、服の裾に隠れてチラチラとパンツが見える。

 恥ずかしいのか服の裾を引っ張って隠している姿は、まるで狙ってやっているのかと言うほど可愛い。

 思わずにやけてしまって、俺は慌てて口元を押さえる。



「ねぇ、お兄ちゃん。あんまり杏里ちゃんを待たせちゃ悪いから、先に気持ち良くしてあげて」

 さっきまでの勢いはどこへやら、恥ずかしさがぶり返してきたのか、美海ちゃんは露骨な時間稼ぎを始めた。

 このままいじめ続けたいのは山々だけど、確かに美海ちゃんの言っていることも一理ある。

 今日の主役は杏里ちゃんだ。

 もう一度杏里ちゃんに向き直ると、突然の視線に驚いたのか胸元を隠された。

 だけど、すぐにその手はどかされてツンと尖った桜色の乳首が俺の目の前に姿を現した。

「何度見ても、綺麗だね」

 思った事が口に出てしまい、杏里ちゃんの顔が真っ赤に染まる。

 そんな杏里ちゃんにゆっくりと近づくと、その唇に向けて顔を近づけていく。

 杏里ちゃんも目を瞑って待っている中で、唇同士が軽く触れる。

 美海ちゃんとはまた違った柔らかさを持つ唇に吸い付くと、俺はそのまま杏里ちゃんの頭を強く引き寄せた。



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