4 / 6
4.突撃隣の-こう兄との晩御飯 > ダチとの飯
しおりを挟む
あの後お昼につれてってもらった後は、こう兄と2週間近く会っていない。あの時は隣同士だし、どうせすぐに会えるだろうと連絡先を聞かなかったのだけど、今となってはなんで聞いておかなかったんだと後悔してる。
ちびの頃は毎日のように会っていた。こう兄と会えなくなって10年以上たって、偶然にも部屋が隣同士になったのに、全然会えなくてイライラする日もあった。18にもなってほんと情けないと自己嫌悪。
夜の散歩に部屋を出たときに、女の人とはすれ違う事がある。俺の部屋の奥はこう兄の部屋しかないので、こう兄の客ってことは明白だ。つまりこう兄はその時は部屋にいるってことだけど、一緒についていくわけにもいかないし、女の人を出迎えるこう兄も見たくなくて、逃げるようにその場を離れてしまう。
一回だけ、俺と同い年ぐらいの男とすれ違ったことがあった。どうしても気になって曲がり角を曲がった後にそっと覗いたら、男の肩を抱いて扉を閉めるこう兄が見えた。こう兄の部屋に向かう誰かとすれ違う夜は、気が付くと長い散歩になるのだけど、その日は何故か胸がもやもやして、いつもより長い散歩になってしまったし、布団にくるまってからもなかなか寝付けなかった。
目を閉じても俺と同い年ぐらいの男の肩を抱く、こう兄の姿が頭から離れない。つまりこう兄は女も男もいける人なんだろう。今まで身近にそういう人がいるとは思っていなかったので、麦茶と間違えてめんつゆを口に含んでしまった時のようなびっくり具合だ。
俺が、こう兄にとってそういう対象になってるわけじゃないのに、相手が俺と同い年ぐらいだったからか妙に胸がざわざわする。明日の朝は早いから早く寝なければと思えば思うほど頭がぐるぐるとしてしまう。
寝れないなと目を瞑っていたらいつの間にか朝になっていた。寝ていたはずなのに寝た気がしない。今日はダチと大学の図書館で課題をする約束をしていたのに、このまま夢の中に帰りたくなる。
だらけて気持ちに鞭打ってなんとか洗面所に向かい、冷水でざぶざぶと顔を洗い、寝ぼけた脳を叩き起こす。
よし、行くか。
部屋を出て鍵を閉めると、欠伸を一つすると、スーツに身を包んだこう兄が部屋から出てきていて、情けない姿を見られてしまった。
「こ、こう兄、おはよ」
「ゆきちゃんか。おはよう。今日は早いな」
「今日は大学のダチと約束があって……こう兄こそ早いじゃん」
「俺は仕事だからな。平日はこれぐらいだよ」
昨夜見かけた光景が頭にチラつき、ちょっとぎこちなくなってしまう。こう兄はそんな俺に構わず近づいてくると、俺の頭を撫でてくる。
「学生だからってあんま夜更かししちゃ駄目だぞ」
「…うん」
こう兄のせいでなかなか眠れなかったとは言えるわけもなく、つい不満そうな返事になってしまった。怒ったかなと見上げたこう兄は気にすることなく人のよさそうな笑みを浮かべている。
「そうだ、今夜は家にいるか?早く仕事上がれそうだから、晩飯作ろうと思うんだが飯食いに来ないか?」
「行く!」
こう兄の手作りご飯という餌に釣られて、食い気味で返事をする俺に「そうか」と笑うと、俺の頭を撫でてた手の力が少し強くなって、ぐしゃぐしゃと撫でてくる。
「じゃ、また夜にな」
「うん、行ってらっしゃい」
最後に俺の頭をぽんっとして、そのまま仕事に向かうこう兄を見送る。
良し、今日は早く帰ろう。
大学の講義が終ると、文具類を鞄にしまいそそくさと帰ろうとするが、いつもつるんでるダチにあえなく捕まってしまう。
「一宮くーん、飯いこ飯!」
「金曜だし、どっかで飯くったら酒買って家で呑もうぜ」
「樹、暑苦しいからくっつくな」
飯行こうとお気軽に肩を組んでくる樹の腕をいつも通り乱暴に払う。樹は同じ学部のヤツで、一緒の講義を受けてることをきっかけに仲良くなった。んで樹繋がりで別の学科に通ってる樹のダチともつるむようになった。未成年のくせに堂々と酒とかいってるのが甲斐。甲斐は学食で樹の隣に座った時に、樹に話かけられた事をきかっけに仲良くなったらしい。樹はコミュニケーションお化けかよと思ったものだ。
俺も合わせて全部で6人がいつものメンバーだが今日はこいつらだけらしい。
「わりぃ、今日は先約があるから2人でいってく……れ……?」
「先約」と口にした辺りでこの世の終わりみたいな顔を樹がするので、思わず疑問形になってしまった。
思わず甲斐と2人で不振そうに樹を見ていると、突然樹が口を押えて甲斐に抱き着いた。
「うう、甲斐君どうしよう。女の子なんて興味ありませんみたいな顔してたのにこれ絶対彼女案件。悔しい!俺も彼女欲しい!」
「ちょ!やめろきもちわりぃ、抱き着くな!眼鏡、眼鏡が落ちる!」
甲斐は片手を樹の額に当てて押し返しながら、もう片手でなんとか眼鏡を押さえようとしている。すまん、甲斐。正直俺が抱きつかれなくて良かったと思ってしまった。
「彼女じゃねーよ。もういっそそのまま甲斐に相手してもらえよ」
「太輝!こら!離れろって!くっそこの馬鹿力!雪斗も変なこといってんじゃねー!俺には可愛い彼女がだな!」
「彼女自慢してんんじゃねー!いっそ俺と甲斐君の熱いキスシーンを写真に収めて彼女に送ってしまえばこいつも俺と同じ独り身になるんじゃ!よし!甲斐君!キスしよキッス!」
「やめ!まじ洒落にならん!おい雪斗!そっと帰ろうとしてんな!助けろ!あと、外野も笑ってないで助けてくれっ」
騒がしい樹のせいでいつの間にか人だかりができていた。「いーぞやっちまえ」と囃し立てる男子がいたり、なんだか嬉しそうに激写してる女子もいる。すまん、甲斐。彼女に振られたら樹を恨んでくれ。俺はこう兄と晩飯を食うという使命があるのだ。
電車に揺られて家の最寄り駅につくと、そこはすっかり金曜の夜らしい喧騒にまみれていた。賑やかな駅前をちらりと見ながら家路につく。少し駅から離れるとざわざわとした空気が次第に薄れていった。喧騒から静寂に次第に切り替わっていくこの空気が好きだ。喧騒に包まれた街につられ、少しだけ心が浮かれて、静まり返った道で感じる少しの孤独に気持ちが沈む。うん。こういうのも大切だ。
しんみり浸ってる間にマンションの部屋についてしまい、鍵を開ける。そっと扉を開いて部屋を覗くと、そこにあるのは、しんっと鎮まった空気と薄闇に包まれた部屋。
「ただいま」
中に声をかけるが、勿論誰からも声が返ってくることはない。一歩踏み込み今度はそっと扉と鍵を閉める。手を伸ばし玄関の電気を点ける。
うん、ただいま。
誰もいない部屋、誰も返ってこない部屋に帰ることに、まだちょっとだけ慣れない。この感覚は苦手だ。
ちびの頃は毎日のように会っていた。こう兄と会えなくなって10年以上たって、偶然にも部屋が隣同士になったのに、全然会えなくてイライラする日もあった。18にもなってほんと情けないと自己嫌悪。
夜の散歩に部屋を出たときに、女の人とはすれ違う事がある。俺の部屋の奥はこう兄の部屋しかないので、こう兄の客ってことは明白だ。つまりこう兄はその時は部屋にいるってことだけど、一緒についていくわけにもいかないし、女の人を出迎えるこう兄も見たくなくて、逃げるようにその場を離れてしまう。
一回だけ、俺と同い年ぐらいの男とすれ違ったことがあった。どうしても気になって曲がり角を曲がった後にそっと覗いたら、男の肩を抱いて扉を閉めるこう兄が見えた。こう兄の部屋に向かう誰かとすれ違う夜は、気が付くと長い散歩になるのだけど、その日は何故か胸がもやもやして、いつもより長い散歩になってしまったし、布団にくるまってからもなかなか寝付けなかった。
目を閉じても俺と同い年ぐらいの男の肩を抱く、こう兄の姿が頭から離れない。つまりこう兄は女も男もいける人なんだろう。今まで身近にそういう人がいるとは思っていなかったので、麦茶と間違えてめんつゆを口に含んでしまった時のようなびっくり具合だ。
俺が、こう兄にとってそういう対象になってるわけじゃないのに、相手が俺と同い年ぐらいだったからか妙に胸がざわざわする。明日の朝は早いから早く寝なければと思えば思うほど頭がぐるぐるとしてしまう。
寝れないなと目を瞑っていたらいつの間にか朝になっていた。寝ていたはずなのに寝た気がしない。今日はダチと大学の図書館で課題をする約束をしていたのに、このまま夢の中に帰りたくなる。
だらけて気持ちに鞭打ってなんとか洗面所に向かい、冷水でざぶざぶと顔を洗い、寝ぼけた脳を叩き起こす。
よし、行くか。
部屋を出て鍵を閉めると、欠伸を一つすると、スーツに身を包んだこう兄が部屋から出てきていて、情けない姿を見られてしまった。
「こ、こう兄、おはよ」
「ゆきちゃんか。おはよう。今日は早いな」
「今日は大学のダチと約束があって……こう兄こそ早いじゃん」
「俺は仕事だからな。平日はこれぐらいだよ」
昨夜見かけた光景が頭にチラつき、ちょっとぎこちなくなってしまう。こう兄はそんな俺に構わず近づいてくると、俺の頭を撫でてくる。
「学生だからってあんま夜更かししちゃ駄目だぞ」
「…うん」
こう兄のせいでなかなか眠れなかったとは言えるわけもなく、つい不満そうな返事になってしまった。怒ったかなと見上げたこう兄は気にすることなく人のよさそうな笑みを浮かべている。
「そうだ、今夜は家にいるか?早く仕事上がれそうだから、晩飯作ろうと思うんだが飯食いに来ないか?」
「行く!」
こう兄の手作りご飯という餌に釣られて、食い気味で返事をする俺に「そうか」と笑うと、俺の頭を撫でてた手の力が少し強くなって、ぐしゃぐしゃと撫でてくる。
「じゃ、また夜にな」
「うん、行ってらっしゃい」
最後に俺の頭をぽんっとして、そのまま仕事に向かうこう兄を見送る。
良し、今日は早く帰ろう。
大学の講義が終ると、文具類を鞄にしまいそそくさと帰ろうとするが、いつもつるんでるダチにあえなく捕まってしまう。
「一宮くーん、飯いこ飯!」
「金曜だし、どっかで飯くったら酒買って家で呑もうぜ」
「樹、暑苦しいからくっつくな」
飯行こうとお気軽に肩を組んでくる樹の腕をいつも通り乱暴に払う。樹は同じ学部のヤツで、一緒の講義を受けてることをきっかけに仲良くなった。んで樹繋がりで別の学科に通ってる樹のダチともつるむようになった。未成年のくせに堂々と酒とかいってるのが甲斐。甲斐は学食で樹の隣に座った時に、樹に話かけられた事をきかっけに仲良くなったらしい。樹はコミュニケーションお化けかよと思ったものだ。
俺も合わせて全部で6人がいつものメンバーだが今日はこいつらだけらしい。
「わりぃ、今日は先約があるから2人でいってく……れ……?」
「先約」と口にした辺りでこの世の終わりみたいな顔を樹がするので、思わず疑問形になってしまった。
思わず甲斐と2人で不振そうに樹を見ていると、突然樹が口を押えて甲斐に抱き着いた。
「うう、甲斐君どうしよう。女の子なんて興味ありませんみたいな顔してたのにこれ絶対彼女案件。悔しい!俺も彼女欲しい!」
「ちょ!やめろきもちわりぃ、抱き着くな!眼鏡、眼鏡が落ちる!」
甲斐は片手を樹の額に当てて押し返しながら、もう片手でなんとか眼鏡を押さえようとしている。すまん、甲斐。正直俺が抱きつかれなくて良かったと思ってしまった。
「彼女じゃねーよ。もういっそそのまま甲斐に相手してもらえよ」
「太輝!こら!離れろって!くっそこの馬鹿力!雪斗も変なこといってんじゃねー!俺には可愛い彼女がだな!」
「彼女自慢してんんじゃねー!いっそ俺と甲斐君の熱いキスシーンを写真に収めて彼女に送ってしまえばこいつも俺と同じ独り身になるんじゃ!よし!甲斐君!キスしよキッス!」
「やめ!まじ洒落にならん!おい雪斗!そっと帰ろうとしてんな!助けろ!あと、外野も笑ってないで助けてくれっ」
騒がしい樹のせいでいつの間にか人だかりができていた。「いーぞやっちまえ」と囃し立てる男子がいたり、なんだか嬉しそうに激写してる女子もいる。すまん、甲斐。彼女に振られたら樹を恨んでくれ。俺はこう兄と晩飯を食うという使命があるのだ。
電車に揺られて家の最寄り駅につくと、そこはすっかり金曜の夜らしい喧騒にまみれていた。賑やかな駅前をちらりと見ながら家路につく。少し駅から離れるとざわざわとした空気が次第に薄れていった。喧騒から静寂に次第に切り替わっていくこの空気が好きだ。喧騒に包まれた街につられ、少しだけ心が浮かれて、静まり返った道で感じる少しの孤独に気持ちが沈む。うん。こういうのも大切だ。
しんみり浸ってる間にマンションの部屋についてしまい、鍵を開ける。そっと扉を開いて部屋を覗くと、そこにあるのは、しんっと鎮まった空気と薄闇に包まれた部屋。
「ただいま」
中に声をかけるが、勿論誰からも声が返ってくることはない。一歩踏み込み今度はそっと扉と鍵を閉める。手を伸ばし玄関の電気を点ける。
うん、ただいま。
誰もいない部屋、誰も返ってこない部屋に帰ることに、まだちょっとだけ慣れない。この感覚は苦手だ。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
真面目な部下に開発されました
佐久間たけのこ
BL
社会人BL、年下攻め。甘め。完結までは毎日更新。
※お仕事の描写など、厳密には正しくない箇所もございます。フィクションとしてお楽しみいただける方のみ読まれることをお勧めします。
救急隊で働く高槻隼人は、真面目だが人と打ち解けない部下、長尾旭を気にかけていた。
日頃の努力の甲斐あって、隼人には心を開きかけている様子の長尾。
ある日の飲み会帰り、隼人を部屋まで送った長尾は、いきなり隼人に「好きです」と告白してくる。
貢がせて、ハニー!
わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。
隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。
社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。
※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8)
■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました!
■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。
■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。

マジで婚約破棄される5秒前〜婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ悪役令息は一体どうしろと?〜
明太子
BL
公爵令息ジェーン・アンテノールは初恋の人である婚約者のウィリアム王太子から冷遇されている。
その理由は彼が侯爵令息のリア・グラマシーと恋仲であるため。
ジェーンは婚約者の心が離れていることを寂しく思いながらも卒業パーティーに出席する。
しかし、その場で彼はひょんなことから自身がリアを主人公とした物語(BLゲーム)の悪役だと気付く。
そしてこの後すぐにウィリアムから婚約破棄されることも。
婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ一体どうしろと?
シナリオから外れたジェーンの行動は登場人物たちに思わぬ影響を与えていくことに。
※小説家になろうにも掲載しております。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる