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9 敵艦隊へ攻撃
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「こちらクレナイ一番。今のうちに戦闘体勢を整えとけ。ペラピッチは低、ラジエータフラップ開、燃料コックを主翼タンクに切り替え。まだ増槽は捨てるな」
ただ降下している間にやることは多い。云われた通りに急いであれやこれやを操作する。終えたところで視線を前に向けると、艦爆が目標に挑みかからんとしていた。
九式艦上爆撃機。固定脚ながら全金属単葉の海軍期待の新型艦爆。搭載爆弾は二十五番(二百五十㎏)と艦攻に比べて三分の一ほどだが、急降下爆撃によって動く艦船であろうと命中させられる精度を誇る。そして彼等が狙うのは敵大型空母の甲板だった。
後部座席を見ると、機銃手がこちらに気がついて軽く手を上げる。たしか艦攻班の練習生がそこに座っているはずだった。もう片方の手で、彼は写真機を向けてきた。自分たちを撮った後で、身を乗り出して目標の空母を狙うようだった。投弾まで撃つわけにも行かないから機銃手は暇なのだろうか。
スロットルは一番絞っているがそれでも艦爆を追い抜きそうになる。艦爆には急降下ブレーキがついているので「ゆっくり急降下」が出来る。急降下に関してはやはり彼等本業にはかなわない。洋一も綺羅に倣って軽く左右に蛇行させる。
目標である空母がはっきり見えてきた。恐らく翔鸞なみに大きい。洋一たちが護衛についている艦爆隊が狙っているのは左後ろの空母。もう一隊は右後ろの空母を狙っている。艦首に大きくブランドルの三ツ矢が描かれている。にしても、随分とでかい煙突だな。洋一はしげしげと観察した。複数の煙突を束ねて箱状にしているのだが、あれではまるで弁当箱ではないか。
次いで振り返って周囲を見る。待機している輪に乱れはある。順番を割り込んだ跳ねっ返りにしては妙であるとは思っているのだろう。だがまだ輪を描き続けていて自分たちを攻撃しようとしているのは居ない。よし、やれるぞ。艦爆隊に視線を戻すと、腹の爆弾が揺らいだように見えた。
最初はゆっくりと胴体から爆弾が離れる。次いで投下装置によってプロペラ圏外にまで押し出される。切り離されると九式艦爆は軽く浮かび上がった。
空母の左舷側の機関砲が小さな光を放った。ようやく気がついたのだろう。だがもう遅い。同時に投下された三発の二十五番爆弾は吸い込まれるように空母に向かっていった。
「少年、増速するぞ」
綺羅機が無線と同時に僅かに引き起こし、加速し始める。洋一もそれに続いた。ほぼ水平になり、目標としていた空母を追い抜いた。
振り返ると大きな水柱が空母を挟んでいた。肝心の空母はと思った瞬間に薄黒い煙が上がった。
「ざまあ見ろ、翔鸞の仇だ!」
内藤中尉の叫びが無線から聞こえてきた。他にも艦爆隊の歓声が飛び込んでくる。振り返ると派手に舞い上がったドミトリー雷撃機がひっくり返って海面に落ちて行くのが洋一は見えた。いつまでも見とれていたいが誘惑を振り切って急いで周囲を見回した。
流石に異常事態には気づいたらしい。着艦待機の輪は千々に乱れている。だが何が起こっているかを把握できている者はごく少数のようだった。みな右往左往している。ドミトリー雷撃機はあてもなく低空を逃げ始める。スツーカが意味も無く上昇と下降を繰り返している。車輪を出して着艦体勢に入っていたマムール戦闘機は慌てて高度を取ろうとしている。
敵に紛れて投弾するという離れ業は達成できた。後はこの混乱に乗じて離脱できるかにかかっていた。左側の駆逐艦の一隻が対空砲火を撃ち上げ始めた。だがそれが更なる混乱を巻き起こしている。上空には味方機も多数いるのだ。
もう少し混乱していてくれ。そうすれば離脱できる。祈るような気持ちで洋一は前を見た。紅い尾翼の十式艦戦は更に加速する。
「少年、ちょっと付き合え」
綺羅が増槽を投下する。糸を引くように燃料を放ちながら白い分身は落下していく。洋一もそれに続くべく増槽の投下レバーを引いた。機体が浮かび上がろうとするのを押さえ込むように操縦桿を押すと、ぐんと加速したのが判った。
「離脱するんじゃないんですか」
艦爆隊はすでに左旋回して駆逐艦の脇をすり抜けようとしている。なのにこちらは針路を変えずに降下を続けている。
「せっかくだ、ご挨拶と行こうじゃないか」
そう云って向かう先には、空母がいた。旗が他の艦よりも多いと云うことは、旗艦かもしれない。二機は一気に高度を下げた。
目の前には今まさに着艦しようとしていたスツーカがいる。後は制動索を引っかけるだけ。だが後ろからものすごい勢いで迫る謎の機体のために慌てて左によけた。それがちょうど洋一の目の前に飛び出してきたのでもっと慌ててよける。その空いた空間を、綺羅の十式艦戦は我が物顔で通過した。
高度は甲板の上十mもない。四十五度ほど機体を傾けると、ほぼ同じ高さの艦橋に向かって綺羅は粋に敬礼してみせた。
洋一もその後ろに続く。続かざるを得ない。流石に敬礼する余裕はなかった。こいつもまた、形は違うが煙突が大きかった。
「ようし、挨拶は済ませた。仕事に戻るぞ」
僅かに上昇しながら綺羅は大きく旋回する。
「少年、距離を詰めてついてこい。私が撃ったら合わせて撃て」
随分と大雑把な指示だった。しかし今の洋一に効果的な編隊戦闘が出来るとも思えない。
「安心しろ。私の後ろが一番安全だ」
ああそうだ。世界で一番危険で、世界で一番安全な場所だ。洋一はそう確信した。
大きく旋回した向こうに、低空を這うように飛ぶ九式艦爆の編隊が見えた。爆弾を投下して身軽になったのでかなり速そうだった。だがそれでも戦闘機の方が速い。背後からマムール戦闘機が迫っているのが洋一にも見えた。
敵機も気になるが洋一の眼は斜め前の綺羅機に注がれていた。動き出しの兆候を少しでも速く捉える。旋回を戻して水平飛行に入る。そして機首が紅く光った。ためらわずに洋一も引き金を引いた。
強い衝撃と共に放たれた二機の機銃弾は斜め前からマムールを襲う。角度が悪かったので火線が交錯したのはほんの一瞬であったが、機体を破壊するには充分だった。灰色の煙を盛大に吐き出したかと思うと海面に吸い込まれるように刺さった。
墜ちた。墜ちたんだ。喜んだ瞬間に綺羅機がまた旋回に入ったので、洋一は慌ててそれに続く。
「いいぞ、もっと寄せろ。しっかりついてこい」
綺羅の声が耳に飛び込む。僅かな兆候でも見逃すまいと洋一は紅い尾翼を凝視する。今後ろに回ろうとしている敵機が居るはずだが、そちらを見る余裕はない。
もっと早く動きを読むんだ。そう思ったところで洋一は閃いた。舵を見ればいいんだ。理屈はともかく同じ舵を切れば多分同じ動きになる。ますます周りを見ている余裕はなくなるが、何を信じるかと聞かれれば答えは決まっている。紅宮綺羅だ。
補助翼が右に切られたかと思うと今度は思いっきり昇降舵が引かれる。視界の端で水平線が下に下がっていくので、恐らくこれは宙返りに入ったのだろう。強い荷重が身体全体を締め上げる。何度味わっても苦しい。それでいてどこか気持ちがいい。恐らくこれまで乗ったどの機体よりもきつくて心地が良い。
宙返りの恐らく底だろう。一番荷重がきつくなるところだ。視界がうっすらと暗くなるが構わず洋一は引き続ける。何しろ綺羅様が引き続けているから、自分もそれに続くのは当然なのだ。
僅かに傾けながら更に宙返りが続く。二度目は空に描く円を斜めに傾ける。横方向の荷重も味わいながら洋一は操縦桿を引き続けた。
不意に綺羅機の昇降舵が下げに転じる。斜め宙返りを緩めてふと前を向くと、驚くほど近くにマムールの太い胴体があった。
これはいける。そう思った瞬間に綺羅が発砲したために、洋一も本能のままに引き金を引く。再び甘美な衝撃が洋一を揺るがす。前方ではマムール戦闘機が紅蓮の炎に包まれながら海に向かっていった。
「よし、もう一機は逃げた。こちらも逃げるぞ」
相手の編隊の最後の一機はあっという間に仲間が墜とされたことに恐れをなしたのか、あっさり遁走していた。もちろん他にも追ってくるのは居るがまだ距離がある。九式艦爆の後ろについて緩やかに高度を取りながら逃げ出した。
ただ降下している間にやることは多い。云われた通りに急いであれやこれやを操作する。終えたところで視線を前に向けると、艦爆が目標に挑みかからんとしていた。
九式艦上爆撃機。固定脚ながら全金属単葉の海軍期待の新型艦爆。搭載爆弾は二十五番(二百五十㎏)と艦攻に比べて三分の一ほどだが、急降下爆撃によって動く艦船であろうと命中させられる精度を誇る。そして彼等が狙うのは敵大型空母の甲板だった。
後部座席を見ると、機銃手がこちらに気がついて軽く手を上げる。たしか艦攻班の練習生がそこに座っているはずだった。もう片方の手で、彼は写真機を向けてきた。自分たちを撮った後で、身を乗り出して目標の空母を狙うようだった。投弾まで撃つわけにも行かないから機銃手は暇なのだろうか。
スロットルは一番絞っているがそれでも艦爆を追い抜きそうになる。艦爆には急降下ブレーキがついているので「ゆっくり急降下」が出来る。急降下に関してはやはり彼等本業にはかなわない。洋一も綺羅に倣って軽く左右に蛇行させる。
目標である空母がはっきり見えてきた。恐らく翔鸞なみに大きい。洋一たちが護衛についている艦爆隊が狙っているのは左後ろの空母。もう一隊は右後ろの空母を狙っている。艦首に大きくブランドルの三ツ矢が描かれている。にしても、随分とでかい煙突だな。洋一はしげしげと観察した。複数の煙突を束ねて箱状にしているのだが、あれではまるで弁当箱ではないか。
次いで振り返って周囲を見る。待機している輪に乱れはある。順番を割り込んだ跳ねっ返りにしては妙であるとは思っているのだろう。だがまだ輪を描き続けていて自分たちを攻撃しようとしているのは居ない。よし、やれるぞ。艦爆隊に視線を戻すと、腹の爆弾が揺らいだように見えた。
最初はゆっくりと胴体から爆弾が離れる。次いで投下装置によってプロペラ圏外にまで押し出される。切り離されると九式艦爆は軽く浮かび上がった。
空母の左舷側の機関砲が小さな光を放った。ようやく気がついたのだろう。だがもう遅い。同時に投下された三発の二十五番爆弾は吸い込まれるように空母に向かっていった。
「少年、増速するぞ」
綺羅機が無線と同時に僅かに引き起こし、加速し始める。洋一もそれに続いた。ほぼ水平になり、目標としていた空母を追い抜いた。
振り返ると大きな水柱が空母を挟んでいた。肝心の空母はと思った瞬間に薄黒い煙が上がった。
「ざまあ見ろ、翔鸞の仇だ!」
内藤中尉の叫びが無線から聞こえてきた。他にも艦爆隊の歓声が飛び込んでくる。振り返ると派手に舞い上がったドミトリー雷撃機がひっくり返って海面に落ちて行くのが洋一は見えた。いつまでも見とれていたいが誘惑を振り切って急いで周囲を見回した。
流石に異常事態には気づいたらしい。着艦待機の輪は千々に乱れている。だが何が起こっているかを把握できている者はごく少数のようだった。みな右往左往している。ドミトリー雷撃機はあてもなく低空を逃げ始める。スツーカが意味も無く上昇と下降を繰り返している。車輪を出して着艦体勢に入っていたマムール戦闘機は慌てて高度を取ろうとしている。
敵に紛れて投弾するという離れ業は達成できた。後はこの混乱に乗じて離脱できるかにかかっていた。左側の駆逐艦の一隻が対空砲火を撃ち上げ始めた。だがそれが更なる混乱を巻き起こしている。上空には味方機も多数いるのだ。
もう少し混乱していてくれ。そうすれば離脱できる。祈るような気持ちで洋一は前を見た。紅い尾翼の十式艦戦は更に加速する。
「少年、ちょっと付き合え」
綺羅が増槽を投下する。糸を引くように燃料を放ちながら白い分身は落下していく。洋一もそれに続くべく増槽の投下レバーを引いた。機体が浮かび上がろうとするのを押さえ込むように操縦桿を押すと、ぐんと加速したのが判った。
「離脱するんじゃないんですか」
艦爆隊はすでに左旋回して駆逐艦の脇をすり抜けようとしている。なのにこちらは針路を変えずに降下を続けている。
「せっかくだ、ご挨拶と行こうじゃないか」
そう云って向かう先には、空母がいた。旗が他の艦よりも多いと云うことは、旗艦かもしれない。二機は一気に高度を下げた。
目の前には今まさに着艦しようとしていたスツーカがいる。後は制動索を引っかけるだけ。だが後ろからものすごい勢いで迫る謎の機体のために慌てて左によけた。それがちょうど洋一の目の前に飛び出してきたのでもっと慌ててよける。その空いた空間を、綺羅の十式艦戦は我が物顔で通過した。
高度は甲板の上十mもない。四十五度ほど機体を傾けると、ほぼ同じ高さの艦橋に向かって綺羅は粋に敬礼してみせた。
洋一もその後ろに続く。続かざるを得ない。流石に敬礼する余裕はなかった。こいつもまた、形は違うが煙突が大きかった。
「ようし、挨拶は済ませた。仕事に戻るぞ」
僅かに上昇しながら綺羅は大きく旋回する。
「少年、距離を詰めてついてこい。私が撃ったら合わせて撃て」
随分と大雑把な指示だった。しかし今の洋一に効果的な編隊戦闘が出来るとも思えない。
「安心しろ。私の後ろが一番安全だ」
ああそうだ。世界で一番危険で、世界で一番安全な場所だ。洋一はそう確信した。
大きく旋回した向こうに、低空を這うように飛ぶ九式艦爆の編隊が見えた。爆弾を投下して身軽になったのでかなり速そうだった。だがそれでも戦闘機の方が速い。背後からマムール戦闘機が迫っているのが洋一にも見えた。
敵機も気になるが洋一の眼は斜め前の綺羅機に注がれていた。動き出しの兆候を少しでも速く捉える。旋回を戻して水平飛行に入る。そして機首が紅く光った。ためらわずに洋一も引き金を引いた。
強い衝撃と共に放たれた二機の機銃弾は斜め前からマムールを襲う。角度が悪かったので火線が交錯したのはほんの一瞬であったが、機体を破壊するには充分だった。灰色の煙を盛大に吐き出したかと思うと海面に吸い込まれるように刺さった。
墜ちた。墜ちたんだ。喜んだ瞬間に綺羅機がまた旋回に入ったので、洋一は慌ててそれに続く。
「いいぞ、もっと寄せろ。しっかりついてこい」
綺羅の声が耳に飛び込む。僅かな兆候でも見逃すまいと洋一は紅い尾翼を凝視する。今後ろに回ろうとしている敵機が居るはずだが、そちらを見る余裕はない。
もっと早く動きを読むんだ。そう思ったところで洋一は閃いた。舵を見ればいいんだ。理屈はともかく同じ舵を切れば多分同じ動きになる。ますます周りを見ている余裕はなくなるが、何を信じるかと聞かれれば答えは決まっている。紅宮綺羅だ。
補助翼が右に切られたかと思うと今度は思いっきり昇降舵が引かれる。視界の端で水平線が下に下がっていくので、恐らくこれは宙返りに入ったのだろう。強い荷重が身体全体を締め上げる。何度味わっても苦しい。それでいてどこか気持ちがいい。恐らくこれまで乗ったどの機体よりもきつくて心地が良い。
宙返りの恐らく底だろう。一番荷重がきつくなるところだ。視界がうっすらと暗くなるが構わず洋一は引き続ける。何しろ綺羅様が引き続けているから、自分もそれに続くのは当然なのだ。
僅かに傾けながら更に宙返りが続く。二度目は空に描く円を斜めに傾ける。横方向の荷重も味わいながら洋一は操縦桿を引き続けた。
不意に綺羅機の昇降舵が下げに転じる。斜め宙返りを緩めてふと前を向くと、驚くほど近くにマムールの太い胴体があった。
これはいける。そう思った瞬間に綺羅が発砲したために、洋一も本能のままに引き金を引く。再び甘美な衝撃が洋一を揺るがす。前方ではマムール戦闘機が紅蓮の炎に包まれながら海に向かっていった。
「よし、もう一機は逃げた。こちらも逃げるぞ」
相手の編隊の最後の一機はあっという間に仲間が墜とされたことに恐れをなしたのか、あっさり遁走していた。もちろん他にも追ってくるのは居るがまだ距離がある。九式艦爆の後ろについて緩やかに高度を取りながら逃げ出した。
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