7 / 53
第一章 柴イヌ、冒険者になる
第七話 ご主人様さがし
しおりを挟む
「素肌に丈の短いベストだけ着せて、七分丈のズボンにストールを腰に巻く……か。ずいぶんとエロいご趣味ですこと! オホホホ」
「ち、違うんだモニカ! 武闘家の服を探していたら、砂漠の国の服でそういうのがあると服屋が持ってきたんだ!」
「でもリリアンだって気に入ったから買ったんでしょ? イケメンの露出された肌は目の保養だわぁ」
「や、やめろ、そんな目で見るな!」
とうとうオレはふたたび服を着ることになってしまいました。
窮屈だからイヤだと言ったのですが、リリアンさんが怒るので仕方ないです。
でも服にしては窮屈ではありません。なのでこれなら我慢できそうですね。
「リリアンさん、この服ならほとんどハダカと同じなので良かったです。わざわざそういう服を選んでくれてありがとうございました」
「い、いえ、ほとんど裸とか、そういう狙いがあったわけではないんですけど……でも喜んでもらえたなら良かったです」
「あと、またお金というのをオレのために使ってくれたとモニカさんが言ってました。必ずこのご恩はお返しします!」
「あ、それは全然気にしないで下さい! 好きでやってるんで恩とかないですから」
「いえ、あります! 恩を忘れないのがイヌの基本です、なので絶対にお返しします!」
「そ、そうですか……それよりコテツ殿、つかぬことをお訊ねしますが、コテツ殿はまだご主人を捜したいという気持ちに変わりはないのですか?」
「はい! もちろんですっ」
そうでした、この街に来たのはご主人様を捜すためでした。早くご主人様に会いたいな……寂しいです。
「一応私もこのギルドの知り合いにはキモオタ様のことを訊いてみたのですが、誰も知らないようでした」
しょんぼり。
「大変不躾な事を申しますが、正直言って私はコテツ殿のご主人を快く思っていません!」
「はあ……」
「しかしご主人を捜すお手伝いをすると約束した以上は、私に出来る事はさせて頂きます。なので人捜しの貼り紙を作ろうと思います。もしかしたらキモオタ様本人かそのお知り合いが貼り紙を見るかもしれないので」
「そうしたら見つかりますか!?」
「ええ、運が良ければですが……」
「ありがとうございます! 貼り紙作りたいですっ!」
希望がまた見えてきました! ほんとリリアンさんは最高のおともだちです、大好きです!
リリアンさんはモニカさんに紙とペンを借りて、貼り紙作りを早速はじめてくれました。
「まず似顔絵を描きますが、キモオタ様の顔の特徴を教えて下さい」
「えっと、太っててほっぺたが膨らんでいて、目が細くて丸い鼻から毛が見えていて、唇がイモムシみたいで、脂でベタベタしています」
「な、なるほど……あと眉毛は?」
「眉毛は時々オレの顔にマジックで描いて笑います。とても不愉快です」
「い、いえ、キモオタ様の眉毛を……」
「ご主人様の眉毛は三角です。あ、あとおでこの真ん中に黒くて丸いのが付いています」
「ほくろですね、髪型は?」
「頭の毛並みですか? バリカンという恐ろしい機械で自分で坊主にしていました。チクチクしてイタいです」
「なるほど坊主頭っと……じゃあこんな感じですかね?」
リリアンさんが描いてくれたご主人様の顔は、ご主人様にそっくりでした!
「ちょっとリリアン、あんた絵が下手ねえ」
「うるさい! モニカ」
「てか何よこの気持ち悪い顔は……何かこの人に対してあんた恨みでもあるんじゃないの? 悪意を感じるわ」
「そんなこと……ないけど……でも、あるかも……」
「リリアンさん! すごいです、これご主人様です! そっくりですよっ!」
「そ、そっくりなんだ……良かったね、リリアン」
「ああ、早くご主人様に会いたいなあ」
「……そっか、この人がコテツ殿のご主人なのですね……」
「リリアンさん、ありがとう」
「い、いえ。じゃあ後で魔法で複写しておきますので、それが終わったら明日にでも街に貼りに行きましょう」
オレはとても嬉しかったのですが、リリアンさんは少し悲しそうです。どうしてだろう?
「リリアンさん? なんか悲しいことでもありましたか? オレ心配です」
リリアンさんはちょっとびっくりした顔でオレの顔を見ました。
そしたら今度は泣きそうな顔になったものだから、オレは胸が苦しくなって。
「コテツ殿……そうじゃないんです。ただ、この似顔絵の男がコテツ殿を虐待していたのかと思うと、悔しいというか……ちょっと辛くて……」
虐待とはイジワルのことでしょうか? 確かにご主人様はイジワルもしますね。
でもぶったり蹴ったりはしないし、ご飯も散歩も欠かさないでくれるし、優しく撫でてもくれます。
なんだかリリアンさんの言う虐待って、イジワルとは違うような? ご主人様とは関係ないみたいだけど……
だけど──リリアンさんがオレのことを思いやってくれているのは感じるのです。
「それに……そんな男のことをいまだにご主人様と言って慕っているコテツ殿が、なんだか切ないんです……」
「リリアンさん……」
ふむ、切ないとはなんでしょう? 全然意味がわかりませんが、リリアンさんが優しくて、いま胸を痛めているのはわかります。
「あ、いや、私の勝手な感傷でコテツ殿のご主人に無礼なことを言いました……すみませ──!?」
オレはとにかくリリアンさんに元気になって欲しいんです! だから胸に顔を埋め、口元をペロペロ舐めました。
「こ、コテツどっ?!!!」
「こらーーッ!! こんなところで始めるなあーーーッ!!!」
いたい、痛いですモニカさんっ! なんで無理矢理に引き剥がすんですか?
「ちょっとリリアンっ! なに固まっているのよ! てか何よ、そのニヤけた嬉しそうな顔はっ! キーーッ!」
モニカさんがとても不機嫌そうです。オレは空気の読めるオスなので、関わらないように部屋の隅っこに行って知らんぷりしておきましょう。少し眠いですしちょうどいいです。
「私にもちょうだいよ! イケメンのキスちょうだいよっ! 何であんたみたいにボサボサ頭で、お肌の手入れもされていないカサカサ肌で、化粧っ気もないただの剣術馬鹿女が私よりいい思いしてるのよっ? 底辺女なのにぃ!」
「えっ!? なにっ? 待てモニカ!」
「私の方がずっと女子力が高いのにっ! 許せない、許せないっ、こんな経験のない女なんか私のテクニックの足許にも及ばないのにぃッ!」
「ええいっ待てというに! おまえいま言ったことは本当か?」
「なにがよっ」
「その、頭ボサボサで肌がカサカサで、底辺女というのは……」
「その通りじゃない、なにさ、怒ったの?」
「いや……そうじゃない、私の見た目とは女としてそんなに酷いものなのか?」
「そうね、素材はいいけどね。美人だし。でも女としての魅力はゼロだわ」
「ぜ、ゼロ……」
「それが証拠にあんた、男にナンパされたことないでしょ?」
「な、ない……い、いや、あるっ! 手合わせを願いたいと勝負を挑んでくる男はいるぞっ!」
「馬鹿なの? ねえ、あんた馬鹿なの? それただの果し合いじゃないっ!」
「ち、違うのか……」
「べつにあんたが男に興味がないのならそのままでもいいのよ? 私が言うのも何だけど、女にとって男が全てみたいな考え方はアホらしいと思うし」
「むろん男に興味などはないっ! し、しかし……」
「コテツさんには興味があると?」
「げっ! な、なぜそれを……」
「コテツさんにも女として興味をもってもらいたいと?」
「わーっ、わーっ、わーっ、それ以上言うなーッ!」
「はぁ、仕方のない娘ねえ……じゃあさ、とりあえずコテツさんに好きな髪型でも訊いてみたら? そのボサボサ頭はちょっと酷すぎよ?」
「そ、そうか! モニカありがとうっ! コテツ殿っ! コテツ殿はどちらに!?」
いい気持ちで眠くなっていたのになんでしょうか?
いまあの二人には関わってはダメだという匂いをビシビシ感じるのですが……
「やっ、こんな所でまた寝て! いや今はそれどころじゃないんです、コテツ殿、コテツ殿の好きな髪型を教えて下さい!」
「髪型? ですか?」
「そうです!」
髪型というのは頭の毛並みのことでしたね。うーん、オレの好きな毛並みといえば……
「シナモンちゃんみたいなのです」
「くっ! またその女性ですか……いや昔のことは何も申しますまい! それでそのシナモン殿はどのような髪型なのでしょう?」
「えーと、モコモコ? 毛が短くてクルクル巻いてて、それでモコモコのフワフワです」
「わかりました! ありがとうございます!」
「いやいやリリアン、ちょっと落ち着け!」
「うるさいモニカ、邪魔するな」
「だってあんた、今聞いた髪型ってどう考えてもパンチパーマだよ?」
「だからなんだ?」
「なんだって……あんたそのパンチパーマにしてくる気でしょ!? それ見て笑い者にしたい気もするけど、さすがに女友達として黙っていられないわよ!」
シナモンちゃんの毛並みはパンチパーマというのですか。しかしあれはトイプードルだけの正義です。特別なのです。
「モコモコのフワフワなのだから、アフロかもしれんだろ?」
「どっちにしろあんたには似合わないわよ!」
「オレもリリアンさんでは似合わないと思います」
「えっ!? ガーン……コテツ殿まで? そ、そんなあ……じゃ、じゃあ私はどうしたら!……」
オレはリリアンさんの黒くて長い毛並みを手で透いてみました。
ちなみに手とは前足のことです。オレが前足と言うたびにリリアンさんが手と言い直すので、めんどくさいからこれからは手と言います。
「リリアンさんには、この黒くて長い美しい毛並みを大事にしてほしいです」
「わ、わ、わかりましたーっ! モニカちょっと出掛けてくる! 後のことは頼んだぞっ!」
リリアンさんは飛び出してどこかへ行ってしまいました。
これでようやく静かになりましたね。私はご飯の時間まで寝ます。
では、おやすみなさい。
「ち、違うんだモニカ! 武闘家の服を探していたら、砂漠の国の服でそういうのがあると服屋が持ってきたんだ!」
「でもリリアンだって気に入ったから買ったんでしょ? イケメンの露出された肌は目の保養だわぁ」
「や、やめろ、そんな目で見るな!」
とうとうオレはふたたび服を着ることになってしまいました。
窮屈だからイヤだと言ったのですが、リリアンさんが怒るので仕方ないです。
でも服にしては窮屈ではありません。なのでこれなら我慢できそうですね。
「リリアンさん、この服ならほとんどハダカと同じなので良かったです。わざわざそういう服を選んでくれてありがとうございました」
「い、いえ、ほとんど裸とか、そういう狙いがあったわけではないんですけど……でも喜んでもらえたなら良かったです」
「あと、またお金というのをオレのために使ってくれたとモニカさんが言ってました。必ずこのご恩はお返しします!」
「あ、それは全然気にしないで下さい! 好きでやってるんで恩とかないですから」
「いえ、あります! 恩を忘れないのがイヌの基本です、なので絶対にお返しします!」
「そ、そうですか……それよりコテツ殿、つかぬことをお訊ねしますが、コテツ殿はまだご主人を捜したいという気持ちに変わりはないのですか?」
「はい! もちろんですっ」
そうでした、この街に来たのはご主人様を捜すためでした。早くご主人様に会いたいな……寂しいです。
「一応私もこのギルドの知り合いにはキモオタ様のことを訊いてみたのですが、誰も知らないようでした」
しょんぼり。
「大変不躾な事を申しますが、正直言って私はコテツ殿のご主人を快く思っていません!」
「はあ……」
「しかしご主人を捜すお手伝いをすると約束した以上は、私に出来る事はさせて頂きます。なので人捜しの貼り紙を作ろうと思います。もしかしたらキモオタ様本人かそのお知り合いが貼り紙を見るかもしれないので」
「そうしたら見つかりますか!?」
「ええ、運が良ければですが……」
「ありがとうございます! 貼り紙作りたいですっ!」
希望がまた見えてきました! ほんとリリアンさんは最高のおともだちです、大好きです!
リリアンさんはモニカさんに紙とペンを借りて、貼り紙作りを早速はじめてくれました。
「まず似顔絵を描きますが、キモオタ様の顔の特徴を教えて下さい」
「えっと、太っててほっぺたが膨らんでいて、目が細くて丸い鼻から毛が見えていて、唇がイモムシみたいで、脂でベタベタしています」
「な、なるほど……あと眉毛は?」
「眉毛は時々オレの顔にマジックで描いて笑います。とても不愉快です」
「い、いえ、キモオタ様の眉毛を……」
「ご主人様の眉毛は三角です。あ、あとおでこの真ん中に黒くて丸いのが付いています」
「ほくろですね、髪型は?」
「頭の毛並みですか? バリカンという恐ろしい機械で自分で坊主にしていました。チクチクしてイタいです」
「なるほど坊主頭っと……じゃあこんな感じですかね?」
リリアンさんが描いてくれたご主人様の顔は、ご主人様にそっくりでした!
「ちょっとリリアン、あんた絵が下手ねえ」
「うるさい! モニカ」
「てか何よこの気持ち悪い顔は……何かこの人に対してあんた恨みでもあるんじゃないの? 悪意を感じるわ」
「そんなこと……ないけど……でも、あるかも……」
「リリアンさん! すごいです、これご主人様です! そっくりですよっ!」
「そ、そっくりなんだ……良かったね、リリアン」
「ああ、早くご主人様に会いたいなあ」
「……そっか、この人がコテツ殿のご主人なのですね……」
「リリアンさん、ありがとう」
「い、いえ。じゃあ後で魔法で複写しておきますので、それが終わったら明日にでも街に貼りに行きましょう」
オレはとても嬉しかったのですが、リリアンさんは少し悲しそうです。どうしてだろう?
「リリアンさん? なんか悲しいことでもありましたか? オレ心配です」
リリアンさんはちょっとびっくりした顔でオレの顔を見ました。
そしたら今度は泣きそうな顔になったものだから、オレは胸が苦しくなって。
「コテツ殿……そうじゃないんです。ただ、この似顔絵の男がコテツ殿を虐待していたのかと思うと、悔しいというか……ちょっと辛くて……」
虐待とはイジワルのことでしょうか? 確かにご主人様はイジワルもしますね。
でもぶったり蹴ったりはしないし、ご飯も散歩も欠かさないでくれるし、優しく撫でてもくれます。
なんだかリリアンさんの言う虐待って、イジワルとは違うような? ご主人様とは関係ないみたいだけど……
だけど──リリアンさんがオレのことを思いやってくれているのは感じるのです。
「それに……そんな男のことをいまだにご主人様と言って慕っているコテツ殿が、なんだか切ないんです……」
「リリアンさん……」
ふむ、切ないとはなんでしょう? 全然意味がわかりませんが、リリアンさんが優しくて、いま胸を痛めているのはわかります。
「あ、いや、私の勝手な感傷でコテツ殿のご主人に無礼なことを言いました……すみませ──!?」
オレはとにかくリリアンさんに元気になって欲しいんです! だから胸に顔を埋め、口元をペロペロ舐めました。
「こ、コテツどっ?!!!」
「こらーーッ!! こんなところで始めるなあーーーッ!!!」
いたい、痛いですモニカさんっ! なんで無理矢理に引き剥がすんですか?
「ちょっとリリアンっ! なに固まっているのよ! てか何よ、そのニヤけた嬉しそうな顔はっ! キーーッ!」
モニカさんがとても不機嫌そうです。オレは空気の読めるオスなので、関わらないように部屋の隅っこに行って知らんぷりしておきましょう。少し眠いですしちょうどいいです。
「私にもちょうだいよ! イケメンのキスちょうだいよっ! 何であんたみたいにボサボサ頭で、お肌の手入れもされていないカサカサ肌で、化粧っ気もないただの剣術馬鹿女が私よりいい思いしてるのよっ? 底辺女なのにぃ!」
「えっ!? なにっ? 待てモニカ!」
「私の方がずっと女子力が高いのにっ! 許せない、許せないっ、こんな経験のない女なんか私のテクニックの足許にも及ばないのにぃッ!」
「ええいっ待てというに! おまえいま言ったことは本当か?」
「なにがよっ」
「その、頭ボサボサで肌がカサカサで、底辺女というのは……」
「その通りじゃない、なにさ、怒ったの?」
「いや……そうじゃない、私の見た目とは女としてそんなに酷いものなのか?」
「そうね、素材はいいけどね。美人だし。でも女としての魅力はゼロだわ」
「ぜ、ゼロ……」
「それが証拠にあんた、男にナンパされたことないでしょ?」
「な、ない……い、いや、あるっ! 手合わせを願いたいと勝負を挑んでくる男はいるぞっ!」
「馬鹿なの? ねえ、あんた馬鹿なの? それただの果し合いじゃないっ!」
「ち、違うのか……」
「べつにあんたが男に興味がないのならそのままでもいいのよ? 私が言うのも何だけど、女にとって男が全てみたいな考え方はアホらしいと思うし」
「むろん男に興味などはないっ! し、しかし……」
「コテツさんには興味があると?」
「げっ! な、なぜそれを……」
「コテツさんにも女として興味をもってもらいたいと?」
「わーっ、わーっ、わーっ、それ以上言うなーッ!」
「はぁ、仕方のない娘ねえ……じゃあさ、とりあえずコテツさんに好きな髪型でも訊いてみたら? そのボサボサ頭はちょっと酷すぎよ?」
「そ、そうか! モニカありがとうっ! コテツ殿っ! コテツ殿はどちらに!?」
いい気持ちで眠くなっていたのになんでしょうか?
いまあの二人には関わってはダメだという匂いをビシビシ感じるのですが……
「やっ、こんな所でまた寝て! いや今はそれどころじゃないんです、コテツ殿、コテツ殿の好きな髪型を教えて下さい!」
「髪型? ですか?」
「そうです!」
髪型というのは頭の毛並みのことでしたね。うーん、オレの好きな毛並みといえば……
「シナモンちゃんみたいなのです」
「くっ! またその女性ですか……いや昔のことは何も申しますまい! それでそのシナモン殿はどのような髪型なのでしょう?」
「えーと、モコモコ? 毛が短くてクルクル巻いてて、それでモコモコのフワフワです」
「わかりました! ありがとうございます!」
「いやいやリリアン、ちょっと落ち着け!」
「うるさいモニカ、邪魔するな」
「だってあんた、今聞いた髪型ってどう考えてもパンチパーマだよ?」
「だからなんだ?」
「なんだって……あんたそのパンチパーマにしてくる気でしょ!? それ見て笑い者にしたい気もするけど、さすがに女友達として黙っていられないわよ!」
シナモンちゃんの毛並みはパンチパーマというのですか。しかしあれはトイプードルだけの正義です。特別なのです。
「モコモコのフワフワなのだから、アフロかもしれんだろ?」
「どっちにしろあんたには似合わないわよ!」
「オレもリリアンさんでは似合わないと思います」
「えっ!? ガーン……コテツ殿まで? そ、そんなあ……じゃ、じゃあ私はどうしたら!……」
オレはリリアンさんの黒くて長い毛並みを手で透いてみました。
ちなみに手とは前足のことです。オレが前足と言うたびにリリアンさんが手と言い直すので、めんどくさいからこれからは手と言います。
「リリアンさんには、この黒くて長い美しい毛並みを大事にしてほしいです」
「わ、わ、わかりましたーっ! モニカちょっと出掛けてくる! 後のことは頼んだぞっ!」
リリアンさんは飛び出してどこかへ行ってしまいました。
これでようやく静かになりましたね。私はご飯の時間まで寝ます。
では、おやすみなさい。
0
お気に入りに追加
94
あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

少年少女のくすぶった感情ども
赤衣 桃
ファンタジー
自分は無敵なんだと信じていたであろう中学生のアキグチカサナはルイノサキに恋をする。天然な発言やかわいらしい容姿に目を奪われ、野球の試合直前の彼女の励ましによって彼は完全にとどめをさされた。
敗退の悔しささえも共有してくれたサキの気持ちを知らされカサナはますます彼女にのめりこんでいく。
ある日、勇気をふりしぼってカサナは告白をするがサキに振られてしまう。
それでも諦めきれずサキにつきまとうが、彼女の姉に日本刀でばらばらにされてしまった。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。

あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる