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第28話
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「よし、それで良いんだよ。……じゃあ、次は菜々ちゃんだね」
「わ、私は良いよ! ちゃんと見るから、許して」
ゆっくりと菜々ちゃんの方へ視線を向けると、彼女は涙目で俺を見つめていた。
そんな顔を見せられると俺の中の嗜虐心が刺激されるけど、まぁ今回は許してやろう。
二人ともこっちをちゃんと見てくれるようになって満足した俺は、改めて二人の水着を堪能するために眺める。
そして、その後すぐに大きなため息をついた。
理由は言わずもがな、二人の水着である。
このビキニ主体である貞操逆転世界で、あろう事か薫ちゃんはワンピースタイプの水着を着ていた。
それはつまり、海やレジャープールにスクール水着を着てくるようなものだ。
なんとなく違う気もするけど、俺はそれくらいがっかりした事だけは間違いないだろう。
いや、スクール水着も好きだけど、しかし遊びに来た時くらいはもっと遊びようの可愛い水着が見たいと言うわがままな理論だ。
ワンピースタイプの水着も薫ちゃんに良く似合っていて可愛いんだけど、ビキニを期待していただけに喜びよりも先にがっかり感が来てしまった。
そして、がっかりなのは菜々ちゃんもだ。
菜々ちゃんはビキニを着ているのだが、その上半身は羽織ったパーカーによって覆い隠されてしまっている。
前まできっちりと締められているから、その水着が本当にビキニなのかも怪しいものだ。
せっかく水着鑑賞をメインにプールまで遊びに来たのに、これではその他の染みが半減したと言っても過言ではない。
「二人とも、がっかりだよ」
「えっ? ど、どうして……?」
ため息交じりに告げると、二人は目に見えたように動揺してしまった。
「どこが、ダメだった?」
「まずは菜々ちゃん。パーカーを脱ごう」
「えっ⁉ でも……」
「でも、じゃないよ。せっかくプールに来たのに、パーカー着てたら遊べないでしょ」
「遊ぶ時は脱ぐから……」
「だったら、今すぐ脱いでっ! それで、可愛い水着姿を俺に見せてよ」
そう言って半ば強引に菜々ちゃんのパーカーを奪い取ると、その下から彼女の白い肌とビキニに包まれた豊満な胸が姿を現した。
「うぅ……。太ってるから恥ずかしいのに……」
「菜々ちゃんは全然太ってないよ。俺は菜々ちゃんみたいな体型、好きだし」
やっと目の前に晒されたおっぱいを眺めながら呟くと、菜々ちゃんの頬はサッと朱に染まる。
「す、好きだなんて……」
「菜々ちゃんばっかりズルい! 私は?」
「薫ちゃんも好きだよ。でも、その水着はちょっと残念だな」
「そう? 可愛いと思うけど」
「可愛いは可愛いんだけど……。何でビキニじゃないの?」
「それは、だって……。恥ずかしいし」
胸元を隠すように両手をクロスさせながら答える薫ちゃんは確かに色っぽい。
色っぽいのだが、やっぱり見えている肌の量が少ないのが残念だ。
しかも、脱がす時に面倒くさいと言うオマケつきだ。
……いや、着衣のまま股間部分だけずらして挿入するって言うのもなかなかオツなのか?
「まぁ、いいや。水着の件は今度改めて色々言わせてもらうとして、遊ぼうか」
このままここで水着について語っていては、せっかく来たのに遊ぶ時間がなくなってしまう。
仕方なく諦めた俺は、二人の手を取ってプールに行くとそのまま彼女たちを水の中に投げ込んだ。
「キャッ⁉」
「び、びっくりしたぁ……」
そうして浮き上がって来た彼女たちを確認すると、そんな二人の間に向かって俺もプールに飛び込む。
「キャアッ! もう、はしゃぎ過ぎだよ」
「良いじゃん、楽しいし。水が冷たくて気持ち良いよ」
「確かに、さっきまでの暑さが嘘みたい」
俺に注意しながらもなんだか楽しそうな薫ちゃんと、すっかり水の中が気に入った様子の菜々ちゃん。
どうやら彼女は泳ぎが上手いみたいで、仰向けに浮き上がるとそのまま背泳ぎを披露してくれる。
「すごいね。俺、背泳ぎなんてできないよ」
「コツさえ掴めば簡単だよ。教えてあげようか?」
「うーん……。今回は遠慮しておくよ。見てるだけで楽しいし」
実際、菜々ちゃんの背泳ぎは見ていて楽しい。
胸についている大きな浮き袋が二つ、彼女が水をかくたびにたゆんと柔らかそうに揺れる。
それを見ているだけで、一時間や二時間は暇をしないだろう。
「ところで、薫ちゃんは泳がないの?」
「うぇっ⁉ わ、私は泳ぐのはちょっと……」
身体の代わりに視線を泳がせながら答える薫ちゃんを見れば、答えは歴然だ。
どうやら彼女は、泳ぐのは苦手なようだ。
「……そっか」
「優しい目はやめてぇ……」
あえて指摘しなかった事が、どうやら逆に薫ちゃんはお気に召さなかったようだ。
情けない声を上げた薫ちゃんは、照れ隠しのように俺に向けて水をかけてきた。
「わぷっ⁉ やったな!」
お返しとばかりに水をすくって彼女にかけると、すぐに彼女からも水が飛んでくる。
そうやってしばらく二人で遊んでいると、泳いでいた菜々ちゃんが俺たちの元へと帰ってきた。
「あっ、楽しそう。私も混ぜてよ!」
そう言って思いっきり飛ばされた水は俺と薫ちゃんに同時にかかり、今度は二人でタイミングを合わせて菜々ちゃんに向けて水を飛ばす。
そうやって美少女二人とキャッキャウフフと遊びながら、俺はそんな事のできる幸せを一人で噛みしめていたのだった。
「わ、私は良いよ! ちゃんと見るから、許して」
ゆっくりと菜々ちゃんの方へ視線を向けると、彼女は涙目で俺を見つめていた。
そんな顔を見せられると俺の中の嗜虐心が刺激されるけど、まぁ今回は許してやろう。
二人ともこっちをちゃんと見てくれるようになって満足した俺は、改めて二人の水着を堪能するために眺める。
そして、その後すぐに大きなため息をついた。
理由は言わずもがな、二人の水着である。
このビキニ主体である貞操逆転世界で、あろう事か薫ちゃんはワンピースタイプの水着を着ていた。
それはつまり、海やレジャープールにスクール水着を着てくるようなものだ。
なんとなく違う気もするけど、俺はそれくらいがっかりした事だけは間違いないだろう。
いや、スクール水着も好きだけど、しかし遊びに来た時くらいはもっと遊びようの可愛い水着が見たいと言うわがままな理論だ。
ワンピースタイプの水着も薫ちゃんに良く似合っていて可愛いんだけど、ビキニを期待していただけに喜びよりも先にがっかり感が来てしまった。
そして、がっかりなのは菜々ちゃんもだ。
菜々ちゃんはビキニを着ているのだが、その上半身は羽織ったパーカーによって覆い隠されてしまっている。
前まできっちりと締められているから、その水着が本当にビキニなのかも怪しいものだ。
せっかく水着鑑賞をメインにプールまで遊びに来たのに、これではその他の染みが半減したと言っても過言ではない。
「二人とも、がっかりだよ」
「えっ? ど、どうして……?」
ため息交じりに告げると、二人は目に見えたように動揺してしまった。
「どこが、ダメだった?」
「まずは菜々ちゃん。パーカーを脱ごう」
「えっ⁉ でも……」
「でも、じゃないよ。せっかくプールに来たのに、パーカー着てたら遊べないでしょ」
「遊ぶ時は脱ぐから……」
「だったら、今すぐ脱いでっ! それで、可愛い水着姿を俺に見せてよ」
そう言って半ば強引に菜々ちゃんのパーカーを奪い取ると、その下から彼女の白い肌とビキニに包まれた豊満な胸が姿を現した。
「うぅ……。太ってるから恥ずかしいのに……」
「菜々ちゃんは全然太ってないよ。俺は菜々ちゃんみたいな体型、好きだし」
やっと目の前に晒されたおっぱいを眺めながら呟くと、菜々ちゃんの頬はサッと朱に染まる。
「す、好きだなんて……」
「菜々ちゃんばっかりズルい! 私は?」
「薫ちゃんも好きだよ。でも、その水着はちょっと残念だな」
「そう? 可愛いと思うけど」
「可愛いは可愛いんだけど……。何でビキニじゃないの?」
「それは、だって……。恥ずかしいし」
胸元を隠すように両手をクロスさせながら答える薫ちゃんは確かに色っぽい。
色っぽいのだが、やっぱり見えている肌の量が少ないのが残念だ。
しかも、脱がす時に面倒くさいと言うオマケつきだ。
……いや、着衣のまま股間部分だけずらして挿入するって言うのもなかなかオツなのか?
「まぁ、いいや。水着の件は今度改めて色々言わせてもらうとして、遊ぼうか」
このままここで水着について語っていては、せっかく来たのに遊ぶ時間がなくなってしまう。
仕方なく諦めた俺は、二人の手を取ってプールに行くとそのまま彼女たちを水の中に投げ込んだ。
「キャッ⁉」
「び、びっくりしたぁ……」
そうして浮き上がって来た彼女たちを確認すると、そんな二人の間に向かって俺もプールに飛び込む。
「キャアッ! もう、はしゃぎ過ぎだよ」
「良いじゃん、楽しいし。水が冷たくて気持ち良いよ」
「確かに、さっきまでの暑さが嘘みたい」
俺に注意しながらもなんだか楽しそうな薫ちゃんと、すっかり水の中が気に入った様子の菜々ちゃん。
どうやら彼女は泳ぎが上手いみたいで、仰向けに浮き上がるとそのまま背泳ぎを披露してくれる。
「すごいね。俺、背泳ぎなんてできないよ」
「コツさえ掴めば簡単だよ。教えてあげようか?」
「うーん……。今回は遠慮しておくよ。見てるだけで楽しいし」
実際、菜々ちゃんの背泳ぎは見ていて楽しい。
胸についている大きな浮き袋が二つ、彼女が水をかくたびにたゆんと柔らかそうに揺れる。
それを見ているだけで、一時間や二時間は暇をしないだろう。
「ところで、薫ちゃんは泳がないの?」
「うぇっ⁉ わ、私は泳ぐのはちょっと……」
身体の代わりに視線を泳がせながら答える薫ちゃんを見れば、答えは歴然だ。
どうやら彼女は、泳ぐのは苦手なようだ。
「……そっか」
「優しい目はやめてぇ……」
あえて指摘しなかった事が、どうやら逆に薫ちゃんはお気に召さなかったようだ。
情けない声を上げた薫ちゃんは、照れ隠しのように俺に向けて水をかけてきた。
「わぷっ⁉ やったな!」
お返しとばかりに水をすくって彼女にかけると、すぐに彼女からも水が飛んでくる。
そうやってしばらく二人で遊んでいると、泳いでいた菜々ちゃんが俺たちの元へと帰ってきた。
「あっ、楽しそう。私も混ぜてよ!」
そう言って思いっきり飛ばされた水は俺と薫ちゃんに同時にかかり、今度は二人でタイミングを合わせて菜々ちゃんに向けて水を飛ばす。
そうやって美少女二人とキャッキャウフフと遊びながら、俺はそんな事のできる幸せを一人で噛みしめていたのだった。
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