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第十五話
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杏里ちゃんの突然の申し出に、俺の頭はひどく混乱した。
と言うより、なにを言われたのか理解できなかったのだ。
「えっと。聞き間違いだと思うけど、ご主人様って言った?」
「はい! 私をペットとして飼ってくださいっ! 調教してくださいっ!」
えらく興奮しているようで、さっきまでのオドオドした雰囲気とは打って変わって大きな声で迫ってくる。
いくら誰も居ないからって、こんなことを大きな声で言われたら俺の方が困る。
俺がキョロキョロと人の気配を探っていると、杏里ちゃんは不安になったのかさっきより大人しくなってしまった。
「あの……、やっぱり駄目ですか……?」
「いや、駄目って言うか。……なんで俺なの?」
男とヤりたいなら、別に俺じゃなくても良い。
そういうことが得意な人だって、今の世の中なら探そうとすればいくらでも見つかるだろう。
会ったこともない人じゃ不安と言うなら、会ったばかりの初対面な俺だって似たようなもんだろう。
そんな中で、杏里ちゃんはあえて俺を選んだ。
その理由が知りたかった。
「……お兄さんは、優しいし、私を見ても怒らなかったから」
なんて単純な理由。
小学生が考える基準と言うのは、普通こんなものなんだろうか?
「もしも、俺が猫を被ってるだけだったら? 杏里ちゃんが心を許した瞬間に、いきなり襲いかかるかも知れないよ?」
「お兄さんは、そんな人じゃありません」
小さく、しかし力強く言われてしまった。
「それに、もしその気があったら、私はもう襲われちゃってます」
そりゃあそうだ。
どうやらこの子は、俺が思っているよりいろいろと考えているのかもしれない。
だけど、だからこそ引き帰させてあげたくもなる。
この子は、まだ間に合うかもしれない。
こんな良い子には、真っ当に生きて欲しいと俺は思う。
長々と理由を述べたけど、結局は俺が怖いだけなんだ。
こんな子のご主人様になって、俺は本当に大丈夫なのだろうか。
もちろん、これほど可愛い子なら是非お近づきになりたい。
だけど、それは俺の行為が周囲にばれるリスクでもあるのだ。
ただでさえ、美海ちゃんと関係を持ってしまった。
その上でこの子とも関係を持って、果たして俺は無事でいられるのだろうか?
一人ならず二人も毒牙にかけてしまって、俺は大丈夫なんだろうか?
長い自問自答は、しかし杏里ちゃんの次の一言で吹き飛ばされてしまう。
「わたし、お兄さんにならなにをされても構いません……!」
「……じゃあ、とりあえず服を脱いで」
結局俺は、誘惑に負けてしまった。
一人だろうが二人だろうが、待っている結果は同じだ。
結局最後は、社会から抹殺されてしまうだけなのだから。
むしろ、少女を犯した最低な悪漢としてはより箔がつくってもんだ。
だったら、今を思う存分楽しもう。
この子を俺が居なければ駄目なくらいに調教すれば、リスクは限りなくゼロになるだろう。
そんな楽観的な観測で、俺はこの子のご主人様になる事を決めた。
と言うより、なにを言われたのか理解できなかったのだ。
「えっと。聞き間違いだと思うけど、ご主人様って言った?」
「はい! 私をペットとして飼ってくださいっ! 調教してくださいっ!」
えらく興奮しているようで、さっきまでのオドオドした雰囲気とは打って変わって大きな声で迫ってくる。
いくら誰も居ないからって、こんなことを大きな声で言われたら俺の方が困る。
俺がキョロキョロと人の気配を探っていると、杏里ちゃんは不安になったのかさっきより大人しくなってしまった。
「あの……、やっぱり駄目ですか……?」
「いや、駄目って言うか。……なんで俺なの?」
男とヤりたいなら、別に俺じゃなくても良い。
そういうことが得意な人だって、今の世の中なら探そうとすればいくらでも見つかるだろう。
会ったこともない人じゃ不安と言うなら、会ったばかりの初対面な俺だって似たようなもんだろう。
そんな中で、杏里ちゃんはあえて俺を選んだ。
その理由が知りたかった。
「……お兄さんは、優しいし、私を見ても怒らなかったから」
なんて単純な理由。
小学生が考える基準と言うのは、普通こんなものなんだろうか?
「もしも、俺が猫を被ってるだけだったら? 杏里ちゃんが心を許した瞬間に、いきなり襲いかかるかも知れないよ?」
「お兄さんは、そんな人じゃありません」
小さく、しかし力強く言われてしまった。
「それに、もしその気があったら、私はもう襲われちゃってます」
そりゃあそうだ。
どうやらこの子は、俺が思っているよりいろいろと考えているのかもしれない。
だけど、だからこそ引き帰させてあげたくもなる。
この子は、まだ間に合うかもしれない。
こんな良い子には、真っ当に生きて欲しいと俺は思う。
長々と理由を述べたけど、結局は俺が怖いだけなんだ。
こんな子のご主人様になって、俺は本当に大丈夫なのだろうか。
もちろん、これほど可愛い子なら是非お近づきになりたい。
だけど、それは俺の行為が周囲にばれるリスクでもあるのだ。
ただでさえ、美海ちゃんと関係を持ってしまった。
その上でこの子とも関係を持って、果たして俺は無事でいられるのだろうか?
一人ならず二人も毒牙にかけてしまって、俺は大丈夫なんだろうか?
長い自問自答は、しかし杏里ちゃんの次の一言で吹き飛ばされてしまう。
「わたし、お兄さんにならなにをされても構いません……!」
「……じゃあ、とりあえず服を脱いで」
結局俺は、誘惑に負けてしまった。
一人だろうが二人だろうが、待っている結果は同じだ。
結局最後は、社会から抹殺されてしまうだけなのだから。
むしろ、少女を犯した最低な悪漢としてはより箔がつくってもんだ。
だったら、今を思う存分楽しもう。
この子を俺が居なければ駄目なくらいに調教すれば、リスクは限りなくゼロになるだろう。
そんな楽観的な観測で、俺はこの子のご主人様になる事を決めた。
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