蒼穹(そら)に紅~天翔る無敵皇女の冒険~ 一の巻

初音幾生

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5 そして初めての撃墜

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「丹羽練習生、君がやりたまえ」
 意外な言葉が返ってきた。
「君が乗っているのは艦上戦闘機だ。母艦を攻撃してくる敵機を墜とすために生まれてきた」
 たしかにそうだが、今の洋一は無断で乗っているのを怒られているところなのだ。
「今こそ、その使命を果たす時だとは思わないかな」
 しかし紅宮綺羅はそのようなことは些事であるようだった。
「わ、判りました。これより敵機を攻撃します」
 腹を括って洋一は攻撃準備に入る。機首上に七・七㎜機関銃が二丁。これは彼が普段の訓練で乗っている六式艦戦と同じだった。初弾を装填しようとして洋一の手が止まった。
「あの、左の機銃に青い布が巻いてあるのは何でしょうか。それと右は装填把に紐が結んでるんですが」
「ああ、そういえば云ってなかったか。今日は射撃訓練の予定だったからな。左には染料弾が入っている。右には実弾が入っているから、間違えないように紐で縛ってあるんだ」
 射撃訓練は曳航機が引く標的の吹き流しを撃って、あとで回収してどれだけ命中したか確認する。その時誰が撃った弾か分かるように、弾に染料が仕込まれていた。
 染料弾は通常弾に染料を仕込んである。多少の攻撃力はあるが、徹甲弾と焼夷弾は入っていない。飛行機を破壊する手段としてはあまり期待できないのだ。とすると有効なのは右側の一丁だけか。縛ってある紐を外して、洋一は七・七㎜機銃の初弾を装填した。気休めだが左もついでに装填する。
「安全装置はスロットルの後ろの黒レバーだ」
「ありました。行きます」
 スロットルを全開にして、軽く機体を沈み込ませて加速する。たしかに速度の伸びが全然違う。みるみるうちに敵が大きくなっていく。
 洋一は頭の中でこれからの行動を組み立てる。接近して、照準を合わせて撃つ。これでも標的射撃の成績は班内でも上位三人に入るんだ。やれる。言い聞かせたところで照準を覗き込もうとしたところで洋一は慌てて無線に手を伸ばした。
「あの、これ照準どうなってるんですか」
 操縦席前には訓練で見慣れた筒型の照準器の代わりに、何やらガラス板で組み合わされた謎のものが据え付けられていた。
「お、少年はOPL照準器は初めてかな」
 なんだか嬉しそうに綺羅が教えてくれた。
「八式射爆照準器だ。陸軍もまだ採用していない新型だぞ。配電盤のOPLと書かれたスイッチを入れたまえ」
 云われるがままに洋一はスイッチを入れる。
「うわっ」
 思わず声が出てしまった。斜めのガラス板に光の十字線が描かれた。
「スクリーンに光像が映し出されるだろう。これで望遠鏡を覗き込まなくていい」
「いやこれ頭が動いたら照準の意味が……えぇ?」
 何の気なしに頭を横に動かしたら照準も合わせて動いた。
「無限遠に照射してくれるから頭の位置がどこだろうと照準方向をちゃんと示してくれる。中々良いだろう」
 綺羅は自分のことのように自慢した。理屈はよく判らないが、便利であることは確かだった。
 兎にも角にも射撃準備は整った。ほぼ真後ろから接近しているが相手はまだ気づいていない。徐々に大きくなる目標を照準に捉え、狙いを定める。
「照準は目標の少し前。ギリギリまで目標に接近するんだ」
 弾の後落と重力によるお辞儀を考慮して機首の上端辺りに照準を合わせる。
「射撃するときは銃把に力を込めすぎない。優しく握るんだ。まだ、もう少し、もう少し」
 照準の一番外側の円と、相手の翼の幅がほぼ同じになる。
「今だ。撃ちたまえ」
 洋一は息を止めて、スロットルについている射撃レバーを握った。
 曳光弾が機首上部から真っ直ぐ前に放たれる。振動が洋一の身体に伝わってくるのがどこか心地よい。銃弾はおおむねドミトリー雷撃機の方へと向かっていく。果たして当たっているのだろうか。
「速度を落とさずそのまま航過しろ」
 綺羅の指示が耳に飛び込んでくる。弾の行方を追いながら標的を見ると、遅まきながら後部の銃手がこちらに気づいて機銃をむけようとしている。たしかに後ろに留まり続けることはできない。
 その前に出来るだけぶち込む。敵機に火花のようなものや破片らしきものが飛ぶのが見える。当たっているのはたしかなのだ。ずんぐりとした胴体が目前に迫るまで洋一は射撃レバーを握り続けた。離すと同時に操縦桿を突いて相手の腹の下をくぐり抜ける。
「そのまま銃手の死角に入って、一度仕切り直すぞ」
 すぐ脇を飛ぶ綺羅機の動きに合わせて、洋一は大きく旋回する。振り返って敵機を見ると、主翼に何箇所か青い跡が付いていて、うっすらと煙らしきものを引いていた。
「やりました、当たってます!」
 おどり上るような気持ちで洋一は報告する。
「まあ悪くないな。あと二回か三回で落とせるだろう」
 未だ殻の付いたひよこであれば上出来と言える成果ではあっただろう。
「だが、悠長に何度も攻撃している余裕は無いぞ」
 気がついたら、翔鸞が先ほどよりずっと大きく見える。
「あと一航過が限度だ。あと一撃で仕留められなければ、翔鸞に魚雷が突き刺さることになる」
 降りる母艦が沈んでしまえば、彼らは海の藻屑になるしかない。
「さて、同じことをしてはらちが開かない。そこで」
 無線の向こうで、洋一は綺羅が笑ったのが判った。
「計器盤の一番左の把手を、思いっきり引きたまえ」
 云われた方を見ると、確かに計器盤の左端に把手が有った。握る部分が赤く塗られている。手をかけてみると重い。思いっきり引かないと、たしかに引けない。体重をかけるようにして引ききると、何やら金属音が聞こえた。
「そうしたらスロットルの親指の釦を手前に引く。そして再び攻撃だ」
 何だかよく判らないが、事態はそれを待ってはくれない。
「今度は後ろの銃手がこちらに気づいている。腹から潜って接近するんだ」
 翼を翻してもう一度攻撃態勢に入る。たしかに相手の後部座席から火線が伸びてる。それをかいくぐるべく先程より深く潜り込ませる。
 高度を下げた分、さっきよりも速い。みるみるうちに相手が近づいてくる。頭上に大きな翼が広がる。その腹の下には大きな円筒、魚雷がぶら下がっている。あれを翔鸞に撃ち込ませる訳にはいかない。
「よく引きつけろ。もっとだ。もっと」
 綺羅の声に合わせて、呼吸が浅くなっていく。感覚が研ぎ澄まされていく。相手との距離が、五十mを切る。
 静かに操縦桿を引いて、洋一は敵機を照準に入れる。照準の外側の輪からはみ出るほど近い。息を止めて、左手で発射レバーを握った。
 胸を突かれるような衝撃が、洋一を襲った。撃たれたかと思ったがそうではない。機首の方から強烈な振動が、機全体を揺るがしていた。
 そして洋一の眼は、敵機に釘付けとなっていた。狙い通り放たれた弾丸はドミトリー雷撃機に到達する。
 まず主翼、何か爆発したかと思ったら、向こうの空が見えていた。
 水平尾翼、左の端に当たっただけなのに、半分以上をもぎ取った。
 エンジンを覆っているカウリングが吹き飛び、シリンダーヘッドが向き出しとなった。すぐに黒煙を吐き出し、胴体の左半分を覆った。
 なぜそうなったのかは判らない。だがこれだけははっきり云える。ただの一撃で、ドミトリー雷撃機は飛行機ではなくなってしまった。 
 自分が引き起こしたことだというのに、洋一は呆然とそれを眺めていた。おかげで危うくぶつかりそうになった。慌てて回避した向こうでは、主翼から白煙が吹き、やがてそれは炎に包まれた。
 向こうでは搭乗員たちが風防を開け、機体から逃げだそうとしていた。後部銃手と一瞬眼が合ったが、彼の眼は恐怖に支配されていた。最早洋一に銃口を向けることはしないだろう。
 炎の中で、主翼が反り始めていることに洋一は気づいた。最初はわずかに、次第に誰の眼にも明らかなほどに。六十度ほど曲がったところで、遂に主翼は引きちぎられた。破片の向こうで、白い落下傘が二つ開くのが洋一に見えた。
 ふと我に返って空を見回すと、もう一機のドミトリー雷撃機も、似たような運命を辿っていた。黒煙を吐きながら海面に突っ込み、ひときわ大きな水柱を上げていた。その上を紅く彩られた尾翼を持つ十式艦戦が飛んでいた。
「い、一体何なんですかこれは」
 洋一には、自分がもたらした事実が信じられなかった。
「二十㎜だよ」
 傍らに寄ってきた綺羅がこちらを見た。
「プロペラ軸に搭載されたモーターカノン、九式二十㎜機銃だ。炸裂弾で主桁だって粉砕できる。こいつの前では防弾板も無意味だ。すごいだろう」
 自分の手が少し震えているのが洋一にも判る。すさまじい破壊力だった。七・七㎜で大した打撃を与えられなかった相手を、ただの一撃で墜としてしまった。この自分が。
「さあて厄介者は全部片付けたらしい。一度母艦に降りるか」
 視線を転じれば翔鸞がすぐそこに居た。春の日差しを浴びてのどかな海を航行しているように見える。先程までの戦闘がまるで嘘のようだった。
 綺羅の十式艦戦が大きく翼を傾けるので洋一もそれに続く。主翼を振りながら艦の直上を通過すると、しばらくして大きく舵を切ると、着艦宜しの旗が揚がった。
「少年、先に降りたまえ。ダウンウィンドは九十五ノット、ファイナルは七十二ノットだ」
 綺羅の指示にあわせた速度にすべくスロットルを絞る。旋回してまず翔鸞と逆行するコース、ノルマン風に云うとダウンウィンドレグに入る。風防を開けて座席を一番上にする。着艦フックも降ろす。着艦準備よし。
「少年、それでいいのかな」
 綺羅のからかう声が耳に入った。
「丹羽です。丹羽洋一」
 ムキになって洋一は答える。
「洋一君、脚は出した方がいいと思うなぁ」
 そう云う綺羅の声は実に楽しげであった。洋一の頭にまた羞恥の血が上る。確か座席の右側のレバー。傾けると引き込んだときと同じような音が聞こえ、今度は両主翼の上面に棒のような物が突き出てきた。脚が出ていることを示す何からしい。
「君は期待通りの失敗をしてくれて、見ていて飽きないなぁ」
 一挙手一投足を観察されてどうにも落ち着かない。これ以上は失敗していられない。ことさらに集中して洋一は着艦に望んだ。
 大きく旋回して最終進入に入る。複葉機の二式練習機に比べれば速いが、それほど焦るほどでもない。あと低速でも舵の利きは悪くない。むしろ六式艦戦よりもしっくりくる。何度か首を横から出して甲板を確認した。よし、行ける。艦尾を通過したのに合わせて洋一は操縦桿を軽く引いた。
 風を掴んだように減速すると、あっけないほど静かにワイヤーを引っかける。十式艦戦は再び艦上に戻った。
 着艦を成功させて洋一は大きく息を吐き出した。まずは安堵、しかしそのうちに憂鬱な気持ちが流れ込んでくる。
 自分は練習生でありながら勝手に実戦機を飛ばしてしまったのである。大目玉なのは間違いない。懲罰棒(バッター)十発だろうか。二十発だろうか。まさか海軍を首になんてことにはならないだろうか。作業員たちによって手早く機が移動される様を見ながら、今更ながら洋一は不安になってきた。
「洋一! 大丈夫だったの?」
 甲高い声が耳に飛び込む。
「勝手に発艦して何してたのよ。心配してたのよ」
 幼なじみの朱音の声が、ずいぶん久しぶりに聞こえた。還ってきたのだ。
「あ、ああ、大丈夫大丈夫。どうってことないって」
 いつもと変わらぬ風を装いなだめようとする。だが朱音は納得する様子もなくきっと洋一を睨みつけると、あろうことか涙を浮かべてしまった。
 あまりのことにどうしていいか判らない。だがどうにかする前に他の練習生たちに洋一はもみくちゃにされてしまった。
「やりやがったなこの野郎」
「どうだった? 新型どうだったんだ?」
 同期たちから手荒い歓迎をうける。
「丹羽、さっき雷撃機をやったのはお前か?」
 同期の松岡が乱暴に肩を組む。
「う、うん。そうだよ。左のを」
「うまくやりやがったなこんちくしょう」
 洋一の肩が痛いほど叩かれる。
「見えてたのか?」
「おう、勝手に発艦した直後と、最後突っ込んできた雷撃機を墜としたところはな」
 そこで松岡はわざとらしく声の調子を落とす。
「だからお前が脚を出しっぱなしで敵に追いかけ回されていたのもばっちり見えてた」
 そこで一同が声を揃えて笑った。
「あそこで綺羅様が来てくれなかったらお前一巻の終わりだったな」
 そこでまた肩といい頭といい派手に叩かれる。
「でもあの雷撃機は凄かったな。一撃でバラバラじゃないか」
「その、二十㎜機銃が凄くって」
「二十㎜だって?」
 新しい単語にまた歓声が上がる。
「で、でも勝手に乗り込んで発艦したから懲罰とかは」
「お前自分でやっといて今更びびるなよ」
「こういうのはやったもの勝ちだろ。それにな」
 松岡は声をひそめた。
「怒る人が居なくなったら誰が懲罰するんだよ」
 洋一は意味が理解できずに松岡の顔を見た。
「清水教官と近藤教官な、爆撃に巻き込まれて死んじまった」
 洋一が空で悪戦苦闘している間に、空母の上でもとんでもないことになっていた。
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