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番外編 唯香の戸惑い
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「え? アニキって引っ越したの!? しかも、駄菓子屋の経営なんて……」
ママから聞かされた衝撃の発言に、アタシは驚いて大きな声を出してしまった。
だって、あのアニキがだよ。
ろくに目標もないまま大学に進学して、どうせ卒業してもなにもしないでニートか、良くてもフリーターにしかならないと思ってたアニキが、まさか経営者になるなんて。
「経営って言っても、お祖父さんのお店を継いだだけって話だけどね」
「それでも驚きだよ。アニキって、そう言うの興味ないと思ってたから」
どうしても、アタシと居る時の自堕落なアニキしか思い浮かばなくって、お店を切り盛りしてるイメージが湧かない。
まぁ、そう言う所が好きなんだけどね。
「こら! そんなこと言ったら、信吾くんに失礼よ」
「はーい、ごめんなさい」
ママの前だと、アタシはただの素直な女の子に逆戻り。
いつものような勢いは鳴りを潜めてしまう。
「でもさー。そのお店ってどこにあるの?」
アニキの家は遠かったからあんまり会いに行けなかったけど、もしかしたら少しは近くなってるかもしれない。
「確か、隣の市って言ってたけど」
「隣!? 隣の市のどこ?」
「えらく食いつくわね。そこまでは知らないけど、今度聞いておきましょうか?」
「うん、うん! お願い!」
ママの提案に両手を合わせてお願いして、そのままソファに寝転がる。
隣の市だったら、遠くても電車で二時間だ。
それだったら、週末にでも会いに行けるかもしれない。
突然行ったら、アニキびっくりするかな?
久しぶりに会うアニキ、きっとカッコ良くなってるんだろうなぁ。
もちろん、前からカッコ良かったけど。
ああ、会いたいなぁ……。
あ!! そう言えばもうすぐゴールデンウィークじゃん!
それなら連休だし、アニキに会いに行く事だってできる。
楽しみだなぁ、いつ行こっかなぁ。
Pi Pi Pi……
「あれ、電話だ? もしもし」
「あ、唯香?」
「和瑞かー。どうしたの?」
なんだか嫌な予感……。
とりあえず長話になりそうだから、先に部屋に行っておこう。
立ち上がって歩き始めると、和瑞が話を始めた。
「ねぇ。ゴールデンウィーク、久しぶりにどこか遊びに行かない?」
やっぱり。
和瑞がこう言い始めたら、もう決まったも同然だからなぁ。
それに、断って角が立っても面倒くさいし……。
はぁ、こういう時って女の子は大変だ。
「良いよ。でも、最終日は用事があるから無理だけど」
「オッケー。じゃあ、二日目くらいでどうかな?」
「どうせ、その次の日も遊ぶんでしょ」
「ばれたかー」
その後も、誰が誰と付き合い始めたとか、先生が鬱陶しいとか、他愛もない話ばかりしてたらいつの間にか時間が経っていた。
アタシは、ほとんど聞いてただけだったけど。
ベッドに座ってウンウンと頷いていたら、いつの間にか良い時間になっていた。
「そろそろお風呂入らなきゃ。じゃあ、切るね」
「うん。またね」
結局、ほとんど和瑞の話を聞いた上に一方的に切られてしまった。
まぁ、私もそろそろ眠かったから良いけど。
ふわぁ、と欠伸をしてベッドに寝転ぶと、一気に眠気が襲ってくる。
「駄目だ。宿題しないと」
このままだったら、宿題がゴールデンウィークまで残ってしまうかもしれない。
そうしたら、アニキに会いに行けなくなっちゃう。
重くなる瞼を無理やり開いて、アタシは慣れない勉強に励むことにした。
よし、今日は徹夜だ!
頑張るぞ!!
ママから聞かされた衝撃の発言に、アタシは驚いて大きな声を出してしまった。
だって、あのアニキがだよ。
ろくに目標もないまま大学に進学して、どうせ卒業してもなにもしないでニートか、良くてもフリーターにしかならないと思ってたアニキが、まさか経営者になるなんて。
「経営って言っても、お祖父さんのお店を継いだだけって話だけどね」
「それでも驚きだよ。アニキって、そう言うの興味ないと思ってたから」
どうしても、アタシと居る時の自堕落なアニキしか思い浮かばなくって、お店を切り盛りしてるイメージが湧かない。
まぁ、そう言う所が好きなんだけどね。
「こら! そんなこと言ったら、信吾くんに失礼よ」
「はーい、ごめんなさい」
ママの前だと、アタシはただの素直な女の子に逆戻り。
いつものような勢いは鳴りを潜めてしまう。
「でもさー。そのお店ってどこにあるの?」
アニキの家は遠かったからあんまり会いに行けなかったけど、もしかしたら少しは近くなってるかもしれない。
「確か、隣の市って言ってたけど」
「隣!? 隣の市のどこ?」
「えらく食いつくわね。そこまでは知らないけど、今度聞いておきましょうか?」
「うん、うん! お願い!」
ママの提案に両手を合わせてお願いして、そのままソファに寝転がる。
隣の市だったら、遠くても電車で二時間だ。
それだったら、週末にでも会いに行けるかもしれない。
突然行ったら、アニキびっくりするかな?
久しぶりに会うアニキ、きっとカッコ良くなってるんだろうなぁ。
もちろん、前からカッコ良かったけど。
ああ、会いたいなぁ……。
あ!! そう言えばもうすぐゴールデンウィークじゃん!
それなら連休だし、アニキに会いに行く事だってできる。
楽しみだなぁ、いつ行こっかなぁ。
Pi Pi Pi……
「あれ、電話だ? もしもし」
「あ、唯香?」
「和瑞かー。どうしたの?」
なんだか嫌な予感……。
とりあえず長話になりそうだから、先に部屋に行っておこう。
立ち上がって歩き始めると、和瑞が話を始めた。
「ねぇ。ゴールデンウィーク、久しぶりにどこか遊びに行かない?」
やっぱり。
和瑞がこう言い始めたら、もう決まったも同然だからなぁ。
それに、断って角が立っても面倒くさいし……。
はぁ、こういう時って女の子は大変だ。
「良いよ。でも、最終日は用事があるから無理だけど」
「オッケー。じゃあ、二日目くらいでどうかな?」
「どうせ、その次の日も遊ぶんでしょ」
「ばれたかー」
その後も、誰が誰と付き合い始めたとか、先生が鬱陶しいとか、他愛もない話ばかりしてたらいつの間にか時間が経っていた。
アタシは、ほとんど聞いてただけだったけど。
ベッドに座ってウンウンと頷いていたら、いつの間にか良い時間になっていた。
「そろそろお風呂入らなきゃ。じゃあ、切るね」
「うん。またね」
結局、ほとんど和瑞の話を聞いた上に一方的に切られてしまった。
まぁ、私もそろそろ眠かったから良いけど。
ふわぁ、と欠伸をしてベッドに寝転ぶと、一気に眠気が襲ってくる。
「駄目だ。宿題しないと」
このままだったら、宿題がゴールデンウィークまで残ってしまうかもしれない。
そうしたら、アニキに会いに行けなくなっちゃう。
重くなる瞼を無理やり開いて、アタシは慣れない勉強に励むことにした。
よし、今日は徹夜だ!
頑張るぞ!!
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