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第94話
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「んはーっ!! すっきりしたっすぅー! 長瀬くんのマッサージ、最高に気持ちよかったっすよ!」
「あはは、そう言ってもらえると嬉しいよ。それに俺も、すごく気持ちよかったし」
結局あの後、部活が終わるまで隠れてイチャイチャし続けていた俺たちは連れ添って校内を歩いていた。
すでに完全下校時間を過ぎている校舎の中はシンッと静まり返っていて、ただ俺たちの話す声だけが廊下に響いている。
なんで俺たちが、そんな誰も居ない校舎を歩いているのかと言うと。
「それにしても、付き合ってもらって悪いっすねぇ。忘れ物くらい、一人で取りに行けるっすよ」
「いやいや、もうけっこう暗くなってるからさ。女の子を一人で出歩かせて、万が一でもなにかあったら大変だから」
後片付けを終わらせてさぁ帰ろうとしたところで、なんと胡桃ちゃんが教科書を教室に忘れてきてしまったのに気付いた。
それだけならまぁ、行儀は良くないものの明日まで放置していても問題はないだろう。
しかし、今日に限って運悪くその教科で課題が出されていて、その課題をするためには教科書がどうしても必要だったのだ。
そのせいで彼女は、すでにみんな帰ってしまってほとんど無人の教室まで取りに行かなければならなくなってしまった。
すでに夕方を少し過ぎたくらいの時間帯だったのも相まって、外はすっかり暗くなり始めている。
そんな時間に女の子を一人歩きさせるのは、たとえ胡桃ちゃんが気にしなくても俺が気になってしまう。
と言うわけで、俺は半ば強引に彼女について行くことにしたのだ。
まぁそれには、彼女ともっと一緒に居たかったからと言う理由も含まれている。
せっかく手に入れた生徒会攻略の足掛かりだし、もっと仲良くなっていることに越したことはないだろう。
「それにしても、夜の校舎ってなんだか不気味だね。薄暗いし、なんだか静かすぎる気がするし」
「んんぅ? もしかして長瀬くん、怖いんすか? オバケとか出てきちゃうかもーって、そんなこと考えちゃうタイプっすかぁ?」
俺の言葉にニヤニヤと笑った胡桃ちゃんは、口元に手をやりながらからかうような口調で声を掛けてくる。
そんないたずらっぽい表情を浮かべる彼女を見ていると、なんだかこっちまで悪戯心が沸き上がってくる。
「うん、ちょっと怖いかもね。……怖いから、胡桃ちゃんのこと抱きしめても良いかな?」
「ぴゃっ!?」
そう言いながら俺は、返事も聞かずに胡桃ちゃんの身体を後ろから抱きしめる。
そのまま首筋に顔をうずめると、彼女のフェロモンを堪能するようにゆっくりと深呼吸を繰り返した。
「ちょちょっ、ちょー!! 匂い、嗅いじゃ駄目っすよぉ!! 今の私、すっごい汗くさいっすから!」
「そんなことないよ。胡桃ちゃんの身体、甘酸っぱくてすごくいい匂いだ……」
「ううぅ……。勘弁してほしいっすぅ……」
口ではそう言いながらもほとんど抵抗らしい抵抗をしない胡桃ちゃん。
よく見ると彼女の頬は赤く染まっていて、興奮した様に呼吸も少し荒くなっているような気がする。
そうやって二人でイチャイチャしながら廊下を歩いていると、不意にどこからか微かに物音が聞こえてきた。
「ん? なんの音だろう? もしかして、まだ誰か残ってるのか?」
「えぇ、そんな訳ないと思うっすよ。もう完全下校時間からかなり経ってるし、こんな時間まで校内に残ってるなんてだいぶヤバいっすからね」
「うん、それは俺たちもだけどね」
もしこんな所を教師の誰かに見られてしまえば、問答無用で生徒指導の対象になってしまうだろう。
そう考えると、今の俺ってけっこう危ない橋を渡ってるのかな?
なんて考えている間にも断続的に聞こえてくる物音は、どうやら俺の勘違いではなく誰かが居るのは間違いない。
「……もしかして、胡桃ちゃんと同じように忘れ物でも取りに来たとか?」
「へぇー。どうしても今日中に取りに戻らなくちゃならない忘れ物をするなんて、そんなお馬鹿さんが居るんすねぇ」
などと宣っているお馬鹿さんの言葉は無視して、俺はゆっくりと物音の聞こえる方向へと歩を進めていく。
「長瀬くん、どこに行くんすか? 私の教室はあっちっすよ?」
「いや、ちょっと気になるじゃん。誰が居るのか確認したらすぐに追いかけるから、胡桃ちゃんは先に教室まで行ってていいよ」
「えぇー! 嫌っすよ! そんな面白そうな……、じゃなかった。大変なこと、私も確認に行くっす! これでも一応は生徒会の一員っすし、もし良からぬことをしてる生徒が居たら注意しないとっすからね!」
「あはは、分かったよ。それじゃ、一緒に確認しに行こうか」
どう考えても本音が駄々洩れてる生徒会の一員(笑)を引き連れて、俺はそのまま音に導かれるように廊下を進んでいる。
そうしてしばらく歩くと、辿り着いたのは一年生の教室だった。
「……ここっすね。はてさて、悪いことしてるのはどんな子っすかねぇ?」
ウキウキした口調で声を潜める彼女と頷き合って、俺たちはそっと扉を開いて隙間から教室の中を覗き込む。
そしてそこで見た光景に、俺は思わず目を見開いてしまった。
「えぇっ!? あれって……。むぐっ!?」
思わず大きな声を上げようとする胡桃ちゃんの口を慌てて塞ぎながら、俺は改めて目の前の光景へと意識を向ける。
その教室の真ん中では、鏡写しのように瓜二つな二人の美少女がお互いの身体を縛り合っていた。
「あはは、そう言ってもらえると嬉しいよ。それに俺も、すごく気持ちよかったし」
結局あの後、部活が終わるまで隠れてイチャイチャし続けていた俺たちは連れ添って校内を歩いていた。
すでに完全下校時間を過ぎている校舎の中はシンッと静まり返っていて、ただ俺たちの話す声だけが廊下に響いている。
なんで俺たちが、そんな誰も居ない校舎を歩いているのかと言うと。
「それにしても、付き合ってもらって悪いっすねぇ。忘れ物くらい、一人で取りに行けるっすよ」
「いやいや、もうけっこう暗くなってるからさ。女の子を一人で出歩かせて、万が一でもなにかあったら大変だから」
後片付けを終わらせてさぁ帰ろうとしたところで、なんと胡桃ちゃんが教科書を教室に忘れてきてしまったのに気付いた。
それだけならまぁ、行儀は良くないものの明日まで放置していても問題はないだろう。
しかし、今日に限って運悪くその教科で課題が出されていて、その課題をするためには教科書がどうしても必要だったのだ。
そのせいで彼女は、すでにみんな帰ってしまってほとんど無人の教室まで取りに行かなければならなくなってしまった。
すでに夕方を少し過ぎたくらいの時間帯だったのも相まって、外はすっかり暗くなり始めている。
そんな時間に女の子を一人歩きさせるのは、たとえ胡桃ちゃんが気にしなくても俺が気になってしまう。
と言うわけで、俺は半ば強引に彼女について行くことにしたのだ。
まぁそれには、彼女ともっと一緒に居たかったからと言う理由も含まれている。
せっかく手に入れた生徒会攻略の足掛かりだし、もっと仲良くなっていることに越したことはないだろう。
「それにしても、夜の校舎ってなんだか不気味だね。薄暗いし、なんだか静かすぎる気がするし」
「んんぅ? もしかして長瀬くん、怖いんすか? オバケとか出てきちゃうかもーって、そんなこと考えちゃうタイプっすかぁ?」
俺の言葉にニヤニヤと笑った胡桃ちゃんは、口元に手をやりながらからかうような口調で声を掛けてくる。
そんないたずらっぽい表情を浮かべる彼女を見ていると、なんだかこっちまで悪戯心が沸き上がってくる。
「うん、ちょっと怖いかもね。……怖いから、胡桃ちゃんのこと抱きしめても良いかな?」
「ぴゃっ!?」
そう言いながら俺は、返事も聞かずに胡桃ちゃんの身体を後ろから抱きしめる。
そのまま首筋に顔をうずめると、彼女のフェロモンを堪能するようにゆっくりと深呼吸を繰り返した。
「ちょちょっ、ちょー!! 匂い、嗅いじゃ駄目っすよぉ!! 今の私、すっごい汗くさいっすから!」
「そんなことないよ。胡桃ちゃんの身体、甘酸っぱくてすごくいい匂いだ……」
「ううぅ……。勘弁してほしいっすぅ……」
口ではそう言いながらもほとんど抵抗らしい抵抗をしない胡桃ちゃん。
よく見ると彼女の頬は赤く染まっていて、興奮した様に呼吸も少し荒くなっているような気がする。
そうやって二人でイチャイチャしながら廊下を歩いていると、不意にどこからか微かに物音が聞こえてきた。
「ん? なんの音だろう? もしかして、まだ誰か残ってるのか?」
「えぇ、そんな訳ないと思うっすよ。もう完全下校時間からかなり経ってるし、こんな時間まで校内に残ってるなんてだいぶヤバいっすからね」
「うん、それは俺たちもだけどね」
もしこんな所を教師の誰かに見られてしまえば、問答無用で生徒指導の対象になってしまうだろう。
そう考えると、今の俺ってけっこう危ない橋を渡ってるのかな?
なんて考えている間にも断続的に聞こえてくる物音は、どうやら俺の勘違いではなく誰かが居るのは間違いない。
「……もしかして、胡桃ちゃんと同じように忘れ物でも取りに来たとか?」
「へぇー。どうしても今日中に取りに戻らなくちゃならない忘れ物をするなんて、そんなお馬鹿さんが居るんすねぇ」
などと宣っているお馬鹿さんの言葉は無視して、俺はゆっくりと物音の聞こえる方向へと歩を進めていく。
「長瀬くん、どこに行くんすか? 私の教室はあっちっすよ?」
「いや、ちょっと気になるじゃん。誰が居るのか確認したらすぐに追いかけるから、胡桃ちゃんは先に教室まで行ってていいよ」
「えぇー! 嫌っすよ! そんな面白そうな……、じゃなかった。大変なこと、私も確認に行くっす! これでも一応は生徒会の一員っすし、もし良からぬことをしてる生徒が居たら注意しないとっすからね!」
「あはは、分かったよ。それじゃ、一緒に確認しに行こうか」
どう考えても本音が駄々洩れてる生徒会の一員(笑)を引き連れて、俺はそのまま音に導かれるように廊下を進んでいる。
そうしてしばらく歩くと、辿り着いたのは一年生の教室だった。
「……ここっすね。はてさて、悪いことしてるのはどんな子っすかねぇ?」
ウキウキした口調で声を潜める彼女と頷き合って、俺たちはそっと扉を開いて隙間から教室の中を覗き込む。
そしてそこで見た光景に、俺は思わず目を見開いてしまった。
「えぇっ!? あれって……。むぐっ!?」
思わず大きな声を上げようとする胡桃ちゃんの口を慌てて塞ぎながら、俺は改めて目の前の光景へと意識を向ける。
その教室の真ん中では、鏡写しのように瓜二つな二人の美少女がお互いの身体を縛り合っていた。
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