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第10話
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そして、時は今に戻る。
「とりあえず、前を閉たほうがいいんじゃない? いくら暖かいからって、いつまでもそのままじゃ風邪引くよ」
「……うん」
俺が回想している間に色々と諦めたのか、すっかり大人しくなっている露出狂ちゃんもとい武井さんは素直にコートの前を閉じた。
そうすると肌色の誘惑が見えなくなって少し残念だけど、ここで上手く事を運べばまた見れるかも知れないし今は我慢だ。
さて、どう攻めようか……。
と黙って考えていると、先にしびれを切らしたのは武井さんの方だった。
「あの……。私の事、知ってるかな……」
「うん。武井菜々さんだよね」
「……長瀬くん、私の名前知っててくれたんだ」
俺が答えると、武井さんはなんだか嬉しそうに小さく微笑む。
……そんな事を言ってる場合じゃないだろ。
そもそも、俺が彼女の事を知らないはずがない。
武井奈々さんと言えば、高校でも五本の指に入ると言われているトップクラスの美少女だ。
中学生と間違えるような低身長に相反するように制服を押し上げるおっぱいとふくよかなお尻は、あらゆる男子高生の夜のオカズになった事だろう。
加えてそのアイドル並みに可愛らしい容姿とコロコロと変わる多彩な表情は世の男を魅了し、彼女にしたい女の子(俺調べ)では常にトップ3から転落した事がない。
そんな彼女が自らの肢体を惜しみなく見せてくれたのだと考えると、おのずと俺の愚息も大きくなっていく。
「でも、どうして武井さんは露出狂なんてやってるの? 趣味?」
「いやっ、えっと……。そうじゃなくって……。その、私ってモテないから……」
俺の質問に対する武井さんの答えは、意味不明なものだった。
「モテないから露出って、良く分かんないんだけど」
「あはは、だよね……。えっと、なんだか私も良く分からないんだ。ただ、男の人に見られたい願望って言うのがあるのかな? 私に見向きもしない男の人を、少し困らせてあげたい、とか?」
「ふーん、そう言うものなのか」
露出狂の気持ちを俺には理解できないけど、つまり武井さんは非モテをこじらせてしまったのだろう。
俺だって前の世界では、モテなさすぎて意味不明な行動を取った事があった。
きっと、それと同じような現象だな。
だとすれば、武井さんが非モテのダークサイドに落ち切ってしまい取り返しのつかない事態を巻き起こしてしまう前に、俺が優しく助けてあげなければ。
その過程で彼女の身体を美味しく楽しめたらラッキーだし、付き合えたりなんかしたらこれ以上ない幸運だ。
とりあえずは、すでに表情がダークサイドに落ちてしまっている彼女を慰めなくては。
「元気だしなよ。誰にも言ったりしないから」
「でも、長瀬くんに見られちゃった……。長瀬くんに嫌われたら、私、生きていけないよ……」
「嫌いになったりしないから。むしろ俺、武井さんの事好きだよ」
「ふえっ⁉ ウソッ?」
「嘘じゃないって。そうだ、良い機会だし菜々ちゃんって呼んでも良いかな?」
「別に、良いけど……」
「やった。じゃあ、俺の事も悠太で良いから。改めてよろしくね、菜々ちゃん」
とりあえずどさくさに紛れて名前で呼ぶ許可を取り付けたぜ。
前の世界では喋る事さえできなかったから、これはかなりの進歩と言えるだろう。
しかし、俺はこんな所では止まらない。
行ける所まで行ってやるぜ。
「それで、菜々ちゃん。ちょっと相談があるんだけど」
「な、何かな? 悠太くん」
おお、もう名前で呼んでくれるとは嬉しいな。
結局薫ちゃんは、一度呼んだだけで恥ずかしくなったみたいで呼んでくれなかったし、菜々ちゃんには是非続けていって欲しいものだ。
「とりあえず今日は遅いから一旦家に帰って、明日の昼休みにでもお話ししない?」
「私はそれで構わないよっ! 悠太くんは男の子だから、帰らないと危ないもんね」
「菜々ちゃんも気を付けなきゃ駄目だよ。可愛いんだから」
「そんなっ! 私は可愛くないし大丈夫だよ。でも、悠太くんに可愛いって言われて嬉しいな」
なんだか、話しているうちに菜々ちゃんはどんどん明るくなっていく。
暗いよりは明るい方が俺は好きだけど、もっと大人しい雰囲気だと思っていたからちょっと驚きだ。
「普段は、あんまり喋らないよ。私、人見知りだから……」
「でも、俺とは普通に話せてるよ」
「それは……。長瀬くんにはもっと恥ずかしい所まで見られちゃったから」
「はは、確かに。菜々ちゃんの身体の隅々まで堪能させてもらったよ」
「うう、見苦しいものを見せてごめんなさい」
「見苦しくなんてないよ。すっごくエロくて、興奮しちゃった」
「止めてぇ……」
その後、興奮して五分ほど菜々ちゃんの身体の魅力について語っていると、彼女は顔を真っ赤にして小さくそう呟いた。
まるで頭から湯気が出そうな彼女が気の毒になって止めたけど、語ろうと思えば更に一時間くらい語れる。
「じゃあ、これくらいにしておこっか。続きは明日のお昼休みに」
「もう恥ずかしい事言って褒めるのは止めてね」
「事実を言っただけなんだけどなぁ……」
とは言え、嫌がる事をするのは本意ではない。
「じゃあ、帰るよ。……あっ、どうせなら送ってくれない?」
「えっ? 今から?」
「うん。変質者が出たら怖いから」
そう言うと、やっと菜々ちゃんは朗らかに笑ってくれた。
「ふふっ。じゃあ、私がちゃんと危ない人から守ってあげるね」
そうして俺は、露出狂ちゃんを変質者避けにして帰り道を歩いていった。
「とりあえず、前を閉たほうがいいんじゃない? いくら暖かいからって、いつまでもそのままじゃ風邪引くよ」
「……うん」
俺が回想している間に色々と諦めたのか、すっかり大人しくなっている露出狂ちゃんもとい武井さんは素直にコートの前を閉じた。
そうすると肌色の誘惑が見えなくなって少し残念だけど、ここで上手く事を運べばまた見れるかも知れないし今は我慢だ。
さて、どう攻めようか……。
と黙って考えていると、先にしびれを切らしたのは武井さんの方だった。
「あの……。私の事、知ってるかな……」
「うん。武井菜々さんだよね」
「……長瀬くん、私の名前知っててくれたんだ」
俺が答えると、武井さんはなんだか嬉しそうに小さく微笑む。
……そんな事を言ってる場合じゃないだろ。
そもそも、俺が彼女の事を知らないはずがない。
武井奈々さんと言えば、高校でも五本の指に入ると言われているトップクラスの美少女だ。
中学生と間違えるような低身長に相反するように制服を押し上げるおっぱいとふくよかなお尻は、あらゆる男子高生の夜のオカズになった事だろう。
加えてそのアイドル並みに可愛らしい容姿とコロコロと変わる多彩な表情は世の男を魅了し、彼女にしたい女の子(俺調べ)では常にトップ3から転落した事がない。
そんな彼女が自らの肢体を惜しみなく見せてくれたのだと考えると、おのずと俺の愚息も大きくなっていく。
「でも、どうして武井さんは露出狂なんてやってるの? 趣味?」
「いやっ、えっと……。そうじゃなくって……。その、私ってモテないから……」
俺の質問に対する武井さんの答えは、意味不明なものだった。
「モテないから露出って、良く分かんないんだけど」
「あはは、だよね……。えっと、なんだか私も良く分からないんだ。ただ、男の人に見られたい願望って言うのがあるのかな? 私に見向きもしない男の人を、少し困らせてあげたい、とか?」
「ふーん、そう言うものなのか」
露出狂の気持ちを俺には理解できないけど、つまり武井さんは非モテをこじらせてしまったのだろう。
俺だって前の世界では、モテなさすぎて意味不明な行動を取った事があった。
きっと、それと同じような現象だな。
だとすれば、武井さんが非モテのダークサイドに落ち切ってしまい取り返しのつかない事態を巻き起こしてしまう前に、俺が優しく助けてあげなければ。
その過程で彼女の身体を美味しく楽しめたらラッキーだし、付き合えたりなんかしたらこれ以上ない幸運だ。
とりあえずは、すでに表情がダークサイドに落ちてしまっている彼女を慰めなくては。
「元気だしなよ。誰にも言ったりしないから」
「でも、長瀬くんに見られちゃった……。長瀬くんに嫌われたら、私、生きていけないよ……」
「嫌いになったりしないから。むしろ俺、武井さんの事好きだよ」
「ふえっ⁉ ウソッ?」
「嘘じゃないって。そうだ、良い機会だし菜々ちゃんって呼んでも良いかな?」
「別に、良いけど……」
「やった。じゃあ、俺の事も悠太で良いから。改めてよろしくね、菜々ちゃん」
とりあえずどさくさに紛れて名前で呼ぶ許可を取り付けたぜ。
前の世界では喋る事さえできなかったから、これはかなりの進歩と言えるだろう。
しかし、俺はこんな所では止まらない。
行ける所まで行ってやるぜ。
「それで、菜々ちゃん。ちょっと相談があるんだけど」
「な、何かな? 悠太くん」
おお、もう名前で呼んでくれるとは嬉しいな。
結局薫ちゃんは、一度呼んだだけで恥ずかしくなったみたいで呼んでくれなかったし、菜々ちゃんには是非続けていって欲しいものだ。
「とりあえず今日は遅いから一旦家に帰って、明日の昼休みにでもお話ししない?」
「私はそれで構わないよっ! 悠太くんは男の子だから、帰らないと危ないもんね」
「菜々ちゃんも気を付けなきゃ駄目だよ。可愛いんだから」
「そんなっ! 私は可愛くないし大丈夫だよ。でも、悠太くんに可愛いって言われて嬉しいな」
なんだか、話しているうちに菜々ちゃんはどんどん明るくなっていく。
暗いよりは明るい方が俺は好きだけど、もっと大人しい雰囲気だと思っていたからちょっと驚きだ。
「普段は、あんまり喋らないよ。私、人見知りだから……」
「でも、俺とは普通に話せてるよ」
「それは……。長瀬くんにはもっと恥ずかしい所まで見られちゃったから」
「はは、確かに。菜々ちゃんの身体の隅々まで堪能させてもらったよ」
「うう、見苦しいものを見せてごめんなさい」
「見苦しくなんてないよ。すっごくエロくて、興奮しちゃった」
「止めてぇ……」
その後、興奮して五分ほど菜々ちゃんの身体の魅力について語っていると、彼女は顔を真っ赤にして小さくそう呟いた。
まるで頭から湯気が出そうな彼女が気の毒になって止めたけど、語ろうと思えば更に一時間くらい語れる。
「じゃあ、これくらいにしておこっか。続きは明日のお昼休みに」
「もう恥ずかしい事言って褒めるのは止めてね」
「事実を言っただけなんだけどなぁ……」
とは言え、嫌がる事をするのは本意ではない。
「じゃあ、帰るよ。……あっ、どうせなら送ってくれない?」
「えっ? 今から?」
「うん。変質者が出たら怖いから」
そう言うと、やっと菜々ちゃんは朗らかに笑ってくれた。
「ふふっ。じゃあ、私がちゃんと危ない人から守ってあげるね」
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