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第三十四話
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「それで、今日はそのパンツを返してもらいに来たの……」
杏里ちゃんが全てを語り終えると、三人の間に変な沈黙が落ちる。
美海ちゃんが目でさっきの話が本当なのか尋ねてくるので、小さく頷いた。
もうここまで来て誤魔化すなんて、そんなのは男じゃない。
腹をくくった俺は、どんな罰でも受けるつもりでいた。
「あの、ごめんね。私、お兄さんに美海ちゃんみたいな彼女さんが居るなんて知らなかったから。悪いのは、全部私なの……。だから、お兄さんを怒らないであげて」
杏里ちゃんも俺と一緒で覚悟を決めたんだろう。
それだけ言うと俺の方へと向き直る。
「お兄さんも、ごめんなさい。私、もうここには来ませんから、美海ちゃんと仲直りして、ください」
それだけ言うと、そのまま立ち上がってしまった。
引き止めたいけど、俺はなにも言えない。
ただ心の中で、このままで良いのかと言う葛藤と共に杏里ちゃんに謝ることしかできない。
「待って!!」
だから、美海ちゃんが杏里ちゃんの手を取って引き止めた時には驚いてしまった。
杏里ちゃんも一緒みたいで、目を丸くしながら美海ちゃんを見ている。
「そんなの駄目だよ。杏里ちゃんが一人で我慢するなんて、そんなの不公平!」
「でも、だったらどうすれば……」
「簡単だよ。二人とも、お兄ちゃんの彼女になれば良いんだよ」
「は? いやいや、美海ちゃん?」
美海ちゃんの言っている意味が分からなくて、俺は素っ頓狂な声を上げてしまう。
「だって、お兄ちゃんは私も杏里ちゃんも好きなんでしょ」
「それは、そうだけど……」
「私もお兄ちゃんのこと大好きだし、まだちょっとしかお話してないけど杏里ちゃんのことも大好きだよ。だったら問題ないよね」
たぶん問題はあるけど、二股男という立場上強くは言えない。
「もちろん、杏里ちゃんが良かったらだけど」
「私は……。本当に、良いの?」
「うんっ!」
美海ちゃんがこう言っている以上、この場で反対する人間はいない。
美海ちゃんに連れられて杏里ちゃんはもう一度俺の隣に座った。
そして反対側には美海ちゃんが座る。
そのまま俺の腕にしなだれかかってくると、すっかり二人にサンドイッチにされてしまった。
そんな姿がとても愛おしくて、俺は思わず二人の頭を優しく撫でる。
二人とも擽ったそうにしているけど、その顔は嬉しそうだ。
「私たち、二人とも彼女だからね。ちゃんと一緒に愛してね」
「もちろん。美海ちゃんも杏里ちゃんも、二人とも大好きだよ」
「えへへ。……あ、でも」
「杏里ちゃん、どうしたの?」
「私、彼女じゃなくてペットのままでも良いです」
その言葉で、俺と美海ちゃんはポカンと顔を見合わせて、二人同時に大きな声で笑い合った。
「え? え? 私、何かおかしなこと言ったかな?」
杏里ちゃんだけが、俺たちが笑っている理由が分からなくてひとり戸惑っていた。
杏里ちゃんが全てを語り終えると、三人の間に変な沈黙が落ちる。
美海ちゃんが目でさっきの話が本当なのか尋ねてくるので、小さく頷いた。
もうここまで来て誤魔化すなんて、そんなのは男じゃない。
腹をくくった俺は、どんな罰でも受けるつもりでいた。
「あの、ごめんね。私、お兄さんに美海ちゃんみたいな彼女さんが居るなんて知らなかったから。悪いのは、全部私なの……。だから、お兄さんを怒らないであげて」
杏里ちゃんも俺と一緒で覚悟を決めたんだろう。
それだけ言うと俺の方へと向き直る。
「お兄さんも、ごめんなさい。私、もうここには来ませんから、美海ちゃんと仲直りして、ください」
それだけ言うと、そのまま立ち上がってしまった。
引き止めたいけど、俺はなにも言えない。
ただ心の中で、このままで良いのかと言う葛藤と共に杏里ちゃんに謝ることしかできない。
「待って!!」
だから、美海ちゃんが杏里ちゃんの手を取って引き止めた時には驚いてしまった。
杏里ちゃんも一緒みたいで、目を丸くしながら美海ちゃんを見ている。
「そんなの駄目だよ。杏里ちゃんが一人で我慢するなんて、そんなの不公平!」
「でも、だったらどうすれば……」
「簡単だよ。二人とも、お兄ちゃんの彼女になれば良いんだよ」
「は? いやいや、美海ちゃん?」
美海ちゃんの言っている意味が分からなくて、俺は素っ頓狂な声を上げてしまう。
「だって、お兄ちゃんは私も杏里ちゃんも好きなんでしょ」
「それは、そうだけど……」
「私もお兄ちゃんのこと大好きだし、まだちょっとしかお話してないけど杏里ちゃんのことも大好きだよ。だったら問題ないよね」
たぶん問題はあるけど、二股男という立場上強くは言えない。
「もちろん、杏里ちゃんが良かったらだけど」
「私は……。本当に、良いの?」
「うんっ!」
美海ちゃんがこう言っている以上、この場で反対する人間はいない。
美海ちゃんに連れられて杏里ちゃんはもう一度俺の隣に座った。
そして反対側には美海ちゃんが座る。
そのまま俺の腕にしなだれかかってくると、すっかり二人にサンドイッチにされてしまった。
そんな姿がとても愛おしくて、俺は思わず二人の頭を優しく撫でる。
二人とも擽ったそうにしているけど、その顔は嬉しそうだ。
「私たち、二人とも彼女だからね。ちゃんと一緒に愛してね」
「もちろん。美海ちゃんも杏里ちゃんも、二人とも大好きだよ」
「えへへ。……あ、でも」
「杏里ちゃん、どうしたの?」
「私、彼女じゃなくてペットのままでも良いです」
その言葉で、俺と美海ちゃんはポカンと顔を見合わせて、二人同時に大きな声で笑い合った。
「え? え? 私、何かおかしなこと言ったかな?」
杏里ちゃんだけが、俺たちが笑っている理由が分からなくてひとり戸惑っていた。
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