星の涙、竜の慟哭

路傍 之石

文字の大きさ
上 下
4 / 18

察しの良い〇〇は……

しおりを挟む
 ふと、気が付くとそこは暗闇だった。

 暗闇の中にあるナニカを見下ろしている。

 浮遊感

 ああ、これは夢だ

 そこに蹲る■が愛しくて

 愛しい■を傷つけた■■が憎くて

 許さない

 そう思った

 誰かの憎しみが俺の中に広がっていく

 俺の憎しみの感情を感じた■から、悲しみの感情が伝わってくる。

 ああ、許せない、許さない……ミンナミンナ

 そうして憎悪は俺を塗りつぶした。

---

 ちゅんちゅんと雀が鳴いている

 何か、悪い夢を見たような……

 ん

 くすぐったい

 やめろって

 目を開けると、雀が胸元にすり寄ってた

 愛い奴め

 お前名前あるのか?

 ちゅん

 そうか、チュン太か。よし、名前がないのも不便だから今日からお前は仮名ちゅん太だ

 ちゅんちゅん

 そうかお前も嬉しいか。

 こら、やめろって、くすぐったいだろ。

 「■■■■、■■■」

 天蓋のカーテンを捲り、ザラが心配そうに声をかけてくる

 「ああ、もう大丈夫だ」

 言葉は通じないけど笑顔で元気アピールをしてみる。

 伝わったのか、ザラは笑顔を浮かべると手を差し出してくる。

 出てこいってことだな。

 いやまて、俺は出来る男。

 同じ失敗はしないのさ。

 うん、服、来てるな。

 確認終了!

 ちゅん!

 ちゅん太も嬉しそうに鳴いている。

 こら、ザラ!笑うんじゃない。お前も顔真っ赤だったの覚えてるぞ。




 それから数日がたった。

 俺の生活の世話はザラかイオがやってくれる。

 というか、俺にやらせてくれない。

 24時間ザラかイオ、どちらかが常に一緒にいる。

 風呂も初めての時のようにザラかイオが必ず一緒に入って全部世話してくる。

 最初は気恥ずかしい気持ちもあったが、最近では完全に諦めてされるがままになっている俺。

 そう、流される日本人。諦めていくタイプです。

 あいつら俺より力あるから抵抗するだけ無駄ってのもある。

 けど、トイレ!これだけは譲れないとなんとか一人にさせてもらった。

 ザラはそれでも俺を一人にするのに抵抗があったようだが、イオが説得してくれたようだ。

 ここは任せろ、みたいにウィンクされてしまった。

 チャラ男とか思ってすまんかった。

 ちなみに普段、俺はやることがない。

 本はあるが、読めん。

 絵だけの本もあったが、大体見終わった。

 後は、ルールが簡単なコマ取りゲームをイオから教えてもらって一緒に遊んだり、暇に任せて筋トレしたり。

 いや、普段あまり気にしてなかったけど、アイツらと一緒に風呂に入ったりしてるから、その、な?

 ザラとイオに比べて俺の身体があまりに貧相でだな。

 これ以上いわせんなよ!

 最初は戸惑ってた2人も掃除とか部屋の手入れが終ると一緒に筋トレに付き合うようになった。

 いや、レベルが違いすぎるんで勘弁してもらえませんか?

 え?まだいける?いやいや、死ぬ、無理!お前たち同じレベルは無理!!!!

 これもやろうぜみたいな感じで、軽い棒もってきたイオと打ち合いモドキもしたかな。

 モドキというのは俺はもう、やらせてもらってる感じで。

 ザラとイオが始めると激しい打ち合いになる。

 童顔でいつも優し気な顔のザラもこの時は真剣な目つきになってドキリとさせらえたかな。やっぱこいつイケメン力高いわー。

 昨夜は寝る前にザラがいたんだけど、今朝起きたらザラはいなくてイオがいた。

 長椅子にだらっと腰掛けながら何かを真剣に見てる。

 「なに見てんだよー」

 言葉は通じなくてもなんとなく声かけてしまう。

 後ろから覗くと手元の冊子は男性誌に乗ってるようなグラビア的なヤツ。

 ほほう、ちょっとおにーさんにも見せたまえよ。

 イオは「え?みるの?いいけど」みたいな顔をしてくるけど、俺にも見えるように広げてくれる。

 あ、ちゅん太は見ちゃだめです。ベットに行ってなさい。

 ほら、教育にね?悪いかなって。

 イオが真剣に見てた子はどれかなっとー

 ふむ。スレンダー系が好みか。

 俺はもうちょっと肉付きというか胸があったほうが……これこれ!と指さす

 「え?そうなん?」みたいにまたまたびっくりした顔をした後、これならどうだと別の女の子を見せてくる。

 お、その子もまた捨てがたい。しかしだな、こっちの子もいいと思わないかい?
 
 その後、俺たちは冊子を捲りなからこの子はどうだ、いやこっちの子だろみたいなやり取りをした挙句、2人好みが一致する子を見つけ、互いの拳ぶつけてニヤリと笑いあった。




 うむ

 まぁ、その?

 そういう事してると生理現象が起きるわけですよ。

 魅力的な女の子を見てるとね?男としては立ち上がらねばならぬ時もあるのだよ。

 ちなみにここ数日トイレ以外はイオかザラがつきっきり。

 トイレも扉の前で2人のどちらかが待機してるので、万が一の音漏れとか気になってそんな気分になれない。

 あー、抜きたい。ムラムラする。

 思わず下唇を噛む。

 イオは「どうした?」といった感じで俺の顔を見た後、下を見てナニが起きてるか察したらしい。

 一瞬、思案するような顔をした後、グイっと俺の腕を引き寄せる。

 あっという間に長椅子の上に押し倒され、俺の足を、イオの足で押し広げてくる。

 ちょ、なに?

 やめ、ズボン脱がせるなって

 俺に任せとけみたいな顔してるんじゃない!

 あ、触るなって、やめ、こら







 時既に賢者タイム

 数発抜いてスッキリ爽快

 抜いたというか抜かれたというか。

 抜きあい?

 抜かれたままでは男が廃るとむきになった俺がイオを抜いちゃいました。

 なんだこれ、覚えたての中学生かよ。

 いや、もう、なんだ。

 あー……もういいや、何も考えられん。ケンジャだケンジャ。

 すっかり賢者タイムの俺と違って、イオは飛び散ったアレやコレを、ぬるま湯に浸して硬く絞った布で手際よく拭っていく。

 汚れた衣服もあっという間に脱がされて、身体を拭かれた後は服を着せられる。

 おお、勇者イオよ、お前に賢者タイムは無いのか。

 おにーさんはもうぐったりだよ。

 出すもの出したからか、今は無性に眠い。

 だらっとしてる俺に、イオは笑いながら片手を筒状にすると上下に動かす動作をする。

 俺は親指を立ててグっと突き出す。

 正直めっちゃ気持ちよかったです。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

十七歳の心模様

須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない… ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん 柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、 葵は初めての恋に溺れていた。 付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。 告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、 その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。 ※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!

みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。 そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。 初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが…… 架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...