蒼穹(そら)に紅~天翔る無敵皇女の冒険 二の巻

初音幾生

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4 アミアン基地の日常

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 その日の夕食は勝った祝いと云うことでイノシシ肉がついて皆大喜びだった。何でも昼間のうちに整備科で狩りをしてきたそうだ。シェルブールの病院に送られる熊木一飛曹も、何のかんのと理由をつけて肉を食べてから運ばれていった。
 その間も洋一は忙しかった。片付けやら洗濯の手配やら、芋の皮むきやら。そして宴会の準備。今日のつまみは茸の油焼きにした。マッシュルームとかいう茸を厨房でもらったので油と塩胡椒で軽く焼いてみた。ちなみに酒は松岡がどこからか調達してきた日本酒と葡萄酒だった。葡萄酒は土地の人から入手したのだろうか。
「整備科にも差し入れに行きます」
 何皿か包んで洋一は席を立った。気を遣わなければいけない相手は飛行科だけではない。後の片付けは松岡に押しつける。
 整備科の方でも宴会は盛り上がっていた。飛行場にいた分、こちらの方が食べ物も酒も多い。
「あれ、朱音……小野三技曹は?」
 酔っぱらいたちを見回して洋一は云った。朱音の姿が見えない。
「ああ、朱音ちゃんならローバーかソッピーズの連中に呼ばれていったよ」
 近くにノルマンの航空会社があるので彼ら整備科はそちらの支援も行っていた。
「ノルマン語上手だからねぇあの子」
「朱音ちゃんの手料理が食えないのは残念だなぁ」
 酔っ払いに洋一はわざとらしく声を潜めていった。
「あいつねぇ、料理下手なんですよ」
「またまたぁ」
 盛り上がっている宴席から、洋一は再び離れる。まったくもって下っ端は忙しい。だが実は役得もある。夜の闇に紛れて洋一は更に別の場所へと向かった。
 彼らは牧場を接収して飛行場にしているため、宿舎も当然牧場の施設だった。整備科は納屋を改造して使っているし、飛行科に至っては牛舎に床を張って使っていた。本来の居住区は士官と本部要員に割り当てられている。洋一が向かったのはその士官用宿舎だった。
 少し離れになった場所に向かう途中、側車サイドカーとすれ違う。姿勢を正して敬礼すると、運転手が返礼するが側車の将校はこちらに気づかなかったらしい。誰だかは見当はつく。全く忙しいだろうに。いささかあきれながら洋一は扉の前に立つ。襟を直して姿勢を正す。
「失礼します。丹羽三飛曹、入ります」
「どうぞ」
 扉を開けるとこぢんまりした部屋に紅宮綺羅が座っていた。上着を脱いだシャツ姿でくつろいだ格好をしているが、一枚の絵画のように美しかった。
「お夜食をお持ちしました」
「お、待っていたんだ」
 洋一は風呂敷で包んで持ってきた皿を部屋にいたもう一人の人物に渡す。
「ありがとうございます、どうぞおかけになってください」
 藍の矢絣の和服に前掛けをつけた姿の嶋村槙が優雅に洋一の分の紅茶を煎れる。
 格好の通り彼女は紅宮綺羅の女中だった。年は綺羅より一つ上で幼少より紅宮家に仕えてきた。綺羅が海軍士官となったので従兵という形で綺羅の世話をしている。異例もいいところだったが、何しろ紅宮綺羅が普通ではないのだ。
 派手な綺羅様の後ろにいると目立たないが、白磁の肌に黒髪が映える秋津人形のような美しさは、また違った花が咲いたようである。宮様とはやはりすごいものだ。洋一は恐縮しながらお茶をもらう。
「さっきまで麻倉が来ていたんだがな」
「ええ、さっきお見かけしました」
 やっぱり先ほどすれ違った側車は彼だったか。まさか中隊長が門限破りをするわけにも行かないからぎりぎりで帰って行ったのだろう。
「あいつもなかなか学生気分が抜けないなぁ」
 麻倉が手土産に持ってきた葡萄酒を眺めながら綺羅は云った。理由は違うだろうになぁ。少しだけ同情したが洋一は黙っていることにした。
「お酒のつまみですと、こちらマッシュルームの油焼きです」
 最初の皿は隊の銀バエ用と同じもの。ただし一番できのいいのを持ってきた。
「そしてこっちはジャガイモの茶巾絞りです」
 これは飛行科にも出していない、綺羅様のための一皿だった。有り余るジャガイモに砂糖を入れて練って、秘蔵の甘納豆を彩りに添えた。牛乳を入れて少し洋風にするのがコツだった。材料が限られる中ではなかなかのできだと自負していた。
「そうそう、やっぱりデザートがなくてはな」
 そう云って綺羅は実にうれしそうに受け取る。酒も飲むが、実はかなりの甘党だった。
「昨日のプディングもおいしかったよ」
 余り物のパンと牛乳に干しぶどうを加えた簡単なものだったが、好評なようで何よりだった。干しぶどうをブランデーに浸しておいたのが良かったのだろうか。
 銀バエに行く途中を見つかってつまみ食いされたのがきっかけで、何か一品を綺羅に持って行くのがこのところの洋一の日課となっていた。菓子類はそこまで得意ではなかったが、今必死で調理法を研究している。
「槙さん、お皿を三つ」
「ですから綺羅様、私は」
 女中である槙は壁際に下がろうとするが、綺羅は気にせず三人分の席を用意するので仕方なく付く。
 まさか大須の下町育ちの下っ端三飛曹の自分が宮様と差し向かいでお茶を飲めるなんて。八つの頃から料理を仕込んでくれた母さんありがとう。中学に通う条件として家の食事全部作らせた親父、あの時は腹が立ったけど今はすごく感謝している。
「ではいつも通りに」
 綺羅は袖机を開けると無造作に放り込んであった煙草の箱を渡す。将校用の「朝日」だった。
「支給されるけど吸わないからなぁ、余って困ってたんだ。こんなものでいいのか?」
「いいんですよ。これが砂糖やら牛乳やらに化けるんですから」
 身内はともかく現地の人との取引は秋津銭より煙草の方が向いていた。
「今日の作戦、あれで良かったのかな」
 少し酒の回った声で綺羅は云った。
「上々だったと思いますよ」
 新米の洋一がどうこう云える立場ではないが、聞かれたからには答えない訳にもいかない。
「同じ数の敵とやりあって四機撃墜して、なにより未帰還なしですから」
「しかし私がもっと早ければ熊木も松岡も被弾せずに済んだのでは?」
 あの時綺羅機は僚機一機を伴ってより高い高度に位置して、無線で中隊を指揮していた。
「綺羅様だったから間に合ったと思いますよ」
 雲の上のような存在の綺羅様が末端のことを心配してくれるなんて。二人が聞いたらさぞ喜ぶだろう。
「というか最初から私が戦闘参加していたら全部墜とせたんじゃないか?」
 それが本音だったか。洋一は見えない程度に肩を落とした。
「大体上で見てるだけは面白くないんだ。危なくなったら助けに行くって、それはつまり誰かが危なくならないと戦えないじゃないか」
 編隊戦闘をより効率よく行うために中隊長は上空から指揮を執る。それは実際に効果もあるのだが、本音は綺羅をできるだけ危ない目に遭わせないための作戦だった。先頭切って暴れたいだけの人に云っても聞き入れてくれないだろうから、みんな綺羅には黙っていた。
「いや、上で綺羅様が見守ってくれていると思うと、安心感が違いますよ」
 なんとか言葉を選んで綺羅に納得してもらおうと洋一は悪戦苦闘する。ふと槙の方を見ると口元はカップで隠しているが、眼だけが笑っている。自分が普段同じ目に合っているだけに、他人が振り回されるのが面白いのだろう。
「ああいうのは成瀬にでもやらせればいいんだ。よっぽどうまくやるぞ」
 中隊の指揮を先任下士官がやるわけに行かないだろうに。
「成瀬一飛曹は無線使ってくれないですよ」
「知ってるか、彼は無線から魂が吸われると思っていた頃があるらしいぞ。こう耳からきゅうっと」
 そう云って綺羅は手で耳の辺りを引っ張る仕草をする。
「そういえば君は惜しかったな」
「振り切られました。やっぱりフォッカーは速いですね」
急降下ダイブさせたらついて行けない。その前に仕掛けるしかないな。上昇ならまだ勝負になるんだが」
「旋回だったら勝てそうですね」
 十式艦戦の最大の利点はそこだと洋一は思っている。
「一つ気をつけろ。半旋回だけならフォッカーはこちら並みの急旋回ができる。速度が一気に落ちるから続けられないが、加速がいいからそのあとすぐ取り戻せる」
「それはやっかいですねぇ」
 小さくて速い、競技機に機関銃をつけたような機体だったが、腕利きが乗るともっと恐ろしいことになるのだろうか。考え込むとふと槙が立ち上がった。
「失礼します。小野です」
 計ったように声が聞こえてきた。
「どうぞ」
 あらかじめ判っていたかのように槙は扉を開けた。なるほど、自分の時もごく自然に扉が開いたが、内側から見るとこうだったのか。洋一は感心して優秀な女中を眺めた。
「綺羅様、ソッピーズからのお土産を……てなんで洋一がいるのよ」
 入ってきた小野朱音は、座っている洋一を見ると愛想の良い顔を歪めた。
「最近は隊長の夜食係なんだよ」
 誇らしげに胸を反らす洋一を胡散臭げに見る朱音だったが、机の上の品に目がとまる。
「それ、新作?」
「茶巾絞り、ジャガイモで作ったけど割とうまくいったな」
「あり合わせのものを綺羅様に出さないでよ。……で、おいしいの」
 文句を云いながらも目線は卓上の菓子から離せない。この場で一番洋一の料理の腕を知っているのは朱音なのである。
「小野様、こちらへどうぞ」
 槙は自分が座っていた席を自然と朱音に譲って壁際に戻ろうとする。
「じゃあ槙さんはこっちね」
 しかし綺羅は反対側の席を示す。仕方ないといった表情で槙は朱音の分の紅茶を煎れて座った。
「こいつ実家でも飯たかりに来るんですよ」
「余計なこと云わない」
 なんとも不思議な席だった。ただまあ、茶巾絞りは四つ作って良かった。
「それで、今日はソッピーズに呼ばれてたのか」
「ええ、部品調達の交渉に。点火栓はなんとかなりそうです。こちらからは潤滑油を提供することになりました、あ、これ貰ったチョコレートです」
 貰った板チョコを割って茶菓子に加える。中隊の駐留初日に地元との折衝に通訳として参加して以来、朱音のノルマン語は非常に重宝されていた。
「私は中学でもノルマン語は甲でした。貴方は」
 流ちょうなノルマン語で朱音は洋一に話しかける。勝ち誇った顔が腹立たしい。
「私ハ、乙ニ、ナッタコトガ、アリマス」
 中学で習っていたので洋一もできないわけではない。ノルマンに来て、買い物程度はできることも確認できた。しかし学年主席の朱音に比べれば大人と子供である。
「つまりいつも丙だったわけだな。大丈夫洋一君、女の子の一人も口説けば上達する」
 更に流ちょうなノルマン語で綺羅が割り込んでくる。槙は何も喋らないが、目が更に笑っている。
「それくらいにしてくださいよ」
 たまりかねて洋一は秋津語に戻す。
「でも松岡なんかすごいんですよ。あいつ僕より成績悪くってアルファベットと数字しか知らないのに、現地の人相手に値引き交渉してますから」
 一度話しているところを見たが、ほとんど秋津語のまま身振り手振りだけで意思疎通していた。そんな意味不明なやりとりでも牛乳やチーズが手に入るのは彼のおかげだった。
「そういえばソッピーズといえば、すごい戦闘機作っているって聞いたけど」
 洋一は自分の分のチョコレートをかじってから紅茶を飲む。口の中でチョコが溶けて広がる。
「シルバーフォックスね、フォッカー109より速いらしいの」
「それはすごいな」
 あいつより速いのか。世界は広いものだ。
「ただできたばかりでソッピーズとしてはまだまだ改良したいけど、空軍は109に対抗できる戦闘機は一機でもほしいから量産させたがっていて、航空省は工場をマルセイユ辺りに疎開させようとしてもう大混乱」
「今の主力のホーカーハイランダーでは109相手だとちょっと見劣りするし、あれも数が多い訳ではない。まだ複葉のフューリーが飛んでいるしな」
 ホーカーハイランダーはノルマン空軍初の単葉引込脚の戦闘機だが、一部布張りだったりして複葉機の名残を残している。ちょうど戦闘機の切り替え時期に戦争が始まってしまったのがノルマン空軍の不幸であった。
「でもうちの十式艦戦もかなり無理をして欧州派遣してるってはなしですよね」
 翔覽航空隊二個戦闘機中隊で約三十機、それとランスに展開している第十二航空隊の約三〇機、計六〇機がこの欧州に展開している十式艦戦のすべてだった。十一空と十三空が合わせてあと百機ほど六式艦戦を装備しているが、かなり心許ない。
「前線に出せる十式艦戦すべて持ってきているからなぁ。とにかくフォッカーと渡り合える機体が必要だ。しかしブランドル空軍二千機の前では焼け石に水だろうが」
「聞いた話じゃ陸軍はまだ審査中のキ四三を持ってきているそうですよ」
 どこもかしこも無茶な話ばかりだった。
「でもシルバーフォックス本当にすごいのよ。モーガンエンジンも過給器の設計は秋津より進んでるし、いろいろ参考になるの」
 最新技術に触れられて朱音は興奮している。流れるように槙が立ち上がったのはそんなときだった。扉に歩み寄ったところでノックが聞こえてきた。
「失礼します隊長」
 扉の向こうから現れたのは中隊のもう一人の将校、池永透中尉だった。洋一と朱音は慌てて立ち上がって敬礼する。
「いいからいいから、あ、嶋村さんもいつもありがとう」
 部下に対しても、女中に対しても池永は腰が低い。中隊長が中隊長らしい仕事をしてくれないので、事務仕事の大半は彼がこなしている。
「遣欧軍より隊長宛に通信が入りました」
 中隊長に通信文を手渡す。目を通すと綺羅は不敵に笑った。
「うん、こちらの提案が通った。ようやく理解してくれたか」
 綺羅の機嫌がさらに良くなる。
「洋一君、明日は出撃はない。ゆっくり休みたまえ」
「あ、ありがとうございます」
「朱音君、整備科は明日頑張って貰う。稼働機を九機にしたいからな」
「喜んで!」
 朱音は席から跳ねるように背を伸ばした。
「池永も久しぶりに飛んで貰うか」
「私もですか」
 本来は池永の方が出撃が多くなるはずなのだが、飛びたがりで書類仕事を投げ出す中隊長のおかげで地上からなかなか離れられないでいた。
「熊木が後送されたからな。たまには飛ばないと腕がなまるぞ」
 元凶なのに綺羅は諭すように云った。
「大規模な、作戦ですか」
 洋一も僅かに興奮しながら尋ねる。明日休めと云うことは、その次の日に自分も搭乗割に含まれることになる。
「ちょっとベルリン観光をね」
 綺羅は気楽に云ってみせるが、洋一と朱音は目を見開いた。
 ベルリン。敵の首都ではないか。
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