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第34話

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「よし、ちょっと休憩しよっか」
 あの後、みっちり三十分運動した俺はやっと彼女に休憩の許可をもらった。
 灯里先生の言葉と同時にマットに倒れると、そのまま大の字で仰向けに寝転ぶ。
 そうすると冷たいマットの感触が俺の身体を冷やして、身体中が気持ち良く癒されていく。
「本当に、悠太くんってマットも跳び箱も苦手だね」
「そうですね……。そもそも運動得意じゃないけど、これだけは本当に無理です」
 倒れる俺の顔を覗き込むように接近してきた彼女は、俺の隣に座ると手に持った何かを手渡してくる。
「これは……?」
「スポーツドリンク。運動の後は水分補給しないとね。……本当は駄目なんだけど、これは私のおごり」
「ありがとうございます。もう、喉がカラカラだったんですよ」
 貰ったスポーツドリンクを開けて一気に半分くらい飲むと、疲れていた身体に何となく元気が戻ってきた気がする。
「よし、顔色も良くなってきたね。それじゃ、もうちょっと休憩したらまた頑張ろうね」
「……まだ、やるんですか?」
「当然。あと三十分はやるよぉ!」
 グッと右手でガッツポーズを作る灯里先生の笑顔を見ていると、なんだか身体から疲れが抜けていくような気がする。
「それにしても、今日の補習って俺だけなんですね」
「えっ? あぁ、うん。そうなんだ……。ほら、成績が悪かった組とは別で、長瀬くんはまだ一回も挑戦してないから」
「まぁ、確かにそうですけど」
 それでも、成績悪かった組と一緒だったらもう少し楽だったかもしれない。
 他の奴がやっている時は休めるし、女子が居ればその子の体操着姿を存分に楽しむことができる。
 この世界って、女子は普通にブルマなんだよなぁ。
 それも、この世界に来て体育の授業が楽しみになった理由の一つだ。
 前の世界で絶滅してしまったブルマが見放題なんて、世の男だったら誰だって喜ぶんじゃないかな?
 なんて事を考えながら、チラッと隣で休んでいる灯里先生を盗み見る。
 残念ながら先生は上下ともにジャージを着ているけど、しかし暑さからか上着を脱いでTシャツ一枚になっている。
 汗でほんのりと透けたTシャツからは薄い水色のブラジャーが透けていて、しかも襟元を引っ張ってパタパタと風を送っているから胸の谷間まで見えてしまっている。
 疲れているとはいえ、健全な男子高生の性欲を舐めてはいけない。
 身体は立ち上がらなくても我が愚息は元気よく立ち上がり、テントを張ったズボンは気を付けないと先生に気付かれてしまいそうになっている。
 どうにかしなくてはと思っていても、目の前に広がっている魅惑的な光景から目を離せる訳もなく、それではいつまで経っても愚息が落ち着きを取り戻す事はできない。
「さて、そろそろ続きをやろうか。……長瀬くん、どうしたの?」
 休憩は終わりとばかりに勢い良く立ち上がった灯里先生は、それでも立ち上がれない俺を見て不思議そうな表情を浮かべている。
 しかし、俺はそれどころではないのだ。
 いくら貞操が逆転しているとはいえ、授業中に勃起している事なんてばれたらどうなるか分からない。
 普通に注意されるくらいならまだ良いけれど、今後の先生との関係にまで修復不可能なヒビが入ってしまう可能性さえあるのだ。
「えっと、ちょっと待ってください……」
 とりあえず時間を稼ぐようにそう呟きながら、俺は必死でおデブちゃんの痴態を想像しながら精神を抑えていく。
 頭の中に浮かぶのは、相撲取りみたいに太った女の子。
 そう言えば余談だけど、この世界での相撲は女の子のスポーツになっている。
 国技がそうなっていた事に驚いたけど、そう言えば上半身を晒したくない男や男の上半身に欲情する女性が多少なりともいるこの世界で、まわし一枚で闘う競技をテレビで放送できるはずがない。
 という訳で、相撲はまわし一枚の女性が闘う競技へと変わってしまっていた。
 初めて相撲中継を見た時には、衝撃だった。
 なにしろ、いくら女の子がやっているとはいえ全く欲情できなかったからだ。
 不純な期待をしていた俺も悪いのだけれど、流石にデブ専ではない俺にとって彼女たちはストライクゾーンを大幅に外れてしまっていた。
 あれは全て筋肉だって話も聞くけど、だからどうしたと言う話だ。
 どうせスポーツをするんなら、もう少しすらっとしていた方が良いのに……。
 その点、灯里先生は出る所は出ていて引き締まる所は引き締まっている。
 前に一度だけチラッと見えた腹筋はほんのりと割れているようで、柔らかそうなおっぱいとのコントラストが非常に健康的でよろしい。
 裸にして、その腹筋とおっぱいを同時に触ってみたいなぁ……。
 って、こんな事を考えてたらいつまで経っても勃起が収まらないじゃないかっ!
 自分の節操のなさに頭を抱えていると、目の前にふと影が落ちる。
「大丈夫? 体調が悪いの?」
 視線を上げるとそこでは灯里先生が心配そうに見つめてきていて、グッと押し出された胸元からは谷間と共に薄水色のブラジャーがばっちり覗いている。
「体調が悪いんなら、今日の補習はこれまでにして保健室に行こうか?」
「いやっ、あの……。大丈夫ですから!」
 補習が終わるのは嬉しいけど、立ち上がったらマイサンも立ち上がっている事がばれてしまう。
 どうにかしてそれだけは回避しようとしても、先生は有無を言わさぬ態度で俺の腕を掴んだ。
「駄目だよ。体調が悪いのに放っておいて、後で大事になったら大変なんだから」
 そのままぐいっと無理やり立ち上がらされて、俺は隠す事もできずに勃起したマイサンを先生の前に晒してしまう。
 そして先生は、俺の膨らんだズボンを見て目を丸くして固まってしまった。
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