駄菓子屋継いだらロリハーレム

樋川カイト

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第二十二話

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 姪とは言ったが、正確には唯香は俺の姪ではない。
 こう言うと語弊があるが、血が繋がっているのかさえ怪しい。
 と言っても、俺か唯香のどちらかが養子って訳でもない。
 親戚は親戚なのだが、家系図をずっと辿っていかなければ説明できないくらい遠い親戚なのだ。
 いろんな人間が入り混じっていて、そう言う意味で血の繋がりが薄い。
 周囲に説明するのが面倒で、二人の間では姪と言うことにしている。
 そもそも容姿も性格もまるで違うからか、それを信じてくれない人もいるけど。
 確かに、冴えない俺と違って唯香は可愛い。
 親戚じゃなかったら、確実にお近づきになりたいくらいだ。
 まぁ、無理だろうけど。
 さて、話を戻そう。

 遠い親戚ではあったけど、それでも俺の親と唯香の親は親しかったみたいで、親戚の中では唯香が唯一の仲が良い同世代と言っても良い。
 まぁ、そうは言っても彼女はまだ中学生なのだが。
「確か、一年生だったよな」
「何が?」
「お前の学年だよ。今年から中学生だろ」
「そうだよ、ピカピカの一年生。入学祝いはまだまだ絶賛受付中です!」
「祝いなんかしないよ。俺の両親から貰っただろ」
「それはそれ、これはこれ」
 そう言って俺の前に出された手のひらを、軽く叩く。
「もうっ、ノリが悪いなぁ」
 ぷーっと頬を膨らませる唯香を無視して、朝食用に駄菓子を見繕う。

「あ、待って! ご飯作ったから!」
 今にも封を開けそうな俺を大声で制止して、唯香は台所へと駆けて行く。
 へぇ、料理なんかできたんだ。
 長い付き合いの中で初めて知ったが、考えれば今までご馳走になる機会なんてなかったんだから当然か。
 しばらく待っていると、ちゃぶ台(祖父さんの形見だ)の上には、湯気の立つ朝食が用意された。
 なんてことない料理ばかりだったけど、普段自炊なんてしない俺にとっては十分ご馳走だ。
「さ、食べて。どうせ碌な物食べてないんでしょ」
「いただきます」
 手を合わせて、箸を伸ばす。

 唯香の飯は文句なしに美味く、こういう時にコイツも女の子なんだなと実感する。
 ひとしきり食事を堪能したところで、さっきはぐらかされてしまった質問をもう一度ぶつけてみる。
「お前、なんで居るんだよ。居ちゃ悪いって訳じゃなくて、来た理由だ」
「アニキに会いたくなったから?」
「真面目に答えろ」
「えー、結構本気だったのにぃ」
 冷静に突っ込むと、唯香は笑いながら肩を竦める。
「暇だったから。それだけ」
「暇だからって、わざわざ俺の所まで来るのか? それっておかしくないか?」
「アニキ、しつこい。……そんなことより、美海ちゃんって誰?」

 それでもしつこく食い下がっていると、都合が悪かったのか唯香は露骨に話を逸らし始めた。
 そしてその話題は、俺にとって都合が悪い。
「……近所の女の子だよ」
「えー、あっやしー! アニキってば、手でも出しちゃったんじゃない?」
「そ、そんな訳ないだろっ!」
「ふーん……」
 ジト目で見られて、なにも言い返せなくなる。
 と言うか、まんまと話を逸らされてしまった。
 だけど、追及を避けるためにはここで話を切る他なかった。
 さて、どうしたものか……。

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