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これが智慧の実を食べた人間に与えられた罰なのか
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暖かい
浮遊感
薄っすらと浮かぶ意識に感じのはその2つ。
次は、閉じた瞼に触れる柔らかな光。
瞼は重くて開かない。
ゆっくりと身体を伸ばすと、足の裏に仄かに暖かい滑らな感触。
手を伸ばすと何かに触れた。その瞬間「カシャリ」と何かが割れ、続けて水が流れる音、自分の身体を覆う暖かなものが流れていく。
ようやく瞼は開くが視界がぼやけてよく見えない。
足音と、2つの人影、慌てたような気配がこちらに近づいてくる。
流れ落ちる水と共に俺の意識は再び睡魔に沈もうとしている。
ああ、噂のお世話してくれる人かな、ちゃんと挨拶しないと、
そう思い歩を進めようとして態勢を崩す。
ああ、顔面から地面に激突とか絶対痛いヤツじゃん。
覚悟した瞬間、暖かな、力強い腕に抱きとめられ、俺は意識を手放した。
---
ちゅんちゅんと雀が鳴いている。
身体を揺すられながら何か声をかけられている。
うーん、あとちょっと……
体調を悪くしてからこんな快適な睡眠は久しぶりだったので、あとちょっと寝かせて欲しい。
声が止んだかと思うと俺の髪を撫でるごつごつとした手の感触に現実に戻された。
目を開けると、キングサイズの天蓋付き寝台で寝ていたらしく、天蓋の白いカーテンから柔らかな光が入り込んでいた。
目の前には首をかしげたちっさな雀と2人の青年。
一人は金髪に緑の瞳、幼さの残る顔立ち。可愛い系と女子受けが良さそうだ羨ましい。
一人は銀髪に青い瞳、人懐っこそうな顔をしてるが若干チャラそう。少し長めの髪を後ろで纏めている。
「■■■■、■■■」
「■■■■■■■■。■■■■■■■」
俺の頭を撫でてたのは銀髪チャラ男の方だ。
2人と目が合うと、金髪君は柔らかい笑みを浮かべなら、銀髪チャラ男はニヤニヤしながら話しかけてくる。
銀髪チャラ男は頭をぽんぽんしてきた。
うわ
思わず立ち上がって距離をとる。
ベットの上で遊んじゃいけないと教育されてきた俺ですが、これは決して遊びではない。
そう、戦略的撤退である。
ちゅんっと一声鳴くと雀が俺の頭に飛び乗ってくる。愛い奴め。
「ま、待ってくれ、さっぱり言葉がわからない!ご都合主義的な翻訳アイテムを誰か!」
思わず叫ぶ。草臥れリーマンよ、これはサポートが足りないんじゃないか?
といっても天からの声も無く空しく俺の声が響くだけで……あれ?
2人の様子がおかしい。
金髪君はぽかんっと口を開けてたが、顔を赤面させると後ろを向いてしまった。ちらりと見える耳まで真っ赤だ。
「■■■■■■■■■」
銀髪君も一瞬茫然としたが、すぐにニヤニヤとしながら俺を指さして何か言ってくる。
いや、あの指は俺というより、俺の下腹部当たり……より若干下かな、を指さして……
あ……うん。
俺はどうやら真っ裸で寝かされてたみたいで、当然寝起きとかナニがアレで元気な状態なわけで。
そう、これは男の宿命。
健全で健康な男の子の運命といっても差し支えない。いや、万民が認めるべきだ!
銀髪チャラ男はニヤニヤしながら親指と人差指で「これぐらいかな?」みたいな感じでサイズを測ろうとしてくる。
「あ”ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
今度は俺が耳まで真っ赤にして叫ぶと、シーツを必死にかき寄せてかぶり、丸くなってしくしく泣いた。
穴があったら入るから埋めてくれこんちくしょう!
浮遊感
薄っすらと浮かぶ意識に感じのはその2つ。
次は、閉じた瞼に触れる柔らかな光。
瞼は重くて開かない。
ゆっくりと身体を伸ばすと、足の裏に仄かに暖かい滑らな感触。
手を伸ばすと何かに触れた。その瞬間「カシャリ」と何かが割れ、続けて水が流れる音、自分の身体を覆う暖かなものが流れていく。
ようやく瞼は開くが視界がぼやけてよく見えない。
足音と、2つの人影、慌てたような気配がこちらに近づいてくる。
流れ落ちる水と共に俺の意識は再び睡魔に沈もうとしている。
ああ、噂のお世話してくれる人かな、ちゃんと挨拶しないと、
そう思い歩を進めようとして態勢を崩す。
ああ、顔面から地面に激突とか絶対痛いヤツじゃん。
覚悟した瞬間、暖かな、力強い腕に抱きとめられ、俺は意識を手放した。
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ちゅんちゅんと雀が鳴いている。
身体を揺すられながら何か声をかけられている。
うーん、あとちょっと……
体調を悪くしてからこんな快適な睡眠は久しぶりだったので、あとちょっと寝かせて欲しい。
声が止んだかと思うと俺の髪を撫でるごつごつとした手の感触に現実に戻された。
目を開けると、キングサイズの天蓋付き寝台で寝ていたらしく、天蓋の白いカーテンから柔らかな光が入り込んでいた。
目の前には首をかしげたちっさな雀と2人の青年。
一人は金髪に緑の瞳、幼さの残る顔立ち。可愛い系と女子受けが良さそうだ羨ましい。
一人は銀髪に青い瞳、人懐っこそうな顔をしてるが若干チャラそう。少し長めの髪を後ろで纏めている。
「■■■■、■■■」
「■■■■■■■■。■■■■■■■」
俺の頭を撫でてたのは銀髪チャラ男の方だ。
2人と目が合うと、金髪君は柔らかい笑みを浮かべなら、銀髪チャラ男はニヤニヤしながら話しかけてくる。
銀髪チャラ男は頭をぽんぽんしてきた。
うわ
思わず立ち上がって距離をとる。
ベットの上で遊んじゃいけないと教育されてきた俺ですが、これは決して遊びではない。
そう、戦略的撤退である。
ちゅんっと一声鳴くと雀が俺の頭に飛び乗ってくる。愛い奴め。
「ま、待ってくれ、さっぱり言葉がわからない!ご都合主義的な翻訳アイテムを誰か!」
思わず叫ぶ。草臥れリーマンよ、これはサポートが足りないんじゃないか?
といっても天からの声も無く空しく俺の声が響くだけで……あれ?
2人の様子がおかしい。
金髪君はぽかんっと口を開けてたが、顔を赤面させると後ろを向いてしまった。ちらりと見える耳まで真っ赤だ。
「■■■■■■■■■」
銀髪君も一瞬茫然としたが、すぐにニヤニヤとしながら俺を指さして何か言ってくる。
いや、あの指は俺というより、俺の下腹部当たり……より若干下かな、を指さして……
あ……うん。
俺はどうやら真っ裸で寝かされてたみたいで、当然寝起きとかナニがアレで元気な状態なわけで。
そう、これは男の宿命。
健全で健康な男の子の運命といっても差し支えない。いや、万民が認めるべきだ!
銀髪チャラ男はニヤニヤしながら親指と人差指で「これぐらいかな?」みたいな感じでサイズを測ろうとしてくる。
「あ”ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
今度は俺が耳まで真っ赤にして叫ぶと、シーツを必死にかき寄せてかぶり、丸くなってしくしく泣いた。
穴があったら入るから埋めてくれこんちくしょう!
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