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あの夏の日。
川の横を2人で歩いていた。
君は浴衣をきながら、出店で買ったチョコバナナを食べながら、嬉しそうにしていたね。
あたりは暗くて、遠くには町の街灯が光ってた。僕らの後ろから、空に上がった花火の音が聞こえた。
僕は大好きなあんず飴を食べていたのを覚えてる。君は好きじゃないのを知っていながら、一口食べなよなんて意地悪を言ったりした。
君は昔から、優しい人だった。他人を大事にする人だった。無人島に2人きりになったら君は間違いなく、お腹が空いていたって、まずは一緒にいる人に譲るだろう。喉が乾いていても水を先に飲ませてくれるだろう。
今日は2人でお祭りに来れてよかった。楽しそうな君を見れたから。人のことばかり考えている君が、自分のことを考えているように見えたから。
君を初めて見た時を思い出す。田舎の人が少ない学校に通っていた僕だから、同級生の噂話はすべて筒抜けだったし、何より君はとっても人気者だって話だったから。
友達の男たちから、よく話を聞いた。憎たらしいとか、この前下着が見えたとか。みんな嬉しそうに話してた。ぼくはどんな子なんだろって気になってた。
そうして、ある時クラスが同じになった。君はとっても元気な子で先生からも気に入られていて、勉強ができる子だった。よく席が横になったから、話すことが増えた。
身長が平均より低いぼくにチビだね。なんていうから、ぼくはこれから伸びるんだよって言った。テストで自分より点数が低い時は馬鹿だねっていうから、覚えてろよって言った。
君に憎まれ口を叩かれるとき、ぼくは楽しかった。次第にぼくも君に何か有れば同じことをしてた。素直に君を可愛いと思ってた。
昔のことを思い出していたら、君が話しかけてきた。「ねえ、楽しいね。」ぼくは笑いながら、俺もだよって答える。
川の横を2人で歩いていた。
君は浴衣をきながら、出店で買ったチョコバナナを食べながら、嬉しそうにしていたね。
あたりは暗くて、遠くには町の街灯が光ってた。僕らの後ろから、空に上がった花火の音が聞こえた。
僕は大好きなあんず飴を食べていたのを覚えてる。君は好きじゃないのを知っていながら、一口食べなよなんて意地悪を言ったりした。
君は昔から、優しい人だった。他人を大事にする人だった。無人島に2人きりになったら君は間違いなく、お腹が空いていたって、まずは一緒にいる人に譲るだろう。喉が乾いていても水を先に飲ませてくれるだろう。
今日は2人でお祭りに来れてよかった。楽しそうな君を見れたから。人のことばかり考えている君が、自分のことを考えているように見えたから。
君を初めて見た時を思い出す。田舎の人が少ない学校に通っていた僕だから、同級生の噂話はすべて筒抜けだったし、何より君はとっても人気者だって話だったから。
友達の男たちから、よく話を聞いた。憎たらしいとか、この前下着が見えたとか。みんな嬉しそうに話してた。ぼくはどんな子なんだろって気になってた。
そうして、ある時クラスが同じになった。君はとっても元気な子で先生からも気に入られていて、勉強ができる子だった。よく席が横になったから、話すことが増えた。
身長が平均より低いぼくにチビだね。なんていうから、ぼくはこれから伸びるんだよって言った。テストで自分より点数が低い時は馬鹿だねっていうから、覚えてろよって言った。
君に憎まれ口を叩かれるとき、ぼくは楽しかった。次第にぼくも君に何か有れば同じことをしてた。素直に君を可愛いと思ってた。
昔のことを思い出していたら、君が話しかけてきた。「ねえ、楽しいね。」ぼくは笑いながら、俺もだよって答える。
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