3 / 18
大浴場、それもまた浪漫である
しおりを挟む
ん?
マッパで見せびらかしてた変態野郎だって?
誰の事かな?
ひたすらシーツを被り丸まって出てこない俺のことですかね。
銀髪チャラ男が笑いすぎて若干苦しそうにヒーヒー言ってるのが聞こえる。
無心、無心だ……
たぶん、金髪君だろうか、シーツの上からそっと背中を撫でてくれている。
優しさなのだろうけど今は一人にしてほしいんだぜ……
「■■■■■■■!」
銀髪チャラ男が大きな声を上げると、がばっと俺のシーツをはぎ取る。
てめぇ、なにしやがると叫びそうになるが、金髪君が俺の両脇に腕を差し入れぐいっと後ろに引いてしまい、また、その、膨張してるアレが白日の元に晒されてしまう。
が、それも一瞬の事で素早くシーツで俺の腰回りに巻き付けると、落ちないように固定してきた。
早業に今度は俺がぽかんとしてしまう。
そんな俺と目があった銀髪チャラ男はニカっと笑うと、こっち来いよというようなジェスチャーをすると、天蓋の白いカーテンの向こう側に消える。
「■■■■■」
金髪君は俺に何か言いながら、俺の手を引き寝台の外に誘導する。
ちゅんっという鳴き声と共に、再び雀が俺の頭に舞い降りる。
潰されないようにどこかに避難していたのかな。
金髪君の手に引かれ寝台から降りて周囲を見渡す。
寝台の周囲は白い大理石のような床、長方形の机や椅子、ソファー。本棚など調度品が配置されている。
机の上では香が焚かれていて、薄く白い煙があがっていた。
そのさらに周囲は草が茂っていて、立ち枯れたのか黒くなった木が数本生えている。
天井は大理石のような床のちょい手前までしかないが、不思議なことにお香の煙は外に逃げていかない。
ここ、外なのか?室内なのか?
うっかり金髪君に手を握られたままだったことに気が付き、手をひこうとするるが、金髪君は笑顔で手を引いていくので、無理やり引き抜くのも申し訳ない気持ちになり大人しく引かれることにした。
銀髪チャラ男がどこからか色々な服が掛けられたハンガーラックを引いてきた。
既に机やソファーの上にもさまざまな服が広げられており、銀髪チャラ男はあれでもないこれでもないと、手にとっては大きな籠に放り投げ、放り投げなかった服は俺の身体に合わせるように広げるが、すぐに籠に放り投げてしまう。
金髪君も苦笑しながら銀髪チャラ男の作業に参加する。
言葉も通じなくどうしたものかと思ったが、どうやら服を見繕ってくれているらしい事はわかるので、とりあえず大人しく着せ替え人形になっておく。
しかし、なんだ、ほとんどが女物っぽい服だ。そのため、金髪君と銀髪チャラ男によって手にしたほとんどの服が要らないものとして籠に放り込まれていく。
選抜された服からどうやら男物、もしくは男でも着れそうな服を選んでくれているらしいことがわかる。
有難いことです。そう、俺は感謝の心を忘れない。
数着選び終えて俺が裸族からひざ丈のパンツとシャツという気楽な格好に変身できたころには、盛大に俺の腹が鳴り、空腹を訴える。
恥ずかしい……
銀髪チャラ男が俺を座らせると、金髪君が、湯気のあがる白いカップと皿を目の前に置いてくれる。
見ると、カップの中には透明の液体、白湯だろうか?
皿に上には少し湾曲した白い板のようなものが置かれている。
その隣の小さい皿には、その白い板を小さく砕いたようなものが置かれており、俺の頭の上に陣取っていた雀が一生懸命食べていた。
い、いつのまに……
恐る恐るカップに口を付けるが、味が……これは白湯だな。適度な暖かさが胃を満たし、心を落ち着けてくれる。
少し硬い白い板を手で一口大に砕いて同じく恐る恐る口に運ぶ。
それは口に入れるとほろりと溶けて消える。ほんのり甘い。
金髪君はカップの白湯が無くなるとすぐに継ぎ足してくれる。優しいなー。
銀髪チャラ男は金髪君に向かって一言二言話しかけると俺に向かってニカっと笑いかけ、服をしまった籠を持って部屋の外に消えていく。
謎の食事を終えると、皿を片付けた後、自分のカップをもって金髪君も席に着いた。
「■■■■■■■■■」
またもや謎の言語を発する。
金髪君は自身を指さすと言葉を発した。
「■■■■■■■■■」
これはどうやら名前を言ってるらしい、なんとか聞き取らねば
「さ、ざぁらう……ら?」
なんとか繰り返すが上手く発音できん
言語とか苦手なんだよ!
金髪君は俺のお粗末な呼びかけに少し苦笑するともう一度自分を指さして言葉を発する
「ザ、ラ」
俺にわかりやすいようにゆっくり区切って、しかも2文字で言ってくれる。
「ざら?」
「ザラ!」
尋ねるように発音すると、肯定するように強く発音してくれた。
よし、こんどは俺の番だな
「暦睦月」
俺はザラがしたように自分を指さし名前を名乗る
ザラが難しそうな顔をしてる
「こゆ……うき?」
猿じゃねー!
どうしてそうなった!
「むつき」
下の名前だけにしてみた
「みうき?」
「む、つ、き」
「う…む?つ、き?」
あとちょい!
「睦月!」
「ムツキ!」
よし、交流!
嬉しいもんだ。
ザラが雀を指さす。
わからんっと手を横に振るが、首を傾げられてしまった。
俺はザラを指さして「ザラ」といったあと、銀髪チャラ男が消えた方を指さした。
あいつの名前も教えておくれ!
ザラは頷く同じように銀髪君が消えた方向を指さして名前を教えてくれる。
「■■■■■■■■■■」
ちょっとザラ君より難しい気配がするんだけど。
俺の引きつった顔を見ると、ザラの時のように短くしてくれる。
「い、お」
お、これは簡単じゃね?
「いお?」
「イオ」
銀髪チャラ男の名前を手に入れたぞっと!
なんとか意思の疎通を試みようとした結果、ザラは「ダメ」と「イイヨ」を手に入れた!
というか手に入れてもらった。
謎の食事で腹も膨れて、話をしていたら軽い眠気に誘われる。
「ダメ」
少し慌てて俺に近寄ると、ぺちぺちと頬を叩いてくる。
頼む、寝かせてくれ……
しかし、俺の手を握ると銀髪君が消えたほうに手を引張られる。
ついてこいってことか。
暫く歩くと、少し崩れたような白い壁と、扉が見えてくる。
壁の向こうには何か建物があるわけでもないのに、扉を開くと厳かな雰囲気の大広間のような場所に出る。
なんだこりゃ
明らかにさきほどの部屋というかエリアとの繋がりがない。
ファンタジーっぽい!眠気も吹っ飛んだ!
少しビビッて思わずザラに引かれてる手を強く握り返してしまう。
ザラは少しびっくりしたように振り返ったけど、あいた方の手で俺の腕を軽くぽんぽんとすると笑顔を浮かべる。
落ち着かせようとしてくれてるのだろうか。
暫く歩いてまた別の扉をくぐるとまた別の部屋に入る。
壁際には棚があり、白いふわふわそうな布が積まれている。
と、思むろにザラが俺を脱がそうとしてくる。
慌てて飛びのくと、ザラが少しびっくりした顔をしてる。
いやビビるの俺だって!
すると今度はザラが服を脱ぎ始めた。
あっという間に裸になると、手際よく畳んだ服を壁際の籠に入れている。
幼さが残り顔立ちからは意外だったが、ザラの身体は鍛えられた男の身体だった。
しかも左胸には丸まって寝てるような竜の刺青がある。
筋肉しっかりついてるというか腹筋羨ましい。
「■■■■」
入ってきたほうとは別の大きな扉をさし、また俺の服を脱がせようとする。
あ、これお風呂か?お風呂なのか?
脱がされそうになるが、自分でちゃんと脱いで畳んで見せた。
が、ザラは若干不満そうな顔をしてる。
あ、ちなみに銭湯では俺は隠さないタイプです。
タオルで隠す人もいるけど、そのタオルって身体ふいたりもするし、手で隠すのはなんかむしろ恥ずかしい。
再びザラに手を引かれ、先ほど指をさしていた大きな扉を抜けると、そこは大浴場だった。
やっぱりー!
しかも貸し切りー!
いや、落ち着け
すべては身体を清めてから…
ザラに手を控えれて洗い場に行く。
手早く椅子に座らせられて、髪の毛を洗われている。
うん、気持ちい
じゃなくてどうしてこうなった!
ざぱーっと温めのお湯で頭の泡を流された後は、今度はタオルで背中、腕、脇をテキパキと綺麗にしていく。
ザラの真剣な顔に思わずされるがままの俺
背中側が終って表側へって、ちょ!
あ、
まって
前は自分ででき、
あ、こら!下はだめだって、
反応するから、
自分で綺麗にできるから!
ちょ
脚広げー
……
いま、俺は、湯船に腰掛けてぼーっとしてる……
お嫁に行けない……
はい、抵抗空しく背中も表もアソコもカシコも綺麗に洗われちゃいました。
じゃっかん勃ちあがりかけたものも綺麗にね……
俺のフル臨戦態勢を目にしたときはあんな顔真っ赤だったのに、
なんで風呂場だと真剣な眼差しでモノを扱えるのか……わからん……
ザラは俺を洗い終わると湯船に腰掛けさせて、自分の身体を綺麗にした後、俺の隣に腰掛けてくる。
「■■■■」
「いやわからんて」
分からないなりも適当に喋るとなんか気が紛れる。
あ、
こら
お風呂で泳いじゃ行けませんー!
え?お前も泳げよって?感じで手を振ってるだと?
いや、
うん、
仕方ない
大浴場で泳ぐのは男のロマン
マナー違反とはわかっているが今日ばかりは……!
---
はい、調子に乗りました。
すっかり湯あたりしました。
ザラの肩に凭れて脱衣所まで行くと、また隅々までタオルで拭われる。
ザラが服を着せようとするが身体が動かない。
「■■■■■■■■■■」
ザラが真剣な眼差しで話しかけてくる。
ごめん、わからん……
ザラはタオルで俺を包むと俺を抱え駆け出した。
この年でまさかのお姫様抱っこである。
頭ががんがんする。
もうろうとする意識の中、ふわりとした柔らかい何かの上に寝かされる。
鳥が羽ばたく音が聞こえる。
あの雀の子かな?
「ムツキ」
俺を呼ぶザラの声に若干意識が覚醒しかけるが、意識ガ泥ニ引きずり……
最期に感じたのは唇に触れる柔らかな……
マッパで見せびらかしてた変態野郎だって?
誰の事かな?
ひたすらシーツを被り丸まって出てこない俺のことですかね。
銀髪チャラ男が笑いすぎて若干苦しそうにヒーヒー言ってるのが聞こえる。
無心、無心だ……
たぶん、金髪君だろうか、シーツの上からそっと背中を撫でてくれている。
優しさなのだろうけど今は一人にしてほしいんだぜ……
「■■■■■■■!」
銀髪チャラ男が大きな声を上げると、がばっと俺のシーツをはぎ取る。
てめぇ、なにしやがると叫びそうになるが、金髪君が俺の両脇に腕を差し入れぐいっと後ろに引いてしまい、また、その、膨張してるアレが白日の元に晒されてしまう。
が、それも一瞬の事で素早くシーツで俺の腰回りに巻き付けると、落ちないように固定してきた。
早業に今度は俺がぽかんとしてしまう。
そんな俺と目があった銀髪チャラ男はニカっと笑うと、こっち来いよというようなジェスチャーをすると、天蓋の白いカーテンの向こう側に消える。
「■■■■■」
金髪君は俺に何か言いながら、俺の手を引き寝台の外に誘導する。
ちゅんっという鳴き声と共に、再び雀が俺の頭に舞い降りる。
潰されないようにどこかに避難していたのかな。
金髪君の手に引かれ寝台から降りて周囲を見渡す。
寝台の周囲は白い大理石のような床、長方形の机や椅子、ソファー。本棚など調度品が配置されている。
机の上では香が焚かれていて、薄く白い煙があがっていた。
そのさらに周囲は草が茂っていて、立ち枯れたのか黒くなった木が数本生えている。
天井は大理石のような床のちょい手前までしかないが、不思議なことにお香の煙は外に逃げていかない。
ここ、外なのか?室内なのか?
うっかり金髪君に手を握られたままだったことに気が付き、手をひこうとするるが、金髪君は笑顔で手を引いていくので、無理やり引き抜くのも申し訳ない気持ちになり大人しく引かれることにした。
銀髪チャラ男がどこからか色々な服が掛けられたハンガーラックを引いてきた。
既に机やソファーの上にもさまざまな服が広げられており、銀髪チャラ男はあれでもないこれでもないと、手にとっては大きな籠に放り投げ、放り投げなかった服は俺の身体に合わせるように広げるが、すぐに籠に放り投げてしまう。
金髪君も苦笑しながら銀髪チャラ男の作業に参加する。
言葉も通じなくどうしたものかと思ったが、どうやら服を見繕ってくれているらしい事はわかるので、とりあえず大人しく着せ替え人形になっておく。
しかし、なんだ、ほとんどが女物っぽい服だ。そのため、金髪君と銀髪チャラ男によって手にしたほとんどの服が要らないものとして籠に放り込まれていく。
選抜された服からどうやら男物、もしくは男でも着れそうな服を選んでくれているらしいことがわかる。
有難いことです。そう、俺は感謝の心を忘れない。
数着選び終えて俺が裸族からひざ丈のパンツとシャツという気楽な格好に変身できたころには、盛大に俺の腹が鳴り、空腹を訴える。
恥ずかしい……
銀髪チャラ男が俺を座らせると、金髪君が、湯気のあがる白いカップと皿を目の前に置いてくれる。
見ると、カップの中には透明の液体、白湯だろうか?
皿に上には少し湾曲した白い板のようなものが置かれている。
その隣の小さい皿には、その白い板を小さく砕いたようなものが置かれており、俺の頭の上に陣取っていた雀が一生懸命食べていた。
い、いつのまに……
恐る恐るカップに口を付けるが、味が……これは白湯だな。適度な暖かさが胃を満たし、心を落ち着けてくれる。
少し硬い白い板を手で一口大に砕いて同じく恐る恐る口に運ぶ。
それは口に入れるとほろりと溶けて消える。ほんのり甘い。
金髪君はカップの白湯が無くなるとすぐに継ぎ足してくれる。優しいなー。
銀髪チャラ男は金髪君に向かって一言二言話しかけると俺に向かってニカっと笑いかけ、服をしまった籠を持って部屋の外に消えていく。
謎の食事を終えると、皿を片付けた後、自分のカップをもって金髪君も席に着いた。
「■■■■■■■■■」
またもや謎の言語を発する。
金髪君は自身を指さすと言葉を発した。
「■■■■■■■■■」
これはどうやら名前を言ってるらしい、なんとか聞き取らねば
「さ、ざぁらう……ら?」
なんとか繰り返すが上手く発音できん
言語とか苦手なんだよ!
金髪君は俺のお粗末な呼びかけに少し苦笑するともう一度自分を指さして言葉を発する
「ザ、ラ」
俺にわかりやすいようにゆっくり区切って、しかも2文字で言ってくれる。
「ざら?」
「ザラ!」
尋ねるように発音すると、肯定するように強く発音してくれた。
よし、こんどは俺の番だな
「暦睦月」
俺はザラがしたように自分を指さし名前を名乗る
ザラが難しそうな顔をしてる
「こゆ……うき?」
猿じゃねー!
どうしてそうなった!
「むつき」
下の名前だけにしてみた
「みうき?」
「む、つ、き」
「う…む?つ、き?」
あとちょい!
「睦月!」
「ムツキ!」
よし、交流!
嬉しいもんだ。
ザラが雀を指さす。
わからんっと手を横に振るが、首を傾げられてしまった。
俺はザラを指さして「ザラ」といったあと、銀髪チャラ男が消えた方を指さした。
あいつの名前も教えておくれ!
ザラは頷く同じように銀髪君が消えた方向を指さして名前を教えてくれる。
「■■■■■■■■■■」
ちょっとザラ君より難しい気配がするんだけど。
俺の引きつった顔を見ると、ザラの時のように短くしてくれる。
「い、お」
お、これは簡単じゃね?
「いお?」
「イオ」
銀髪チャラ男の名前を手に入れたぞっと!
なんとか意思の疎通を試みようとした結果、ザラは「ダメ」と「イイヨ」を手に入れた!
というか手に入れてもらった。
謎の食事で腹も膨れて、話をしていたら軽い眠気に誘われる。
「ダメ」
少し慌てて俺に近寄ると、ぺちぺちと頬を叩いてくる。
頼む、寝かせてくれ……
しかし、俺の手を握ると銀髪君が消えたほうに手を引張られる。
ついてこいってことか。
暫く歩くと、少し崩れたような白い壁と、扉が見えてくる。
壁の向こうには何か建物があるわけでもないのに、扉を開くと厳かな雰囲気の大広間のような場所に出る。
なんだこりゃ
明らかにさきほどの部屋というかエリアとの繋がりがない。
ファンタジーっぽい!眠気も吹っ飛んだ!
少しビビッて思わずザラに引かれてる手を強く握り返してしまう。
ザラは少しびっくりしたように振り返ったけど、あいた方の手で俺の腕を軽くぽんぽんとすると笑顔を浮かべる。
落ち着かせようとしてくれてるのだろうか。
暫く歩いてまた別の扉をくぐるとまた別の部屋に入る。
壁際には棚があり、白いふわふわそうな布が積まれている。
と、思むろにザラが俺を脱がそうとしてくる。
慌てて飛びのくと、ザラが少しびっくりした顔をしてる。
いやビビるの俺だって!
すると今度はザラが服を脱ぎ始めた。
あっという間に裸になると、手際よく畳んだ服を壁際の籠に入れている。
幼さが残り顔立ちからは意外だったが、ザラの身体は鍛えられた男の身体だった。
しかも左胸には丸まって寝てるような竜の刺青がある。
筋肉しっかりついてるというか腹筋羨ましい。
「■■■■」
入ってきたほうとは別の大きな扉をさし、また俺の服を脱がせようとする。
あ、これお風呂か?お風呂なのか?
脱がされそうになるが、自分でちゃんと脱いで畳んで見せた。
が、ザラは若干不満そうな顔をしてる。
あ、ちなみに銭湯では俺は隠さないタイプです。
タオルで隠す人もいるけど、そのタオルって身体ふいたりもするし、手で隠すのはなんかむしろ恥ずかしい。
再びザラに手を引かれ、先ほど指をさしていた大きな扉を抜けると、そこは大浴場だった。
やっぱりー!
しかも貸し切りー!
いや、落ち着け
すべては身体を清めてから…
ザラに手を控えれて洗い場に行く。
手早く椅子に座らせられて、髪の毛を洗われている。
うん、気持ちい
じゃなくてどうしてこうなった!
ざぱーっと温めのお湯で頭の泡を流された後は、今度はタオルで背中、腕、脇をテキパキと綺麗にしていく。
ザラの真剣な顔に思わずされるがままの俺
背中側が終って表側へって、ちょ!
あ、
まって
前は自分ででき、
あ、こら!下はだめだって、
反応するから、
自分で綺麗にできるから!
ちょ
脚広げー
……
いま、俺は、湯船に腰掛けてぼーっとしてる……
お嫁に行けない……
はい、抵抗空しく背中も表もアソコもカシコも綺麗に洗われちゃいました。
じゃっかん勃ちあがりかけたものも綺麗にね……
俺のフル臨戦態勢を目にしたときはあんな顔真っ赤だったのに、
なんで風呂場だと真剣な眼差しでモノを扱えるのか……わからん……
ザラは俺を洗い終わると湯船に腰掛けさせて、自分の身体を綺麗にした後、俺の隣に腰掛けてくる。
「■■■■」
「いやわからんて」
分からないなりも適当に喋るとなんか気が紛れる。
あ、
こら
お風呂で泳いじゃ行けませんー!
え?お前も泳げよって?感じで手を振ってるだと?
いや、
うん、
仕方ない
大浴場で泳ぐのは男のロマン
マナー違反とはわかっているが今日ばかりは……!
---
はい、調子に乗りました。
すっかり湯あたりしました。
ザラの肩に凭れて脱衣所まで行くと、また隅々までタオルで拭われる。
ザラが服を着せようとするが身体が動かない。
「■■■■■■■■■■」
ザラが真剣な眼差しで話しかけてくる。
ごめん、わからん……
ザラはタオルで俺を包むと俺を抱え駆け出した。
この年でまさかのお姫様抱っこである。
頭ががんがんする。
もうろうとする意識の中、ふわりとした柔らかい何かの上に寝かされる。
鳥が羽ばたく音が聞こえる。
あの雀の子かな?
「ムツキ」
俺を呼ぶザラの声に若干意識が覚醒しかけるが、意識ガ泥ニ引きずり……
最期に感じたのは唇に触れる柔らかな……
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説

幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!
みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。
そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。
初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが……
架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる